過敏性腸症候群は、20~40歳代の働き盛りの人に多い病気で、ストレスの多い先進国に多い病気と言われています。
ストレス社会が問題になっている日本でも急増している病気のひとつで9~22%の人が苦しんでいると言われています。
過敏性腸症候群はお薬では治りにくく、完治することが難しい病気です。
過敏性腸症候群がどのような病気なのか?そして原因を知り、治すためにはどうすれば良いのか?をご紹介します。
過敏性腸症候群ってどんな病気?
過敏性腸症候群の原因は明らかにされていません。
過敏性腸症候群の特徴は、レントゲンや内視鏡などはっきりした病変がないにも関わらず、腹痛や下痢、便秘、ガス過多などの症状が慢性的に起きます。
過敏性腸症候群の症状は長期化することが多く、仕事や学校などに支障が出ることもあり日常生活の質を著しく低下させてしまいます。
過敏性腸症候群の診断基準
原因が明確ではない過敏性腸症候群ですが、2006年に診断基準がまとめられています。
- 排便により軽快する
- 排便頻度の変化をともなう
- 便形状(便外観)の変化をともなう
この症状が6ヶ月以上前からあり、最近3ヶ月間は上記の基準を満たしていること
過敏性腸症候群の症状は4つに分類される
過敏性腸症候群の症状は、けいれん性便秘の症状によく似ていますが、けいれん性便秘の症状が進んで過敏性腸症候群になる人もいます。
過敏性腸症候群の症状は、大きく4つの症状に分類されています。
下痢型
硬い便またはコロコロした便が25%未満で、やわらかい便、または下痢便が25%以上ある状態。
主な症状としては、ストレスや緊張でお腹が痛くなります。
通勤中や通学中での電車の中や、大切な会議の前、試験の前などストレスや緊張が原因となって腹痛、下痢の症状を慢性的に繰り返します。
便秘型
硬い便またはコロコロした便が25%あり、やわらかい便または下痢便が25%未満の状態。
腸管がけいれんを起こして便が停滞してしまうことで、水分を失い硬くコロコロのうさぎの糞のような便や、短く固まった硬い便になり正常な排便ができなくなり、慢性便秘症のような症状になります。
混合型
硬い便またはコロコロした便が25%以上あり、やわらかい便、または下痢便が25%ある状態。
ストレスが起因して、下痢と便秘を繰り返します。 交代型の場合、腹痛やおなかの張り、お腹がすぐ鳴ってしまうなどその他の症状も伴うことが多いといわれています。
ガス型
過敏性腸症候群の方で、このガス型で悩んでいる人も多く、頻繁にガスが出てしまうのが特徴です。
常に「人前でガスが出ないか」という不安に苛まれ、意識がその一点に集中してしまいストレスになり、そのストレスによって更に症状が悪化してしまうケースもあります。
過敏性腸症候群の原因
過敏性腸症候群の原因は一つではありません。
- 消化管運動異常
- 消化管知覚過敏
- 心理的異常
この3つが主な原因と言われています。
過敏性腸症候群は、命に関わるような病気ではありませんが、症状が改善するまでに長期化していまい、完治することがとても難しい病気です。
過敏性腸症候群が治りにくい理由
それは、過敏性腸症候群の原因によるもので、腸と脳(ストレス)の関係がその症状に深く関与しているのではと言われています。
その理由として、過敏性腸症候群の症状には
- 自律神経失調症
- うつ病
- イライラ
- 睡眠障害
このような精神症状も併発していることが多いことが、何よりの根拠だと言えます。
ストレス社会の環境で、ストレスを取り除くことは難しいことで過敏性腸症候群のようにストレスが深く関与している病気は、完治しにくいんですね。
過敏性腸症候群の発症とセロトニン関係
腸と脳は「脳腸相関」といって、非常に密接な関係があります。 腸には脳と同じ神経が多く分布し、それらは自律神経でつながっているんです。
「腸は第二の脳である」って聞いたことありませんか?
脳に幸福を感じさせる物質ドーパミンやセロトニンは、腸で作られ脳に渡されます。 過敏性腸症候群は、このセロトニンという神経伝達物質が関係していることが指摘されています。
東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎氏によると、セロトニンの約90%は腸にあり普段は脳にはたった2%しかありません。
セロトニンはトリプトファンという必須アミノ酸の一種を原料にして腸内で生成し、脳に送られています。 90%が腸に存在するのは腸内環境が悪化した時、例えば有害な菌が腸に存在する場合など、 セロトニンが反応を起こし下痢やおならを通じて体外に出す役割をしているからです。
腸内環境が悪いと腸で使われるセロトニン量が増え、脳にセロトニンが行き届きにくくなってしまいます。
脳と腸は深く結びついているんですね!
心理的ストレスが便秘や下痢など腸の不調を生む一方、逆に腸の不調がストレスになり、心の不調をもたらし、 治りにくい心身の不調には、この仕組みが働いていることが多いとも言われています。
過敏性腸症候群の治療法
過敏性腸症候群の治療は、基本は生活習慣の改善から!
具体的には食事療法や運動療法になりますが、それでも症状が治まらない場合は、薬物治療なども併せて行うことになります。
食事療法
腸内の健康を考えた食生活へ改善することになります。
便秘型の食事
過敏性腸症候群の症状は、腸管がけいれんを起こすことによって便秘を引き起こしているため、食物繊維を摂ることで、便の固さを正常化する効果が期待されます。
白米を麦飯や玄米食にかえたり、緑黄色野菜、海藻類、コンニャクや茸なども繊維の多い食品なので、バランスよく毎日の食生活に取り入れる工夫をします。
ただし、食物繊維の過剰摂取は、逆に便秘の症状を悪化させてしまうこともあるので、バランスよく食事の中に取り入れるようにしてください。 また、カプサイシンを含む香辛料や大量のアルコールは控えることが必要です。
下痢型の食事
下痢型の場合は、牛乳や冷たい飲み物を控える方がよいとされています。 また、便秘型同様、食物繊維もバランスよく摂取すると効果的とされています。
食物繊維には、大便の水分量を適度な状態に保つ性質があると言われています。
ガス過多の食事
ガス型の場合は、豆類、キャベツなど発酵しやすい食品を制限し、炭酸飲料の多飲にも気をつけるようにしましょう。
症状別に食事の紹介をしましたが、なかなか食生活の改善が難しい人には、乳酸菌サプリメントなどを取り入れるのもひとつの方法かもしれません。
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運動療法
過敏性腸症候群の要因で、一番関係するのがストレスと言われていますので、ウォーキングなどの適度な運動を日常生活に取り入れることによって、ストレス解消の効果が期待できます。
また適度な運動は、生活習慣病など様々な病気の予防にも繋ると考えられているので、健康のためにも軽い運動を少しずつ取り入れる工夫をしましょう。
薬物治療
食事療法や、運動療法などで改善がみられない場合は、同時に症状に応じた薬物治療を取り入れることになります。
過敏性腸症候群の場合は、このような薬が処方されることが多いようです。
- 高分子重合体
- 整腸剤
- 消化管機能調整剤
- 抗うつ薬、抗不安薬などが処方されます。
しかし、抗うつ薬などは副作用が報告されている薬剤になりますし、どんな薬剤であっても残念ながら副作用を伴わない薬剤は存在しません。
症状によっては一時的に投薬も已むを得ないこともありますが、出来る限り薬剤の力を借りることなく改善する方が良いですよね。
何れにしても、腸内バランスの乱れによって生じている病気のひとつですので、腸内バランスの乱れを正常化することで、必ず症状は軽減されます!気長に病気と付き合っていきましょう。
まとめ
過敏性腸症候群の改善には長期化するこが多い病気ですが、焦らず食事や生活習慣を出来る限り見直し、一番の大きな原因とされているストレスの正体を明確にし、一つずつ解決していくことが大切です。
また、過敏性腸症候群の方は頑張り屋さんで、自分で全てのことが背負ってしまう人が多いので頑張り過ぎず、いい加減=良い加減の精神で、たまには人に弱音を言ったり頼ったりすることも、この病気には有効な治療法になります。
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