ウェブブラウザのJavaScript(ジャバスクリプト)の設定が無効になっています。Javascriptが無効になっていると、サイト内の一部機能がご利用いただけません。 好きの反対、の反対の反対。2013年7月20日 21:51またも3Z沖神。糖度低めです。友達とニキビの話をしてて思いついた駄作。想い想われはわかるけど振り振られって人によって逆だったりするんでややこしいですよね。本人たちは真剣に言い合っててお互い大嫌い!って思ってるのに実際ただの痴話喧嘩でお前ら実は仲いいだろとか周りから思われてる沖神が大好きです。よろしければブックマーク、コメント、評価などなどお願いします。学生にとっての、束の間の休息――とはいっても、3Zは元々授業中に緊張感など流れてはいないのだが――それでもやはり休み時間、しかも昼休みとなると、いつもより気が緩むし、おしゃべりだって弾む。「……って言いやがったネ! 最悪ヨ」「まぁ、ひどいわね」姉御がうんうんと話を聞いてくれる。話の内容はといえば、先週コンビニに行ったときの店員の態度について。「だから、そいつに飛び蹴りしてやったアル」「それじゃあ生温いわよ。そんな失礼な人、腕の一本や二本…あら?」「ん? 何ネ?」「神楽ちゃん。ここ……」姉御が、自分の前髪あたりを指差す。米粒でもついているのだろうか。さすがにそれはないか、と思って上を向いても、当然見ることは出来なかった。「ニキビ、できてるわよ」そう言って、姉御は可愛い手鏡を渡してくれた。受け取って見てみると、確かに赤くて小さなニキビがぽつんとできていた。丁度おでこの辺りに出来ているそれは初めて気付くもので、少し驚く。「ほんとネ。全然気付かなかったアル」「神楽ちゃん色白いから、目立ってるわよ」考えてみると、最近お菓子を少し食べ過ぎていたかもしれない。美容だケアだと騒ぐつもりは毛頭ないが、やっぱり少し気が落ち込む。「あ、そうだわ。神楽ちゃん、ニキビで恋占いができるって知ってる?」[newpage]「こいうらない……?」「ええ」姉御が励ますようににっこりと笑った。「『想い想われ振り振られ』っていってね、ニキビの位置で恋愛を占うの」「へー……。そんなの初めて聞いたヨ」「そう? 最近女子のあいだで流行ってるわよ」そんなことを言われても、恋愛ごとには全く興味がないしそういう話をする友達もいないのだから、仕方がない。すなわち、その恋占いとやらにも興味はあまり湧かなかったが、せっかく姉御が話してくれたのだから、と耳を傾ける。「………それで、おでこにできたニキビは何ていうアルカ?」「えぇ…っと、……想い、想われ…振り振られ、だから…おでこにできたニキビは『想い』ニキビよ」「おもい二キビ…?」「そう。神楽ちゃんには、あんまり興味ないかもしれないけどね」「おもい二キビって、どういうことネ?」「うーんと、そうねぇ……」口元に手をあてて考えるような動作をした姉御は、少しして口を開いた。「………神楽ちゃんが、男の子の誰かに恋をしてるってことよ」恋を、してる?「……そんなのいないヨ」「まぁ。私には、一人くらい候補いると思うけど」「え?」その言葉に思わず顔を上げる。それを見て、クスクスと姉御がさらにおかしそうに笑った。私が知らないのに姉御は私の好きな人を知ってるのか、さすが姉御。「…誰アルカ?」ついつい身を乗り出して尋ねると、さらに姉御は意味ありげな笑みを浮かべる。「あら、割と簡単だと思うわよ? みんな思ってるんじゃないかしら」「えー…?」…誰だろう。[newpage]自分で自分の好きな人を考えているなんて一体どんな状況なんだと思うが、私だけ知らないっていうのはなんだか気分が悪い。銀ちゃん…とか?銀髪の担任が頭に浮かぶが、どうもしっくりこない。そもそも、私のクラスにはメガネがいたりゴリラがいたり極度のマヨラーがいたりなんか地味な奴がいたりでまともな男子が1人もいない気がする。「姉御、ほんとに分かんないアル。教えてヨ」降参だと手を合わせて頼むと、姉御はちょいちょいと手招きをした。姉御の口に耳を寄せるようにして、姉御の言葉を待つ。「……沖田さん」………え。まるで思いもしなかった人物の名前に、一瞬時間が止まった。ような気がした。は、と我に返る。「……はぁぁ!? なんで私があんなクソドS好きにならなきゃいけないアルカ!?」「いつも仲良さそうに喧嘩してるじゃない。今日だって」思わず、ついさっき授業中にサドと喧嘩したときのことを思い出した。あれがどうやって見たら仲が良さそうに見えるのか、不思議でしょうがなかった。…教室半壊したのヨ。そう言いたいけれど、ぱくぱくと口が動くばかりで何の音も出てこない。「ほら、『喧嘩するほど仲がいい』って言うし」「……きっと私達は例外アル」「あら、案外本当にそうかもしれないわよ?」「そんなの天地がひっくり返ってもありえないネ」「ひっくり返るかもしれないじゃない」その言葉に、私とサドが腕を組んで仲良さげに歩く姿を想像してしまった。そのあまりの似合わなさに思わず顔が歪む。…うぇ、吐きそう。「想像するだけでヘドが出るアル」「………沖田さんも大変ねぇ…」姉御が苦笑しつつ漏らした言葉は、あまりよく聞き取れなかった。「ん? 姉御、何か言ったアルカ?」「ううん、何でもないわ。……まぁ、占いも所詮その程度ってことよ」「そうアルナ」言いながら、ガタっと席を立つ。「あら、神楽ちゃん。どこへ行くの?」「購買アル。ついでに銀ちゃんにプリント提出してくるネ」重箱にたっぷり入っていたお弁当は、午前中のうちにほとんど食べてしまった。昼休みの数分でその残り全てがお腹におさまってしまったので、パンでも買いに行こうかと思ったのだ。「そう…いってらっしゃい」「いってきますヨ~」[newpage]姉御に別れを告げ、まずは購買へと向かう。毎日毎日購買には人が多く集まり、そのぶん競争率も高い。銀ちゃんのところに行けば、もう間に合わなくなるかもしれない。そう思い購買に顔を出すと、すでに大勢の人でごった返していた。「いつもより多いネ……」とりあえず売り場へ向かい、人ごみの中へ潜り込んだはいいものの、背の低さが仇となって前は全く見えず、しかもだんだんと人に流されて簡単にはじき出されてしまう。「んごぉっ!!!!」さらにはじき出された勢いで尻もちをついてしまった。「痛いアリュゥゥ………」じんじんと痛むお尻をさすりながら、もう一度挑戦しようと再び前を向く。しかし、時は既に遅かった。「はい、今日はみんな売り切れだよ~さぁ帰った帰った!」明るいおばさんの声が虚しく響く。その声を皮切りにして、あんなに大勢の生徒でごったがえしていた購買はあっという間に静かになった。「最悪ネ……」すでにお腹からは空腹を告げる悲しげな音。このまま何も食べないで、この後の授業を乗り越えられる気が全くしない。「うううう…」つい床にしゃがみこむ。もうお腹が空いて動けない。「――…あれ、チャイナ?」[newpage]上から降ってきた声に反応して顔を上げると、片手に食べかけの焼きそばパン、片手には中身がたっぷり詰まっていそうな購買の袋を持った憎々しい好敵手。「何してんでィ、こんなとこで」「……お前には関係ないアル」満腹のときならともかく、今は相手する気になれなかった。ぐぅ。サドに聞こえてしまいそうなくらい大きくお腹が鳴る。聞こえたかな、と思わずサドの顔を覗き込む。もし聞こえてしまっていたら、この上なく面倒くさいことになると今までの経験で分かっているからだ。「…なるほどなァ」…あ、マズイ。サドの目が光った。どうやら、ドSのスイッチがONになってしまったらしい。「購買で買い損ねたって訳かィ」そして、パンを口にくわえたままわざとらしく袋をがさがさとあさる。「…あれ、間違えてこんなもん買っちまってらァ」袋の中から酢昆布を取り出し、目の前にちらつかせる。「……これ、あげやしょうかィ?」「マジでか」実はドSスイッチは入っていなかったのだろうか。意外にもサドはしゃがんでいる私に向かって酢昆布を差し出してきた。「ほら、さっさと立ちなせェ」「おう」あれ、なんか優しい。サドの好感度が酢昆布一枚分上がった。まぁ、それはとにもかくにも。酢昆布がもらえるとなれば体が急に軽くなったようだ。すくっと勢いよく立ち上がって、スカートについてしまったホコリをぱんぱんと軽く叩いて落とした。「ん!」私も手を差し出す。その手があと数センチで酢昆布に届くというときになって、サドはひょいっと酢昆布を上に上げた。身長差があるためどうやっても届かなさそうな距離だ。「…欲しかったら、『お願いします総悟様』って10かぶはぁっ!!!」右ストレートがサドのみぞおちにばっちり決まる。ニキビの相手は、もしいたとしても絶対コイツじゃないと強く思った。