ミノマイシンとは抗生物質の一種で、ミノサイクリン塩酸塩を主成分とします。
抗生物質の中でもテトラサイクリン系に分類され、ペニシリン系やセフェム系の薬では効かない細菌にも効果があります。
細菌が原因のさまざまな病気のほか、ニキビ治療にも使用されることもあります。
■抗生物質の種類
抗生物質の中にはいくつかの種類があり、ミノマイシンはテトラサイクリン系に分類されます。
テトラサイクリン系にはほかにミノペンやビブラマイシンがあり、効果の強さなどに違いがあります。
また、よく使用される抗生物質にクラビットがありますが、クラビットはニューキノロンと呼ばれる抗菌薬の一種です。
クラビットは抗生物質と比べ副作用やアレルギー症状の危険が少ないため、現在広く使用されています。
ミノマイシンには、カプセル、錠剤のほかに主に子ども用として処方される顆粒や、点滴用の静注剤などがあります。
今回は、カプセル、錠剤、顆粒について詳しく見ていきましょう。
ミノマイシンカプセル50mg/ミノマイシンカプセル100mg
ミノマイシン錠50mg/ミノマイシン錠100mg
■剤形
カプセル/錠剤
■成分(1錠中)
ミノマイシンカプセル50mg/ミノマイシン錠50mg
ミノサイクリン塩酸塩 50mg
ミノマイシンカプセル100mg/ミノマイシン錠100mg
ミノサイクリン塩酸塩 100mg
■用法・用量
1日1回または2回の服用になります。
用量はそのときの病状などにより医師が判断するため、決められた用量をよく守ってください。
ミノマイシン顆粒2%
ミノマイシン顆粒は主に子ども用に処方される薬です。
甘みがありますが、抗生物質であるため苦みもあります。
■剤形
顆粒(粉薬)
オレンジの香りと甘味があり、淡橙色
■成分(1g中)
ミノサイクリン塩酸塩 20mg
■用法・用量
通常、小児には体重1kgあたり、本剤0.1~0.2g(ミノサイクリン塩酸塩として2~4mg(力価))を1日量として、12あるいは24時間ごとに粉末のまま経口投与する。
なお、患者の年齢、症状などに応じて適宜増減する。
本剤は、用時水を加えてシロップ状にして用いることもできる。
1日1回または2回の服用になります。
子どもが服用する場合、用量は主に体重によって変わります。
処方された際の医師からの指示を守ってください。
■子どもへの飲ませ方
ミノマイシン顆粒はチョコクリーム、ピーナッツクリーム、ガムシロップなどに混ぜると飲みやすくなるといわれています。
甘味が強く、半固体の食品と食べさせてしまうことによって子どもも抵抗なく薬を飲むことができます。
反対に、ミノマイシン顆粒と味の相性がよくないのは、お茶や、柑橘系などの酸味のあるジュースです。
ミノマイシン顆粒の苦みを増幅させることがあります。
また、カルシウムが含まれる乳製品と一緒に飲むとミノマイシンの効果が弱まる可能性があるため、アイスクリームなどとの併用は避けるようにしてください。
近年、子どもに薬を飲みやすくするため、ゼリー状のオブラートなどの商品も増えてきました。
子どもに安心して薬を飲んでもらうために、このような商品に頼るのもひとつの方法です。
ミノマイシンはさまざまな細菌を鎮静化する作用があるため、細菌によって起こる病気や症状に効果があります。
錠剤・カプセルと顆粒で適応菌種などに若干の違いがありますが、基本的な効果は同じです。
ミノマイシンが効果を発揮する適応菌と、治療に効果があるとされる適応症は以下の通りです。
■適応菌種
■適応症
適応症
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、骨髄炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎を含む)、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、精巣上体炎(副睾丸炎)、尿道炎、淋菌感染症、梅毒、腹膜炎、感染性腸炎、外陰炎、細菌性腟炎、子宮内感染、涙嚢炎、麦粒腫、外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎、化膿性唾液腺炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、上顎洞炎、顎炎、炭疽、つつが虫病、オウム病
ミノマイシンはニキビに効果がある?!
ミノマイシンはさまざまな菌を抑える効果があり、ニキビの原因となる菌に対しても同様の効果があります。
そのため、皮膚科ではニキビ治療を目的としてミノマイシンが処方されることがあります。
ニキビの原因菌を鎮静化するためまずミノマイシンでニキビの症状を抑え、塗り薬などと併用するという方法が一般的です。
にきびは医学的に尋常性痤瘡(ざそう)と呼ばれ、日本皮膚科学会の尋常性痤瘡治療ガイドラインには、ミノマイシンの主成分であるミノサイクリンのにきびへの効果について、以下の記述があります。
痤瘡(炎症性皮疹)に抗菌薬内服は有効か?
推奨度:A(ミノサイクリン,ドキシサイクリン)推奨文
痤瘡(炎症性皮疹)に対して,ミノサイクリ ン内服を強く推奨する.解説
ミノサイクリンは,抗菌作用のみならず,リパー ゼ活性抑制作用,白血球遊走抑制作用,活性酸素抑制作用などがあることが知られており,痤瘡に対して抗炎症作用を期待して処方されることも多い.
ミノサイ クリンは,27 件の RCT をもとにした systematic review1)において推奨されている.プラセボ,テトラサイ クリン,ドキシサイクリン,クリンダマイシン外用, エリスロマイシン外用,イソトレチノインなどとの比 較試験である.
以上より,痤瘡(炎症性皮疹)に対する塩酸ミノサイクリン内服を強く推奨する.
これによると、にきびの治療にミノマイシンは効果があることが認められているといえます。
このガイドラインの推奨度はAが最高値なので、ミノサイキリンの服用は最も推奨する治療法のひとつであるといえるでしょう。
また、膿疱性ざ瘡(毛穴をふさぐタイプのニキビ)へ、ミノサイクリンは68%の確率で有効であるという記載もあります。
ミノマイシンで必ずニキビが治る、と言い切ることはできませんが、有効な治療法であることに間違いはありません。
感染症への効果
ミノマイシンはさまざまな菌が原因で起こる感染症の治療や予防に効果があります。
近年薬耐性がついてしまったと考えられている菌にも効果がある場合があり、性感染症などの治療にも使用されています。
■マイコプラズマ肺炎
小児のマイコプラズマ肺炎の治療には、一般的にマクロライド系の薬であるクラリスやジスロマックなどが使用されます。
しかし、細菌はマクロライド系の薬に耐性ができてしまっているマイコプラズマが増えています。
そのような場合、ミノマイシンが処方されることがあります。
ミノマイシンはマクロライド系の薬に耐性があるマイコプラズマにも効果があり、短期間に限って処方されることがあります。
■クラミジア
性感染症の代表であるクラミジアの治療にミノマイシンが使用されることがあります。
日本性感染症学会のガイドラインにも効果が期待できると記載されているため、ミノマイシンはクラミジア治療に有効な薬であるということができます。
尿道の炎症だけでなく子宮頸管の炎症にも効果があります。
しかし、クラミジアの治療薬はミノマイシン以外に副作用などの危険がさらに少ないものもあります。
そのため、近年はクラミジア治療にミノマイシンを処方する病院は減少しつつあるようです。
■その他の感染症
その他にも、膀胱炎や肺炎、中耳炎などの治療にミノマイシンが使用されることがあります。
また、淋病の原因である淋菌に対して使用されることがありますが、淋菌のミノマイシンに対する耐性は90%以上にもなるため、あまり効果が期待できないという意見が一般的です。
その他の効果
■赤ら顔・酒さ(しゅさ)
酒さや赤ら顔は原因に個人差があることが多く、かならずしもミノマイシンが効果的だということはできません。
しかし、ニキビが原因である場合はミノマイシンが効果的です。
また、ミノマイシンには炎症を抑える薬であるため、皮膚の炎症を改善し肌の赤みを抑える効果が期待できます。
ミノマイシンが赤ら顔や酒さに効くがどうかはその原因によるため、ミノマイシンの使用については皮膚科の医師とよく相談するようにしましょう。
■リウマチ
ミノマイシンには抗炎症作用もあるため、リウマチの治療に使用されることもあります。
ただ、リウマチの治療に使用するのはあくまで例外的な場合のみです。
基本的にリウマチの治療には抗リウマチ薬が使用されます。
リウマチの治療でミノマイシンが処方され疑問を感じる場合は医師に相談してみるといいでしょう。
■歯周病
歯周病の治療にミノマイシンが使用されることもあります。
歯周病は歯垢の中で細菌が引き起こす炎症であるため、細菌の抑制に効果的なミノマイシンが使用されます。
しかし、ミノマイシン以外にも歯周病に効果がある抗生剤はあるので、近年はミノマイシン以外を使用することが増えているようです。
■風邪
ミノマイシンは抗生物質であるため、喉が痛い風邪などに効果的な場合があります。
しかしウイルス性の風邪に効果があるとは言えず、また副作用の危険もあるため処方は避ける病院のほうが多いようです。
ミノマイシンの副作用について、錠剤とカプセルでは14.6%、顆粒では4.52%の確率で副作用が起こる、という報告があります。
主な症状は下痢や腹痛など、抗生物質の副作用として代表的なものです。
めまい・吐き気
ミノマイシンの副作用として、めまいや吐き気が報告されています。
発症確率は、錠剤とカプセルにおいてめまい2.85%、吐き気(悪心)3.04%となっていて、顆粒の場合はめまい0.1%未満、吐き気(悪心)0.77%、嘔吐0.57%となっています。
ミノマイシンの服用量が多い場合に起こることが多く、服用量を下げたり服用を中止すれば改善する場合がほとんどです。
しかし、あまりにもめまいが酷い場合は、ミノマイシン以外の薬に変更できないかどうか医師に相談してみてください。
また、ミノマイシン服用中の車の運転や高い場所での作業などは充分に注意したうえで行ってください。
歯の色素沈着
子ども、とくに歯の形成期にある8才未満の子どもが服用した場合、歯の着色やエナメル質形成不全などを起こすことがあります。
明確な発症確率についてのデータはありませんが、服用量や服用期間などによって着色の程度は異なります。
そのため、子どもへのミノマイシンの処方は原則で禁止とされ、避けるようにしている病院がほとんどです。
もしも8才未満の子どもにミノマイシンが処方された場合、ミノマイシンを処方しなければならない明確な理由があって処方されています。
しかし、ミノマイシン以外の薬で代用できる場合もあります。
子どもの歯への着色が気になる場合、処方された時点で医師に「子どもの歯への悪影響が心配である」と相談してみましょう。
肌への影響
ミノマイシンの副作用として、皮膚炎があげられます。
重大な副作用として、中毒性表皮開始融解症や皮膚粘膜眼症候群があげられていて、皮膚や口腔および外陰部粘膜、眼などに症状があらわれます。
服用中に、発熱や紅斑、かゆみ、眼の充血、口内炎などの以上があらわれた場合にはすぐに医師に相談してください。
また、ミノマイシンの影響で皮膚や爪、粘膜に色素の沈着が見られる場合があります。
確率は0.1%ですが、長期間にわたり投与した場合にあらわれることがあり、ミノマイシンを服用すると必ず決まった場所にシミができる、ということもあるようです。
頻度不明ですが、日光にたいして肌が過敏になる光線過敏症を起こすこともあり、このような場合はすぐに服用が中止されます。
ミノマイシン服用中に肌や粘膜に異変を感じたら、すぐに医師に相談するようにしましょう。
重大な副作用
いずれも頻度不明のためほとんど起こることはないですが、ごくまれに以下のような重大な副作用が起こることがあります。
服用中に異変を感じたら、すぐに医師に相談するようにしてください。
・ショック、アナフィラキシー
・全身性紅斑性狼瘡(SLE)様症状の増悪
・結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎
・自己免疫性肝炎
・中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑、剥脱性皮膚炎
・薬剤性過敏症症候群
・血液障害
・重篤な肝機能障害
・急性腎不全、間質性腎炎
・呼吸困難、間質性肺炎、PIE症候群
・膵炎
・痙攣、意識障害等の精神神経障害
・出血性腸炎、偽膜性大腸炎
その他の副作用
その他の副作用の症状と発症確率は以下の通りです。
副作用 | 症状 | 発症確率 |
過敏症 | 発疹 | 0.1~5%未満 |
過敏症 | 発熱 | 0.1%未満 |
過敏症 | 蕁麻疹、浮腫 | 頻度不明 |
皮膚 | 光線過敏症、色素沈着、 急性熱性好中球性皮膚症 | 頻度不明 |
精神神経系 | めまい感 | 0.1%未満 |
精神神経系 | 頭痛、しびれ感 | 頻度不明 |
肝臓 | 肝機能検査値の異常 | 0.1%未満 |
肝臓 | 黄疸 | 頻度不明 |
消化器 | 下痢、悪心、食欲不振、嘔吐、腹痛、口内炎、舌炎 | 0.1~5%未満 |
消化器 | 便秘 | 0.1%未満 |
消化器 | 肛門周辺炎、味覚異常、胃腸障害、歯牙着色 | 頻度不明 |
血液 | 好酸球増多 | 頻度不明 |
腎臓 | BUN上昇 | 頻度不明 |
菌交代症 | カンジダ症など | 頻度不明 |
ビタミン欠乏症 | 低プロトロンビン血症、出血傾向、 舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎など | 頻度不明 |
頭蓋内上昇 | 嘔吐、頭痛、複視、うっ血乳頭、大泉門膨隆など | 0.1%未満 |
感覚器 | 耳鳴り | 頻度不明 |
その他 | 倦怠感 | 0.1~5%未満 |
その他 | 関節痛 | 頻度不明 |
■カンジダ症
長期間にわたり服用していた場合、膣カンジダ症などの菌交代症を引き起こす場合があります。
これはミノマイシンだけでなく抗生物質すべての副作用として可能性があることで、膣内の善玉菌が抗生物質によって殺菌されることで起こります。
カンジダ菌は膣内に常在していますが、抗生物質によりカンジダ真菌が増え、おりものの異常・外陰部のかゆみなどが発症します。
ミノマイシンの服用により異変を感じたら、すぐに医師に相談するようにしてください。
ミノマイシンなどの抗生物質は、飲み合わせに注意しなければいけない食品や薬がたくさん存在します。
また、長期間の服用や、子どもや妊娠中・授乳中の使用についても解説していきます。
薬以外との飲み合わせ・食べ合わせについて
■牛乳や乳製品との飲み合わせ・食べ合わせに注意!
牛乳やヨーグルト、アイスクリームなど、カルシウムを含む食品との食べ合わせには注意が必要です。
カルシウムと併用するとミノマイシンの吸収が低下し、効果が弱まるおそれがあります。
カルシウムは乳製品以外にも骨ごと食べられる魚や干しエビなどに含まれているため、食事にも注意してください。
ミノマイシン服用中にカルシウムを含む食品を食べる場合、ミノマイシンの服用から2~4時間あけてください。
また、カルシウムを含む食品を食べたあと、ミノマイシンを服用するまでにも2~4時間間隔をあけるようにしてください。
■アルコールとの飲み合わせ
ミノマイシンなど抗生物質とアルコールの飲み合わせは基本的に禁止です。
ミノマイシンはテトラサイクリン系の抗生物質に含まれるため、セフェム系の抗生物質と比べればアルコールとの併用に危険は少ないですが、安全とは言えません。
ミノマイシン服用中はできるだけ控え、どうしても飲まなければならない場合は、最低でも4時間以上間隔を空けるようにしてください。
薬との飲み合わせ
ミノマイシンは併用に注意が必要な薬が多くあります。
処方の際には現在飲んでいる薬などをきちんと医師に伝え、併用しても大丈夫かどうか確認するようにしてください。
添付文書に記載されている併用に注意が必要な薬剤は以下の通りです。
・カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、ランタン又は鉄剤
・抗凝血剤(ワルファリンカリウム等)
・スルホニル尿素系血糖降下薬
・メトトレキサート
・ポルフィマーナトリウム
・ジゴキシン
・黄体・卵胞ホルモン配合剤、経口避妊剤
・外用剤を除くビタミンA製剤、レチノイド製剤
気になる薬との飲み合わせについてまとめました。ご参考ください。
飲み合わせ | |
ロキソニン | 問題ありません。 |
ピル | 併用に注意が必要です。 避妊効果が弱まるほか、不正性器出血などの危険性もあります。 併用については医師や薬剤師に相談してください。 |
アレグラ | 問題ありません。 |
フロモックス | 抗生剤との併用は副作用を強める危険性があります。 併用については医師や薬剤師に相談してください。 |
胃腸薬 | マグネシウム分を含んでいた場合、ミノマイシンの効果を弱める可能性があります。 併用については医師や薬剤師に相談してください。 |
マグミット | ミノマイシンの効果を弱める可能性があります。 併用については医師や薬剤師に相談してください。 |
長期間の服用について
ミノマイシンは基本的に長期間にわたり服用する薬ではありません。
ニキビなどの治療の場合も、まず2週間ほど試してみる、という方法が一般的です。
さらに、ミノマイシンは長期間服用することで歯や肌への色素沈着の可能性が高くなるおそれがあります。
また、服用をやめたり、再開したり、ということを独断で繰り返していると、体内の菌にミノマイシンに対する耐性がついてしまうことがあります。
ニキビ治療に対して使用していた場合、菌に耐性がついてしまうと、ミノマイシンの効果がなくなりさらにニキビの症状が悪化する、ということもあります。
ミノマイシンはできるだけ長期間服用せず、処方された量を期間内に飲み切るようにしましょう。
服用に注意が必要な人
■子ども
特に8才以下の歯の形成期に服用した場合、歯の着色、エナメル質形成不全、一過性の骨発育不全を起こすことがあります。
このため、子どもに服用する場合は他の薬剤が使用できないか充分に検討され、ミノマイシンのみ効果があると判断された場合に慎重に使用されます。
医師から子どもへミノマイシンが処方された場合は、なぜミノマイシンを処方したのかという理由などをきちんと聞くようにしましょう。
また、独断で子どもにミノマイシンを服用させないようにしてください。
■妊娠中
胎児に一過性の骨発育不全や歯の悪影響を起こすことがあるため、処方は慎重に行われます。
ミノマイシンを服用したほうがいいと医師が判断したときのみ処方されるため、独断で服用しないようにしてください。
■授乳中
授乳中の服用は避けることが望ましいとされています。
母乳へ薬の成分が移行することが報告されているため、やむをえず服用する場合は服用中の授乳を中止してください。
■高齢者
高齢者は副作用も発現しやすく、ビタミンK欠乏の症状などもあらわれやすいことから、処方は慎重に行われています。
処方された際には医師からの用量や服用感覚などの指示をよく守り、服用中に体に異変があるかどうか観察するようにしてください。
ニキビやカンジダなどに効果もあるため、病院に行かず手軽に市販薬を試したい!という人も多いかと思います。
市販薬の有無やジェネリックについて、詳しく見ていきましょう。
ミノマイシンの市販はある?
ミノマイシンの主成分であるミノサイクリン塩酸塩を含む市販薬は、現在販売されていません。
ミノマイシンを服用したい場合、処方薬のみとなっているため、病院で診察をうけたうえで処方してもらってください。
また、個人輸入などの通販サイトも数多く存在しますが、副作用などが起きた場合すべて自己責任になります。
個人輸入の薬を使用していた場合は、副作用が出たときに「医薬品副作用被害救済制度」という公的制度を受けることができません。
ミノマイシンを使用したい場合は、できるだけ病院から処方された薬を服用するようにしましょう。
ジェネリックについて
ミノマイシンの、カプセル100mgと錠剤50mg/100mgにはジェネリック医薬品の取り扱いがありますが、カプセル50mgのみジェネリックがありません。
ジェネリックに変更した場合、薬価はおよそ半分以下になるため、変更を希望する場合は医師や薬剤師に相談してみてください。
先発品とジェネリックの薬価や販売会社を以下にまとめました。
参考にしてください。
■ミノマイシンカプセル100mg
薬名 | 製造 | 薬価 | |
先発品 | ミノマイシンカプセル100mg | ファイザー | 46.90円 |
ジェネリック | 塩酸ミノサイクリンカプセル100「日医工」 | 日医工 | 26.80円 |
■ミノマイシン錠50mg
薬名 | 製造 | 薬価 | |
先発品 | ミノマイシン錠50mg | ファイザー | 22.00円 |
ジェネリック | 塩酸ミノサイクリン錠50「日医工」など | 日医工など | 14.80円 |
■ミノマイシン錠100mg
薬名 | 製造 | 薬価 | |
先発品 | ミノマイシン錠100mg | ファイザー | 50.10円 |
ジェネリック | ミノサイクリン塩酸塩錠100mg「サワイ」など | 沢井製薬など | 26.80円 |
まとめ
細菌が原因のさまざまな症状に効果があるミノマイシン。
しかし、副作用の危険もあるため、とくに子どもの使用には注意が必要です。
副作用などを防ぐためにも、処方される薬に疑問や不安を抱いた場合は早めに医師に相談するようにしましょう。