15年末の<種市>&16年1月の<種市大学>が終わってずいぶんたちました。
<種市>は毎回、大きなイベントすぎて、まとめきれず、全然報告できていませんでしたが、今回こそ少し。
今回の<種市大学>は、雲仙という、岩崎さんの畑がある場所で開催できたこと、雲仙市の助成をいただけたことが、大きな意義があったと思います。冒頭の、雲仙市長のスピーチは、歴史に残る名スピーチでした。出だしからかっこよすぎでした!
さておき、種どり農業・自然栽培農業は、困難なだけでなく、「現金利益」をうみにくい分野で、現代の政界では価値を評価されません。慣行農業も大事であり、かじ取りが難しい中、種どり・古来種野菜、その農業を守ることに踏み込んで発言していただけたことは、大きな価値があります。
お写真は、こちらです。撮影は大沼ショージさんです。ひとつひとつクリックすると、共同主催の奥津爾がコメントや説明を書いています。岩崎さんの畑、講演者、最後のランチ立食ビュッフェ、そして「蒸気屋」での関係者の打ち上げ。
特にお料理写真を是非、ご覧いただきたいです。
ディナーの素材はすべて、種どり野菜と、わずかなお魚。島原半島・九州の素材を存分にいかした、当時の山本晋平料理長(現在は雲仙観光ホテルを退職)の渾身のディナーコースです。種どり野菜はいつも、当日まで、何がどのくらいくるかわかりません。試作もほとんどできません。かつ厨房は人手不足であられました。そんな条件の中、100名以上分のコース料理を見事に魅せてくださいました。
(実際はさらに、<雫>という、在来野菜をひたすら煮詰めてつくられたスープがありました)
シェフのお料理は、気がすーっと通り、かつ充実しています。それはココロとカラダを元気にするのに一番大事なこと。そのお手本のようでもありました。
それでいて、ため息が出る美しさ。そして、シェフのお料理はいつも楽しいんですよね、クリエイティビティに溢れています。確かなプレゼンス。
とってもとっても美味しかったです。しずかなゆたかさに、誰もが満たされました。
シェフは私が最も尊敬する料理人のお1人です。あれだけの技術を持ちながら自己主張のためでなく、素材と食べる方のための料理に集中なさるシェフを本当に尊敬しています。ますますのご活躍を心から祈っています。
****
<種市>の素敵なところは、そんな風に、料理や農など食に真剣な人たちとご一緒できること。言うまでもなく岩崎政利さん。そして、岩崎さんを尊敬して、多くの方が集まり、また真剣な仕事が集まります。肉を使う/使わない 砂糖を使う/使わない といった、モノの選択をこえたもの。もっと本質的でごまかしがきかないもの。
尊敬している方は沢山いますが、蒜山耕藝・農業者の桑原さんもそのお1人です。力を勝手に借りるようですが、桑さんの書かれたブログを是非ご覧ください。<種市>の意義、問題の本質がきちんと表されています。これは、私たち全員の問題です。そして、そんな風に受け止める方がいてくださることが、<種市>の大きな救いとなっています。
食や農だけではありません、真剣な仕事は真剣な仕事を呼び、この写真の大沼ショージさんや大橋弘さん、馬場わかなさんといった、一流の写真家の本気も見せていただけました。
若い才能も集まっています。今回は主宰の「雲と人」チームの若手の働きがすばらしく、これまた日本の未来は明るいと思いました。出会い、刺激しあい、また、日常の自分の仕事に還元する。その繰り返しが、地味なようで実は一番大きいのかもしれません。
それにしても、参加者もいろんな属性の方がいらして、種のチカラはすごいなあと思います。<種市>の魅力だと思います。
種市前後の、関係者の皆さんとの打ち上げが毎回楽しみですが、今回は雲仙の蒸気屋さん。温泉蒸し釜のおかげで、名だたる料理人の競演となり、最高のご褒美でした。
<種市>がくれる出会いと刺激は、私たち夫婦は勿論、チーム・オーガニックベースをひきあげてくれています。世間的意味での「マクロビオティック」の枠にとらわれずに本当によかった。本当の意味での「マクロビオティック」(=人を元気によくするもの)が一層見えてきました。
ただ、問題は、ここからですね。
***
話がそれました。
お料理の話です。
マクロビオティックは、極陰、極陽の食材の影響力を教えてくれ、常食に避けるような示唆があります。ところが、それさえ避ければマクロビオティック料理で、後はなんでもいいみたいな誤解があります。
強い陰陽の食材をつかっても、きちんとお料理されたものは、すーっと体から抜けていって悪影響が少なく、しっかりと充実させて元気づけてくれます。反対に、切り干し大根の煮物ですら、どろどろとした<気>、消化の悪い料理になりえてしまいます。もちろん、極陰、極陽の素材は、日本の気候では取り続けすぎると負担になります。ですが、それだけが全てでは全くない。必要なことだって、どんな食材にもありますし、質はひとつひとつ異なります。
多様な食材を、すばらしくお料理できることはすばらしいですね。
<種市>を終えると、「ああ、なんでも、いつでもどこでもなんでも適切に料理できる人になりたいなあ」と思います。それこそ、極地ではアザラシもさばけたり、砂漠でならサボテンを料理したり。それがちゃんと、適切に食べる人にフィットしていて、健康を促進できて、美味しくて。素材の命を全うする料理。
それでこそ、本当の「マクロビオティック料理人」だなあと思いますが・・・ないものねだりはしないでおこう。今は、玄米はもちろん、この雲仙でとれる素材、海藻や種どり野菜が私の前にあらわれてくれます。引っ越したおかげで、都会で手に入っていたオーガニックグッズやオーガニックF1野菜は手に入らなくなりました。一方、今さっき橘湾でとれたばかりのお魚、感動した池松自然農園さんの卵、野草、湧き水・・・ある意味で食べるものがないゆえに、広げる必要と機会が増え、でももっと「自然」になったと思います。一方で、玄米菜食というベースの確かさも。
暮らしの場で出会える種どり野菜はじめ、いきいきとした食材たちをきちんとお料理していくことから、また世界が広がるのでしょう。もちろん、「ただ自然ならいい」わけではないのが、体という自然の厳しいところですが、そこも学び感じながらすすんでいきたいです。食べ合わせその他いろいろ。多くの方に適応できる方法になると思いますし。
(生徒さんは、<はじめるコース>でも、<アドバンスクッキングコース>でも、どうか、素材の種類だけでなく、調理プロセスを身につけられてください。お肉を料理するときでもなんでも、その心構えは役立ってきます。私は時々、猫にお肉を料理します。最初はわけわからなくても大丈夫。ただ目に見えること「玄米菜食」にこだわってるだけになっちゃった!でも最初はいいと思います。とにかく玄米を消化よく炊いて、菜食中心、発酵食品、調味料をよいものにして、砂糖を控えて(完璧でなくてもね!)、旬の具を入れたお味噌汁を食べて・・・・そうしていると、どんどんいい変化が起こります。感覚が変わってきて、だんだん、必要がわかってきます。見えなかったすじが見えてくる。できることから少しずつ。男女差もあるので、そのへんも、少しずつ。)
****
種のこと
環境のこと
生物多様性のこと
人々のこころとからだの元気
原発やエネルギー問題
大量消費やごみ問題
生活排水農業排水の汚染
いろんな問題がいっぱいの現代ですが、結局ひとりひとりの小さな台所や食卓がつながっている、私たち人間のありよう、選択の積み重ねの結果だと改めて思います。国会議員が「農」を金銭だけに換算するようでは先はないですが、議員も国民の一人。
過去に貯めてきた恵みはいよいよ個人の体質も地球資源も細りつつある現在、これからどこにむかうのでしょうか。
農、食、写真、音楽・・・・人と人をつないでいくチカラが、どこまで、何を実現できるのか未来はわかりませんし、なるようにしかならないのだなあとも思います。でも、素敵な人たちやお仕事、自然の美しさ・・・感動にいつも力をもらいます。すごい方は沢山いらっしゃいますし、間に合うんじゃないかなと。歩み続けていきたいです。
****
*種市大学は、2016年1月、有形文化財保護指定を受けている、雲仙観光ホテルを貸切り、雲仙市の助成のもと、開催され、120名の方が参加してくださいました。また、雲仙市の新規就農支援は、有機農業者も含められています。詳細は雲仙市へお問い合わせを。(こちらは、農地借受者支援制度)
<種市>は毎回、大きなイベントすぎて、まとめきれず、全然報告できていませんでしたが、今回こそ少し。
今回の<種市大学>は、雲仙という、岩崎さんの畑がある場所で開催できたこと、雲仙市の助成をいただけたことが、大きな意義があったと思います。冒頭の、雲仙市長のスピーチは、歴史に残る名スピーチでした。出だしからかっこよすぎでした!
さておき、種どり農業・自然栽培農業は、困難なだけでなく、「現金利益」をうみにくい分野で、現代の政界では価値を評価されません。慣行農業も大事であり、かじ取りが難しい中、種どり・古来種野菜、その農業を守ることに踏み込んで発言していただけたことは、大きな価値があります。
お写真は、こちらです。撮影は大沼ショージさんです。ひとつひとつクリックすると、共同主催の奥津爾がコメントや説明を書いています。岩崎さんの畑、講演者、最後のランチ立食ビュッフェ、そして「蒸気屋」での関係者の打ち上げ。
特にお料理写真を是非、ご覧いただきたいです。
ディナーの素材はすべて、種どり野菜と、わずかなお魚。島原半島・九州の素材を存分にいかした、当時の山本晋平料理長(現在は雲仙観光ホテルを退職)の渾身のディナーコースです。種どり野菜はいつも、当日まで、何がどのくらいくるかわかりません。試作もほとんどできません。かつ厨房は人手不足であられました。そんな条件の中、100名以上分のコース料理を見事に魅せてくださいました。
(実際はさらに、<雫>という、在来野菜をひたすら煮詰めてつくられたスープがありました)
シェフのお料理は、気がすーっと通り、かつ充実しています。それはココロとカラダを元気にするのに一番大事なこと。そのお手本のようでもありました。
それでいて、ため息が出る美しさ。そして、シェフのお料理はいつも楽しいんですよね、クリエイティビティに溢れています。確かなプレゼンス。
とってもとっても美味しかったです。しずかなゆたかさに、誰もが満たされました。
シェフは私が最も尊敬する料理人のお1人です。あれだけの技術を持ちながら自己主張のためでなく、素材と食べる方のための料理に集中なさるシェフを本当に尊敬しています。ますますのご活躍を心から祈っています。
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<種市>の素敵なところは、そんな風に、料理や農など食に真剣な人たちとご一緒できること。言うまでもなく岩崎政利さん。そして、岩崎さんを尊敬して、多くの方が集まり、また真剣な仕事が集まります。肉を使う/使わない 砂糖を使う/使わない といった、モノの選択をこえたもの。もっと本質的でごまかしがきかないもの。
尊敬している方は沢山いますが、蒜山耕藝・農業者の桑原さんもそのお1人です。力を勝手に借りるようですが、桑さんの書かれたブログを是非ご覧ください。<種市>の意義、問題の本質がきちんと表されています。これは、私たち全員の問題です。そして、そんな風に受け止める方がいてくださることが、<種市>の大きな救いとなっています。
食や農だけではありません、真剣な仕事は真剣な仕事を呼び、この写真の大沼ショージさんや大橋弘さん、馬場わかなさんといった、一流の写真家の本気も見せていただけました。
若い才能も集まっています。今回は主宰の「雲と人」チームの若手の働きがすばらしく、これまた日本の未来は明るいと思いました。出会い、刺激しあい、また、日常の自分の仕事に還元する。その繰り返しが、地味なようで実は一番大きいのかもしれません。
それにしても、参加者もいろんな属性の方がいらして、種のチカラはすごいなあと思います。<種市>の魅力だと思います。
種市前後の、関係者の皆さんとの打ち上げが毎回楽しみですが、今回は雲仙の蒸気屋さん。温泉蒸し釜のおかげで、名だたる料理人の競演となり、最高のご褒美でした。
<種市>がくれる出会いと刺激は、私たち夫婦は勿論、チーム・オーガニックベースをひきあげてくれています。世間的意味での「マクロビオティック」の枠にとらわれずに本当によかった。本当の意味での「マクロビオティック」(=人を元気によくするもの)が一層見えてきました。
ただ、問題は、ここからですね。
***
話がそれました。
お料理の話です。
マクロビオティックは、極陰、極陽の食材の影響力を教えてくれ、常食に避けるような示唆があります。ところが、それさえ避ければマクロビオティック料理で、後はなんでもいいみたいな誤解があります。
強い陰陽の食材をつかっても、きちんとお料理されたものは、すーっと体から抜けていって悪影響が少なく、しっかりと充実させて元気づけてくれます。反対に、切り干し大根の煮物ですら、どろどろとした<気>、消化の悪い料理になりえてしまいます。もちろん、極陰、極陽の素材は、日本の気候では取り続けすぎると負担になります。ですが、それだけが全てでは全くない。必要なことだって、どんな食材にもありますし、質はひとつひとつ異なります。
多様な食材を、すばらしくお料理できることはすばらしいですね。
<種市>を終えると、「ああ、なんでも、いつでもどこでもなんでも適切に料理できる人になりたいなあ」と思います。それこそ、極地ではアザラシもさばけたり、砂漠でならサボテンを料理したり。それがちゃんと、適切に食べる人にフィットしていて、健康を促進できて、美味しくて。素材の命を全うする料理。
それでこそ、本当の「マクロビオティック料理人」だなあと思いますが・・・ないものねだりはしないでおこう。今は、玄米はもちろん、この雲仙でとれる素材、海藻や種どり野菜が私の前にあらわれてくれます。引っ越したおかげで、都会で手に入っていたオーガニックグッズやオーガニックF1野菜は手に入らなくなりました。一方、今さっき橘湾でとれたばかりのお魚、感動した池松自然農園さんの卵、野草、湧き水・・・ある意味で食べるものがないゆえに、広げる必要と機会が増え、でももっと「自然」になったと思います。一方で、玄米菜食というベースの確かさも。
暮らしの場で出会える種どり野菜はじめ、いきいきとした食材たちをきちんとお料理していくことから、また世界が広がるのでしょう。もちろん、「ただ自然ならいい」わけではないのが、体という自然の厳しいところですが、そこも学び感じながらすすんでいきたいです。食べ合わせその他いろいろ。多くの方に適応できる方法になると思いますし。
(生徒さんは、<はじめるコース>でも、<アドバンスクッキングコース>でも、どうか、素材の種類だけでなく、調理プロセスを身につけられてください。お肉を料理するときでもなんでも、その心構えは役立ってきます。私は時々、猫にお肉を料理します。最初はわけわからなくても大丈夫。ただ目に見えること「玄米菜食」にこだわってるだけになっちゃった!でも最初はいいと思います。とにかく玄米を消化よく炊いて、菜食中心、発酵食品、調味料をよいものにして、砂糖を控えて(完璧でなくてもね!)、旬の具を入れたお味噌汁を食べて・・・・そうしていると、どんどんいい変化が起こります。感覚が変わってきて、だんだん、必要がわかってきます。見えなかったすじが見えてくる。できることから少しずつ。男女差もあるので、そのへんも、少しずつ。)
****
種のこと
環境のこと
生物多様性のこと
人々のこころとからだの元気
原発やエネルギー問題
大量消費やごみ問題
生活排水農業排水の汚染
いろんな問題がいっぱいの現代ですが、結局ひとりひとりの小さな台所や食卓がつながっている、私たち人間のありよう、選択の積み重ねの結果だと改めて思います。国会議員が「農」を金銭だけに換算するようでは先はないですが、議員も国民の一人。
過去に貯めてきた恵みはいよいよ個人の体質も地球資源も細りつつある現在、これからどこにむかうのでしょうか。
農、食、写真、音楽・・・・人と人をつないでいくチカラが、どこまで、何を実現できるのか未来はわかりませんし、なるようにしかならないのだなあとも思います。でも、素敵な人たちやお仕事、自然の美しさ・・・感動にいつも力をもらいます。すごい方は沢山いらっしゃいますし、間に合うんじゃないかなと。歩み続けていきたいです。
****
*種市大学は、2016年1月、有形文化財保護指定を受けている、雲仙観光ホテルを貸切り、雲仙市の助成のもと、開催され、120名の方が参加してくださいました。また、雲仙市の新規就農支援は、有機農業者も含められています。詳細は雲仙市へお問い合わせを。(こちらは、農地借受者支援制度)