結膜とは、目の白目とまぶたの裏側を覆っている半透明な膜のことをいいます。目を開いている間、外部にさらされている結膜は、刺激を受けやすく異物などが混入しやすい部位で、つねに涙で濡れているため細菌やウイルスの繁殖にも適しており、感染やアレルギーなどによる炎症などを起こしやすくこの部位に炎症を起こすことを結膜炎といいます。その発症原因は、ウイルス性や細菌性感染、アレルギー反応、ドライアイなどさまざまです。悪化した場合は視力低下を招く恐れもあるためあなどれません。症状に気づいた場合は、症状や感染経路を確実に把握し適切な治療を受けるためにもまずは専門医に相談することをおすすめします。
結膜炎には、どんな種類があるの?
結膜炎は、大きく分類すると「ウイルス性結膜炎」「細菌性結膜炎」「アレルギー性結膜炎」の三種類に分類されます。症状によってさらに治療方法も異なりますので、目に違和感を感じたらすぐに眼科で受診しましょう。
1.ウイルス性結膜炎
ウイルス性結膜炎には、さまざまな種類があり、おもにアデノウイルス、エンテロウイルスなどのウイルス感染等によって発症します。さらにウイルス性結膜炎は、「流行性角結膜炎」「咽頭結膜炎」「急性出血性結膜炎」に区別されています。
[治療]ウイルス性結膜炎は、感染したウイルスに対する免疫ができて、自然に治るのを待つしかないのでいまのところは特効薬はありません。つまり、一番の予防は、ウイルスにつけこまれない強い身体をつくることがポイントといえます。治療では、炎症を押さえたり他の感染を起こさないための点眼薬、眼軟膏等を使用します。ウイルス性結膜炎の場合、目薬は症状が出ている方の目、あるいは症状の重い方の目から使用します。これは両目同時に点眼することで容器から感染するのを防ぐためです。また自己判断のまま治療をやめると視力が落ちることもあるので、医師の指示に従って点眼等、治療を続けるようにしましょう。
■ウイルス性結膜炎は、3種類。
◯流行性角結膜炎/昔から「はやり目」とも呼ばれていて他人への感染力がとても強いウイルスの感染症です。おもな症状は、目の充血と多量の目やにの症状で、黒目の角膜部に点状の小さな混濁や炎症を生じることもあり「角結膜炎」とも呼ばれています。2週間程度の潜伏期間を経て発症し10日ほどしてから角膜に炎症が起こり目がかすむことがあります。
◯咽頭結膜熱/「プール熱」とも呼ばれ、アデノウイルス感染によって起こり、流行性結膜炎とはウイルスのタイプが異なります。咽頭結膜熱には、「咽頭熱」「結膜熱」「高熱」の3つの症状があり、突然39度ほどの高熱が出て、喉が赤く腫れ、目の充血や目やにが出るなど結膜炎の症状が起きます。また悪化すると肺炎を起こすこともあるので注意が必要です。感染後5~6日で症状が出て、治癒するのに2週間ほどかかります。
◯ヘルペス性結膜炎/ヘルペスウイルスが原因で、症状は目やにが多く出たり、白目が充血したりします。さらに目の周りの皮膚に赤く水泡が出ることがあり、角膜ヘルペスを合併するケースもあります。治療では、ヘルペスウイルスに効果的な抗ウイルス薬を飲んだり、患部に軟膏を塗ったり、炎症を押さえる抗菌剤の目薬を使います。ウイルス性結膜炎の一種ですが、感染性はそれほど高くありません。
●ウイルス性結膜炎の予防は、充分な栄養と休息が肝心です。
2.細菌性結膜炎
黄色ぶどう球菌、表皮ぶどう球菌など、おもに身の回りに存在している細菌に感染して起こり、感染後、1日程度で発病します。白目に充血が見られるのが特徴で、ゴロゴロ感や眼球の痛み、涙や粘りのある黄味がかった目やにが多く出るなど、流行性角結膜炎とよく似た症状が現れます。放置しておくと、結膜だけでなく角膜にも感染が広がり、最悪の場合は視力が低下したまま治癒できないケースもあり注意が必要です。
[治療]細菌性結膜炎の主な原因菌は、インフルエンザ菌、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、クラミジア菌、淋菌などです。クラミジア菌や淋菌は、主に性病で知られる細菌類ですが、感染者の手などが感染源となり、接触感染を通じて結膜炎を発症することもあります。まずは、感染ルートの解明を行い、それにあった対処と治療を行う事が必要です。抗菌剤と抗生物質の点眼薬で適切な治療を行えば、数日から1週間程度で症状は回復します。
3.アレルギー性結膜炎
アレルギーとは、ある特定の物質に対して過敏に身体が反応することをいい、原因となる物質が結膜に入ると、かゆみや充血をともなうアレルギー性結膜炎を起こします。日本では全人口の約15~20%がアレルギー性結膜炎を有していると言われています。また、アレルギー性結膜炎には、ハウスダストやペットの毛などが原因の「通年性アレルギー性結膜炎」と、花粉などが原因である特定の季節だけに起こる「季節性アレルギー性結膜炎」があります。最近では、コンタクトレンズが原因となるケースも増えているので装用者は注意が必要です。症状としては、目やまぶたがかゆくなり、充血と白っぽい目やになどが出ます。
[治療]かゆみの元となるヒスタミンという物質を出しにくくさせる抗アレルギー点眼薬を用い、強い症状がある場合はステロイド点眼薬を使用することもあります。ただしステロイド剤は、緑内障や白内障を誘発するなどの副作用もあるため、医師が充分な経過観察をおこないながら使用します。予防策としては、花粉やハウスダストなど、アレルギーの原因をできるだけ寄せ付けないことが必要であり最近では目の症状に対する対策はもちろん体質そのものの改善も重要視されています。アレルギー性結膜炎は、短期間で完治することはなく何より季節ごとのアレルギー対策や日常生活や環境の見直しなどが必須です。
【結膜炎の主な症状】
結膜炎は、原因によってその症状も対処法もことなりますが、次の症状についてはいずれの結膜炎にも共通して現れます。
◯目が充血している
◯目ヤニがでる
◯目がかゆい
◯目が痛い
◯目に異物感がある
このような症状を感じたら、速やかに眼科を受診しましょう。
2. 結膜炎の予防と対処
目を保護する結膜、角膜、皮膚などは、とてもデリケートで傷つきやすい場所です。ほんの少し、かゆみや痛みを押さえる程度にこすっただけでもダメージを与える場合があります。症状が現れた場合は、すぐに眼科に相談しましょう。
1.結膜炎は、感染する恐れがありますので、家族といえどもタオルの共用は控え、湯船にも極力一緒に浸からないようにします。また、目の充血やかゆみなど結膜炎の症状が出たら、完治するまでプールも控えてください。ハンカチ、ハンドタオルは毎日清潔なものを使用し、目やにが膿などの症状がある場合は枕カバーもこまめに交換しましょう。
2.クリニックを訪ねるまでの間に、かゆみ、痛み、充血などを和らげたい場合は、清潔なタオルを水で濡らし冷やすのが効果的です。その場合も、冷やし過ぎず、また決してこすらないように注意し使用後のタオルは他の人が使わないようすぐに洗濯してください。
3.コンタクトレンズを使用している場合、レンズには汚れがつきやすく症状を悪化させてしまうため、コンタクトはすぐに外し、医師の許可があるまで使用は控えます。なお、使い捨てのコンタクトレンズを使用している方は、一度でも使用したレンズは必ず処分してください。使い捨てではないコンタクトレンズを使用している方はきれいに洗浄し完治するまで使用を控えます。
4.つけまつげやアイメイクをしている女性は、目に異常を感じたらすぐにアイメイクを落とし、目の周りを清潔に保つことが肝心です。また、健康時であっても、メイクは必ず毎日落とし清潔にすることを習慣にしましょう。
<緊急を要する場合>
とくに目の充血がひどい時はできるだけ早い段階での治療が必要です。ウイルス性結膜炎に感染した原因が、単純ヘルペスウイルス、がん治療による免疫低下、HIV感染等の場合、また抗生物質を服用しても改善が見られない場合は、より深刻な症状となるケースもあります。速やかに医師に連絡してください。
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