首にニキビのようなものが出来ても放っておくという人は意外に多いようです。ただの吹き出物であれば特に心配することはありませんし、自然と治っていきます。
もし数週間様子を見ても症状が変わらなかったり、逆に大きくなっているなら要注意。それは粉瘤(アテローム)かもしれません。変なにおいがしているならその可能性はさらに高まります。
ここでは粉瘤が臭う原因や解決法をご紹介します。
粉瘤(アテローム)って何?
粉瘤(アテローム)は皮膚の良性腫瘍の一種で、表皮の下に袋状のものが出来た状態。
皮膚の表面は一定の周期によって垢として剥がれ落ちるようになっています。
ターンオーバーの速さは約28日~56日と開きがありますが、30~40代では約45日かかると言われています。
通常は特別なことをしなくても知らないうちに新し皮膚へと生まれ変わっているのですが、何らかの原因で剥がれ落ちるはずの垢が袋の中に溜まり、数mmから数cmほどの大きさに膨れてしまうことがあります。
これが粉瘤です。
時間が経てば経つほど袋の中には垢の他にも皮脂がどんどん溜まっていくため、場合によっては数十cmにも成長します。
実は粉瘤ができる原因については未だにはっきりと解明されていないんです。一部では
- 外からの刺激
- 毛穴のつまり
- ニキビ跡
- 毛根を構成する組織である毛漏斗の異変
- 生まれ持った体質によるもの
などの原因が挙げられています。
粉瘤には盛り上がった中央付近に「ヘソ」と言われる黒い点(穴)がある場合が多いので、自分で吹き出物と区別することは可能です。
似たようなもので「脂肪腫」という脂肪が中に詰まった腫瘍があります。脂肪腫は触ると柔らかいのですが粉瘤は硬いので手触りで確認すると良いでしょう。
粉瘤(アテローム)の臭いの原因は?
全ての粉瘤が必ず臭いを出すわけではありません。では、どうして臭いが発生してしまうのでしょうか。
先ほども少し触れましたが、粉瘤にはヘソと呼ばれる開口部があることが多いのですが、そこから細菌が入ると炎症を起こしてしまいます。すると粉瘤の中では酸素を嫌うプロプリオバクテリウムが増殖します。
プロプリオバクテリウムはニキビの原因菌として知られていて、ブドウ糖から乳酸の他にくさい臭いを持つプロピオン酸を作り出します。
これが粉瘤の臭いの原因です。
ヘソが閉じているときは臭いを感じることはほとんどないのですが、ヘソが開いて中身が出てくると腐敗臭のような強い臭いが発生します。
アテロームの臭いなんとかしたい!3つの解決方法
粉瘤のヘソから内容物が出てくると「このままギュッと潰して中身を全部出してしまいたい…!」という気持ちに駆られる人は多いでしょう。
でも、ちょっと待ってください。
吹き出物のように押し出してしまうと細菌感染をさらに悪化させることになるのでおすすめできません!粉瘤の主な解決方法は3つ。
- 専門医に診てもらう
- 手術でサクッと治療
- オイル・薬で粉瘤をケア
これから臭いアテロームの3つの解決方法を一つずつ詳しく解説していきます。
専門医に診てもらう
粉瘤は放っておいても回復することはありません。
運よく炎症が治まったとしても袋自体はそのまま残っているので、再発する可能性も十分に考えられます。
粉瘤の可能性がある吹き出物を見つけたらまずは医師に診てもらいましょう。
手術でサクッと治療
確実に粉瘤を取り除けるのは外科的な処置のみです。皮膚科の専門病院で手術をしてもらい、原因となる袋ごときれいに取ってもらいましょう。
きちんと取り除いてしまえば同じ場所に再発する可能性は低く、費用も約1~2万円くらいです。
これまでに何度も粉瘤を潰している人や同じ場所に繰り返し出来てしまう人には特におすすめです。症状の進行具合によって手術の内容も変わってきます。
■炎症や感染がない場合
くりぬき法(へそ抜き法)
くりぬき法とは、麻酔後に粉瘤の穴の部分に円筒状のメスを入れて表面の皮膚と一緒に袋の中の一部をくり抜くやり方です。くり抜いた後は袋の中に残った垢などを揉み出して、最後に袋をできるだけかき出して終了です。傷口自体は小さいので、病院によっては縫合しない場合もあります。
摘出術
摘出術は麻酔後に皮膚を切開し、袋を摘出するやり方です。小さな粉瘤であれば局所麻酔で数十分ほどで終わることもありますよ。袋すべてを取り除くことができれば再発の可能性はほぼありません。
■炎症や感染がある場合
すでに炎症や感染をしていて化膿しているなら、くり抜き法や摘出術をしても再発する可能性があります。
また、手術の際に広範囲にわたって切開する必要性があったり、傷の治りが悪いことも考えられます。こうした事態を防ぐために、最初は炎症・感染を抑える治療から始まります。
もし膿がたまっている場合には局所麻酔後に皮膚を切開して膿を取り出します。その後抗生物質の薬を飲んだり点滴を受け、症状が治まってから摘出術などを行います。
段階を追って治療することで粉瘤の再発を防ぐことができますよ。
アテロームの手術って痛いって本当?入院は必要?
痛みに関しては、どの手術も麻酔をするときに感じるくらいで、麻酔が切れた後も痛みがぶり返すことはほとんどありません。
粉瘤の大きさや場所によって麻酔の方法は変わるのですが、麻酔の注射は多方向から刺されるため数回の痛みを体験することになります。
そのうち麻酔が効いてくるので途中で注射の痛みさえも分からなくなりますよ。場合によっては全身麻酔が選択されることもあるので覚えておくと良いでしょう。
■入院は必要なの?
手術と聞くと入院というイメージがあるかもしれませんが、局所麻酔で傷も小さければ日帰りすることもできます。
ただし、全身麻酔や下半身麻酔をする場合や傷が大きいときには1~2泊の入院が必要なこともあります。手術当日に「日帰りできると思っていたのに!」なんてことにならないように、事前の説明はしっかりと聞いておき、分からないことや不安なことがあれば相談しましょう。
手術という言葉の響きに怖いと感じる人もいますよね。粉瘤が大きくなればなるほど傷も大きくなり症状も悪化してしまいます。炎症・感染を起こす前に医師に診察してもらい、対処することが大切ですよ。
オイル・薬で粉瘤をケア
「とりあえず応急処置として何かない!?」という人もいるでしょう。仕事が忙しくてすぐには病院に行けないという人もいますよね。そんな時には「ティーツリーオイル」や「たこの吸出し」という薬がおすすめです。
ティーツリーオイルはオーストラリアに自生する『TEA TREE』という植物から取れる天然のオイルで、先住民族のアボリジニの間で古くから伝わる薬です。
毒性が低く殺菌作用が強いオイルとして知られています。使い方も簡単で、綿棒を使って粉瘤にオイルを塗るだけです。実際にティーツリーオイルを使って臭いが減ったという人が多くいるので、ぜひ試してみてください。
粉瘤の臭いの原因が細菌であることから考えれば、殺菌効果の高いオイルは大いに期待できますよ。
そしてもう一つご紹介するのが「たこの吸出し」という薬です。町田製薬から販売されている商品なのですが、なんと発売されたのが1913(大正2)年というとんでもなくロングセラーな薬なんです。
『はれものを切らずに治したい』という多くの声に応えて作られました。強い効果を持った薬で、塗った場所に穴をあけて中身を排泄し治療してくれます。
使用する際にはヘラや綿棒などで患部のみに塗ってください。素手では付けないように注意しましょう。
まとめ
もし吹き出物ができたら粉瘤(アテローム)の可能性を考えてしばらく様子を観察したり、中央付近に黒い点のような穴がないかを確認しましょう。
首の後ろを自分で見るのは至難の業なので、誰かに見てもらうと良いですね。
粉瘤の可能性が出てきたら早めの行動が肝心です。炎症・感染を起こして臭いを発生させる前に対処しましょう。