ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
奴婢
ぬひ
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百科事典マイペディアの解説
奴婢【ぬひ】
→関連項目家人|荘園(日本)|人身売買|奴隷|百姓
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世界大百科事典 第2版の解説
ぬひ【奴婢】
[日本]
古代の賤民。男性を奴(やつこ),女性を婢(めやつこ)と称する。律令制以前には奴隷的な賤民を一括して奴婢と称したが,大宝令(戸令)では,私有奴婢は私奴婢と家人(けにん)(家族を成し家業を有し売買されない上級賤民)に,官有奴婢は官奴婢(公奴婢とも)と官戸(かんこ)(家人とほぼ同じ身分)に分化した。奴婢は所有者により資財と同じに物として扱われ,相続・贈与や売買・質入れの対象とされた。また牛馬と同様に生益の子(出生によって増加した子)は所有者の所有となり,また所有者を異にする奴婢の間の生益の子は,母である婢の所有者の所有となった。
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大辞林 第三版の解説
どひ【奴婢】
ぬひ【奴婢】
日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
奴婢
ぬひ
『井上光貞他編『日本思想大系3 律令』(1976・岩波書店) ▽神野清一著『律令国家と賤民』(1986・吉川弘文館)』
世界大百科事典内の奴婢の言及
【賤民】より
…これに対し,賤民は不自由民で,私的・公的な権利や利益の享有に制限が加えられていた。〈賤民〉という用語についてはいくつかの理解がありうるが,以下においては,奴婢(ぬひ)や奴隷を含めて,最も広義に解釈することにしたい。 中国における奴婢(奴隷と同義)の起源ははなはだ古く,甲骨文にもみえているが,その発生の状況を明らかにすることはできない。…
【中国法】より
… 唐律は社会における階級秩序の維持を眼目とする点で封建的であり,官長と部下,良民と賤民との相互間の犯罪に差等をつけた詳細な規定があること,家族の尊長と卑幼間の場合に似通う。奴婢と部曲はいずれも主人に隷属する不自由な賤民であり,部曲が良民をなぐるときは普通よりも1等重く,奴婢の場合は2等重く罰せられるだけであるが,もし部曲奴婢が主人をののしっただけでも流刑に処せられる。これに対し主人は広範な懲戒権をもち,部曲奴婢を殴打しても死に至らなければ罰せられず,罪のない奴婢部曲を殺せば徒一年,罪がある場合は官司に請うて殺すことができ,無断で殺すときは杖一百と定める。…
【奴隷】より
…1863年南北戦争の最中にリンカン大統領は奴隷解放宣言を出したが,実際に奴隷が解放されたのは65年に戦争が終わったときであり,同年の憲法第13修正で明文化された。【猿谷 要】
【日本】
日本古代の奴隷は,すでに《魏志倭人伝》に生口(せいこう)の記述が見られるので3世紀ころから存在したが,7世紀後半から8世紀にかけて律令法の定める官戸(かんこ),官奴婢(ぬひ)(私奴婢),家人(けにん),私奴婢などの賤民(せんみん)の身分に編成された。奴隷は,犯罪,人身売買,債務,捕虜などにより生じたが,律令法により人身売買や債務により良民を賤民すなわち奴隷とすることは禁止され,奴隷の供給は生益と犯罪に限定された。…
【奴変】より
…明朝が滅亡した1644年(崇禎17)から清朝の康熙20年代(1681‐90)にかけて,華中・華南を中心にしておこった中国史上未曾有の奴僕(ぬぼく)による身分解放を目ざす反乱。奴僕とは奴婢(ぬひ)ともいい,官僚,商人,地主など富裕な家の主人によってその身柄を所有されている使用人であり,身分的には賤民として処遇されていた。明代の奴僕には,主人のための直接的な家内労働やその指揮下に農業,手工業に従事する下層の者から,主人によって家産の管理・運用や,農・工・商にわたる産業の経営を委任され豊かな私財すら蓄積した上層の者まであった。…
【平民】より
…百姓,公民,良民と同様な意味で用いられた身分呼称であった。《令義解(りようのぎげ)》で〈家人(けにん),奴婢(ぬひ)〉について〈すでに平民に非ず〉といわれているように,賤民である家人や奴婢は平民身分から除外された。また公民の籍帳から外れた浮浪人も平民とはみなされなかったが,浮浪帳に編付され調庸を負担している浮浪人は,弘仁年間(810‐824)の太政官符により水旱不熟の年には平民に準じて調庸が免除されることになった。…
【妾】より
…【植松 明石】
[中国]
めかけは古くは女奴を意味し,男奴たる臣とあわせて〈臣妾〉の語があった。春秋末期から〈奴婢(ぬひ)〉の語が一般化するとともに,自由身分の側室をめかけと称するようになった。旧中国における宗族秩序の上からは一夫一妻の原則にたつから,めかけは公的地位をもたず弱い立場にあったが,単なる秘密の囲い女ではなく,家族の成員たる身分を礼と律の上に制度づけられていた。…
【奴】より
…(1)古代の賤民男性を〈やつこ〉といい(〈奴婢(ぬひ)〉の項参照),その後人に使役される身分の低い者に用いられ,奴僕,下僕などともいった。(2)江戸時代には武家の日常の雑用をしたり,行列の供揃いの先頭で槍や挟箱を持って振り歩く下僕をいった。…
【良賤法】より
…日本の古代に,良民と賤民の婚姻や生まれた子の帰属を定めた法。645年(大化1)の男女の法は,良民が奴婢(ぬひ)との間になした子は奴婢につけ,所有者の異なる奴婢の間の子は母である婢につけると定めた。この原則は律令にも引き継がれて,戸令・戸婚律で,良民と賤民の通婚禁止,賤民は同じ種類の賤民とだけしか婚姻できないとする当色婚が定められた。…
※「奴婢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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