エフェクターの音痩せを抑える方法

2014年 06月 06日 05:26 | カテゴリー: 組み合わせ
2014年 06月 06日 05:26
組み合わせ

色々ところで聞く音痩せですが、結構気にされている方も多いと思います。

そもそも音痩せしない基準はどこなのか、考えてみると、これはもちろんギターからアンプへ直接プラグインしたときと比べて、ということになります。ギターとアンプの間にはシールド(ケーブル)が1本だけということですね。当然ながら信号を伝送するシールドの質によっても音質の劣化があるわけで、これを「シールドによる音痩せ」といいます。

たとえば、ギターを買ったときに付いてくる、いかにも安いケーブルと、モンスターケーブルやVItal Audio、ベルデンやモガミ、カナレなどのなかでも特にハイフィディリティケーブル(いわゆるHi-FIケーブル)とでは、明らかに音の抜け方が違います。この時に総じて安いケーブルのほうを「音痩せする」というわけです。

 

エフェクターによる信号の損失

前述のようにケーブルだけでも音痩せ問題があるのに、エフェクターのような電子回路を組み込んで信号の劣化がないわけはありません。必ず劣化します。

ケーブルは長くなればなるほどハイ落ちしてきます。ですから配線関係は短いに越したことはありません。エフェクターは基板や配線材などで信号の経路も長くなります。ですからエフェクターを入れることは当然信号を劣化させるので「音痩せ」の原因となるのです。ですから好みによっては一長一短ともなり、100%満足できるものは皆無でしょう。

トゥルーバイパスの場合でも、インプットからスイッチ、アウトプットへと配線された線材は、いくら質が良いものでも単線ですからシールド線よりも外来ノイズの影響は受けやすく、音質も若干ですが劣化し、音痩せとなります。

電子スイッチの場合は、組まれたバッファの質で音質変化を起こします。この性質をユーザーがセレクトできるように実際ループセレクター、スイッチャーの類はインプットの段でバッファのオン/オフができるようになっているものがあります。

このバッファは本当にピンキリで、音質を問うより本来の目的である信号の強化にだけ焦点を当てて設計されたものや、まったく音質変化がないのは皆無ですがなるべく音質の変化のないように高品位なパーツを用いて設計されたものなどがあります。

 

音痩せの原因

前述のように、原因はいくつかあります。

  • 質の違うケーブルの混在
  • 組み込まれたバッファの質
  • 長いケーブルの使いすぎ
  • エフェクターの入れすぎ

などです。

確実に言えることは、信号の伝送に使うケーブルはなるべく短く、強い信号を流してやることが音質の劣化や音痩せを抑えます。

ケーブル類はもちろん質の良いもので、できればメーカーも合わせておくに越したことはありません。また、最近流行りの自作でもかまいませんが、半田も伝導性が良く質の良いもので、いもはんだ(盛った半田で浮きがないように)などないように注意してください。

バッファを使う場合、基本的にはギターに一番近い位置です。理想的なのはローインピーダンスPUのようにギターに組み込まれるのが一番なんですが、エフェクターの最初段でもありです。こうすることで信号が強まり、後ろにいくつ繋いでもロスのない信号が送れます。

ですから、最初段に電子スイッチタイプのエフェクターを入れてバッファ代わりにするのもありです。なのでコンプなどの初段に入れるエフェクターは十分に吟味しないとなりませんね。

そうすると信号自体は強くなるのですが、音質の変化に対してはなんらかの対策を施さないと良い音にならないわけです。

 

システムとして音を作る

たとえばBoss LS-2(ラインセレクター)は、よく音痩せすると言われてまして、僕は結構「???」状態なのです。いや、確かに音痩せはするんですが、その音痩せを加味して音作りすればいいんじゃないの?と思うわけです。前述のようにエフェクターを使うこと自体、音痩せの原因なんですから、あまりそれを言ったところで、便利の度合いを落としてもしょうがないと思うのです。

しかもブラインドリスニングで入れたときと入れないときの聞き分けを、違うのはわかってもどっちがどっちかなんて100%確実に判断できる人って、まずいないと思っています。そもそも、ライブ中にLS-2をシステムに入れたり、抜いたりする人はいないでしょう。つなぎっぱのはずです。

僕もLS-2は使っていますが、ライブなどで音が細いとか痩せているなんて言われたことないですし、逆に知っている人なら「どういう音作りしているんですか?」という質問責めにはよく合います。ボード見て皮肉のように「LS-2って音痩せするから」って言う人に限って同じアンプを使って僕より太い音出す人は誰に聞いても皆無でした(だいたいびっくりされます)。たとえアンプ直の人でも僕より音が細い人はざらにいます。

つまり音の作り方さえわかっていれば、音痩せなんのその。いくらでも太い音は作れます。後は太過ぎに注意ですね。笑い話なんですが、友人の録音を手伝うと必ず言われるのが、音太すぎ、音が立ちすぎ、オケになじまないから適度に太さを抑えて....などなど。まあまずはオケを聞いて合わせるようにするか、ミックスを手伝います。

LS-2に話を戻して、これに限らずでもありますが、エフェクト一式をシステムの中核として考えて音作りすれば、音痩せなんて関係なく太い音が作れるんです。

LS-2は2つのA/Bモードに加えBypassもあり(合計3つの経路になります)、それぞれ切り替えることができます。僕の場合はこれをラインセレクターとしては使用せず、ボリュームセレクターとして使っています。

つまり、AとBだけを交互に切り替えるモードを使用しています。この場合InputとOutputにしかプラグインしていない状態です。出力が設定できるのでその出力ボリュームを片方は小さくしてバッキング用(通常時に選択)、もう片方は少々上げてソロ用(ソロや盛り上がり時などで使用)としています。

このLS-2はどうもBypassを使用すると、A/B時と比べて結構音痩せを感じます。ですからBypassを経由するモードは一切使わず、音質が揃うモード(AとB)だけを使うわけです。ボリュームの設定もそんなに小さくはせず、ソロ時の方で2~3時くらいにして、バッキングを11~12時くらいにします。ここで、プリアンプ的にシステムの音量を作るので、アンプはそれほど上げなくても済むわけです。

意外とこのLS-2でシステムの音量を稼ぐことができます(入れるのは割と後段のため)。音量を控えめにするとそれだけで細く聞こえます。出力ボリュームを持ったエフェクター(たとえば歪み系や原音:エフェクト音を調整するバランスを持ったモジュレーション系など)で、出力を抑え気味な方は少し上げるようにしてみると、音痩せは感じないようになります。

 

結局は「出音」がすべて

比較対象がなければ、音痩せという問題は起きないはずです。何と比べるかが問題なんですが、エフェクターで音を作る人が、アンプ直と音を比べても意味がないのです。でもエフェクターで音を作る人は、意外とアンプのセッティングができていません。

あちこちで言っていますが、アンプの3バンドEQをフラット(すべて5)にするなんてありえないわけです。フラットにすると基本的にアンプは電気的にドンシャリ、スピーカーの特性を加えると、意外とハイ上がり(特にビンテージ系のスピーカー)なので、細く聞こえるのは当たり前なんです。逆にアンプの出音がこもる人は、アンプの特性を理解していない人ということですので、それこそオールフラットに慣れてから音を作るほうが早く良い音を認識できます(これが初心者の困惑する原因のひとつでもありますが、本来のギターの音を出すアンプセッティングはさらにこの一段上なんです)。

音痩せを感じさせないようにするには、やはりミッドを上げてギターらしい太い音を作るのが一番なのです。乱暴な言い方ですが、これがJC(ソリッドステート)だろうとマーシャル(チューブ)だろうとアンプの出音の特性(電気的特性ではなく)はほぼドンシャリですから、スタジオやライブの大音量ならともかく、家ではそんなに出せないでしょうから余計ミッドが大切なんです。

エフェクターで音痩せを気にするくらいなら、システムとして音を作り上げることを覚える必要があります。特に最終段であるアンプが肝であること、エフェクトシステムの全体音量をやや上げ気味にすること(ノイズが気になるなら、それ相応の対策は必要です)が、重要です。