最新の研究で、体調や病気の症状にあわせた
最適なお風呂の入り方があることがわかってきました。
温度が1度違うだけで、体にあたえる影響もかなり違ってきます。
その日の目的や体調に合わせて、
温度をかえることが、医学的に重要なことだとされています。
そこで今回は
『ぐっすり眠る』『美肌効果』『ダイエット効果』
『体臭予防』『疲労回復』『風邪対策』
等の目的に合わせた入浴法をご紹介します
【ぐっすり眠る】
ぐっすり眠るために最も大切なことは、お風呂に入るタイミングです。
それは、寝る2時間前に入ることです。
人は体温が下がっていくと眠くなってきます。
ここでいう体温とは体の中の温度である深部体温のことです。
人の体温は入浴すると上がり、入浴後は急激に下がっていきます。
これを、体温のジェットコースターカーブといいます。
そして、入浴後の深部体温の落差が大きいほど、
ぐっすりと眠れることがわかっています。
要するに、ジェットコースターカーブが大きいほど、よく眠れというわけです。
そして、寝るのに最適な温度にまで下がるのに2時間ほどが必要です。
ですから、寝る2時間前に入浴するのがぐっすり眠れるコツとなります。
■ぐっすり眠るためのお薦め方法
①お風呂では体温を上げるためにタオルで背中をゴシゴシこする
肩甲骨の周りにはいろいろな筋肉がついていて、
そこを動かすことで体の中の温度が上昇するとされています。
②お風呂で上がった体温を下げるために、風呂上がりに冷たい水を一杯飲む
冷たい水を飲むと体温がスーッと下がって、寝つきがよくなります。
【美肌効果】
入浴に関するアンケートからわかったことに、
『美肌のためによくないお風呂の入り方をしている人が多い』
ということがあります。
実は、お肌によい入浴時間は10分です。
長い時間お湯につかっていると、
肌を守る皮脂がとれて保湿成分が流れ出てしまいます。
結果、肌の水分量が減少し、
肌荒れにつながる危険性(とくに冬)が増してしまいます。
お湯につかるのにお薦めなのは、42度で10分間です。
熱いお湯に入ると、
肌の再生を促すたんぱく質ヒートショックプロテインが作られやすくなるからです。
人は外から熱をくわえられると、体がびっくりして体を守ろうとして、
肌を修復する特別なたんぱく質を作ります。
これがヒートショックプロテインです。
ですが、あまり高すぎるお湯では体に悪いので、
42度というのがちょうどよい温度になります。
●ヒートショックプロテインを増やすコツ
お風呂上がりにバスタオル(もしくは毛布)をまいて10分体を保温します。
こうやって入浴後の体温低下をおさえることで、
ヒートショックプロテインを増やすことができます。
■注意点
何日も連続して42度の熱い温度のお湯に入っていると、
体が刺激になれてしまってヒートショックプロテインを作らなくなります。
適切なのは、週に2回くらいです。
■お薦めの入浴法
体を洗うさいに足の裏をゴシゴシと念いりに洗います。
肌の新陳代謝を高める働きのある
肝臓と腸の末梢神経が足の裏の中心に集中していますので、
そこを刺激することによって、
肌の新陳代謝を高めて美肌作りにつながります。
【ダイエット効果】
太る原因というのは、
食事をして糖や脂肪が中性脂肪として体の中に蓄えられるからです。
ですから、効果的にダイエットする考え方としては、
『中性脂肪になる前にエネルギーとして消費すればよい』
ということです。
そして、このエネルギー消費を少しでも多くすることが、
より効率的なダイエットにつながることになります。
■ダイエットにお薦めの入浴法
①お風呂は食事の1時間後に入る
これは、夕食後の食事が中性脂肪になる前に消費するという考え方です。
②浴槽の中で自転車こぎ運動をする
筋肉の70%は下半身に集中していますので、
下半身を動かすことで効率的なエネルギー消費につながります。
湯船の中では適度な水圧もかかるため、
1分間の自転車こぎ運動でも充分に効果が期待できます。
③浴槽の中で氷水を飲む
体のしくみは、体内に入った氷水を体温近くまで上げるように働きます。
そのときに多くのエネルギーが消費されますので、
ダイエット効果が期待できます。
氷水など飲む水の温度が低ければ低いほど、
よりエネルギー消費効果が期待でき、
血液中の糖や脂肪をより消費することになります。
【体臭予防】
体臭の中で一番臭うのは、
寝ている間に出ている皮脂と日中にかく汗が混ざり合った体臭だと言われています。
■お薦めの入浴法
①朝に熱いシャワーを浴びることです。
これによって、
寝ている間に作られた皮脂をしっかりと落とすことができます。
皮脂がついていなければ、
汗をかいても体臭が発生することはありませんので、
体臭予防に効果を発揮することになります。
②首の後ろをしっかりと洗う
臭いのもとである皮脂は首の後ろから多く出ています。
そこで、この部分をしっかりと洗うことで、
多くの皮脂を洗い落とすことができて、体臭予防につながります。
【疲労回復】
乳酸は疲労物質と言われてきましたが、
最新の研究で、それだけでもないことがわかってきました。
実は、乳酸は肝臓に運ばれた後で
グルコースにかわることがわかってきました。
脳はこのグルコースが少ないと疲労を感じてしまいます。
ですが、血流がよくないと乳酸は筋肉にとどまって、
肝臓には運ばれずグルコースに代わることもありません。
ですから、鍵は血流をよくすることにあります。
そこで入浴の仕方で血流アップをはかっていきます。
■血流アップ(疲労回復)の入浴法
血流を良くするお風呂の入り方は、
熱い・冷たいを繰り返すことです。
まず42度のお湯に3分間入浴し、
次いで20度の水に20秒ほど手や足をつけます。
これを2度繰り返すと、血流量のアップを期待することができます。
このとき、手足にシャワーをかけるということでもOKです。
温かいお湯に浸かると血管は広がり、
冷たい水にあたると血管は収縮します。
この繰り返しにより、血管はまるでポンプのような働きをすることになり、
血流がよくなります。
血流がよくなれば、乳酸が肝臓に運ばれやすくなり、
疲労回復が見込めるというわけです。
この血流改善によって、乳酸が血液にのって肝臓に運ばれ、
グルコースに代わるため、
疲労回復を感じやすくなる効果が期待できるようになります。
■炭酸風呂の薦め
疲労回復には炭酸風呂が効果的です。
炭酸は皮膚から吸収されますので、
血中内に二酸化炭素が増加することになります。
そのことで、体は酸素不足と勘違いし血管が拡張されます。
結果、血流がよくなり疲労回復へとつながります。
炭酸風呂は通常の水道水のお風呂よりも血流がアップすることが知られていて、
10分間以上炭酸風呂に入ると、血流は2倍アップするといわれています。
■自宅炭酸風呂の作り方
自宅で炭酸風呂を作る場合は、
200リットルのお湯に対して、
重曹を大さじ3杯(食用)+クエン酸を大さじ2杯(食用)を
入れれば簡単に作ることができます。
【風邪対策】
風邪をひいているときに、お風呂はいったほうがいいのか、
ひかえたほうがいいのかという疑問があると思いますが、
38度以上の高熱の場合を除き、
風邪のひき始めや治りかけの時はお風呂に入っても問題ありません。
むしろ入ることで早く治すことにつながっていきます。
■お薦めの入浴法
①40度のお湯に10分浸かる
「40度のお湯に10分浸かる」と、体温が約1度上昇します。
そのさい、お湯には肩までつかることをお薦めします。
免疫細胞は、体温が37~38度くらいの時に活発に働いてくれます。
ですから体温が1度上がると、免疫力もアップし、
風邪ウイルスに対しての抵抗力が高まることにつながります。
②湯気の効果
お風呂に入ると、湯気が立ちそれを吸い込むことになります。
この湯気を吸い込むことに、風邪対策の効果があります。
湯気を吸い込むと、タンがでやすくなります。
体の中にあるタンはウイルスや菌の温床なので、
これを吐き出すことが大きな風邪対策となるのです。
また、医学的には、ハッカ飴をなめながら湯気を吸いこむことが、
風邪対策には有効だと考えられています。
ハッカ飴に含まれている「メントール」という成分は、
病院の吸入器でも使われている成分で、
より強力に細菌やウイルスに対抗できる効果が期待できます。
【最後に】
では一般的な健康促進のためには、
どのようにしてお風呂に入った方が良いのか、
と言う問いに対する答えです。
『お湯40度に10分』
これが、健康促進の基本の入浴法だそうです。