ニキビの原因菌「アクネ菌」の殺菌方法一覧
ニキビや吹き出物は、塞がってしまった毛穴内部(毛包)で主にアクネ菌という細菌が増加することで発生すると考えられています。
アクネ菌の増加により、免疫反応を起こすことでニキビが赤く腫れてしまうのですが、ニキビを早く治すには、そのアクネ菌を素早く抑制して、免疫反応を抑えることがポイントになります。そこで今回はニキビの原因となるアクネ菌を抑制・殺菌する方法をご紹介します。
ニキビ治療で処方される殺菌薬(塗り薬)
ベピオゲル(過酸化ベンゾイル)
ベピオゲルは過酸化ベンゾイルを主成分としたニキビ治療薬です。過酸化ベンゾイルは酸化剤の一つで、皮膚に塗布することで酸素を発生させてニキビの原因となるアクネ菌を殺菌します。
アクネ菌は嫌気性菌という酸素を嫌う性質があるため、ベピオゲルのような酸素を発生させるお薬によってアクネ菌を死滅させることができるのです。ベピオゲルの副作用は、やや刺激性が強く、赤くなったりヒリヒリしたりすることがあります。
ベピオゲルの主成分の過酸化ベンゾイルは、日本では医師の処方箋が必要ですが、海外では一般の市販品への配合が認められている国も多くあります。海外版プロアクティブや海外版クレアラシルなどにおいても過酸化ベンゾイルを配合していたりします。
イオウカンフルローション
イオウカンフルローションとは、殺菌作用や角質柔軟作用があるイオウ(硫黄)と、消炎・抗炎症作用があるカンフル剤を組み合わせたローションです。
イオウにはアクネ菌を殺菌する効果があります。ニキビ治療において古くから皮膚科で処方される塗り薬です。肌が弱い人は若干の刺激性を感じることがあるかもしれません。
にきび治療の抗生剤の外用薬(塗り薬)一覧
ダラシンTゲル
ダラシンTゲルは、クリンダマイシンというリンコマイシン系抗生物質を主成分としたニキビ治療外用薬(塗り薬)です。細菌のたんぱく質の合成を阻害して抗菌力を示し、アクネ菌を殺菌します。
このお薬は主に炎症が進行した赤いニキビや化膿ニキビなどの治療に使用され、小さなニキビや細かなニキビ、黒ニキビなどには使用されません。
ダラシンTゲル1%、ダラシンTローション1%の2種類があります。
デュアック配合ゲル
デュアック配合ゲルは、過酸化ベンゾイル3%とクリンダマイシン1%という2種類の成分を配合したニキビ治療薬です。この主成分の組み合わせは、ベピオゲルとダラシンTゲルの組み合わせであるといえます。
2つのお薬を組み合わせることで、強力にアクネ菌の殺菌と減少をもたらします。赤ニキビや化膿ニキビなどの炎症が進行したにきびに効果的です。
そして、この2種類を組み合わせることで抗生物質による耐性菌の出現が低くなるメリットがあります。お薬が効きにくくなるという現象が発生しにくくなるということです。
アクアチムクリーム
アクアチムクリームは、ナジフロキサシンというニューキノロン系抗菌薬を主成分とした外用薬(塗り薬)です。細菌のDNAの複製を妨げて殺菌的に作用します。 このお薬は、主に炎症が進行したニキビ治療に使用されます。
アクアチム軟膏1%、アクアチムクリーム1%、アクアチムローション1%の3タイプがあります。クリームタイプでもベタベタせずにサラっと使用できます。
ゲンタシンクリーム(軟膏)
ゲンタシンクリームとは、ゲンタマイシンというアミノグリコシド系抗生物質を主成分とした外用薬(塗り薬)です。
細菌のたんぱく質合成を阻害することで病原菌を殺菌させる作用があり、細菌感染による局所的な皮膚疾患に効果があります。ニキビ治療に使用されることも多いお薬です。
ゲンタシンクリーム0.1%、ゲンタシン軟膏0.1%の2タイプがあります。
ニキビ治療の抗生物質「内服薬・飲み薬」一覧
ニキビ治療において抗生物質の内服薬が処方されることがあります。抗菌剤はニキビの原因菌となるアクネ菌の増加を抑制、または殺菌してニキビの炎症・腫れをしずめます。
抗生物質の内服治療は薬剤耐性をもつ菌を生じるリスクがあるため、できるだけ避けられる傾向がありますが、ニキビが重度化した場合は積極的に処方されることがあります。
- ルリッド・・・主成分:ロキシスロマイシン(マクロライド系抗生物質)
- クラリス・・・主成分:クラリスロマイシン(マクロライド系抗生物質)
- ミノマイシン・・・主成分:ミノサイクリン(テトラサイクリン系抗生物質)
- ビブラマイシン・・・主成分:ドキシサイクリン(テトラサイクリン系抗生物質)
- セフゾン・・・主成分:セフジニル(セフェム系抗生物質)
- バナン・・・主成分:セフポドキシム・プロキセチル(セフェム系抗生物質)
- フロモックス・・・主成分:セフカペン・ピボキシル(セフェム系抗生物質)
- ファロム・・・主成分:ファロペネム(ペネム系抗生物質)
- クラビット・・・主成分:レボフロキサシン(ニューキノロン系抗菌薬)
この中でニキビ治療によく処方されるのはルリッド錠やミノマイシンなどです。
アクネ菌を殺菌する治療器
光治療器を利用してニキビの原因菌であるアクネ菌を殺菌する治療を行っている病院もあります。作用原理は、アクネ菌が代謝過程で産生するポルフィリンという物質を利用した治療です。
ポルフィリンはある波長域の光を受けると不安定な物質に変化し、それによって活性酸素を発生させる性質があります。その活性酸素によってアクネ菌の死滅を促し、ニキビの炎症を早期に鎮めることができます。にきびの炎症が素早く抑制されることでニキビ跡の赤み、色素沈着、クレーターなども予防できます。
フォトフェイシャル・アクネス
フォトフェイシャル・アクネスとは、特殊な光を照射してアクネ菌が産生するポルフィリンを不安定化し、それによって活性酸素を発生させてニキビの原因となるアクネ菌を殺菌させる治療法です。週2回ペースで行うことで効果が実感できます。
ピュアアクネス
ピュアアクネスとは、特殊な光を照射して活性酸素を発生させ、ニキビの原因となるアクネ菌を殺菌する治療機器です。症状によって週2回ペースで治療回数を重ねることで効果が実感できます。
クリアタッチ
クリアタッチは、フラッシュランプを使用して複数の波長を照射して活性酸素を発生させ、ニキビの炎症を引き起こすアクネ菌の殺菌を促す治療器です。週2回ペースで治療回数を重ねていくことで効果が実感できます。
フォトダイナミックセラピー(PDT)
フォトダイナミックセラピーは、アミノレブリン酸という物質により毛穴内のポルフィリンの増加を促し、特殊な光を照射することにより活性酸素を発生させてアクネ菌を殺菌して死滅させる治療です。
フォトフェイシャルアクネスやピュアアクネス、クリアタッチと治療は似ていますが、自らポルフィリンを増加させる方法においては違いがあります。2~3週間に1回ペースの治療が理想です。
ニキビ治療における、いずれの光治療においてもアクネ菌の殺菌効果には個人差があります。ニキビは自然に治っていくものなので、治療によって治っているのか、自然に治っているのかわかりにくいケースもあります。劇的な効果を得られる人もいれば、まったく効果がなかったという人もいます。
市販の代表的なニキビ治療薬
オロナインH軟膏
オロナインH軟膏は、クロルヘキシジングルコン酸塩液を有効成分とした塗り薬です。アクネ菌の殺菌と皮膚を柔軟にすることで早期に治るように導きます。家庭のニキビ治療薬として長く利用されている歴史があります。
ピンプリット
ピンプリットは、イオウとレゾルシン、グリチルレチン酸の3つを主成分とした塗り薬です。イオウは殺菌・角質柔軟作用、レゾルシンは殺菌・角質柔軟作用、グリチルレチン酸は消炎・抗炎症作用があり、その3つの成分がニキビの炎症を素早く治します。
特にイオウとレゾルシンは相性が良く、アクネ菌に対する殺菌作用において相乗効果をもたらします。
クレアラシルニキビ治療薬クリーム
クレアラシルニキビ治療薬クリームは、殺菌作用や角質柔軟作用があるイオウと、殺菌作用と角質柔軟成分があるレゾルシン、消炎作用があるグリチルリチン酸二カリウムを有効成分としたニキビ治療薬です。
ビフナイトSニキビ治療薬
ビフナイトSは殺菌作用・角質柔軟作用があるイオウ、消炎・抗炎症作用があるグリチルレチン酸、殺菌作用があるイソプロピルメチルフェノールを有効成分とした塗り薬です。配合成分のイオウがアクネ菌を殺菌します。
市販のニキビ治療薬でも、皮膚科で処方される塗り薬と同じように効果が得られるという人も多いです。