顔にぶつぶつができたから、ニキビかと思って治療薬を使っても治らなくて悩んでいませんか?
ニキビに効く薬を使っても改善しないなら、それはニキビではないかもしれません。
ニキビによく似ている発疹に、マラセチア毛包炎があります。マラセチア毛包炎は顔だけでなく、背中など他のところにもできます。
ニキビとマラセチア毛包炎はどのように違うのでしょうか?マラセチア毛包炎の治療法はどのようなものがあるのでしょうか?
今回は、マラセチア毛包炎についてみていきましょう。
マラセチア毛包炎の症状とは
マラセチア毛包炎とは、ニキビよりも小さい赤いぶつぶつが毛穴にあらわれる皮膚疾患です。
ニキビととてもよく似ているので間違えやすいく、見分けるのが難しいことも多々あります。
症状は似ていますが、ニキビとは全く異なる病気で、かゆみは通常軽いですが、ひどくなるとかゆみや痛みが強まることもあります。
主に、胸や背中、肩や腕に発症します。
マラセチア毛包炎は、マラセチア菌というカビ(真菌)の一種が異常に繁殖することで毛穴に炎症を起こします。
◆マラセチア毛包炎の原因
マラセチア毛包炎の発症の原因は大きく2つに分かれます。
①マラセチア菌によって生じる遊離脂肪酸
マラセチアが皮脂を分解する際に遊離脂肪酸が発生し、それによって炎症が引き起こされて赤いブツブツが出る
②マラセチア菌が繁殖することによる免疫反応
毛穴にマラセチア菌が入り込んだ際に、異物と認識して攻撃され、それによって炎症し赤いブツブツが出る
ニキビとマラセチア毛包炎の違い
ニキビの原因菌はアクネ菌などの菌だから同じようなものでは?思いがちですが、種類が全然異なるものです。
・ニキビ:アクネ菌
アクネ菌は常在菌で、すべての人の皮膚に住み着いていて、特別な細菌ではありません。
ただ、アクネ菌の特徴として、密閉状態で脂肪分が多い場所に住み着く習性を持っています。
皮脂が毛穴を塞ぐと、そこがアクネ菌の住みやすい場所になってしまい、大量に繁殖します。
それによって皮脂腺が炎症をおこし、ニキビができてしまうのです。
・マラセチア毛包炎:マラセチア菌
マラセチア菌はアクネ菌と同様、常在菌の一種ですが、カビ(真菌)です。
カビといえば水虫も白癬菌というカビの一種です。
カビは皮脂を好む性質があり、マラセチア菌も湿気の多い時期や気温の高い時期に繁殖する傾向があるため、汗をよくかく時期は皮膚炎が悪化しやすい傾向にあります。
ニキビが顔に多くできるのに対し、マラセチア毛包炎は胸や背中、腕や肩などに発症するのはそのためです。
・マラセチア毛包炎の症状
ニキビとマラセチア毛包炎は症状の違いもあります。
ニキビはぷくっとしたブツブツが2~3個できる程度ですが、マラセチア毛包炎は小さい赤いブツブツが1か所に数十個あ集まってできることが多いです。
マラセチア菌は人感染しないので、うつる心配はありませんが、ニキビと同様に誰にでもできる皮膚炎です。
症状が似ていても、菌の種類が全く異なるので、ニキビの治療薬では治りません。ニキビの治療薬を使っても、症状が改善しない場合には、マラセチア毛包炎の可能性について考えてみましょう。
マラセチア毛包炎の治療
マラセチア毛包炎の原因はカビの一種であるため、普通のスキンケアや保湿だけではよくなりません。肌にカビが繁殖している状態であるため、肌を清潔に保っても自然治癒はしません。
マラセチア毛包炎は薬で治せる病気です。
◆皮膚科で治療を受ける
ニキビと思ってニキビ治療薬やケアを続けても改善しないときは、皮膚科で診療をうけ、はっきりと炎症の原因をみつけ、治療を受けましょう。
症状の程度に応じて、抗真菌外用薬や内服薬などが処方され、約1、2ヶ月で症状が改善されます。
病院での治療で処方される薬は、「ニゾラール」などの抗真菌剤塗り薬が処方されます。症状が重く、それでも完治しない場合は、「イトラコナゾール」などの抗真菌剤の飲み薬を使用することもあります。
◆市販薬で治療する
市販薬で治す方法もあります。
マラセチア毛包炎に効く市販薬は、抗真菌薬(主にイミダゾール系)です。イミダゾール系の薬は、真菌が原因の水虫やインキンタムシに効く薬です。
約1、2ヶ月塗り続けることで、症状は改善します。
しかし、マラセチア毛包炎はニキビと症状が似ていますが、ニキビ用の薬を使っていても症状は改善しません。症状が改善されない場合には、早めに一度病院で診察を受けることをおすすめします。
マラセチア毛包炎の予防法
せっかく治療して治ったとしても、また普段通りの生活で再発することもあります。
マラセチア毛包炎にならないようにするための予防法が必要になります。
生活改善策を紹介していきます。
・皮膚を清潔にする
マラセチア菌は皮膚や古い角質を餌にします。
特にオイリー肌で皮脂分泌が多い人は、繁殖しやすいので、洗顔や入浴、シャワーなどで余分な皮脂や角質を落とすようにしましょう。
ただし、ゴシゴシ力強く洗ったり、強い洗顔料などのでの皮脂のとり過ぎは逆効果なので、低刺激のもので優しく洗うようにしてください。
肌がべたついたら、濡れタオルで汗を拭き取ったりするなど、肌を清潔に保つように心がけましょう。
ボディソープ、シャンプーやトリートメントの残りかすもマラセチア菌の餌になってしまいますから、すすぎ残しがないようにしっかり洗い流しましょう。
・肌に触れるものも清潔に
せっかく肌がきれにになっても、肌に触れるものが不潔では意味がりありません。
下着や洋服、タオル、バスタオル、シーツや枕カバーなどもこまめに洗濯して、清潔な状態を保つようにします。
案外見落としがちなのが、ボディタオルです。石鹸で洗っているから清潔だと思っていても、浴室に濡れた状態のままで放置しておくと、菌がどんどん繁殖してしまいますから、きちんと乾かすようにしましょう。天気のいい日に、天日干しをするのも効果的です。
また、化粧品の容器やスプレー口、ファンデーションのパフも菌が繁殖します。汚れをふき取ったり、洗って、菌の繁殖を抑えましょう。
・規則正しい生活
マラセチア菌がそれほど多くなくても、ストレスによって肌の抵抗力が落ちていると、反応してトラブルを起こしやすい状態になります。
ストレスは肌の抵抗力を落として炎症を起こしやすい状態にしてしまいます。
不規則な生活や睡眠不足、偏った食事はストレスを溜める原因になります。
・食生活に気をつける
日常生活を改善する上で、食生活はとても大事な要素です。
脂っこい食事、糖分の多い菓子類、ナッツ、コーヒー、辛いものなど、皮脂の分泌を活発にする食べ物は控えるようにし、バランスのいい食事を心がけるようにしましょう。
ビタミンB群は肌のために摂りたい栄養です。
レバー、魚介類、大豆製品、緑黄色野菜、卵などを食事に加えるようにしましょう。
・エアコンの使い方に注意
マラセチア毛包炎は、日本特有の夏の気候、高温多湿で皮脂が増加する季節に発症するケースが多く、汗をたくさんかくことでマラセチア菌は増殖してしまいます。
そのため、エアコンで部屋の温度を湿度をコントロールして、マラセチア菌の増殖を防ぐのがいいといわれていますが、そこで注意したい点があります。
エアコンの掃除をしないでいると、ファンなどにカビが溜まっているまま使用し、エアコン内のカビを部屋中に撒き散らしてしまうということになりかねません。そういった危険な状態に陥らないよう、フィルターの掃除はこまめに行うようにしましょう。
加湿器も同様に、つけすぎでマラセチア菌を増殖させないように、フィルターを掃除してカビを撒き散らさないように気をつけてください。
まとめ
ニキビと違うマラセチア毛包炎の治療法についてみてきました。
ニキビはアクネ菌が原因ですが、マラセチア毛包炎はマラセチア菌という真菌でカビの一種が原因です。そのため、ニキビの治療薬を使っていても、マラセチア毛包炎を治すことはできません。
マラセチア毛包炎は、夏場や常に汗をかきやすい環境にいる人がなってしまうことが多いです。
ニキビだと思って治療していても、一向に症状が改善されない場合、それはニキビではなく、マラセチア毛包炎かもしれません。早めに皮膚科で診察してもらいましょう。
また、一度治っても、生活面が改善されなければ再発してしまいます。日頃から清潔で、バランスの良い規則正しい生活で、予防を心がけましょう。