医薬品情報
添付文書情報
| 販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
|---|---|---|---|---|---|
| Ludiomil Tablets | ノバルティスファーマ | 1179008F1022 | 11.5円/錠 | 処方箋医薬品 | |
| Ludiomil Tablets | ノバルティスファーマ | 1179008F2029 | 23.2円/錠 | 処方箋医薬品 |
禁忌
次の患者には投与しないこと
緑内障のある患者〔抗コリン作用により眼圧を上昇させるおそれがある。〕
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
心筋梗塞の回復初期の患者〔症状を悪化させるおそれがある。〕
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者〔痙攣を起こすことがある。〕
尿閉(前立腺疾患等)のある患者〔抗コリン作用により症状が悪化することがある。〕
MAO阻害剤の投与を受けている患者〔発汗、不穏、全身痙攣、異常高熱、昏睡等があらわれるおそれがある。〕(「3.相互作用」の項参照)
効能・効果及び用法・用量
効能又は効果
うつ病・うつ状態
効能又は効果に関連する使用上の注意
抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。
用法及び用量
通常成人にはマプロチリン塩酸塩として1日30〜75mgを2〜3回に分割経口投与する。また上記用量は1日1回夕食後あるいは就寝前に投与できる。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
使用上の注意
慎重投与
排尿困難又は眼内圧亢進等のある患者〔抗コリン作用により症状が悪化することがある。〕
心不全・心筋梗塞・狭心症・不整脈(発作性頻拍・刺激伝導障害等)等の心疾患のある患者又は甲状腺機能亢進症(または甲状腺ホルモン剤投与中)の患者〔循環器系に影響を及ぼすことがある。〕
躁うつ病患者〔躁転、自殺企図があらわれることがある。〕
脳の器質障害又は統合失調症の素因のある患者〔精神症状を増悪させることがある。〕
衝動性が高い併存障害を有する患者〔精神症状を増悪させることがある。〕
自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者〔自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。〕
副腎髄質腫瘍(褐色細胞腫、神経芽細胞腫等)のある患者〔高血圧発作を引き起こすことがある。〕
重篤な肝・腎障害のある患者〔代謝・排泄障害により副作用があらわれやすい。〕
低血圧のある患者〔高度の血圧低下が起こることがある。〕
高度な慢性の便秘のある患者〔抗コリン作用により症状が悪化することがある。〕
三環系抗うつ剤に対し過敏症の患者〔交差過敏反応があらわれるおそれがある。〕
小児又は高齢者(「5.高齢者への投与」、「7.小児等への投与」の項参照)
重要な基本的注意
うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。
不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病等があらわれることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されている。患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。
自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。
家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。
投与量の急激な減少ないし投与の中止により、嘔気、頭痛、けん怠感、易刺激性、情動不安、睡眠障害、筋攣縮等の離脱症状があらわれることがある。投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
めまい、眠気等が起こることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
相互作用序文
本剤の代謝には主として肝薬物代謝酵素CYP2D6が関与している。
薬物代謝酵素用語
併用禁忌
| MAO阻害剤 | 発汗、不穏、全身痙攣、異常高熱、昏睡等があらわれることがある。MAO阻害剤の投与を受けた患者に本剤を投与する場合には、少なくとも2週間の間隔をおき、また本剤からMAO阻害剤に切り替えるときには、2〜3日間の間隔をおくことが望ましい。 | 本剤は活性アミンのシナプス内への取り込みを阻害して、受容体の感受性を増強する。 |
併用注意
| 痙攣閾値を低下させる薬剤 フェノチアジン誘導体等 | 痙攣発作が起こることがある。 | 機序:いずれも痙攣閾値を低下させる。 危険因子:痙攣素因のある患者 |
| 副交感神経刺激剤 ピロカルピン | ピロカルピンの作用が減弱されることがある。 | 本剤の抗コリン作用によりピロカルピンと拮抗的に作用すると考えられている。 |
| ベンゾジアゼピン誘導体 | 併用中のベンゾジアゼピン誘導体を中止すると痙攣発作が起こることがある。 | 機序:併用中のベンゾジアゼピン誘導体を中止すると、痙攣発作が顕性化する。 危険因子:痙攣素因のある患者 |
| 抗コリン作用を有する薬剤 トリヘキシフェニジル アトロピン等 | 口渇、便秘、尿閉、視力障害、眠気等があらわれることがある。 | いずれも抗コリン作用を有するため。 |
| アドレナリン作動薬 アドレナリン ノルアドレナリン フェニレフリン等 | 心血管作用(高血圧等)を増強することがある。 | 本剤は交感神経末梢へのノルアドレナリン等の取り込みを抑制し、受容体部位へのアドレナリン作動性を上昇させ、作用を増強させる。 |
| アトモキセチン | 相互に作用が増強するおそれがある。 | ノルアドレナリンへの作用を相加的又は相乗的に増強する可能性がある。 |
| フェノチアジン誘導体 レボメプロマジン等 | 鎮静、抗コリン作用の増強があらわれることがある。 | いずれも中枢神経抑制作用、抗コリン作用を有するため。 |
| リスペリドン 選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI) フルボキサミン パロキセチン等 | 本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されることがある。 | これらの薬剤は本剤の肝臓での酸化的な代謝を阻害し、本剤の血中濃度を上昇させると考えられる。 |
| テルビナフィン | 本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 | テルビナフィンがCYP2D6を阻害し、本剤の血中濃度を上昇させると考えられる。 |
| 中枢神経抑制剤 バルビツール酸誘導体等 全身麻酔剤 ハロタン 抗不安剤 ベンゾジアゼピン誘導体等 アルコール サリドマイド | 中枢神経抑制作用が増強されることがある。 | いずれも中枢神経抑制作用を有するため。 |
| 肝酵素誘導作用をもつ薬剤 バルビツール酸誘導体 フェニトイン等 | 三環系抗うつ剤(イミプラミン)の作用が減弱されることがあるとの報告がある。 | バルビツール酸誘導体又はフェニトイン等の肝酵素誘導作用によりイミプラミンの代謝が促進されると考えられている。 |
| アドレナリン作動性神経遮断作用を有する降圧剤 グアネチジン等 | 降圧作用を減弱することがある。 | 本剤がアドレナリン作動性神経遮断作用を有する降圧剤の交感神経ニューロンへの取り込みを阻害する。また、本剤は交感神経ニューロンへのカテコラミン取り込み阻害作用も有する。 |
| 肝初回通過効果を受けやすいβ-遮断剤 プロプラノロール塩酸塩等 | 起立性低血圧、鎮静、口渇、霧視、運動失調等があらわれることがある。 | 競合的に本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇する。 |
| フェニトイン | 三環系抗うつ剤(イミプラミン)で、フェニトインの作用が増強するとの報告がある。 | フェニトインの代謝が阻害され、フェニトインの血中濃度が上昇すると考えられている。 |
| 電気ショック療法 | 痙攣閾値を低下させ、痙攣状態に陥るおそれがある。 | 本剤は痙攣閾値を低下させる。 |
| 抗不整脈剤 キニジン プロパフェノン メチルフェニデート シメチジン | 三環系抗うつ剤(イミプラミン)の作用が増強するとの報告がある。 | これらの薬剤により、イミプラミンの肝代謝が阻害され、血中濃度が上昇すると考えられている。 キニジンでは本剤の肝代謝が阻害されるとの報告がある。 |
| インスリン製剤 インスリン スルフォニル尿素系糖尿病用剤 グリベンクラミド | 併用により過度の血糖低下を来すことがある。 | 本剤での機序は不明であるが、三環系抗うつ剤(ドキセピン)により低血糖に対する反応性が変化するか、インスリンに対する感受性が増大し、血糖降下作用が増強すると考えられている。 |
| クマリン系抗凝血剤 ワルファリン | 三環系抗うつ剤(ノルトリプチリン)との併用によりクマリン系抗凝血剤の血中濃度半減期が延長するとの報告がある。 | 機序不明。 |
| スルファメトキサゾール・トリメトプリム | 三環系抗うつ剤(イミプラミン)との併用により抑うつが再発又は悪化するとの報告がある。 | イミプラミンの代謝促進及び両剤の受容体レベルでの拮抗作用により抗うつ剤の効果があらわれない可能性がある。 |
| QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤 スニチニブ ダサチニブ イミプラミン等 | QT間隔延長、心室性不整脈(Torsades de pointesを含む)等の重篤な副作用を起こすおそれがある。 | いずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため。 |
| ゾニサミド | 高血圧、失神、不全収縮、発汗、てんかん、動作・精神障害の変化及び筋強剛等の副作用があらわれるおそれがある。 | 相加・相乗作用によると考えられる。 |
副作用
副作用発現状況の概要
総症例13,187例中2,417例(18.3%)に3,743件の副作用が認められ、主な器官別の発現頻度は次のとおりである。
胃腸系(口内乾燥、便秘等)1,310件(9.9%)、精神神経系(傾眠、不眠、神経過敏等)659件(5.0%)、中枢末梢神経系(めまい、振戦、言語障害、頭痛等)509件(3.8%)、一般的全身(けん怠感、無力症等)231件(1.8%)、皮膚付属器官(発疹等)153件(1.2%)、肝臓胆管系(AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇等)102件(0.8%)
(承認時まで及び承認後1987年6月までの集計及び50mg錠承認時までの集計)
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
悪性症候群(Syndrome malin)(頻度不明)
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行う。
本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、またミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、他の三環系及び四環系抗うつ剤の投与中、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎不全へと移行し、死亡した例が報告されている。
てんかん発作(0.1%〜5%未満)
てんかん発作があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
無顆粒球症(頻度不明)
無顆粒球症があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
麻痺性イレウス(0.1%未満)
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止すること。なお、この悪心・嘔吐は、本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること。
間質性肺炎、好酸球性肺炎(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
QT延長、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)(頻度不明)
定期的に心電図検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸(頻度不明)
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
| 5%以上又は頻度不明 | 0.1%〜5%未満 | 0.1%未満 | |
| 循環器 | 血圧降下、血圧上昇 | 起立性低血圧、心悸亢進、心電図異常(QT延長等) | 心ブロック、頻脈、不整脈、失神 |
| 精神神経系注1) | 激越、ミオクロヌス、情緒不安 | 眠気、パーキンソン様症状・振戦・アカシジア等の錐体外路障害、言語障害、知覚異常、睡眠障害(不眠等)、神経過敏、不安、集中力欠如(思考力低下、頭がボーッとする等)、躁状態 | 幻覚、陰萎、せん妄、運動失調、錯乱状態、悪夢、記憶障害、離人症 |
| 抗コリン作用 | 口渇、緑内障、尿閉 | 便秘、排尿困難、視調節障害(散瞳等) | 鼻閉 |
| 皮膚注2) | 紫斑、脱毛 | − | 光線過敏症 |
| 過敏症注2) | 皮膚血管炎 | 発疹 | 蕁麻疹、そう痒感、発熱 |
| 血液 | 好酸球増多、血小板減少 | − | 白血球減少注3)、白血球増多 |
| 肝臓注4) | − | AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇 | ALPの上昇 |
| 消化器 | − | 悪心、胃部不快感等の胃腸症状、食欲不振、腹痛、口内苦味感、味覚異常 | 嘔吐、異常食欲亢進、口内炎、下痢、嚥下困難 |
| 内分泌 | 乳房肥大、乳汁漏出 | − | 体重増加 |
| 呼吸器 | 気管支痙攣 | − | − |
| その他 | − | めまい、ふらつき、けん怠感、脱力感、熱感、発汗、頭痛、頭重、頻尿・夜尿、浮腫 | 耳鳴、流涎 |
高齢者への投与
高齢者では、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。〔起立性低血圧、ふらつき、抗コリン作用による口渇、排尿困難、便秘、眼内圧亢進等があらわれやすい。〕
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立されていない。三環系抗うつ剤で、新生児に呼吸困難、嗜眠、チアノーゼ、興奮性、低血圧、高血圧、痙攣、筋痙縮、振戦等の離脱症状を起こしたとの報告がある。〕
授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を避けさせること。〔ヒト母乳中へ移行する。〕
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児又は幼児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
過量投与
徴候、症状
最初の徴候、症状は通常服用1〜2時間後にあらわれる。
中枢神経系
昏睡、痙攣、意識障害、嗜眠状態、運動失調、情動不安
心血管系
低血圧、頻脈、不整脈、伝導障害、ショック、心不全、非常にまれにQT延長、トルサード・ド・ポアン、心停止
その他
呼吸抑制、異常高熱等
処置
特異的な解毒剤は知られていない。催吐もしくは胃洗浄により薬物の排除をはかる。また、コリンエステラーゼ阻害剤(ネオスチグミン等)は痙攣の危険性を増大させるおそれがあるので、マプロチリンの過量服用時の治療には不適である。
必要に応じて次のような処置を行う。症状が重篤な場合には、少なくとも48時間は心モニターを継続し、また約12時間は痙攣発作の発現に対して特に注意する。
呼吸抑制
人工呼吸
低血圧、循環虚脱
血漿増量剤の投与。炭酸水素ナトリウム静注(アシドーシスがある場合)。ドパミン又はドブタミンの点滴静注(心筋機能の低下がみられる場合)
不整脈
炭酸水素ナトリウムの静注によるアシドーシス是正。カリウム剤投与による血清低カリウム値の補正。徐脈性不整脈又はAVブロックがあらわれた場合にはペースメーカーの挿入
痙攣
ジアゼパムの静注(但し、ジアゼパムによる呼吸抑制、低血圧、昏睡の悪化に注意)
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
その他の注意
海外で実施された大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった。なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少した。
三環系抗うつ剤の長期投与で、う歯発現の増加を招くことが報告されている。
連用中は定期的に肝・腎機能検査を行うことが望ましい。
本剤投与中にコンタクトレンズを使用している場合、角膜上皮の障害があらわれるおそれがある。〔本剤は抗コリン作用があり、涙液分泌を減少させるため。〕
主に50歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において、選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び三環系抗うつ剤を含む抗うつ剤を投与された患者で、骨折のリスクが上昇したとの報告がある。
薬物動態
血中濃度
マプロチリン塩酸塩25及び75mgを1回経口投与した場合、約6〜12時間で最高血漿中濃度に達し、その後ゆっくりと減衰する。生物学的半減期は個人差が大きく(19時間〜73時間)、平均値は25mg投与で約46時間、75mg投与で約45時間である(健康成人)。[2]
30及び75mg/日を分割投与あるいは1日1回投与した場合、血漿中濃度は2週間以内に定常状態に達し、その平均値は両投与法に差はなく、分割投与例では31.3及び76.9ng/mL、1日1回投与例では、31.7及び70.6ng/mLである(うつ病患者)。[3]
代謝・排泄
3H-マプロチリンを健康成人に経口投与後、放射活性は48時間内に30%が尿中へ、96時間内に48%が尿中へ、13%が糞中へ排泄される。
尿中排泄物は90%以上が代謝物であり、75%はグルクロン酸抱合体で、代謝産物としてN-脱メチル化体、側鎖及び環の水酸化体等の12種が同定されている。[4](外国人のデータ)
乳汁中への移行
健康な出産後の婦人にマプロチリン塩酸塩を単回あるいは連続経口投与した場合、母乳中濃度は全血中濃度の推移に近似し、定常状態における母乳中濃度の全血中濃度に対する比は一定で、その平均値は約1.37である。(外国人のデータ)
臨床成績
一般臨床試験において効果判定を5段階評価(著明改善、中等度改善、軽度改善、不変、悪化)した場合の改善度は、次表のとおりである。
改善度
| 投与方法\改善度 | 全例数 | 著明改善 | 中等度改善以上 | 軽度改善以上 | |
| 1日2〜3回分割投与 | 例数 | 554 | 147 | 315 | 396 |
| 累積% | 100 | 26.5 | 56.9 | 71.5 | |
| 1日1回投与 | 例数 | 284 | 70 | 174 | 244 |
| 累積% | 100 | 24.6 | 61.3 | 85.9 | |
なお、二重盲検比較試験5試験の結果、本剤の有用性が認められている。
薬効薬理
抗うつ剤については種々の作用機序が示されているが、本剤では主として神経終末へのcatecholamine取り込み阻害作用によるcatecholaminergic activityの増強が抗うつ効果に結びついていると考えられている。
動物実験(マウス・ラット)で、マプロチリンは抗reserpine作用[5]、抗tetrabenazine作用[5]、noradrenaline取り込み阻害作用[6]等においては従来の抗うつ剤に類似した作用態度を示すが、serotoninの取り込みに対しては阻害作用がみられないこと[7][8]、中枢性の抗コリン作用をほとんど有さないこと[5]、あるいは強い馴化作用を併有していること[5]など三環系抗うつ剤とは異なる作用スペクトルを有する薬物である。各種の薬理実験の結果から、主な作用についてマプロチリン、imipramine、amitriptylineの相対的作用強度を比較すると次図のようになる。
imipramineの作用強度を1とした場合のマプロチリン及びamitriptylineの相対強度図(ED50及び最小有効量より作成)[5]
有効成分に関する理化学的知見
包装
ルジオミール錠10mg
100錠(PTP) 1,000錠(PTP・バラ)
ルジオミール錠25mg
100錠(PTP) 1,000錠(PTP・バラ)
| 「日本チバガイギー医薬品 過量使用時の症状と処置」日本チバガイギー株式会社・医薬情報部編集, 117, (1987) |
| 門脇久治ほか, 基礎と臨床, 17 (2), 507, (1983) |
| 小林建太郎ほか, 基礎と臨床, 17 (3), 1176, (1983) |
| Riess,W.et al., J.Int.Med.Res., 3 (Suppl.2), 16, (1975) |
| 植木昭和ほか, 日薬理誌, 71, 789, (1975) »PubMed |
| Maitre,L.et al., Biochem.Pharmacol., 20 (9), 2169, (1971) »PubMed |
| Maitre,L.et al., J.Int.Med.Res., 3 (Suppl.2), 2, (1975) |
| Maitre,L.et al., Adv.Biochem.Psychopharmacol., 10, 297, (1974) »PubMed |
作業情報
| 改訂履歴 | 2012年4月 改訂 |
| 文献請求先 | ノバルティスファーマ株式会社 |
| 業態及び業者名等 | 製造販売 |