その中で特に感銘を受けたのが「革には水分が必要である」ということ。
そんなことは革に対する造詣の深い人なら皆知っていることである。
私も知っていた。
だから今まで、デリケートクリームで靴を保湿してきたのだ。
しかし、Shoetyさんに教えてもらった話はそういうレベルではない。
特に 古靴に対するケア として、私にとっては目からうろこの話であった。
私のブログで「Lancaster」の踵の履き口にわずかな亀裂が走った記事があったが、それに触れて、古靴は水分を補給する必要があるということであった。
話の要点は
〇古靴はどんなに状態がよく見えても、内部は乾燥している可能性がある。
〇状態の良い古靴を履いたらアッパーが裂けた経験がある。
〇このような事故を防ぐためにも水分補給が必要だ。
「Lancasterにはデリケートクリームを塗って保湿したんですが…」と私
ところが、それでは不十分なのである。
ではどうすればいいのか。
〇博物館では、古い革製の遺物を保存するために、まず、水(ただの水ではなく、博物館ごとの成分調整がある)に漬けこんで水分補給をする。すると革は潤いを取り戻し、保存しやすくなる。
〇さすがに靴は中敷きなどがあるから水に漬けこむのは抵抗があるが、アッパーをベチョベチョに濡らしてよい。
〇その際、グリセリンと水を3:7の割合で混ぜた溶液を使うこと。
〇乾いた後は、革に十分な張りが出て見違えるようになる。
グリセリン!
すぐにニトログリセリンという危ない物質が思い浮かぶが、
このグリセリン、保湿能力が非常に高く、実際に保湿剤や薬品に広く使われているのだ。
しかも水に非常に溶けやすい。
よく考えてみれば、生きている我々の皮は内部から常に水分が補給されているのに比べ、「革」は自ら水分を作ることができない死んだ皮である。
生きた皮を持つ我々でさえ保湿剤を塗るのだから、(特に古靴に関しては)デリケートクリームレベルの保湿剤では水分補給は不十分なのは明白だ。
グリセリンは補った水分を革の内部にとどめておく効果を発揮するのだろう。
Shoetyさんは、長年の経験と実践から、3(グリセリン):7(水)という黄金比率を見つけた。
目からうろこである。
こんな話、初めて聞いた。
そして実践した。
まずは薬局でグリセリンを購入。
これを水と混ぜてコットンパフに染み込ませ、靴全体にベチョベチョに塗った。
LancasterとFlorsheim50sを濡らした。
1日経って見てみると、確かに張りが違う。
もともと張りのある良い革だったが、さらに良くなった。
すごい効果である。感動的。
だが、施術しながら気になってはいたのだが、芯の入っているトゥとヒールは、部分的に水がしみこみにくく、大きな水滴ができていた。
そして乾いた後を見ると、その部分がシミになっていた。
そこで、
シミにならないようにトゥとヒール全体をまんべんなく湿らす方法を工夫してみた。
グリセリン水溶液を染み込ませたコットンパフを、ムラのあるトゥとヒールに貼りつけてしばらく置いた。
トゥはムラなく湿っていた。
ついでに甲の部分やレースステイも再び濡らしておいた。
結果はまた後日。
それにしても、この技は非常に効果的である。
靴全体をまんべんなく湿らせることで古靴は甦るのである。
ただし、あくまで「まんべんなく」である。やるときは自己責任で。
調子に乗って3足、4足と濡らしていった。
これからは、古靴はグリセリン水溶液、新靴はデリケートクリーム、と使い分けていこうか。
Shoetyさん、ありがとうございました。
10 Comments
なおけんた
Re: タイトルなし
Shoesadict さん
> 朝一でグリセリン買いました(笑)
> 箱には「ひび、あかぎれに」の文字が。
> 近日中に50'sが到着予定ですので試してみます。
> 情報ありがとうございました。
ひび・あかぎれに効くんですからその保湿能力は実証済みですね。
ほんとうにしっとりとします。
ただ、シミにならないようにまんべんなく濡らしてください。
なおけんた
Re: No title
マサキさん
> やはりグリセリンですか!
> 実はかねてから革靴の水分補給には化粧水(主成分は水とグリセリン)が良いと思ってまして(^^;)
> 100均で売っているような余計な成分が少ないものをちょいちょい使っていました。
> 私はクリーナーもステインリムーバーを使わず、クレンジングウォーター、ジェルなんかを使ったりします。
> 保湿成分(ヒアルロン酸)配合!みたいなやつとか(笑)
> あと、グリセリンを薄める水ですが水道水は使わない方がなんとなく良いと思います。
> ミネラル分やらカルキやら入ってますからね。
> 高い物ではないので精製水をおすすめします。
そこは抜かりはありません(笑)。
我が家の水道の蛇口には還元水素水の整水器がついていますので、それの浄水を使っています。
で、今調べたら、還元水素水は人の肌にもよく、メガネなどの洗浄にもいいそうなので、こちらを使ってみてもいいかなと思っています。
なおけんた
Re: タイトルなし
電池さん
> これは興味深い!
> 私も何度かクラックに見舞わられてからデリケートクリームへの信頼を無くしていました。最近のマイブームはレザークリスタルです。油分の補給にはオススメです。水分を補給するのは今回ご紹介の方法が良さそうですね。結果楽しみにしています。
Shoetyさんが言うには、十分な水分と適度な油分だそうです。油も大事ですね。
Shoesadict
朝一でグリセリン買いました(笑)
箱には「ひび、あかぎれに」の文字が。
近日中に50'sが到着予定ですので試してみます。
情報ありがとうございました。
なおけんた
Re: タイトルなし
なおきさん
> こりゃすごい情報ですね!ありがとうございます!
> 確かにデリクリだけじゃ中の方までは染み込まないよなーとは思っておりました。
> ShoetyさんはHPしか見ておりませんでしたが、専門家の店に行かなきゃ手に入らない知識もあるもんですなー。
> 施術後のレポートも楽しみにしております。
長いことデッドストックシューズに係ってこられた経験があるからこその知識,技術ですね。
試行錯誤の結果だと思いますが,だからこそ金言になります。
雑誌ではなかなか出てこないでしょう。
そんなことをしたらデリケートクリーム売れなくなるでしょうからね。
デリケートクリームより保湿液を開発した方がいいのではないでしょうかね。
マサキ
No title
やはりグリセリンですか!
実はかねてから革靴の水分補給には化粧水(主成分は水とグリセリン)が良いと思ってまして(^^;)
100均で売っているような余計な成分が少ないものをちょいちょい使っていました。
私はクリーナーもステインリムーバーを使わず、クレンジングウォーター、ジェルなんかを使ったりします。
保湿成分(ヒアルロン酸)配合!みたいなやつとか(笑)
あと、グリセリンを薄める水ですが水道水は使わない方がなんとなく良いと思います。
ミネラル分やらカルキやら入ってますからね。
高い物ではないので精製水をおすすめします。
電池
なおき
こりゃすごい情報ですね!ありがとうございます!
確かにデリクリだけじゃ中の方までは染み込まないよなーとは思っておりました。
ShoetyさんはHPしか見ておりませんでしたが、専門家の店に行かなきゃ手に入らない知識もあるもんですなー。
施術後のレポートも楽しみにしております。
なおけんた
Re: No title
tomojin329 さん
> 水分補給は必要とは思っていましたが、グリセリンを混ぜてとは・・・貴重な情報有難う御座います(^^)いつも古靴をクリーニングした後はデリケートクリームを多めに塗るだけでしたので今度私もTRYしてみます。
古靴は、我々が思っている以上に水分を失っているんでしょうね。
潤いのない肌がカサカサしたり、割れたりするように、乾燥した革も伸びや弾力性がなくなり、割れたり裂けたりするんですね。
革を人の皮の目線でとらえるととてもわかりやすいと思いました。
tomojin329
No title
水分補給は必要とは思っていましたが、グリセリンを混ぜてとは・・・貴重な情報有難う御座います(^^)いつも古靴をクリーニングした後はデリケートクリームを多めに塗るだけでしたので今度私もTRYしてみます。