弱酸性の洗顔石鹸と弱アルカリ性の洗顔石鹸、どちらがいい?
テレビCMでお馴染み「肌に優しい弱酸性」という言葉もある通り、弱酸性タイプが低刺激な洗顔料だとしたら反対に、弱アルカリ性は刺激の強い洗顔料なのでしょうか?
それでは、わざわざ弱アルカリ性石鹸を選ぶ人はいないイメージ…。
弱酸性と弱アルカリ性タイプの洗顔料を比較して、それぞれの特徴やメリットとデメリットを調べてみると、自分が使っている洗顔料の見極め方や、相性の良いタイプの選び方に役立つヒントが見えてきました
肌に優しい弱酸性?刺激が強いアルカリ性?
洗浄効果のある洗剤や石鹸、洗顔フォームに含まれる水に溶かした液体は酸性から中性、そしてアルカリ性の3種類に分類されます。
また、水溶液の性質を示す単位に「pH」というのがありますが、これも同じく酸性やアルカリ性の度合いを意味し、水や飲み物、人の身体もpH値によって酸性タイプ、アルカリ性タイプといった分け方をすることができます。
最近では「弱酸性の洗顔料」「お肌に優しい弱酸性タイプ」という宣伝フレーズがありますが、これは人の肌のpH値に注目してみると、その意味が見えてきます。
人の肌は弱酸性のため、同じ弱酸性の洗顔料で汚れを落とせば、肌への負担も少ないという考えなのです。
すると「アルカリ性の洗顔料は肌への負担が大きいのでは?」と思ってしまいますが、実は違います。
アルカリ性の洗顔料の場合、肌の弱酸性と混ざることで中和され、お肌のコンディションが整えられるのです。
一概に「弱酸性の洗顔料だから良い!」「アルカリ性の石鹸だから使ってはダメ!」とは言い切れません。
それぞれの特徴を知り、自分の肌質との相性を見極めながら決めるのが良い選び方となっています。
肌が弱酸性の理由
私たちの皮膚には1兆個もの常駐菌が存在しています。
ニキビの原因となるアクネ菌のように、言葉だけ聞くと「菌がいるなんて、良くない肌状態」「菌がいるのは不衛生」なんて感じてしまいますが、実は悪い菌だけではなく良い働きをしてくれる菌もあるのです。
例えるなら、腸内環境を整えるのにバランスが重要とされる善玉菌と悪玉菌、日和見菌のようなイメージが近いでしょう。
肌に存在する常駐菌の中でも「表皮ブドウ球菌」は、分泌される皮脂や汗を食べて肌を酸性に保ち、他の悪い菌やウイルスの侵入や増殖を防いでくれます。
また表皮ブドウ球菌は代謝物として脂肪酸を作り出すので、肌のバリア機能にも役立つ“天然のクリーム”にも有効で、かつ弱酸性の状態でないと育たない特徴も。
肌が弱酸性に保たれているのは肌が良い状態というのに加え、体全体を通した健康面でも良いバランスが整っていると言えます。
弱酸性石鹸の特徴
弱酸性石鹸は2005年頃、弱酸性の合成界面活性剤成分を作れるグルタミン酸ソーダの特許が切れた頃から商品の種類が増え、流行り始めました。
小麦やサトウキビといった植物由来の他、石油からも作れるグルタミン酸ソーダは、安価で大量生産ができる合成界面活性剤とも言えますが「肌に優しい弱酸性」というインパクトのあるキャッチコピーもあいまって、ブームではなく定番アイテムとして現在も人気の洗顔料です。
弱酸性石鹸のメリット・デメリット
肌と同じph値タイプの弱酸性石鹸は、洗顔料による肌バランスの乱れが起こらないため、刺激を抑えた洗顔に取り組めるのが大きなメリットとなっています。
敏感肌やアレルギー肌、乾燥肌の方は洗顔自体が刺激となる場合もあるので、特に低刺激な洗顔をしたいなら弱アルカリ性よりも弱酸性石鹸で顔を洗うのが良いでしょう。
ただし、この弱酸性石鹸のメリットである洗浄力の弱さが、デメリットとなる場合もあるのです。
肌と同じ弱酸性は適度な皮脂やホコリ、チリといった汚れを落とせる反面、古い角質を落としたり角質を柔らかくするほどの洗浄力はありません。
そのため、古い角質の蓄積による肌のごわつきや、皮膚硬化による毛穴の黒ずみ、大人ニキビといったトラブル肌に発展する恐れも気になるところです。
また、弱酸性の洗顔料を作り上げるには、グルタミン酸ソーダやアシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE)といった合成界面活性剤が必須。
中には洗顔としては強すぎる洗浄効果のため、保湿成分を配合しさらに効果や品質を維持するために添加物を加えている商品もあるくらいです。
特に、成分による化粧かぶれの経験がある方なら、合成界面活性剤や添加物、配合成分を見極めないと肌トラブルを引き起こす可能性もあるのはデメリットと言えるでしょう。
弱アルカリ性石鹸の特徴
植物や動物由来の脂肪酸を原料にして作られた“石鹸素地”という界面活性剤が配合された固形石鹸こそ、弱アルカリ性石鹸の特徴。
紀元前3000年頃から存在していた石鹸は、8世紀頃から本格的な製造が始まったと言われていますが、この時から脂肪酸を原料として作られています。
今でこそ、一般的な固形石けんは安価でリーズナブルというイメージがありますが、日本で石鹸が使われるようになった明治時代、初の国産ブランド石鹸として発売された花王の石鹸は当時、非常に高価なアイテムでした。
弱アルカリ性石鹸のメリット・デメリット
弱アルカリ性石鹸の特徴と言えば、弱酸性の肌を洗顔によって一時的にアルカリ性に傾けることで働く中和能力です。
アルカリ性に傾いた肌は、時間が経てば再び弱酸性の状態に戻りますが、この時に皮脂膜が張られるため肌本来のバリア機能を促進するアプローチができます。
もちろん化粧水や乳液、美容液といったスキンケア用品での保湿ケアも必要ですが、天然のクリームにより健やかな肌作りにも役立つ存在と言えるでしょう。
また、汚れ落としの洗浄能力として優れた脱脂効果をもった弱アルカリ性石鹸は、肌汚れに加え古い角質も落とせるパワーがあるため、弱酸性石鹸よりも優れた洗浄効果が魅力的。
弱アルカリ性は脂肪酸を原料とした界面活性剤なので、わずかに肌に残った状態だとしても分解され、界面活性剤の効果が長時間続かないのは、弱酸性とは違う刺激を抑えた洗顔ケアとなっています。
ただし、弱酸性に比べると優れた洗浄効果やアルカリ中和能のアプローチが、肌への刺激に繋がることも…。
現在、赤ニキビが目立つ炎症中のニキビ肌の方や、バリア機能が低下している敏感肌状態の方には、洗顔自体がダメージと感じる恐れがあります。
そして一時的に肌バランスが乱れた状態になるので、丁寧な保湿ケアをしなければより肌は潤い不足となりバリア機能の低下やターンオーバーの乱れを引き起こす可能性も、弱酸性石鹸よりは高くなっています。
この洗顔料は弱酸性?弱アルカリ性?
手持ちの洗顔料や、これから買おうとしている洗顔石鹸が弱酸性かアルカリ性か見極めたい方も多いのではないでしょうか?
大雑把に言ってしまうと「合成界面活性剤が使われているのは弱酸性、石鹸素地が使われているのは弱アルカリ性」として判断できます。
脂肪酸カリウムや脂肪酸ナトリウムが原料で作られた石鹸素地以外は、たとえ植物由来や自然由来といった天然成分が原料であってもそれ以外の合成界面活性剤となるので、2つの種類から選ぶのが簡単な見極め方です。
また「クエン酸」や「クエン酸Na」配合の石鹸も、ph値を調整する成分なので弱酸性が一般的。
それぞれメリットとデメリットがあるため「弱酸性の洗顔料」「弱アルカリ性の石鹸」と宣伝文句に使っている商品も多いですが、わからない場合は成分一覧表から特徴を掴んでいきましょう。
ただし、石鹸の形から弱酸性か弱アルカリ性かを見極めている方は注意が必要です。
固形石鹸=石鹸素地というイメージが強いですが、液体タイプや洗顔フォームはすべて合成界面活性剤とは言い切れません。
脂肪酸カリウムを原料として作られた石鹸素地の場合は、液体の弱アルカリ性石鹸となっています。
成分一覧表を確認すれば間違いを防げますが、思い込みで弱酸性と弱アルカリ性の判断を間違えないように気をつけましょう。
自分の肌は、どちらの洗顔料を選ぶべき?
自分の肌の場合、弱酸性と弱アルカリ性のどちらの洗顔料を使うべきか悩む人も少なくありません。
それぞれ長所と短所があるのに加え、個人差の影響も大きいですが参考までに、洗顔料を選ぶポイントから弱酸性と弱アルカリ性のどちらがおすすめか、口コミや成分、特徴を元に気をつけたい注意点も一緒にまとめてみました。
選び方別おすすめポイント
脱脂能力が優れている「弱アルカリ性石鹸」がオススメです。
ただし一時的に必要以上の潤いも洗い落とすことになるので、きちんと保湿を重視したスキンケア法でお手入れをしましょう。
洗顔料に配合された美容成分に期待するなら「弱酸性石鹸」の方が選択肢の幅は広がります。
ただし、美容効果を高めるため添加物や直接、肌に必要ではない成分の配合量も増えるため注意が必要。
肌本来の機能を高めていく根本的な美肌効果を期待するなら、中和能力を活用できる「弱アルカリ性石鹸」がおすすめです。
ひどい炎症や乾燥、敏感状態でない場合は「弱アルカリ性石鹸」を使う洗顔が良いでしょう。
洗顔の目的である肌の汚れを丁寧に落とし、清潔な状態に保つならより優れた洗浄力のある洗顔料がベターです。
洗顔自体が刺激になるほど肌荒れ中の方なら「弱酸性石鹸」もしくは一時的に洗顔料を使わない「ぬるま湯洗顔」が良いでしょう
洗顔料は無添加石鹸派という方は「弱アルカリ性石鹸」一択でしょう。
弱酸性石鹸は合成界面活性剤で作り上げるため、完全無添加タイプの弱酸性石鹸は存在しません。
シンプルな界面活性剤である石けん素地が弱アルカリ性の特徴でもあるので、無添加石けんを選びたいなら必然的に弱アルカリ性石鹸となります。
ミヨシ石鹸やシャボン玉石けんといった化粧石鹸、浴用石鹸は完全無添加タイプとなっています。
洗浄成分だけで考えた肌への刺激なら「弱酸性石鹸」の方が低刺激と言えます。
肌の中和反応なども起こらず、適度に皮脂汚れを洗い落とす洗浄作用なので、弱アルカリ性石鹸よりも肌への負担を抑えることができます。
ただし、洗浄成分以外の配合成分が刺激となる可能性があるのに加え、すすぎ残しにより成分が肌の上に残ると刺激成分となる恐れもあるため、注意が必要です。
自分なりの“こだわり“が大事!
弱酸性と弱アルカリ性の洗顔料の特徴を知ると、一概に「◯◯だから良い」「◯◯はダメ」という選び方ができないため、選び方の難しさが見えてきました。
とは言え、一番大切なのは洗顔の目的である洗浄効果と、自分との肌との相性です。
洗顔料自体で肌トラブルが起きたり悪化するのは当然NGですが、泡立ちや使用感、洗い上がり、コスパ、モチベなど幅広い見方で考えれば、合成界面活性剤や無添加でない石鹸であっても問題ありません。
逆に「弱酸性が良いと聞いたから」「実は弱アルカリ性の方が良いみたい」と、偏った情報だけでどちらか見極めてしまう方が、デメリットばかり目についてしまうことも…。
「どちらが良い」ではなく「私は~だから」という自分なりの”こだわり”を持って、弱酸性と弱アルカリ性石鹸を選んで行くのが良いでしょう。
シャンプーやボディソープ同様、洗顔料も弱酸性タイプの人気は続いていますが、今ではアルカリ中和能の作用や無添加タイプに注目し、弱アルカリ性タイプの洗顔料を選ぶ人は多いです。
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