わきが(腋臭症)

 
匂いが気になって人と接することを避けてました・・・好きなお買い物や外出を諦めてしまう程に消極的になってしまった患者様の談話でしたが何故かずっと記憶に残っています。
同じ様な事例は将来においても云えるものです。この先も一生悩むのであれば精神的にも不健康ですので思い切ることも必要だと思います。
 
腋臭症(ワキガ)は病気・・とも言われますが、当院では病気とは考えていません。
 
匂いの原因は主として「アポクリン腺」と言われる、汗の腺や皮脂腺などの分泌物が分解して匂いが発生すると考えられていますが、このアポクリン腺は人間誰にでもあるものです。
匂いがする人はこのアポクリン腺が他の人と比べて、ほんの少しか或いはかなり多いことが原因になっています。
 
手術を希望される患者様が来院されて、一番最初に驚かれることが多いのは「片ワキずつ」の手術という説明を受けられてです。
後ほど詳細に手術の流れについて説明はしますが、術後の数日間を安静に過ごせるなら一度に手術をすることも可能です。
しかし、安全を重視し良好な経過を得るための最善策はやはり片ワキずつの手術となります。
 

 

手術の流れ( 1 )

 

手術は前述した皮膚の裏側にあるアポクリン腺を実際に目で見ながら少しずつ除去していくことで行います。
 
術者の目で見て、実際に触れて、少しずつ丁寧に摘み取っていきますので時間は60分程度を要するのが普通ですが、アポクリン腺の極端に多い人の場合では更にもう少しの時間を要することになります。
 
これが剪除法(せんじょ法)と呼ばれる術式です。
 
【写真右】ワキの中央部分に切開線を入れたところ。

 

手術の流れ( 2 )

 

また、他の術式では吸引法や超音波法の名前もよく聞きます。しかしこれらの術式ではやはり目で確認を行わずにアポクリン腺の除去を行う訳ですから不完全な部分があると1年程度で再発してしまい、匂いが気になることが多々ある訳です。
吸引法や超音波法で施術を受けられた方が「まだ匂いが気になる!」と訴えて来院されることが未だに多いのはこのためです。
 
何度も中途半端なことをするなら一度で済ましてしまう事が賢明だと当院では考えます。
 
【写真右】皮膚の裏に付いたアポクリン腺を切除します。

 

手術の流れ( 3 )

 

術後にはドレーンと呼ばれる小さくて柔らかいストローのようなものをワキの傷口に挿入します。そうしておくと傷口に血が溜まらずに創部の治癒を促進します。
 
ドレーンからは血液がでてきますので、それを受け取ってやる(吸い取ってやる)ものが必要となります。
みかん程度の大きさにガーゼをボール状に丸めドレーンにあてがってやるのです。また、皮膚がかなり薄くなっていますのでそのガーゼごと包帯で圧迫してやることになりますが、そうすると上腕がしばらく動かしにくい状態が続きます。
 
両ワキを一度に手術すると手が使いにくく、顔を洗ったり服の着替えがスムーズに出来なくなることになるのです。また、仮に転んでしまった場合、両手で体を支えてしまうことになるでしょうが傷口には非常にダメージを与えてしまうことになります。
 
これらの事から手術は「片ワキずつ」とするのが理想なのです。

 

手術の流れ( 4 )

 

傷についてはワキにあるシワに並行に切開を行い、形成外科的手技でもって丁寧に縫合されますから非常に細い線となり、ほとんど気になる事はありません。但し、傷が判らなくなるまでには約半年を要します。
 
術後の患者さん自身のケアの怠りで傷が目立ってしまった場合でもケースに応じて傷痕の修正手術も可能です。(他院手術の傷痕の修正についてもご相談下さい。)

 

 

 

多汗症

 

多汗症の場合には、ボトックスを注入するだけで約5~6ヶ月間ほど、これまでの汗の80%からほぼ100%に近づくほど汗の量をセーブすることが可能です。
注入を繰り返すことにより持続期間が長引く事例が紹介されていますが、患者様からのコメントを聞いていると1度での効果は8ヶ月~10ヶ月続いたと話される方もいらっしゃいました。
 
時折「ボトックス注入法でワキガの匂いも消せます」という案内があるので混同させてしまっているようですが、匂いについては確実に効果が期待できるというわけではありません。
 
ですが、最近の事例ではボトックスを注入することによって7割ほどの方が匂いも治まったと話されます。
手術による多汗症治療は「体への負担を大きくする=汗の量も減らせる」ものですが、「体への負担を少なくする=効果が非常に不安定」であることから、手術による多汗症治療は当院ではお勧めはしておりません。
しかし、ボトックスによる治療法で効果が半年であるならば非経済だと考える方もいらっしゃるかもしれません。
ところが、繰り返し注入し、汗を止めてしまうことで汗の出る腺が萎縮してしまい、以後も自然と(ボトックスを用いなくとも)汗が減少してしまう可能性が報告されています。(汗腺萎縮)
 
※例えば交通事故の為、病院のベッドで半年間寝たきりだと、どんなにたくましい足であっても骨と皮になってしまう例を参照してもらえば想像がつき易いかも知れません。
※元来、毛の生えている範囲に10~15箇所に分けて注入します。チクチク感はあります。
※脱毛と同時にされる場合は先に脱毛してから注入します。

 

ボトックスの注射

 
ボトックスはアレルギーの心配がほとんどない物質で、ワキに注射することで汗の分泌が抑えられます。
治療時間は約10分程度となります。
メスを使わないので傷も残らず、当日からシャワーや入浴なども可能です。
治療したいけど忙しい、メスを使う手術はしたくない方におすすめです。
 

 

A型ボツリヌス毒素製剤について

 

当院では米アラガン社製ボトックス薬剤と独メルツ社製ゼオミンを処方しております。
 
アラガン社製ボトックスは1989年にFDA(米国食品医薬品局)で承認され、現在に至って、米国、イギリス、ドイツ、フランスをはじめ世界60カ国以上で眉間の表情じわを始めとするしわの治療への適応が承認され、広く美容医療・アンチエイジングに使用されている薬剤です。
アラガン社製の正規品であれば、FDAで認可されていますし、高い安全性と信頼性が確立されています。
 
ゼオミン(Xeomin)はドイツのMerz Group Service GmbH社が製造する、最先端のボツリヌス毒素製剤です。
ゼオミンは、既存のボツリヌス毒素製剤が抱えていた様々な問題点を克服し、2011年にFDA認可を取得しました。
 
A型ボツリヌス毒素製剤に含まれる複合タンパクは、繰り返し使用するうちに中和抗体を産生しかねません。中和抗体産生が出来てしまった場合は、既存のA型ボツリヌス毒素製剤は効かなくなってしまいます。
しかし、ゼオミンは、これまでのA型ボツリヌス毒素製剤と比べ、含有複合タンパクが最も少ないため、中和抗体産生が出来てしまったとしても、効果を維持できるようになったと言われています。

 

 

 

 

手術について

 

治療約90分
術後の通院手術3~4日後にガーゼ交換、消毒を行います
抜糸手術から1週間後
麻酔局所麻酔
シャワー局部を濡らさなければ当日より可能です
入浴抜糸翌日より可能です
飲酒術後1週間は禁酒してください
たばこ手術直後は控えてください
運動術後1週間は禁止です

 

 

腋臭症(わきが)剪除法¥300,000

 

よくある質問 Q&A

 

1多汗症の人はワキガですか?
多汗症とワキガ、二つの症状を持っている方はいらっしゃいますが、多汗症の人がワキガというわけではありません。
ワキガはアポクリン汗腺からの分泌される汗や油分が混ざり合い、細菌によって分解されることでニオイを発生させます。
それに対して、多汗症は汗の分泌をコントロールしている交感神経の乱れが原因で起こります。
ボトックス注射による効果の持続期間はどれくらいですか?
ボトックス注射を行って、効果が現れるまでの期間は、個人差がありますが2~3日してから徐々に効果が現れます。

効果が現れてからの持続期間は、約6ヶ月ほど持続します。
効果を持続するには、年2回程度、注射を繰り返すことになります。。
ボトックス注射による副作用はありますか?
ほとんどありません
ボトックス注射後、日常生活でしない方がいいことはありますか?
ボトックス治療の当日は、長時間の入浴やサウナ、飲酒、マッサージは避けてください。
妊娠、または授乳中ですが、ボトックス注射による治療を受けることはできますか?
妊娠中の投与に関する安全性が確立していませんので、妊娠、または授乳中の方は治療を受けることは避けて下さい。
また、妊娠する可能性のある方は、投与中及び最終投与後2回の月経を経るまでは避妊してください。