泌尿器科学講座紹介

「進行性尿路上皮癌に対する新規抗癌剤(ゲムシタビン、ドセタキセル、カルボプラチン、イフォスファミド、ネダプラチン)を用いた併用化学療法」

  1. 病気について

  2. 尿路と総称される腎盂、尿管、膀胱、尿道など尿の通り道にできた癌で、そのうち進行性尿路上皮癌に使用します。癌が手術不可能な程に局所に浸潤しているか、癌が転移した状態、あるいは、両者を伴っている状態を指します。

  3. 進行性尿路上皮癌の治療概念

  4. 進行性尿路上皮癌に対する治療は、大部分が癌や転移巣などの縮小または進行を遅らせる・止めることが目的となります。これまでの治療の歴史で化学療法(=抗癌剤)に、尿路上皮癌やその転移巣を縮小させる効果や進行を遅らせる効果があることが示されており、一部の患者さんでは化学療法後の残存腫瘍(体内に残った癌)の切除により完全寛解(癌や転移巣が体内に無い状態)に至る可能性があることが報告されています。 このように進行性尿路上皮癌の治療には2つの方向性があります。すなわち
    ①腫瘍の縮小または進行を遅らせる・止めることをめざす治療(大部分)
    ②完全寛解をめざす治療(一部)
    という方向性です。これは患者さんの癌や転移巣などの状態、全身状態によって分かれます。

  5. 進行性尿路上皮癌の治療法の歴史

  6. 進行性尿路上皮癌に対する標準治療法として4種類の抗癌剤 (メソトレキセート, ビンブラスチン, アドリアマイシン, シスプラチン)を用いたMVAC療法が1990年代を中心に行われ、抗癌剤のない時代より生存期間が改善されました。しかしながら、MVAC療法は消化器(食べ物の消化を司る器官)、骨髄(白血球や血小板、赤血球など血を構成する成分を造る器官)、腎機能(食べ物や薬などを摂取して得られた毒素を濾過して尿へ流す器官の障害)などへの毒性が強く、口の中などの粘膜への障害も高頻度で生じるため食事が困難となり、体重減少や衰弱を招きうるという問題がありました。さらに高齢者の方々では合併症(心血管障害、腎機能障害)を伴っている場合が多く、MVAC療法の遂行はしばしば困難を伴っていましたため、より副作用が少なく効果的な抗癌剤が求められてきました。

  7. 新しい抗癌剤を用いた化学療法

  8. 新しい抗癌剤が研究された結果、ゲムシタビンという抗癌剤が開発され、
    シスプラチンと組み合わせたGC療法ができました。このGC療法と従来のMVAC療法の比較研究が欧州で行われ、その結果が2000年に報告されました。 GC療法対 MVAC療法の結果は、 生存期間の中央値(≒平均値)に有意な差はありませんでしたが、GC療法はMVAC療法と比べ特に重篤な副作用については少ないとういう結果でした。つまりGC療法はMVAC療法より効果は同等ですが副作用が少ないことが示されました。また、QOL (quality of life: 生活の質)の面でGC療法は、体重減少、一般全身状態、疲労感について優れていました。
    以上のようにゲムシタビンを入れたGC療法がMVAC療法より耐容性に優れより安全な治療法であると結論づけています。 他にも、ゲムシタビン(G)と新しい抗癌剤(パクリタキセル(P)または カルボプラチン(Cr))を組み合わせた化学療法(GP療法、GCr療法)とMVAC療法の比較研究では、GP療法またはGCr療法はMVAC療法とほぼ同等の有効性をもち副作用は少なかったという報告がされています。

    しかしGP療法またはGC療法、GCr療法といった2剤による化学療法は MVAC療法の有効性を上回ることはできなかったため、副作用はほぼ同等かより軽減させ、さらに有効性を高めた化学療法が世界中で研究され新しい抗癌剤の中でも違う系列の薬剤を3剤組み合わせた治療が有力とされてきています。

    まだGC療法対 MVAC療法を比較研究したような大規模な比較研究はありませんが、小規模研究で3剤を用いた新しい化学療法である①~③の生存期間中央値と奏効率(=有効性:完全寛解率(% )+部分寛解(% ))を示します。
    *MVAC(メソトレキセート、ビンクリスチン、アドリアシン、シスプラチン):14.8ヶ月、36~57%
    1. ①GDC (ゲムシタビン, ドセタキセル, シスプラチン)療法:15.5ヶ月、66%
    2. ②GPCr(ゲムシタビン、パクリタキセル、カルボプラチン)療法:14.7ヶ月、68%
    3. ③DIP (ドセタキセル、イホマイド、シスプラチン)療法:10ヶ月、72%
      (③の研究では36%の方は違う化学療法の治療歴がありました。)
    4. ④PIN(パクリタキセル、イホマイド、ネダプラチン)療法:17ヶ月、83%
      (④の研究では全員が違う化学療法の治療歴がありました。)
    これら新しい抗癌剤を3剤併用した化学療法の奏効率はMVAC療法と比較して10 - 30%程度高く、この高い奏効率は進行性尿路上皮癌における完全寛解の可能性の向上を示唆しています。副作用の発現率についても、3剤を用いた新しい化学療法による副作用はMVAC療法と比較してほぼ同等ですが、摂食障害(食べ物が食べられない障害)を起しやすい粘膜炎についてはMVAC療法よりも少ないです。

  9. 新しい抗癌剤を用いた化学療法の意義について

  10. 以上の成績をもとに、世界的には欧州を中心として進行性尿路上皮癌に対する治療はMVAC療法から、効果は同じで副作用の少ないGC療法へ変わっています。しかしGC療法はMVAC療法と効果の面ではほぼ同等であることから、より効果の高い治療を目指す必要があります。
    まだ厳密な比較研究ではありませんが、新規抗癌剤などを用いた3剤による 新しい化学療法(GDC, GPC, DIP, PIN)は、MVAC療法と比べ奏効率(=有効性)が高く、副作用はほぼ同等か一部の障害については軽減されています。
    そこで、当施設においても、新しい抗癌剤を用いた化学療法により、患者さんにとってより安全なあるいはより効果的な治療を目指すべきであると考えています。

  11. お勧めする治療法

  12. 薬剤の選択理由
    1. ①タキサン系薬剤(パクリタキセル、ドセタキセル)
      パクリタキセルは溶解剤として使用されているクレモフォールに対する過敏(アレルギー)反応予防のため抗アレルギー剤投与が必要であること、末梢神経障害の発生頻度が高いこと、また、化学療法は限られたコース数しか行えない(6コース程度)ことも考慮し、私たちはドセタキセルの選択が望ましいと考えています。
    2. ②プラチナ系薬剤(シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン)
      腎機能障害しやすいシスプラチンの代わりにその誘導体で腎機能障害の軽減されたカルボプラチンあるいはネダプラチンの選択が望ましいと考えています。薬剤の組み合わせおよび薬剤量は、これまでの報告例を参考に設定しました。
    治療概要
    患者さんの進行状態、一般全身状態により治療法選択を大きく2つに分けて考えています。
    1. 1)転移が広汎で明らかに腫瘍縮小や進行を遅くする・止める治療を第一の目的とする場合や全身状態がやや不良な場合 には、一次化学療法としてGCr(ゲシタビン、カルボプラチン)療法をお勧めします。
    2. 2) ①全身状態が良く、完全寛解の可能性を第一目的とする場合には、一次化学療法としてGDCr(ジェムシタビン、ドセタキセル、カルボプラチン)療法をお勧めします。
      ②抗癌剤に対する反応が低下した時や変更が必要と考えられる副作用が出現したときは二次化学療法としてDIN(ドセタキセル、イホマイド、ネダプラチン)療法をお勧めします。
      ③最大で6コース前後施行し臨床的完全寛解もしくは、可能な場合残存腫瘤は切除し、手術的完全寛解を目指したいと考えています。
    薬剤の投与量および投与計画は下記に示していますが、投与前ならびに投与期間中の全身状態ならびに各種検査データにより、減量あるいは延期や中止することもあり得ます。その場合には、その都度必ずご説明致します。

  13. 治療法と投薬計画

  14. ①GCr療法:以下のスケジュールを1コースとし3週毎に施行します。
    薬剤 標準投与量
    (体表面積あたり)
    1日目 8日目 15日目
    ゲムシタビン 1000mg/m2
    カルボプラチン AUC4.5-5mg/ml×分

    ②GDCr療法:以下のスケジュールを1コースとし3週毎に施行します。
    薬剤 標準投与量
    (体表面積あたり)
    1日目 8日目
    ゲムシタビン 800mg/m2
    ドセタキセル 75mg/m2
    カルボプラチン AUC4.5-5mg/ml×分

    ③DIN療法:以下のスケジュールを①コースとし3週毎に施行します。
    薬剤 標準投与量
    (体表面積あたり)
    1日目 2日目 3日目
    ドセタキセル 75mg/m2
    イホマイド 2 g/m2
    ネダプラチン 100g/m2

    以上の化学療法施行にもかかわらず病勢が進行した場合には、患者さんと再度相談の上、今後の方針について相談します。

  15. 予想される副作用(有害事象)について

  16. 化学療法の一般的な副作用(有害事象)として、比較的よく認められるのは

    1. ①骨髄抑制(20~100% :好中球減少、血小板減少、貧血)、感染症(発熱性好中球減少症、敗血症など)
    2. ②粘膜炎(5~10% 口内炎、胃潰瘍など)
    3. ③悪心・嘔吐(5~25% )
    4. ④脱毛(10~60% )
    などですが、新規抗癌剤を用いた化学療法によるこれらの副作用については従来のMVACと比べて低いか (GCr療法)、同等(GDC療法、DIP療法あるいはPIN療法:当科ではDIN療法を選択)であるため、特に危険が増加することはないと考えられます。
    さらに、抗癌剤の血管外漏出、アレルギー、全身倦怠感、食欲低下、下痢、末梢神経障害、臓器障害(肝、腎、心、内分泌腺、生殖器)、浮腫、皮膚の色素沈着、爪の異常、膀胱炎(イホマイドで生じる可能性がありますが、この場合には予防薬を必ず用います)等の副作用が起こりうる可能性もありますが、これらの副作用の防止および発生後対策は、米国癌治療学会や米国感染症学会の推奨するガイドライン等に準拠して対策を行っています。他にも稀に間質性肺炎という重篤な副作用が生じることがありますが、定期的検査により早期発見に努めています。(化学療法前に肺病変がある場合にはこの化学療法できない場合もあります。担当医へご相談ください。)
    また、稀ながら後述でお示しする副作用の結果、死亡にいたる可能性もあります。従来の化学療法では約1~3%(MVAC3%、GC1%)の死亡率が報告され新しい抗癌剤による化学療法による死亡率はまだ充分なデータはありませんが、ほぼ従来の化学療法と同等か低いと考えています。 新しい抗がん剤の化学療法による副作用は全体的に従来のMVACと比べて低いです。したがって、新しい抗癌剤を用いた化学療法を行うから特別に不利益を被ることはないと考えられます。
    しかしながら、新規抗癌剤は使用されてからの歴史も浅く、以上に挙げたほかにも予期せぬ副作用の可能性もあると考えられます。また副作用の発現は患者さんの状態によって異なります。
    *各抗がん剤の主な副作用と各薬剤の副作用発現の頻度について下記へ記します。ただしこれらは単剤での報告であり、薬剤を併用した場合は予期せぬ副作用の可能性もあります。
    1) ゲムシタビン (商品名:ジェムザール注)
    重大な副作用:【骨髄抑制】白血球減少(69.7%、ただし、2000/μL未満の減少は13.8%)、好中球減少(64.6%、ただし、1000/μL未満の減少は27.4%)、血小板減少(37.5%、ただし、5万/μL未満の減少は4.8%)、貧血[ヘモグロビン減少(65.9%、ただし、8.0g/dL未満の減少は15.0%)、赤血球減少(55.2%) 【間質性肺炎】1.2%、【アナフィラキシー様症状】0.2%、【心筋梗塞】0.2%、【溶血性尿毒症症候群】0.2%、頻度不明:【うっ血性心不全】【肺水腫】【気管支痙攣】【成人呼吸促迫症候群】【腎不全】【肝機能障害】【皮膚障害】紅斑、水泡など その他の副作用:【循環器】頻脈、血圧上昇:1~10%未満、 【循環器】血圧低下、狭心痛、動悸、心室性期外収縮、発作性上室頻拍、心電図異常(ST上昇):1%未満、【呼吸器】呼吸困難、高炭酸ガス血症(注)、低酸素血、咳嗽 :1~10%未満、【呼吸器】PIE(肺好酸球浸潤)症候群、喘鳴、喀痰、息切れ:1%未満、【腎臓】総蛋白低下、電解質異常:10%以上又は頻度不明、 【腎臓】アルブミン低下、BUN上昇、蛋白尿、血尿、クレアチニン上昇:1~10%未満、 【腎臓:】乏尿:1%未満、【消化器】食欲不振、悪心・嘔吐: 10%以上又は頻度不明、【消化器】下痢、便秘、口内炎:1~10%未満、【消化器】 1%未満:胃部不快感、歯肉炎、【肝臓】 10%以上又は頻度不明 :AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、LDH上昇、Al-P上昇、【肝臓】 1~10%未満:ビリルビン上昇、A/G比低下、γ-GTP上昇 、【肝臓】1%未満:ウロビリン尿、【精神神経系】 1~10%未満:頭痛、めまい、【精神神経系】 1%未満:知覚異常、不眠、嗜眠、しびれ【皮膚】10%以上又は頻度不明(頻度不明には*) 発疹、蕁麻疹* 、【皮膚】 1~10%未満:脱毛、そう痒感【注射部位】10%以上又は頻度不明(頻度不明には*) :注射部位反応(静脈炎、疼痛、紅斑)* 【血管障害】10%以上又は頻度不明(頻度不明には*) :末梢性血管炎*、末梢性壊疽* 【その他】 10%以上又は頻度不明(頻度不明には*) :疲労*、倦怠感、無力症*、発熱、浮腫*、インフルエンザ様症状(倦怠感、無力症、発熱、頭痛、悪寒、筋痛、発汗、鼻炎等)*、CRP上昇、放射線照射リコール反応*、血小板増加 【その他】 1~10%未満:体重減少、尿糖陽性、好酸球増多、関節痛、悪寒、味覚異常、鼻出血 【その他】1%未満:体重増加、疼痛、眼底出血、体温低下、ほてり、耳鳴り、眼脂、胸部不快感
    2) ドセタキセル(商品名:タキソテール注)
    重大な副作用:【骨髄抑制】汎血球減少、白血球減少、好中球減少、ヘモグロビン減少、血小板減少等、【ショック症状】0.2%、【アナフィラキシー様反応】0.2%:呼吸困難、気管支痙攣、血圧低下、胸部圧迫感、発疹等のショック症状・アナフィラキシー様反応があらわれることがある【黄疸、肝不全、肝機能障害】頻度不明、【急性腎不全】0.1%未満、【間質性肺炎】0.6%、【肺線維症】0.1%未満、【心不全】0.1%未満、【播種性血管内凝固症候群】0.2%、【腸管穿孔】0.1%未満、【胃腸出血】0.4%、【虚血性大腸炎】頻度不明、【大腸炎】0.1%未満、【イレウス】0.2%、【急性呼吸促迫症候群】0.1%未満、【急性膵炎】頻度不明、【皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)頻度不明、【中毒性表皮壊死症(Lyell 症候群))頻度不明、【多形紅斑】0.1%未満、【心タンポナーデ】頻度不明、【肺水腫】0.1%未満、【浮腫・体液貯留】0.7%、【心筋梗塞】0.1%未満、【静脈血栓塞栓症】頻度不明、【感染症】2.5%、【抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH))頻度不明、【その他】重篤な口内炎等の粘膜炎、血管炎、末梢神経障害、四肢の脱力感等の末梢性運動障害、Radiation Recall 現象など(頻度不明) その他の副作用:【消化器】食欲不振(頻度不明)、悪心・嘔吐、下痢、口内炎(5~50%未満)、便潜血、腹痛、腹部膨満感、便秘、舌炎、口内乾燥、胃・十二指腸潰瘍、食道炎、しゃっくり(5%未満)、【過敏症】5%未満、【皮膚】脱毛・皮膚エリテマトーデス(頻度不明)、皮疹・色素沈着・爪疾患・皮膚剥離・手足症候群(5%未満)【精神・神経系】しびれ感(5~50%)、頭痛・意識喪失・見当識障害・めまい・昏迷・難聴・耳鳴・味覚異常・羞明・視力異常・不眠・傾眠・視覚障害(5%未満)【神経・筋症状】筋肉痛・関節痛・筋力低下・脱力感・背部痛・痙攣(5%未満)、【肝臓】AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、LDH上昇、Al-P上昇(5~50%未満)総ビリルビン上昇、γ-GTP上昇(5%未満)【腎臓】蛋白尿・K・Na・Cl・Caの異常、BUN上昇、クレアチニン上昇、尿糖、血尿、乏尿、頻尿(5%未満)【循環器】血圧低下、血圧上昇、不整脈、動悸、頻脈(5%未満)【呼吸器】呼吸困難、咽頭炎、咳、血痰(5%未満)【その他】全身倦怠感、涙道閉塞(頻度不明)、発熱・浮腫・総蛋白・アルブミン異常(5~50%未満)、A/G比・CK(CPK)異常・静脈炎・疼痛・胸痛・全身痛・熱感・腰痛・鼻出血・ほてり・脱水・流涙・結膜炎(5%未満)
    3) カルボプラチン (商品名:パラプラチン注)
    重大な副作用:【汎血球減少等の骨髄抑制】0.1%未満:汎血球減少,貧血(ヘモグロビン減少,赤血球減少,ヘマトクリット値減少),白血球減少,好中球減少,血小板減少,出血【ショック,アナフィラキシー様症状】(0.1%未満)【間質性肺炎】0.1%【急性腎不全】0.1%未満、【麻痺性イレウス】0.1%未満、【脳梗塞】0.1%未満、【難聴】(0.1%未満) 頻度不明:【肝不全】【肝機能障害】【黄疸】【消化管壊死】【消化管穿孔】【消化管出血】【消化管潰瘍】【出血性腸炎】【偽膜性大腸炎】【肺梗塞】【血栓・塞栓症】【心筋梗塞,うっ血性心不全】【溶血性尿毒症症候群】【急性呼吸窮迫症候群】【播種性血管内凝固症候群(DIC)】 【急性膵炎】など
    4) イフォスファミド (商品名:イホマイド注)
    重大な副作用:【骨髄抑制】5%以上:汎血球減少,貧血,白血球減少,血小板減少,出血等、【出血性膀胱炎,排尿障害】5%以上【急性腎不全】0.1%未満、【意識障害】0.1%未満【幻覚,錯乱,錐体外路症状】0.1~5%未満【脳症】0.1%未満【間質性肺炎】0.1~5%未満 頻度不明:【 肺水腫】【心筋障害,不整脈】【抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)】【急性膵炎】【ファンコニー症候群】 その他の副作用:【肝臓】ビリルビン上昇,AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇,Al-P上昇:5%未満、【腎臓】蛋白尿、浮腫,BUN上昇,血清電解質の異常(K,Cl等の一過性の変動):5%未満【腎臓】クレアチニン上昇,クレアチニンクリアランス低下,多尿:頻度不明、【消化器】悪心・嘔吐:5%以上、【消化器】食欲不振、口内炎,腹痛,便秘,下痢:5% 未満、【口渇】頻度不明、【発疹】5% 未満、【脱毛】5%以上、【色素沈着】5%未満、【倦怠感】5%以上、【精神神経系】頭痛,頭重感,眩暈,不眠,脱力感,焦燥感,知覚異常,舌の振戦,抑うつ,精神活動低下:5% 未満、【胸内苦悶】5%未満、【循環器】頻脈,不整脈,動悸:5%未満【月経異常】5%未満、【無精子症,卵巣機能不全】頻度不明【その他】発熱,悪寒,血管痛:5% 未満 など
    5) ネダプラチン (商品名:アクプラ注)
    重大な副作用:【ショック,アナフィラキシー様症状】1~5%未満、【骨髄抑制】汎血球減少:1~5%未満、貧血,白血球減少,好中球減少,血小板減少,出血傾向:0.1~1%未満、【腎不全】0.1~1%未満、【アダムス・ストークス発作】頻度不明、【難聴・聴力低下】1~5%未満、【耳鳴】0.1~1%未満、【間質性肺炎】0.1%未満、【抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)】頻度不明 その他の副作用:【精神神経系】頭痛,めまい,手足のしびれ等の末梢神経障害,味覚異常:0.1~5% 未満、【痙攣】0.1% 未満、【腎臓】BUN上昇,クレアチニン上昇:5% 以上、【腎臓】クレアチニンクリアランス低下,β2ミクログロブリン上昇,血尿,蛋白尿,乏尿,尿酸上昇:0.1~5%未満、【腎臓】代謝性アシドーシス,NAG上昇:0.1%未満、【消化器】悪心・嘔吐,食欲不振:5%以上、【消化管】下痢,イレウス,腹痛,便秘,口内炎:0.1~5% 未満、【循環器】心電図異常(頻脈,ST低下):0.1~5%未満、【心筋障害】0.1%未満、【呼吸困難】0.1~5%未満、【排尿痛,排尿障害】0.1%未満、【過敏症】アレルギー反応(膨疹,発赤),発疹:0.1~5% 未満、【肝臓】AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇,LDH上昇,Al-P上昇:5%以上、【肝臓】ビリルビン上昇,血清総蛋白減少,血清アルブミン低下:0.1~5% 未満【電解質】ナトリウム,カリウム,クロール等の電解質異常:5% 以上【その他】脱毛,全身倦怠感,発熱,浮腫,皮膚潮紅,単純疱疹,白血球増多(一過性):0.1~5%未満、【その他】静脈炎,胸痛:0.1% 未満 など

  17. 進行性尿路上皮癌に対するその他の治療法

  18. その他の化学療法(抗癌剤治療)としてMVAC療法、GC療法があります。癌の広がりや転移の有無などそれぞれの病状に応じて手術療法、放射線療法などを検討する場合もあります。

  19. 医療費について

  20. 本治療はすべて通常の保険診療で行われますので、患者さんはご自身の健康保険内の自己負担分のみの負担となります。 抗癌剤は比較的単価が高額なものが多いため、自己負担額も高額となる場合があります。そうした場合の経済的な負担を軽くするために設けられた制度の一部を下記に示します。

    1. 1) 高額療養費制度:医療費の自己負担額は所得に応じてひと月の自己負担限度額が定められており、その金額を越えた部分は申請により高額療養費として払い戻されます。
    2. 2) 貸付制度:医療費が高額で支払いが困難な場合、高額療養費として払い戻される見込み金額の8~9割相当の金額を無利子で貸し付ける制度です。
    3. 3) 委任払い:保険者によって取り扱っていない場合がありますが、自己負担限度額のみ医療機関の窓口で支払い、高額療養分を保険者から医療機関に支払われる制度です。
    4. 4) 医療費控除:納税者が1年間に本人または家族(生計を1にする親族)のために支払った医療費が一定額を超える場合に、超えた部分が医療費控除となり確定申告をすれば税金が還付される制度です。



2) 進行性尿路上皮癌への化学療法