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手肌年齢:中野あおい院長に聞く「美しく保つコツ」とは?

手肌年齢について語った「あおいクリニック銀座」の中野あおい院長

 家庭用品大手のP&Gが行った「手肌年齢に関する実態調査」によると、20~30代主婦の3割が、手肌年齢で実年齢よりも10歳以上も老けて見られるという結果が出た。東京・銀座に美容クリニックを構える「あおいクリニック銀座」の中野あおい院長に美容皮膚科医の立場から「手肌年齢」はじめ肌の仕組みに至るまで、手や肌を美しく保つコツについて話を聞いた。(毎日新聞デジタル)

 −−手肌年齢とは具体的にはどういうことでしょうか。

 皮膚科医の立場からすると、(人を見るとき)肌のきれいさをもちろん見ますが、首とか手、髪の毛、目、歯を見るんです。髪だったら更年期以前か以後か大体わかります。その人の生まれ持った髪の質とかあるけれど、髪の毛は女性ホルモンが関係していて女性ホルモンが少なくなると癖毛になって細くなっていくんです。手も割と無防備にさらされていて、顔は「美白美白」と言ってUV対策を一生懸命するんですけれど、手のUVケアまでは気が回らない。すると乾燥するし、ごわごわするし、しわやシミも増える。だから手を見ると年齢がわかるんです。

 あと、年齢が進むと(顔と同じように)手もこけるんです。赤ちゃんの手ってふっくらしていますよね。小学生や中・高生の手もふっくらしている。でも30~40代になってくると手がゴツゴツしてきて40~50代になると静脈(血管)が出てきたりとか。手の年齢を表す要素としては血管とゴツゴツ感とふっくら感ですかね。これをいかにケアするかによって同じ年代でもケアをしている人とそうではない人って違うんですよ。手がきれいでないと、「顔はキレイだけれど、ほかの部位には気を使ってないんだな」というように美意識も問われますよね。

 −−手は顔に続き、相手の年齢を推測するために見ている部位であるそうですね。

 話しているときって手を結構動かすんですよね、顔の近くにいくし。顔がきれいでも手が汚いとその落差にガッカリということもありますよね。いくらきれいなネイルをしても指が汚かったらきれいに見えないですよね。

 −−ケアとしてどんなことをすればいいんでしょうか?

 ハンドクリームを塗ることは皆さん思いつくと思うんですが、やはり日焼け止めを塗ることも大切ですね。今の季節は紫外線が強いですし、日傘を差しても首とかデコルテ(首から胸元)、手までは隠れない。日焼けって老化のスピードを速めるんです。紫外線がDNAを破壊してしまって細胞を老化させるんです。メラニンの沈着作用を促すのでシミにもなっていくし、肌も老化するし、老化すると顔と同じでしわも出てくるしごわごわするんです。夏の間きっちり顔と同じように気をつけてUVケアをしたりすると手遅れにならないんです。顔と同じ日焼け止めで大丈夫です。あと、朝晩お手入れする時に顔に塗るクリームをちょっと余分に出しておいて手の指に余った分だけこすりつけるとか、それでも全然違います。それをやるだけで顔と同じケアを手にしていることになるので。(私自身も)顔と同じように顔の化粧水を塗って、余っている分だけ手にこすったり、美容液も手に残っている分だけぬったりとかやっています。それだけできれいに保つことができます。

 −−クリームなどは手の甲中心でいいんでしょうか。

 甲が中心ですけれど、指先まで丁寧にやってあげてつめの際もきれいにするとささくれもできにくくなりますよね。それをやるだけで全然違う。

 −−寝るときに手袋をつけたりとかは……?

 私も昔はやっていました(笑い)。でも今って化粧品の機能がとっても進化しているから顔に塗っているものを手にすり込むだけでもきれいな手に保つことができます。特別なことはなく、ちょっとの手間ひまです。余裕があったらハンドクリームを1本用意して、カサついてると思ったら塗ったらいいと思う。つめも大事でつめがきれいに見えないと健康的で美しい手に見えないからクリームをつめに塗りこんであげるとか。

 −−「若いほど手肌が老けて見られる」という調査結果が出ていますが。

 多分若いからといって手のお手入れをしていないからではないでしょうか。顔だったら30歳手前くらいだったらギリギリ何もしなくてもキレイなんですけれど、医学的にも25歳がお肌の曲がり角。肌の新陳代謝が正常で28日周期。25歳を過ぎると衰えるんです。顔と手の違いは、顔よりも手の方が新陳代謝が5~6倍遅いんです。だから手のケアを怠っていると、老化のスピードが速くなるんです。

 −−手の方が新陳代謝の周期が遅いんですか?

 例えば顔の傷は治りやすいけれど、手の傷って治りにくい。人間って心臓からきれいな血液が流れてその血液の中に栄養や酸素が入っていて内臓を含め皮膚もきれいにしていくんですが、手とか足とか心臓から見たら一番遠い場所っていうのは一番血行が行きにくい場所ですし、栄養が行きにくい場所なんです。その分新陳代謝が遅いんです。だから傷も治りにくい。若い方が手と顔のギャップがあるというのはそういうところも関係しているのでは? 逆に手がきれいだったらその人はすべてが美しく見えると思います。

 −−新陳代謝を活性化すれば肌がきれいになるということですか?

 今は良い化粧品がたくさん出ているので新陳代謝を活性化させる成分もありますし、そういうものを使いつつケアしていくと老化のスピードは遅れます。医療の現場ではピーリングというものをしていくんですが、ピーリングというのはフルーツ酸といいまして皮膚の新陳代謝を促す効果があるんです。なので手もツルンとなります。

 −−ピーリングというと「はがす」というイメージがありますが?

 「はがす」っていう意味は意味なんですが、老化した皮膚は角質が乱れていて若い皮膚は均質なんです。新陳代謝が悪い皮膚は余計な角質がこびりついている。そんな不必要な角質をフルーツ酸という成分を使ってピーリングで落としていくんです。体の機能っていうのは常に一定に保つようにできているんです。何カ月もこびりついた角質が体にとって普通の皮膚になっているところへピーリングすることで、「今まであった角質がなくなったからすぐ作らなくちゃ」と体に指令が飛んで、「もっと作れ作れ」って(皮膚ができ)新陳代謝が良くなるんです。摩擦とか物理的な作用ではなくてケミカル作用できれいにしていくのがピーリング。クレオパトラも牛乳風呂に入っていたと言われてますけれど、乳酸もピーリング効果の酸が入っている。だから肌がツルツルになるんです。「クリニックに行くほどでは」という方にはフルーツ酸が入ったクリームがあるのでそういうものを塗ればいいと思います。「AHA入り」というものですね。あとはビタミンCが入ったものやヒアルロン酸、ホホバ油、シアバターが入った成分がいいですね。でも手ってベタベタすると仕事ができないので、その人の日常にあった保湿をすればいいんじゃないかな。

 −−手のトラブルの最大の原因を「食器洗い」としている人が最も多いですが、何か対策はないでしょうか?

 いくら食器洗い機が普及したとは言っても自分の手でしっかりと洗剤を使って洗いたいものだし、ゴム手袋をつければいいけれど、お茶わんを1個だけだったりしたらゴム手袋ってつい忘れるものですよね。洗剤って油を落とすために作られているから皮脂も取っちゃうんです。そうすると一気にガサガサしちゃって、それが続くとどんどん手がガサガサしちゃってひび割れみたいになる。そういうことを避けるために洗剤ひとつにしても油を落としすぎないモイスチャー効果のある洗剤を使ってあげるとかでも全然違うと思います。食器の油を落とし、手の潤いは残すものを使うといいと思います。

 <プロフィル>

 美容皮膚科、美容内科医。金沢医科大学卒業後、同大学病院にて内分泌内科、循環器内科を専攻・研究。著名な美容クリニックの院長などを歴任した後、03年12月、東京・銀座に「あおいクリニック銀座」を開設。国際学会で最先端の美容医療技術を習得し、オリジナルの施術を数多く発案し続けている。「自分が納得しない施術は行わない」という美にかける姿勢に加え、安全性と信頼性、そして正確な技術が口コミで話題となり、雑誌、テレビなどでも活躍。女優やモデル、タレントなどの支持を得ている。