医薬品情報


添付文書情報


販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果及び用法・用量

効能効果

カルニチン欠乏症

効能効果に関連する使用上の注意

本剤は、臨床症状・検査所見からカルニチン欠乏症と診断された場合あるいはカルニチン欠乏症が発症する可能性が極めて高い状態である場合にのみ投与すること。

本剤の投与に際しては、原則として、カルニチンの欠乏状態の検査に加え、カルニチン欠乏の原因となる原疾患を特定すること。

用法用量

通常、成人には、レボカルニチンとして、1日1.5〜3gを3回に分割経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜増減する。

通常、小児には、レボカルニチンとして、1日体重1kgあたり25〜100mgを3回に分割経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜増減する。

用法用量に関連する使用上の注意

本剤の投与に際しては、低用量から投与を開始し、臨床症状の改善の程度と副作用の発現の程度及び定期的な臨床検査、バイタルサイン、カルニチンの欠乏状態等から投与量を総合的に判断すること。また、増量する場合には慎重に判断し、漫然と投与を継続しないこと。

血液透析患者への本剤の投与に際しては、高用量を長期間投与することは避け、本剤投与により期待する効果が得られない場合には、漫然と投与を継続しないこと。また、血液透析日には透析終了後に投与すること。(「1.慎重投与」の項参照)

小児への投与に際しては、原則として、成人用量を超えないことが望ましい。

使用上の注意

慎重投与

重篤な腎機能障害のある患者又は透析下の末期腎疾患患者[本剤の高用量の長期投与により、トリメチルアミン等の有害な代謝物が蓄積するおそれがある。低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与し、漫然と投与を継続しないこと。重篤な腎機能障害のある患者に対する有効性及び安全性は確立されていない。]

重要な基本的注意

本剤投与中は、定期的にバイタルサイン、臨床検査(血液検査、肝・腎機能検査、尿検査)、カルニチンの欠乏状態のモニタリングを行うことが望ましい。

併用注意

糖尿病用薬
経口糖尿病治療薬
インスリン製剤等
低血糖症状があらわれるおそれがある。機序は不明である。

副作用

副作用発現状況の概要

本剤は副作用発現頻度が明確となる臨床試験を実施していない。なお、エルカルチン錠(レボカルニチン塩化物錠)において、調査症例293例中9例(3.07%)に副作用が認められている。(エルカルチン錠の承認時及び再審査終了時)

その他の副作用

 1%未満頻度不明
消化器食欲不振、下痢、軟便、腹部膨満感悪心・嘔吐、腹痛
過敏症 発疹、そう痒感
その他顔面浮腫、血尿、貧血体臭
*:レボカルニチンにおいて自発報告又は海外で認められた副作用

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察し、減量するなど十分に注意しながら本剤を投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが、投与する場合は授乳を避けさせること。[レボカルニチン塩化物を投与した動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている[1]。]

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

薬物動態

健康成人にレボカルニチン1,000mg(本剤又は内用液)を空腹時単回経口投与した時の血漿中遊離カルニチンの濃度の推移を図1に示す。また、遊離カルニチン、総カルニチン及びアシルカルニチンの薬物動態パラメータを表1に示す。
本剤及び内用液のいずれにおいても、遊離カルニチンの血漿中濃度は、投与後5時間にピークに達し、以降緩徐に減少した。本剤1,000mg(250mg×4錠)と内用液1,000mg(10%10mL)は生物学的に同等であることが確認された(図1、表1)。

図1 健康成人における単回投与時の血漿中遊離カルニチン濃度推移(平均値±標準偏差)

表1 単回投与時の薬物動態パラメータ(遊離カルニチン、総カルニチン、アシルカルニチン)

 投与量Cmax
(μmol/L)
AUCt
(μmol・h/L)
tmax
(h)
t1/2
(h)
遊離カルニチン本剤
(1,000mg)
21.22
(5.80)
236.29
(81.48)
5.000
(2.00-8.00)
10.80
(4.84)
内用液
(1,000mg)
22.22
(5.98)
249.49
(88.06)
5.000
(2.00-8.00)
11.50
(5.34)
総カルニチン本剤
(1,000mg)
27.20
(6.90)
294.02
(80.50)
4.000
(2.00-6.00)
11.60
(5.81)
内用液
(1,000mg)
28.55
(6.22)
302.69
(81.48)
5.000
(2.00-8.00)
11.37
(3.78)
アシルカルニチン本剤
(1,000mg)
7.57
(2.43)
60.99
(25.58)
5.000
(3.00-10.00)
42.46
(95.38)
内用液
(1,000mg)
7.66
(2.09)
56.78
(22.01)
4.000
(2.00-24.00)
16.31
(23.39)
平均値、( )内は標準偏差、ただしtmaxのみ中央値(最小値−最大値)23例

血漿中濃度は、投与前の血漿中カルニチン濃度(内因性カルニチン濃度)を差し引いた値

尿中排泄

健康成人に、エルカルチンFF内用液(レボカルニチン内用液)30、60及び90mg/kg空腹時単回経口投与した時の24時間までのベースラインで補正した遊離カルニチンの平均累積尿中排泄率(fe,24h)は、それぞれ6.92±3.02%、5.92±1.88%及び5.59±1.85%と用量の増加に伴い低下した[3]

その他

レボカルニチンは、有機カチオン/カルニチントランスポーター(OCTN2)の基質である[4]

臨床成績

本剤での臨床試験は実施していないので、公表論文の成績を以下に示す(外国人による成績)。

一次性カルニチン欠乏症

一次性(全身性)カルニチン欠乏症患者に、レボカルニチン1回1g1日3回経口投与したところ、筋萎縮の減少、筋力の改善が認められた[5]

先天代謝異常症に伴う二次性カルニチン欠乏症

カルニチンアシルカルニチントランスロカーゼ(CACT)欠損症患児にレボカルニチン200mgを1日2回(30mg/kg/日)経口投与したところ、低血糖症や重度のアンモニア血症等の症状は発現せず、正常な発育がみられた[6]

プロピオン酸血症患児にレボカルニチン25mg/kg/日、メチルマロン酸血症患児にレボカルニチン100mg/kg/日を単回経口投与したところ、血漿中遊離カルニチン、短鎖・長鎖アシルカルニチン濃度が上昇した。また尿中遊離カルニチン及びアシルカルニチン濃度が上昇した[7]

イソ吉草酸血症患児にレボカルニチン60〜100mg/kg/日を投与したところ、血漿中総カルニチン、遊離カルニチンはほぼ基準値まで上昇し、治療期間中持続した。投与開始後30ヵ月時には運動発達もほぼ正常となり、成長及び発達は正常な状態に回復した[8]

透析患者での二次性カルニチン欠乏症

透析患者での二次性カルニチン欠乏症患者において、レボカルニチン2g/日 経口投与により、筋力の回復、筋痛、筋痙攣等の臨床症状の改善が認められた[9]

薬剤性の二次性カルニチン欠乏症

バルプロ酸投与による二次性カルニチン欠乏症患者において、レボカルニチン50mg/kg/日 経口投与により、高蛋白摂取時の血漿中アンモニア濃度の上昇抑制が認められた[10]

薬効薬理

組織内における“慢性的なカルニチン欠乏”状態を是正する。

組織内で過剰に蓄積した有害な“プロピオニル基”をプロピオニルカルニチンとして体外(尿中)へ排泄する。

有害な“プロピオニル基”からミトコンドリア機能を保護し、その代謝を賦活する[10]
ラット肝ミトコンドリアを用いて、レボカルニチン塩化物(l-体)を光学異性体であるd-カルニチン塩化物及びdl-カルニチン塩化物と比較検討した。その結果、l-体はミトコンドリア呼吸活性への抑制作用を示さず、プロピオン酸によるミトコンドリア呼吸能の抑制作用に対して有意な回復作用を示した[11]

有効成分に関する理化学的知見

一般名レボカルニチン
一般名(欧名)Levocarnitine
化学名(R)-3-Hydroxy-4-trimethylammoniobutanoate
分子式C7H15NO3
分子量161.20
融点約200℃(分解)
性状白色の結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けやすい。吸湿性である。水溶液(1→20)のpHは6.5〜8.5である。
KEGG DRUG

取扱い上の注意

本剤の主成分は潮解性を有するので、服用直前にPTPシートから錠剤を取り出すこと。

包装

エルカルチンFF錠100mg

[PTP]100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)

エルカルチンFF錠250mg

[PTP]100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)


羽鳥泰彦ほか,  医薬品研究,  19 (2),  324-340,  (1988)
社内資料(レボカルニチン錠とレボカルニチン内用液との生物学的同等性試験)
社内資料(単回経口投与試験)
崔吉道,  ビタミン,  84 (12),  604-609,  (2010)
Levitan,M.D.et al.,  Can.J.Neurol.Sci.,  14 (1),  50-54,  (1987) »PubMed
Pierre,G.et al.,  J.Inherit.Metab.Dis.,  30 (5),  815,  (2007) »PubMed
Chalmers,R.A.et al.,  Pediatr.Res.,  18 (12),  1325-1328,  (1984) »PubMed
Mayatepek,E.et al.,  Pediatr.Neurol.,  7 (2),  137-140,  (1991) »PubMed
Giovenali,P.et al.,  Kidney Int.,  46 (6),  1616-1619,  (1994) »PubMed
Gidal,B.E.et al.,  Pediatr.Neurol.,  16 (4),  301-305,  (1997) »PubMed
藤澤茂樹ほか,  日本薬理学雑誌,  93 (5),  305-313,  (1989) »PubMed

作業情報


改訂履歴

2015年10月 第2版 改訂
2017年5月 第3版 改訂

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
大塚製薬株式会社
108-8242
東京都港区港南2-16-4 品川グランドセントラルタワー
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製造販売元
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