別にステマじゃないけれど、生梅飴が非常に好き。好きだったのだが、あることが原因で数年遠ざかっていた。

「あること」なんていうと大袈裟だけど、あれをずっと舐めていると、口蓋部分が切れて血が出てくるのである。もちろん、ひとつを舐めただけで切れるということはなく、次から次へと止めどなく口の中に放り込んで舐めるから、そのうち、飴の硬い外側部分で口蓋を傷つけてしまうのである。

梅干しなんかだと「1日1個で毎日健康!」などという但し書きを用いて、暗に塩分の過剰摂取に注意喚起をしている場合があるけれど、生梅飴も過剰摂取に対する注意喚起の必要がある、と消費者生活センターに意見メールを送ろうかどうかと悩んでいたのだが、それより以前に私自身が控えねばなるまい、と数年にわたって購わないようにしてきた。

それがこのあいだ、コンビニに立ち寄ったときにたまたま目にしてしまい、「お、ひさしぶりに舐めてみるかな」と購入。こんなふうにネットをちらちらと見たり、ソファにすわって本を読んでいたりするときに、横ちょにこの袋を置いておいたら、もうだめ。気づくと、ずっとパクパク口に投げ入れてしまう。

それでも、上顎部分が傷つかないように無意識に飴を右か左の頬部分に入れておいたのだが、それでぺろぺろやっていたらいつの間にか右頬の内側にぷくーとちっちゃな突起を感じて、「あれ? なんかタコみたいなのができたのかな」と思ってそのタコっぽいやつをぺろぺろしていても、痛くも痒くもないし、なんだかこれかわいいな、でもどうなってんだと鏡で見てみるとびっくり。血豆ができている。

え? え? え? これも、生梅飴のせい? どうやらそうらしい。舌なんかも荒れてしまって、ちょっとしたドレッシングなんかが付着すると、「あ、痛」ってなるし、やっぱり口蓋部分も皮がべろべろに剥けてしまって……これ、危険食品ですよ(ステマどころかネガキャンになっている)。

もともと、駄菓子関係に異常に執着するようなところがあって、高校の頃には、「すもも漬け」というのにハマっていた。画像を探すと、けっこう大きいサイズのものが落ちていた。



これこれ。学校はわりと都心にあったのだが、裏門の近くに駄菓子屋だかパン屋だかわからないヘンな売店があって、そこでこれを購入。1個30円也。

アイスを売っているアイスボックス(?)に入れて凍らせている場合もあったし、常温のものも置いてあったように記憶している。

アイス版は、全体に口をつけて、すうーっと吸う。そうすると、赤い氷から赤い部分(酢酸系液体)だけが吸い取られ、口に入り、「ゴホッ! ゴホッ!」と咳き込む。酢を一気飲みするのと理窟は変らないからね。この咳込みがたまらない。涙を流しながら、二吸い目。「ゴホッ! ゴホッ!」。たまらん。

たしかこの売店の近くに、政治家の渡辺美智雄(今の「みんなの党」党首の喜美の親父さん)が住んでいる(家のひとつ、ということだったのだろう)マンションがあって、「ほら、あそこのマンション、いまミッチー来たよ。あの黒塗りの車から出てくるやつ。SP も一緒じゃん」みたいな説明を受けながら、すもも漬けをすすって歩いた記憶がある。もちろん、渡辺喜美の顔を見ると咳き込んでしまうような、変形パブロフ的反応は私には起こっていないが。

この「すもも漬け」、ノンアイス状態もすごかった。これには、短い白のストローをつけてくれるのだが、このストローで酢酸系液体をダイレクトで吸ったときの昂揚感およびゲホゲホ感といったら! 映画『パルプ・フィクション』なんかでヘロインかコカインを、ストローを使って鼻からコォーって吸うシーンがあったように思うけど、あれってこんなもんなんじゃないのってくらいに噎せます。「ゴホッ! ゴホッ!」のあとに、必ず「カハッ!」ってなります。どうでもいいけど、「噎せる」っていう漢字、じっと見ているとなかなか「むせる感」が漂ってくるねどーも。

また、この液体がない「酢漬けすもも」にハマっていた時代もあった。これもネットで探したら画像発見*1



これこれ。これの一番上。1個30円也。これは1日に5個までと数量制限を設けて食べていたけど、もし将来私の身体に異変があったとしたら、こいつのせいだと思う。おそらく発癌性物質が山ほど入っている、というより、発癌性物質で食べ物を作るとこういうものになる、という予感を起こさせる色をしていた(色については、前の「すもも漬け」も同様だが)。どう見たって尋常な色じゃない。口にしていいものの色をしていない。

けれども、身体によくないだろうなあと思っていても、やめることはできなかった。いや、むしろこれを食べて死ぬなら本望だ、というくらいに当時の私は刹那的に生きていたのかもしれない、時速300km を出して高速道路をぶっ飛ばす750ライダーのように……というのは冗談だけど、身体に悪いと思っていても、好きなものってなかなかやめられないわけで。

これにハマった頃は品川駅近くで働いていたんだけど、これが売っているコンビニでちまちま買うのが面倒になり、「そうだ、これ、ダンボールで箱買いすりゃあいいんだ」と思ってネットで調べたところ、メーカーのサイトに行き着く前に「悪い噂」を内部密告している(らしき)サイトがヒットし、そこで「ぞぞぞー」っとなる描写を見かけたので、それからいっさい口にするのをやめた。

そんな私が最近ハマったのが「のし梅さん 太郎」で、これは近所のセブン-イレブンで売っている。







これこれ。なんてったって「こりゃ~ うめェ~」だからね。ちなみにこの商品名、「のし梅さん 太郎」と「太郎」の前に少しブレスを置く。「太郎」というのはシリーズ名らしい。初見では「のし梅 さん太郎」とドカベンの微笑三太郎みたいな読み方をしてしまうのだが、「のし梅さん 太郎」が正解。この問題、去年の明治大学文学部で出題されています。



参考までに、微笑三太郎

これは1個10円。これが値上げされたときに初めてアベノミクスが成功したといえるんじゃないかっていうくらいに、安い。ある意味、デフレの象徴みたいなもんだ。

価格のせいもあって、これも大量買いをする。ちまちま買うのが面倒なので、棚にあるこの薄っぺらいやつらをごそっとつかみ、それをレジカウンターに叩きつける。

それを向こう(レジ打ちさん)が黙々と数えるところまではいいのだが、最終的に「12個ですね?」とか「17個ですね?」などと確認してくる。これが非常に厄介。

こちらはなにも「いくついくつ必要だからそのぶんだけ買う」というような意図を持っていないから、何個ですよね、と確認を求められても困ってしまうのだ。しかし向こうは、適当に17個も買う人間はあるまい、と思っているから「ここ、非常に大事なところですよ」という感じで尋ねてくるので、こちらも「ああ、そんなのテキトーでいいよ」と流すこともできず、とりあえず、「そら」で架空の子どもたちの人数を数えるふりをして、「そうそう、やつらは全員で17人いたはずだった」みたいな演技をして、うなづきながら「あ、17でいいです」と応じることにしている。めんどくせっ!

その演技の回数を減らすために、ますます大量買いをして購入頻度を減らそうと目論むと、向こうはさらに厳密な様子で質問をしてくるから、最近ではタイガーマスク伊達直人よろしく「へへっ、施設のボウズたち、喜ぶだろうなァ……」みたいな表情で、鼻の下を人差し指でひとこすりし、「はい、28個です」と答えるようにしている。

ちなみにこれ、アマゾンでは60袋入りが505円で売っているみたい。こんなのにもカスタマーレビューをつけている人がいて、「新時代の幕開け」と題している。どこに向かって開かれている時代なのか、ワタクシにはちょっとわかりかねるのですが。



こういう嗜好の人間がお客さんに向かって、ブルゴーニュのシャルドネの素晴らしさだとか、ボルドーのカベルネ・ソーヴィニヨンの偉大さ、極上シャンパーニュの芳醇さなどを語って、ときに何万円とお金をいただいていたのですよ。もちろん、満足してもらったうえでの話だけどね。



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