第二回 脂肪の燃焼について
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第二回は脂肪の燃焼について書きたいと思います。
健康目的やダイエット目的でDDRをプレーされている方は多いと思いますので、参考になれば幸いです。時間の無い方は色の付いた所を追っていくと分かりやすいかと思います。

・注意点
脂肪が落ちやすい状態になると、同時に筋肉も落ちやすい状態になります。
脂肪を落とす際にある程度筋肉も一緒に落ちることは避けられないので、脂肪を落とす必要が無い方や、筋肉を落としたくない方は積極的な脂肪燃焼のプロセスを踏むことは避けたほうが良いでしょう。

・脂肪を燃やすメカニズム
体内に貯まった脂肪は中性脂肪という形で内蔵周り等に存在しています。
中性脂肪は体にとっては貯蓄用エネルギーです。貯蓄専用なので、中性脂肪の状態ではエネルギーとして利用することは出来ません。通常のエネルギー生成には主に肝臓に蓄えられた糖(グリコーゲン)が多く利用されます。

中性脂肪は、エネルギーとして必要になると分解され遊離脂肪酸という状態になります。この状態になると酸化系によって燃焼することが出来ます。そのため、体についた脂肪を効率的に落とすためには中性脂肪が遊離脂肪酸に変わりやすくなる条件を知っておくことが重要になります。


・中性脂肪を遊離脂肪酸に変えるには
中性脂肪を遊離脂肪酸に分解し、エネルギー消費における脂肪の割合を効率的に増やすためにはいくつかの条件があります。これらの条件を重複することによる効果は定かではありませんが、運動時にこの中の一つでも実行することで脂肪の燃焼率は高まります。

・空腹感を感じている時
肝臓のグリコーゲンが減少すると血糖値が下がります。血糖値が下がるとエネルギーを補うために中性脂肪が遊離脂肪酸に分解されます。増えた遊離脂肪酸によって摂食中枢が刺激されることで空腹感が誘発されます。すなわち、空腹感は脂肪燃焼のサインと言えます。
「小腹すいたなぁ」と感じた時に踊るのは効果的ですが、そこで糖を摂取してしまうとインスリンが分泌されて脂肪の燃焼を阻害します(豆)。図1は脂肪燃焼における代表的な失敗例です。

 

 図1 脂肪燃焼の失敗例


(豆)例外として果糖に関しては摂取しても脂肪の燃焼を阻害しません。脂肪燃焼を目的とした運動の際のスポーツドリンクは、果糖以外に糖類が含まれないものを選ぶと効果的です。代表的なものとしてエネルゲンがあります。

・有酸素運動を20分程度続けた後
有酸素運動の開始直後はエネルギー利用における糖の割合が高く、脂肪の燃焼はもともと血液中に浮いている遊離脂肪酸のみに限定されます。開始20分を過ぎた当たりから内蔵等に付いた中性脂肪が遊離脂肪酸に分解されはじめ、エネルギー利用に占める脂肪の割合が高くなります。そのため脂肪を落とすことを目的とした運動を行う場合は一回20分以上(長いほど効果的)の継続が効果的であると考えられます。

※巷で「有酸素運動を20分~」というのはデマだという風潮があります。デマなのは「有酸素運動を20分以上やらないと脂肪燃焼は全く開始しない」という論のみであり、効率的に燃やすという観点から見るとやはり20分以上の継続が理想とされます。

・筋トレを行った後
筋トレ(高強度の無酸素運動)後、2時間程度経過すると成長ホルモンが多く分泌されます。成長ホルモンは中性脂肪の分解を促す効果があり、これは6時間程度持続します。この間に有酸素運動を行うことで脂肪燃焼の効果をアップさせることが出来ます。また、筋トレ等の高強度の運動を行った場合は糖が多く消費されて減少するため、必然的にその後の有酸素運動における脂肪利用の割合は高くなります。


・有酸素運動について
有酸素運動と呼ばれる運動は、エネルギー生成の面から見ると「ATP生成において酸化系の割合が高い運動」のことですが、これはイコール「長時間持続可能な運動」ということになります。有酸素運動の範囲内には大きく分けて「ほぼ酸化系のみ」と「酸化系+解糖系の混合」の2つがあります。
※厳密には有酸素的ATP生成サイクル中に好気(有酸素)的な解糖系も存在しますが、ここで扱う解糖系は全て嫌気(無酸素)的な解糖系のことを指します。

「ほぼ酸化系のみ」の場合
ほぼ酸化系のみでエネルギー生成が可能な低強度の運動は脂肪の燃焼率が最も高くなります、運動強度は一般の人であれば50~60%程度が普通です。脂肪の燃焼率が高い運動は筋肉に疲れが残りにくいので、毎日など高頻度で継続する場合にオススメです。

「酸化系+解糖系の混合」の場合
酸化系+解糖系の混合運動になると「ほぼ酸化系のみ」の場合と比較して脂肪燃焼率は少し下がります。しかし、高い強度で運動が可能となり絶対的なエネルギー消費量が大きくなるので、ある程度の強度までであれば時間当たりの脂肪の燃焼量は大きくなります。目安の運動強度は70~85%程度となります。

上記より同じ運動時間で多くの脂肪を燃やしたい場合であればある程度解糖系が混ざってくる位の強度での有酸素運動が最も適していると言えます。ただし、強度を上げすぎて解糖系の割合が一定を超える(無酸素的な要素の強い運動になる)と、脂肪の燃焼率が一気に低下して非常に効率が悪くなり燃焼量も少なくなるので注意が必要です。脂肪量を短時間で大きく減らしたい方は運動強度的には70~85%程度を狙っていくと良いでしょう。

・運動強度
自前で心拍計を持っている方であれば心拍による判断が出来ますが、ない場合にはボルグスケール(図2)と呼ばれる指標で判断します。「やや強い」や「かなり強い」など完全に本人の主観による判断なため低精度な指標の様に見えますが、意外と正確です。脂肪の燃焼率重視であればボルグスケール上で2~3程度での運動、燃焼量重視であれば4~6程度での運動が適しています。対応する心拍数も図に表記されています。
※胸にベルトを巻くタイプ、実用レベルのもので5000円程度からあります(ポラールFT1等)


           図2 ボルグスケール http://allabout.co.jp/gm/gc/388317/)

・DDRの運動強度(著者プレイ時の心拍数計測からの考察)
DDRはゲームの性質上、約1分30秒~2分ごとに30~90秒程度の休憩が入るので、体感の強度は低く感じやすい人が多いです。しかし、多くのプレイヤーが実際に思っているよりもDDRの運動強度は高いです。SPについては踏み方や技術レベルの違いによる運動強度の差が出すぎるため考察が難しくなりますが、DPに関しては高い運動強度になる場合が多いです

譜面傾向にもよりますが、自分の場合であれば燃焼率重視の運動でDP足8前後燃焼量重視の運動でDP足10~13程度が適正となります。プレイヤーの技術・体力レベルによって適正値は変わりますが多くの人にとって、脂肪燃焼にはDP8~13程度を長時間プレーする(SPの場合は同難易度を大きめの動きで)のが最適ではないかと思われます。

ちなみに、それ以上の難易度では
DP14~15中程度    心拍数 170前後
DP15強~DP17弱程度 心拍数 180前後
DP17中~18強程度   心拍数 180後半から~199(実測による最高心拍数)

程度の値を示すことが多かったです。また、速い地団駄が多い譜面や振り回しが強い譜面(いわゆる体力譜面)になると同難易度間でも高めにでる傾向が見られました。高難易度譜面における考察は別の回に詳しくやります。                                      
・高強度の運動における脂肪燃焼
上の結果から、「もしかして15~18クラスとかの発狂ばっかり踏んでたら脂肪は全然落ちないのでは?」と感じる人も多いかと思いますが、それでも全く落ちないということはありません。高強度の運動の場合は運動中に燃える脂肪の量は少なくなるものの、運動の余韻として運動後数時間に渡ってエネルギー消費量が増えます(EPOC)。運動強度が85%を超えるような運動の場合の脂肪燃焼は主にこのEPOCによって行われますが、EPOCによって増えるエネルギー消費量よりも実際に運動している時間内のほうがエネルギー消費は大きくなるので、運動中に効率よく脂肪を燃焼できる有酸素運動と比較すると脂肪燃焼量は少なくなります。

これで第ニ回を終了します。
次回は疲労についての話がメインになるかと思います。
読んで下さった方、ありがとうございました。




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