有機的建築
Organic House / Architecture
流行を追うことや斬新なデザイン、奇をてらったデザインがよい住宅デザインなのだろうか?
「人が住まう」ということをテーマとしたとき、私達が考える住まいの本質は次のようなものです。
- 自然の光をそのままに取り入れた空間
- 自然な風をそのままに取り入れた空間
- 流れるような創造的な空間
- 安らぎや落ち着きを齎す空間
- 子・孫に継承され、家族の絆や暮らし方が自然とともに育まれる空間
かつて、フランク・ロイド・ライトは貝殻を手に、タリアセンの生徒たちにこう言いました。
「ここに自然界の家の例がある。これらの単純な海の生き物は美しい家に住んでいる。千差万別の姿、形、模様を見なさい。すべてが目的を果たしている上に、単純さ、上品さ、美しさを備えている。これが偉大な建築様式だ。」
オーガニックハウスの家はフランク・ロイド・ライトとその財団から思想と哲学を継承し、普遍の価値を皆さまにご提供いたします。
有機的建築
「なぜ、木はこんな形なんだろう。どうして花はこんな形をしているのだろう。」
動植物、海中陸上の別を問わず、生物は各々の環境で生きていくために、自らの形を変化させてきました。逆に言うと、今私たちが目にすることが出来るのは、環境に適応することが出来た生き物だけです。
それは、美しく、一見儚くも見える百合の花や海の貝殻にも言えることです。
環境に適応した生物の形は無駄が無く、何十年、何百年経とうと美しさを保っています。
つまり、これらのデザインは、流行とは関係の無い普遍的な形なのです。
有機的建築とは、『普遍的な形を持っている自然の姿に学び、建物が環境と溶け合いながら、住む人にもフィットするデザイン』の重要性を唱えた建築家フランク・ロイド・ライトの住まいに対する考え方です。
だからこそ、その理念に従ってデザインされた数多くの住宅は、建築後百年の時を越えた今も大切に住み継がれているのです。
あいまいな空間
木漏れ日、たおやかな緑の木々、爽やかな風。
四季の移ろいを感じ取り、自然を住まいの中に招き入れる。
四季を五感で感じながら、自然と共に暮らす。
大きく水平に張り出した庇とウッドデッキの間の空間は「外でも中でもない」曖昧な空間を作り出します。
この曖昧な空間こそが人にとっての居心地の良さを感じる場所となるのです。
曖昧な空間は太陽とそよ風を肌で感じることのできる、もう一つのリビングと言えるでしょう。
住まいの中と外につながりを持たせた空間で日本の四季を感じながら過ごす。
これこそが贅沢であると我々は考えています。
内と外との連続性
フランク・ロイド・ライトは「自然と建物の一体化」という基本概念をもっていました。そのため常に「風や光、緑、そして景観までも室内に取り入れ、招き入れることが大切」と語り、具体的な設計では「外から内へ、内から外へと空間を連続させる」と述べています。
実際の建築物を見ると、その発言に違わず、内から見ると庭も室内の一部に見え、外から見ると室内が庭の一部に見えるように設計されています。
「大地から離れることなく、自然の生命体とつながること」が重要であると彼は述べています。
流れるような空間の中の見えない壁の存在
キッチンに居ながらにして家族の動きを感じ取れるように。曲面壁がゆるやかに視線と人の動きを導く。
この空間には、見えない壁が存在する。目には見えないけれど五感で感じ取れる壁。
低く抑えられた天井の抱擁力と、高く解き放たれた天井の開放感をコントロールすることで、緩やかな見えない壁をつくり出すのです。
空間の流動性
フランク・ロイド・ライトはその設計の過程において「室内空間をドアや壁などで仕切って固定するのではなく、オープンにしてダイナミック、且つドラマチックな動きをもたせる」、「部屋、つまり『箱』の組み合わせではなく、動きのある空間のつながりで住まいをつくる」と語っています。
その言葉通り、フランク・ロイド・ライトは「空間をコントロールする」ことで住まいを作り上げる設計・施工を多く遺しました。
彼の先進的な思想・設計法は現代でも高いレベルで通用し、むしろ、現代の住宅にとってこそ大切なものであると言えるでしょう。
光と大気の中で生活する
自然光は人に活力を与えます。
自然の光、つまり、太陽光こそが最も優れた照明であると我々は考えています。
太陽光を「透けて見える壁(=ガラスウォール、スクリーン)」から採り入れることで、自然、景観、環境との一体化を図ります。
トレリスと呼ばれる大きな軒庇で直射日光を避けながら、大きな開口部から柔らかな反射光を室内に取り込みます。
自然の照明
フランク・ロイド・ライトは「昼は自然の太陽の光を、夜は太陽光にもっとも近い、最小限の明かりを」と考えていました。
昼は、床と梁の間の「ガラスウォール」から自然光をたっぷりと採り入れ、部屋の隅まで明るくします。部屋に入った自然光は壁や床にはね返り、散乱する反射光として更に部屋を明るくしてくれるのです。同時に、反対位置にある採光窓からも光を入れることで、部屋全体が柔らかい光で満たされるようになります。
夜は最小限の明かりで、奥行きのある光と陰の空間を作ります。決して明るくしすぎず、必要な灯りを必要な場所に配することで、一日の終りへと優しく繋げていきます。
凛とした空間、やすらぐ空間
正座になり、姿勢を正す場所。畳の感触を感じながら横になり、くつろぐ場所。
日本間は異なる姿勢での使われ方をします。
礼を正す場所として「囲われる空間」でありながら、くつろげる場所としての「開放感を感じる場所」でもある。
座る姿勢、横になる姿勢、両方のことを考え、天井の高さを低く抑えることで、家の他の場所とは独立した心地よい空間を形成しています。
また、和の様式美を尊重しながら、天井の照明などにより光と影のコントラストを強調した浮世離れした空間を作り出すことで、日本間ならではの重厚さと落ち着きを醸し出しています
囲われる空間とその開放
基本的に和室は囲われる空間として扱うことが重要です。
和様式の威厳を持たせた空間が必要になりますが、同時にくつろげる空間であることも必要とされます。
床の間に空間の求心点を置くなど「囲われる空間」である和室としての様式美を保ちながらも、開口部を設けることにより、「内と外がつながる開放感」から寛げる空間が生み出されます。
柔らかく、優しく、穏やかに
繋がりを持たせた壁、心地よさを感じさせる壁。
壁と壁に丸みをつけると輪郭が柔らかくなり、ゆるやかな光の変化と空間の連続性を感じることができます。
また、壁と天井を化粧縁で区切らない方法で仕上げると、天井との壁の境が穏やかになることで、室内の全てが調和して穏やかな雰囲気を纏うようになります。
壁、天井のつながり
我々は「床の延長が壁であり、壁の延長が天井である」と考え、それぞれが直交する箇所の視覚的な強さを意識的にあいまいにし、弱めることにしました。
これにより、この「あいまいな部分」が天井と壁、壁と壁の連続性を表現します。
大切なことは、この丸みが大きすぎたり、小さすぎたりしても「連続性」や「柔らかみ」を失ってしまうという事です。
この丸みの大きさは空間の大きさで決めなければなりません。
オーガニックハウスのデザインコードはこの曲率を空間の大きさ、作品のコンセプトに応じて、心地よさを最大に感じるように決められています。
深い思考と落ち着きの場
円形の壁が中にいる人を優しく包み込む場所。そこは、自らの思考の深淵に潜るための落ち着いた空間です。
同時に、外から見ると半円の外壁となり、外観を引き立たせる効果もあります。
曲面を持つ壁
曲面を持つ壁は、外に向けて開放され、内に求心力を持ちます。円の半径と空間の容積のバランスが大きな要素となります。
デザインコードで決められた以上の大きさの円では、集中や「籠る」という感覚がなくなり、逆に散漫になります。
円の求心力を保持させた程よい大きさが、集中力と落ち着きを生み出すための重要なポイントです。