一夢庵別館

2010.08.16
一夢庵 怪しい話 第3シリーズ 第878話 「ゾヌの肉」

 ゾヌの肉の話というのは、2ちゃんで定評がある食肉系都市伝説ネタとして有名ですが、ネタの大元はというと、NSR-NKD Scientific Research-(http://nsrex.hp.infoseek.co.jp/)の”食肉業界の公然の秘密(1995)”が震源地になるという説もあるのですが、それ以前の話となると定かではないようです。

 まあ、NSRのネタに関しては、2-152”ハナアルキ”が取り上げられているくらいですから、まあ、ゾヌの話に関しても押して知るベシという気がしないでもないのですが、この手の話は常に”信じるか信じないかは、アナタ次第です”としたものですから深く考えずに話を進めます(大笑)。

 既にネットの中でゾヌの話は自然増殖して尾鰭が付きまくっているのですが、大まかなところでまとめると、ゾヌというのは、”19世紀初頭に中国から日本に帰化し主に四国の某県で増殖している哺乳類犬科ぞぬ目の外来動物で、頭部は秋田犬に似ているものの、腰から後脚にかけてが著しく発達していて食用”といったことになっています。

 もっとも、ゾヌが食用動物という肝心の設定が忘れ去られ、ビーグル犬を彷彿とさせるキュートなアスキーアートで描かれた二本足で立つ絵でしかゾヌを知らないという人もまた珍しくなくなっている御時世なのかもしれません(遠い目)。

 ここまでくれば勘のいい人は”はは~ん”と勘づいているとは思うのですが、ゾヌの本来の話というのは、某フライドチキン店関連の4本脚の鶏の話や某ハンバーガー店のミミズバーガーの話などと同列といえば同列で、”コンビニで売られている唐揚げに使われている肉は、実はゾヌの肉!”という食品分野の都市伝説に繋がっているわけです。

 例えば、A君とB君の会話で ・・・

 A君:「このコンビニの唐揚げって、ひと味違って他より旨いけど、鶏の種類が違うのかなあ?使っている油やスパイスなんかが独特なのかなあ?」

 B君:「馬鹿だなあ!ここの新しい唐揚げは、鶏どころか鳥の肉さえ使ってないから、”鳥の唐揚げ”とはどこにも書いてないだろ!」

 A君:「あ!ホントだ!でも、じゃあ何の肉なんだろう?鶏の肉に似たような味で、鶏と同じか安く無いと駄目なんだよねえ?カエルやワニの肉が鶏に近いって聞いたことがあるけどそっち系かい?」

 B君:「誰にも言うなよ、ここだけの話だけどな。ゾヌっていう犬科の動物の肉を使ってるって、兄貴がコンビニで彼女がバイトしている友達から聞いたって言ってた!」

・・・ とかいった小咄とともに、ゾヌの図というかゾヌの絵が掲載されていれば、なかなかの力作だと思います。

  ちなみに、私も長らくゾヌというのは架空の動物で、コンビニの唐揚げの肉はゾヌ肉という話は都伝の食品関連のネタ話だと思っていたのですが、ここにきて”う~ん”という事態になったというか、ゾヌの実物が登場してしまったというか、なにはともあれ”う~ん”な状況になってこれを書いているわけです。

 なお、これを書いている時点で、比較的確認しやすいゾヌの写真ということでは、”ムー(学研)”の2010/09月号の139ページだと思うのですが、おそらくかなりのゾヌのファンの人に”う~ん”と同調していただけるのではないかと(大笑)。

 該当記事の内容と写真の詳細は”ムー”の該当号などを参照していただくとして、従来、ゾヌが中国産とされていたことと符合するあたりがミソなのですが、その動物は2010/03/24に中国の四川省遂寧市で捕獲されたそうで、体調は約60センチ、頭部の形状は犬に似ているが臀部が発達していて、尻尾の長さは全身の半分近い ・・・ という、まさにゾヌではないかと。

 一応、”病気で毛が抜けたムナジロテンではないか?”という説もあるようですし、”あんなのゾヌじゃねえ!”という人もおいでとは思いますが、今のところ現地でも謎の動物ということになっているようですし、私がどの説を面白がっているかといえば(笑)。

 ちなみに、以前2-4”四本脚の鶏”の回で、フライドチキンのチェーン店で原材料になっているかどうかはともかく、遺伝子操作で四本脚の鶏を創り出すことには既に成功しているという噂があるという話と、遺伝子操作とは無縁ながら亜米利加のペンシルベニア州サマセットにある養鶏場で実在が確認されたという話を書いたのですが、”ゾヌ”も根も葉もない話から、多少は根や葉がある話になってしまったわけです。

 なお、都伝の古典に属するミミズバーガーに関しては、ミンチにできるなら牛のどの部位の肉でもミンチにしている関係で、ビーフ100%の肉塊の方がグラムあたり単価が養殖ミミズ100%のミンチより安くなるため、ミミズバーガーを牛100%の某大手ハンバーガーチェーン店の価格では出食できないとされています。

 というか、価格面がクリアできたとしても、実際にミミズバーガーを牛100%のバーガーと同じ店舗で出食したらどうなるか?それを内部告発ですっぱぬかれたときのダメージは?と考えていくと、あまりにハイリスクでローリターンな選択であることは指摘するまでもないでしょう。

 食文化の違いと言ってしまえばそれまでですが、朝鮮半島の犬鍋は伝統食として日本人にも有名な料理ではあるものの、犬をペットとして飼うようになった世代には”食べるのは無理”という人が珍しく無くなって来ているそうで、その辺りの変化は、なんでも料理して食べてしまうことで定評のある中国人でも、ペットとして飼うようになった世代では抵抗があるとか無理という人が増加しているようです。

 ちなみに、東京の大久保界隈はコリアンタウンとして有名で韓国料理店も多いのですが、冬場に”補身湯(ポシンタン)”などの犬鍋料理が出食される季節になると、日本で言えば夏場の”冷やし中華始めました!”と似たようなノリで、店頭に貼り紙をして告知する店も珍しく無いのですが、日本人との余計な摩擦を避ける意味もあってか(見かける範囲内では)ハングルで書かれているそうです。

 なお、一つの俗説として、朝鮮半島では一般的な犬鍋を食べると、体臭が変わってしまうのか、犬たちが”こいつは俺たちの仲間を食べた!”と勘づいて、顔色を変えて吠えかかってくるようになるという話があるのだそうですが、ゾヌの場合はどうなるのかは未知数のようです。

 日本で犬の肉を食べるといえば、寝小便に効くとして赤犬を食べさせる薬食いの話があるくらいで、基本的に日本人にとって犬はペットであり家族の一員ですから、ゾヌが犬科であることから考えると、ゾヌ肉の唐揚げを出食したコンビニがあるとすれば、犬科の動物の肉の唐揚げを売ったというだけで致命傷になる気がしないでもありません。

 もっとも、日本でも狸汁は意外とポピュラーというか昔話では定番料理ですが、狸や狐の類を鍋にする場合は、薬味というか臭いの強い野菜を一緒に入れて味噌で煮込んで肉の臭いを誤魔化す事が多いようですが、ほとんどの獣肉が同じやり方で美味しくいただけるかどうかは定かではありません。

 冷静に考えれば、合法的に、鶏、豚、牛、羊といったポピュラーな家畜はもちろん、鴨、合鴨、猪、馬、熊、鹿、兎あたりの肉も日本では合法的に食べられているわけですが、だからといってゾヌの肉が全国規模でコンビニの唐揚げをまかなえるだけ量産されていたり、量産されるようになるか?と考えると、さすがに政府の監視の目を盗んで行うには無理がある規模になる気がします。

 敢えて言えば、犬料理が日本のように珍しいものではない朝鮮半島や中国大陸の場合、ゾヌの方が普通の犬より美味しければ養殖もありという話になりやすい気がしないでもありませんし、海外で下処理されて冷凍された肉塊の形で通関してしまうとどうなるだろう?ゾヌ肉に何らかの食肉関連の輸入規制って適用されるのだろうか?と考えてしまうのでした。

 が、鳥インフルエンザや牛や豚の口○疫といった事を考えると、ゾヌの養殖が将来的にありなえい選択肢かどうかは微妙な時代なのかもしれないとか考え込んでしまうのですが、そもそも論で言えば、そもそも、ゾヌって本当に実在するんですかねえ?


参考URL:http://nsrex.hp.infoseek.co.jp/

初出:一夢庵 怪しい話 第3シリーズ 第878話:(2010/08/10)






Last updated  2010.08.16 00:22:29
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