死臭のニオイを例えると・・・

あなたは人が亡くなって長時間放置された場合、遺体はどうなるのか想像したことはあるだろうか?

もちろん腐っていくのだが死亡して直後の体の中はどう変化していくのでしょう。

どうやって死臭が出るのか、なぜ密室なのに害虫が大量発生するのか。

今回、一般の方では知ることのできない特殊清掃員だからこそ体験したエピソードを皆さんにお伝えしていきたいと思います。

 

 

一般的に遺体が変化していく様子

 

 

【外部所見】

死後30分、斑紋状の死斑があらわれる

 

 

1時間30分、融合の開始

6~7時間、全身諸関節に発現
10時間まで、死斑の指圧や転位による消失
12時間、角膜が濁りだす
12~15時間、死後硬直最高
15時間、死斑最高
24時間、下腹部が腐敗しはじめ変色してくる
48時間前後、角膜が完全に濁り瞳孔の透見不可能に
48時間前後、死後硬直の緩解がはじまる(およそ20時間後が最も硬直が強い。その後、腐敗の進行とともに硬直が解けていく)
2~3日、腐敗水泡が体面に出て血管網の出現
3~4日、死後硬直緩解完了

 

 

 

 

【死後日にちが経過した死体】

 

成人のミイラ化、3ヶ月で完成
皮下脂肪の屍ろう化の開始(金属石鹸化)水中で1~2ヶ月
皮下脂肪の屍ろう化完了 2~4ヶ月
筋肉の屍ろう化開始 2~3ヶ月
土の中での全身屍ろう化 約1年
地上死体の白骨化 数ヶ月~1年

土の中の死体の白骨化 3~5年
骨の乾燥、脆くなる 10~15年

 

 

 

特殊清掃員は遺体を見ることは無くても体液、血液、体の一部などは私たち特殊清掃員が清掃しなければならない。

警察はご遺体だけ持っていくだけで頭皮からはがれ落ちた髪の毛、内臓や肉片などは持って行ってはくれない。

足の親指が落ちていたこともあった。

 

 

 

大体が1〜3日経過していたり1ヶ月〜6ヶ月と様々な現場に行かせていただいている。

夏場では1日で腐敗が進み異臭やハエなどの害虫が発生する。

死臭が発生するのは季節の影響もあるが死亡して1ヶ月ぐらいで体が体内のガスで膨らみ皮膚を破ってガスが漏れる。

この時に体液も一緒に吹き出すのだ。

ガスでぱんぱんだった体が今度は皮膚が破れてガスが抜け、萎む。

 

水死体もガスが発生した時は水面に浮いていられるので運良く発見されることがあるが、発見される前にガスが抜けてしまったら水底に沈み二度と浮いてくることはない。

 

 

 

わかりやすく言うと風船だ。

空気が入り膨らみ徐々に大きくなっていき、限界がくると破裂し縮む。

それが人間にも同じことがおきているのです…

 

 

 

 

【死臭のニオイはどんなニオイか】

 

はっきり言ってこれといってベストな例えられるニオイがないのだ。

人によっては例え方が様々だが死臭を例えるのならば私は…

 

 

べったら漬けを腐らせた臭いとイカ焼きの臭いにプラス、ツンとした臭さを加えたそんな感じ。

 

何故イカ焼きなのかというと私がとあるパーキングエリアに立ち寄った時のこと。

飲み物を買い、歩いているとどこからかぷ〜んと死臭のような臭いがしてきたのだ。

『え?死臭!?』と思い、臭いがする方へ行ってみるとそこではイカ焼きを販売していたのです。

 

確かに近づいていくにつれて臭いが濃くなっていきこれがイカ焼きなのは分かりました。

が!

イカ焼きから離れた場所でこの臭いを嗅ぐと孤独死されたお部屋の臭いと一緒だった。

それまで死臭を『これ!』といって例えられずにいたがこの時初めて死臭に近い臭いに出会った瞬間だった。

 

 

これだけ聞くとひどい臭いのような感じはしないが…

ただ夏場に発見された孤独死の現場は死臭が目に沁みるほどの痛みで目が開けられない状態とガスマスクがないと到底その場にいられない。吐く人もいるだろう。

死臭というのは慣れるものではない。

むしろ現場を重ねるごとに臭いに敏感になり、思い出しただけでも吐く人もいる。

 

 

 

 

【死臭がする部屋に入るとどうなるのか。】

 

 

●まず入った瞬間から全身に死臭が染み込みお風呂に入るまで臭いが取れることはありません。

その為ご飯を食べに行くにも人に迷惑がかかる為人がいる場所に行けない。

 

●家に帰って服を洗うのにも臭いが移るなどの様々な理由で家族に洗濯機を別に分けられる。(私は独身なので関係ないが)

または捨てる。

 

●お風呂に入って綺麗にニオイも取れたはずなのに何処からか死臭のニオイがする(毛穴に臭いが入ってしまっているのと鼻の粘膜にニオイがついてしまっている為自分が臭いと錯覚を起こす)

 

 

死臭と言えば、

休みの日などにリサイクル屋に行ったりするとたまに物から死臭がすることがある。

死臭を知らない人からすれば『なんか臭いな…』程度でまさかこれが死臭だということまではわからないだろう。

この仕事をやるまではリサイクル品などを気にせず買っていたが今では臭いをチェックしてしまうようになってしまった。

皆さんも『今まで嗅いだことのないような変わった変な臭いがするな〜』と思ったら気をつけましょう。

 

 

 

 

 

【死臭はいろんなことを教えてくれている】

 

 

私が上京して部屋を借りるのに物件を探していた時、一件目から孤独死現場の部屋だったことがあった。(床には人型あり)

階段から微かに死臭のニオイがしていた為、まさかとは思っていたがそのまさかだった。(部屋の床には人型があるものの死臭はしなかった)

不動産屋の人と一緒だった為、ここで孤独死しているか聞いた所、笑顔で『亡くなってません!』と言っていたがニオイと人型が物語っていた。

さすがに特殊清掃員は騙されません。

 

もちろん契約はしていません。

どんなに不動産屋が誤魔化しても臭いは教えてくれているのです。

孤独死をされた方も臭いが周りに知らせてくれるから発見されやすい。

ある意味臭いというものはSOSの時に使う発煙筒のようなものなのではないだろうか。

 

 

 

 

 

【大量に虫が湧くけどどこから虫が発生しているの?】

 

 

よく孤独死をされた方のお部屋には大量のハエやゴキブリ、蛆虫。いろんな虫が窓も開いていないのに大量に発生している。

どこから入ってきたの?

もしかして亡くなったら人間の体から蛆虫なんかが出てくるの!?

 

など、不思議に思ったり噂で耳にすることがあるかと思います。

 

しかし実際はハエなどの虫は体から湧いて出ているわけではなく、家のほんの少しの隙間から入ってきて臭いの元にすかさず卵を産みつけている。

ハエの種類にもよるが多いもので一回の産卵に100個〜1000個の卵を産む。

2週間で幼虫になり栄養源の餌を食べていくのですが中から食べていくので蛆虫が体から湧き出ているように見えるのです。

その大量に増えた幼虫は乾燥したところに移動し、蛹になります。

期間は4〜7日で成虫になると3〜4週間。

 

蛆が体から湧く自然発生説が本当か対照実験をしたイタリアの医師フランチェスコ・レディがやった実験では、6つのびんを用意し、それを3つずつ2グループに分けた。

それぞれのグループの1つめのびんには未知の物体を入れ、2つめには魚の死骸、3つめには生の子牛肉の塊を入れた。

そして一方のグループはびんの口に目の細かいガーゼをつけて空気しか出入りしないようにし、もう一方には何もつけないでそのままにしておいた。

数日後、びんの口に何もつけなかった方はハエが自由に出入りできたため蛆がわき、ガーゼで覆った方には蛆はわかなかった。
次に彼は、蛆を捕らえてそれが変態するのを待つ実験を行った。

蛆はハエになった。

さらに死んだ蛆やハエを動物の死体や生肉と一緒にガーゼをかけたびんに入れておいたが、蛆はわかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

このことからハエやゴキブリなどの様々な虫は体内からではなく外から来ては増えていることになる。

どんなに人間が密室にしたと思っていても虫からすれば隙間だらけだとゆうことだ。

どこからともなく現れる虫にも気をつけたいが戸締りが手薄な夏は泥棒にも気をつけてもらいたい。

 

 

一番怖いのは虫ではなく人間なのだから。

 

 

 

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