「あるクリニックで断食を指導されましたが、セカンドオピニオンでいったクリニックでは危険だからやめたほうがいいとアドバイスを受けました。
どちらの先生の言っていることも全く理にかなっていると思いますが、私にはどちらの方法があっているのでしょうか?」
「あるクリニックでは、カンジタ除菌に抗真菌薬を処方されましたが、別のカウンセラーの方から「副作用が多く、再発しやすいのでやめたほうがいい」といわれました。」
「あるクリニックでは、キレーション点滴を勧められましたが、ある先生からは点滴は危険だからやるべきではないと言われました。」
栄養療法には多くの選択肢がありますので迷われる方も多いのですが、このように反対の事をアドバイスされるとどうしたらいいのかわからなくなってしまう方も多くいらっしゃるようです。
今日は、そんな迷っているあなたへのアドバイスです。
1 まずは両方の主張を十分に理解してください。
特に、自分の中でどちらかの意見に傾いている時ほど、反対側の意見も聞いてみてください。
「反対側の意見」には、「自分がいいと思っている意見」を裏付ける事がたくさん含まれており、自分側の意見を別角度から再検討することができます。
この時のコツは、なるべく両極端な意見を聞くことようにすることです。
この幅が広ければ、今後あなたがこれから聞くであろう意見もこの中に入れ込めるからです。
0%と100%の意見を十分理解してはじめて、「私はこの件に関しては〇〇パーセント位」という自分の立ち位置がはっきり見えてきます。
しかし、例えば100%の意見しか聞いていなければ、自分の立ち位置もわからず相手の意見の立ち位置もみえないのですから、混乱を招くのは当たり前です。
2 主張の根拠を聞いてください
「なぜその方法を取り入れるべきなのか?」もしくは、「なぜ取り入れてはいけないのか?」
の根拠を聞いてください。
・誰が推奨して、どの位の実績がある治療なのか?
・どこの誰が推奨、もしくは反対しているのか?(えらい立場の先生が言っていることが正しいとは全く限りません)
・副作用がどのくらいの確率で起こるのか?
・根拠となる論文はあるのか? ダメな場合は、「その治療がなぜだめなのか?」
少なくとも、どの医師や治療自治体、医療グループが反対しているといった根拠を確認してください。
単に「多くの医師がやってるから」とか、「みんな反対している」とかいうのはダメです。
・主張している人の立場も考慮してみてください。
(医者はろくに考えずに代替医療を「効果がない、根拠がない」という人が少なくありません。
また、自称カウンセラーなど医療無資格者ほど治療の副作用を強調して話す傾向があります。)
例えば、キレーションについて考えてみます。
この本「バイパス手術を回避しよう」は、キレーション点滴を行うことで心臓のバイパス手術を回避できるという内容の本です。
キレーション治療の根拠が理論的に説明されています。
これは、FDAによる未認可のキレーション薬剤に対する警告です。
FDAはどのようなキレート製品も処方箋抜きでの販売を認可していませんが、
これは「医療として禁止されている」のではなく、個別化治療の法則を無視して、
むやみに使われて副作用が出ない様に対策がされているのです。
(FDAは「解毒」で病気の予防や治療ができるという事自体を否定していますが)
ただし、治療効率を上げるという事は副作用の確率もそれにつれて上がります。
だからこそ、
・十分な実績を持っている治療家の元で行ってください。
例えば、点滴の浸透圧の計算、頻繁に起こる副作用とその機序、肝腎機能の評価などが
できない医師がキレーション治療を行うことほど危険なことはありません。
・薬や点滴治療でないとキレーションできないという事はありません。
キレーションは短距離走ではありません。マラソンです。
つまり、これらから、キレーションは
・エビデンスがきちんと積み上げられている非常に良好な成績を残している治療
だと言えます。
しかし、FDAがこれだけ規制に乗り出しているということは、
・わけもわからず素人が使うと副作用の懸念がある
という事も言えます。
当たり前のことですが、治療効果が高いものほど副作用が大きいのです。
そのために免許があるのですから。副作用ばかりがクローズアップされて治療の機会を失うというのも同じくらい問題です。
いい治療を正しく使うことで、今まで何をやってもダメだった患者さんが劇的に改善する事も多くあります。
私も私の患者さんもキレーション点滴治療には本当に助けられています。
そのようにいろいろ考えていくと、殆どの場合、どちらか一方が完全に間違っているということはありません。
3 上の2つを踏まえたうえで、自分の立ち位置を見つけてください。
栄養療法のゴールは一つではないし、同じゴールを目指すのにもいくつもの道があります。
サプリメントは必ず天然物のものを使わなければならないというわけではないし、薬や点滴を取り入れて治療効率を挙げるのも十分な選択肢です。
私のお勧めは「柔軟な立ち位置をもって移動する」です。
私の患者さんの中には、いろいろ勉強した末、どうしても「抗真菌薬」が使いたくていらっしゃった方がいました。
様々な抗菌ハーブを試しても効果がなかったのが、「抗真菌薬」を使用したら、どぶのにおいが一気に消えました。
反対に、「抗真菌薬」の副作用がトラウマでリーキーガットが治らない人もいました。
その方には、「薬」抜きの処方をします。
食事指導も守るし、急いでいないので、できるだけ自然なデトックスをしたいという方もいらっしゃるし、逆に何をやってもダメだった「うつ」「繊維筋痛症」「リウマチ」の患者さんが点滴キレーションで改善しています。
もしも、あなたが極端な領域(点滴療法専門、自然療法のみ取り扱う)のプロになるなら話は別ですが、私は、患者さんの望みと症状に合わせて治療方針を柔軟に変えることができる人を目指すべきだと思います。
なぜなら治療の主役は患者さんだからです。
だから、臨床家として自分の主張を通すのではなく、患者さんの主張を通すのを手伝ってあげるのです。
一般に技術的には、薬や点滴治療の方が数倍難易度は上がります。
特にもしあなたが医師、歯科医師免許をお持ちなら、是非点滴や高度な治療技術も勉強してください。
同じ自然治療を行うにしても、点滴の技術を持っており、その効果を頭の中で比較しながら行うのとそうでないのでは、天と地の差があります。
栄養療法を効かせるコツ
極端な両者の間を自由に行き来して、治療のいいとこどりをする
理解のために一番簡単なのはテーマが対立している本を読むことです。
是非ご参考にしてください。