便秘だと体重が増える?便秘を解消すると痩せる理由を薬剤師が解説
こんにちは。薬剤師のタカラです。
ダイエット中なのに便秘になってしまい、なかなか体重が落ちないなど、便秘と体重の悩みを抱える人は多いですよね。
このページでは便秘と体重に関しての関係性、便秘を解消して痩せやすい体になる方法、やってはいけない便秘のダイエット方法などに、その他妊婦の便秘と体重についてなどを紹介していきます。
ひどい便秘のときはどのくらいの体重増加があるの?
最初に、便秘の状態だと便の重さはどのくらいの重さになるのかについて解説します。
5日間~一週間程度の頑固な便秘状態の時、腸の中にたまっている便の重量は1キロ~1.5キロ程、と言われています。
すこし昔、ビートたけし司会の健康系のテレビ番組の中で、ひどい便秘の方のMRIを撮り、推定での重さを量ることでも上記の数値を出していました。
ここから、便秘を解消することで体重を1キロ減らすことができる、ということが分かります。
しかし、これはあくまでも溜まっていた便の分の1キロが減っただけで、根本的に痩せているわけではありません。
健康的に痩せる努力が必要です。
便秘を解消すると痩せる理由
本題はここからです。
便秘を解消すると痩せる、便秘になると体重が増える、ということがよく言われますが、その理由についてここで紹介していきます。
便秘と体重には、肝臓機能が密接な関係
そもそも便秘状態は、便などの老廃物が腸の中で渋滞を起こしている状態です。
何日も便が腸の中にある状態は、悪玉菌が腸内で多く発生し、その悪玉菌によって有毒なガスが大量に腸内で産生されることになります。
その有毒なガスが問題となります。
アンモニアなどが主成分の悪玉菌由来の有毒ガスは、おならとして外部に出ると悪臭の原因となります。
おならで体の外に出てしまう分には問題はないのですが、多くのガスが腸の血管から体の中に吸収されます。
体内に入ったアンモニアなどは門脈を通り、肝臓に入ります。
肝臓の機能を使い「解毒」が行われ、体の中に毒素が巡らないように除去されるのです。
ですので、アンモニアが体の中に充満しすぎることはなく、便秘状態でも健康でいることができます。
このように肝臓は、人が生きていくうえでなくてならないすばらしい働きをしてくれています。
大量の血液が循環する肝臓は、カロリー代謝の大部分である「基礎代謝」の比率が高い臓器です。
その割合は大きく、体の中でも一番です。
▽基礎代謝の内訳
- 肝臓:27%
- 脳:19%
- 筋肉:18%
- 腎臓:10%
- 心臓:7%
- その他:19%
便秘状態がひどいと、常に有毒ガスが発生し、解毒のために肝臓の機能を使うことになります。
その状態が続けば、長期間肝機能が使われることで肝臓が疲弊し、、代謝が悪くなり太りやすくなります。
逆に、便秘が解消され肝臓がガスを解毒する必要が減ると、肝臓が元気になることで代謝が良くなり、結果痩せやすくなります。
基礎代謝が上がるというわけです。
肝臓の代謝以外にも、便通が良い状態は腸の中に食べ物が滞留している時間が減ります。
このことで、早く外に食べ物が出てしまい、カロリーの吸収率が下がります。
このことをイメージするのには、下痢がひどい場合を考えてみると良いでしょう。
食べてすぐに下してしまう場合、腸から栄養を吸収する暇がありません。
この状態だと、同じ量を食べても食べ物のカロリーの吸収率が相当違ってくるということは想像に難くないと思います。
ひどい下痢は病的なので例えとしては少々乱暴ですが、便通が良ければ同じ量を食べても太りづらいということが言えます。
便秘になりやすい方におすすめのダイエット方法
もともと便秘体質という方は、ダイエットをすることでさらに便秘症状が悪化する方が多いと思います。
基本的なダイエットの方法として、多くの方が食事制限をする、又はそれに運動などを併用する方が多いですよね。
食事制限を行い入ってくるカロリーを減らすことは、ダイエットのセオリーとして間違ってはいません。
しかし、食事量を減らすことで、便の材料が極端に少なくなってしまい、腸への刺激が減り動きが悪くなることで便秘が悪化します。
便秘が悪化することで、先にお伝えしたとおり悪玉菌が増え、有毒ガスが発生し、肝臓が疲れ太りやすい体質になります。
この対策としては、食物繊維中心の食事に変更することがベストです。
不溶性食物繊維、水溶性食物繊維の割合をできるだけ2:1で摂取する、などの工夫を行います。
さらに、野菜を多く取ることで便の材料を増やしましょう。
野菜などの便の材料は毎日定期的に取らなくてはならないため大変です。
多忙などの理由で食事をうまくコントロールできないという方は、食物繊維サプリを利用すると良いでしょう。
また、乳酸菌などを含む発酵食品を摂ることも重要です。
具体的には、ヨーグルト、納豆、漬物、キムチなどの食品です。
これらの食品は腸の中を酸性に保ち、元気に動く環境を作ります。
また、善玉菌が増えることで、悪玉菌の増殖が抑えられます。
もっとも、ダイエッターが毎日ヨーグルトを大量に摂ることは、コスト的にもカロリー的にも問題が発生することがあるでしょう。
その場合は、乳酸菌サプリを利用することを考えると良いでしょう。
コストは一日100円前後と、ヨーグルトの費用と同じくらいです。
ダイエットには食事、運動のコントロールが定番ですが、高額な費用を払って結果にコミットでもしてもらわない限り、毎日完璧にコントロールするのは難しいでしょう。
そこで、少しドーピング的な話にはなりますが、食物繊維サプリ、乳酸菌サプリで腸の中をコントロールことが、実は健康的に痩せるためのものすごい近道だと考えています。
コストは一日200円程度です。※余談ですが。
ダイエットのために便秘薬は飲まないで!
ごく少数ではありますが、『便秘を解消すると痩せるのであれば、コーラックみたいな下剤を使えば簡単に痩せるのではないか』と考える方がいらっしゃいます。
この方法は非常に危険ですので、絶対にやめてください。
コーラックや武田漢方便秘薬、ビューラック、スルーラックなど、たくさんありすぎて全部は挙げられませんが、パッケージの成分表に「センナ」「センノシド」などのセンナ成分が書いてある薬は、大腸を刺激して無理に排泄するタイプの便秘薬です。
刺激には、体が慣れます。
慣れてしまうと、その刺激がないとうまく便が出なくなります。
便が出ないとモヤモヤしますし、腸に便が留まることで、体重減少というダイエットの本来の目的が達成できなくなります。
そこで、どんどん薬の飲む量が増えます。
その結果、便秘薬が手放せない「下剤依存症」になってしまう危険性があります。
このように、安易に下剤を使うことは極めて危険性が高い行為です。
痩せるために便秘薬を使うということは絶対にやめましょう。
妊婦の便秘と体重について
妊娠中はホルモンの変化で腸の動きが悪くなり、便秘になりやすいですよね。
普段は便秘症でなくても、妊娠がきっかけで便秘になる方が多いのが現実です。
さらに、妊娠中は体重の増加にも気をつけなくてはなりません。
ひどい便秘と体重増加、薬もあまり飲みたくない、という状況で不安を覚える妊婦さんも多いことでしょう。
あまりにもひどい便秘に悩まされている場合は、産婦人科医に相談するのが安心です。
母子の安全を考えた上で、適切な対処法を考えてくれるでしょう。
間違っても市販の便秘薬は使わないでくださいね。
余談ですが、妊婦さんにすこし聞いてほしいことがあります。
出産時に、無菌状態の赤ちゃんははじめて外部の生物と接触します。
産道を通り、膣の中でビフィズス菌や乳酸菌を摂取し、最初の腸内細菌を手に入れることになります。
帝王切開などで菌を摂取できない赤ちゃんには乳酸菌飲料を飲ませる病院があるくらい、赤ちゃんにとって最初の腸内細菌は重要です。
お母さんの免疫力向上のため、お子さんの初めての腸内細菌摂取のため、加えて母乳の中の免疫物質増加のためにも、出産前には乳酸菌を多く摂るようにしましょう。