1%以上 0.2〜1%未満 0.2%未満 頻度不明※1
循環器 潮紅 動悸、ほてり 血管拡張、心拍数増加、胸痛、狭心症、頻脈、高血圧、低血圧 心筋梗塞※2、心臓突然死注2)、失神、起立性低血圧
感覚器 霧視、眼の充血、眼の異常感 耳鳴、視覚障害、眼痛、流涙増加、眼刺激、結膜充血、視野欠損、結膜炎、乾性角結膜炎 眼瞼腫脹、色覚変化、回転性眩暈、網膜静脈閉塞、非動脈炎性前部虚血性視神経症注3)、網膜動脈閉塞
消化器 消化不良 上腹部痛、悪心、胃食道逆流性疾患、下痢、口内乾燥、胃炎、嘔吐、腹痛、胃(胸部)不快感 便秘、腹部膨満、軟便、胃刺激症状、嚥下障害 食道炎
肝臓 肝機能異常(AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇を含む) ALP上昇
腎臓 腎機能障害、尿酸値上昇
筋骨格 背部痛、筋痛、四肢痛 関節痛、筋痙攣(筋収縮)、筋骨格痛 筋骨格硬直、頚部痛、殿部痛
精神・神経系 頭痛 めまい、睡眠障害 錯感覚、傾眠、不安 脳梗塞注2)、感覚鈍麻、片頭痛
泌尿・生殖器 排尿困難、勃起増強、意図しない勃起 持続勃起症、勃起の延長
呼吸器 鼻閉 鼻炎、副鼻腔うっ血 呼吸困難、喀血 鼻出血、咽頭炎
皮膚 紅斑、多汗、爪囲炎 そう痒症
その他 疲労、無力症、疼痛、体重増加、倦怠感 熱感、末梢性浮腫、粘膜浮腫、口渇

※1:自発報告等を含む情報であるため、頻度不明。
※2:心筋梗塞、心臓突然死、脳梗塞等の重篤な有害事象が本剤の投与後に報告されている。

しかし、これらのほとんどの症例がシアリス投与前から心血管系障害等の危険因子を有していたことが報告されており、これらの事象がシアリス等ED治療薬、性行為又は患者が以前から有していた心血管系障害の危険因子に起因して発現したものなのか、又は、これらの要因の組合せにより発現したものなのかを特定できておりません。
性行為自体は運動行為ととらえられ、一般的に心臓病発作の頻度が高いことが示されております。
また、過度の飲酒をされている場合や、いつもと異なるシチュエーション、パートナーとの性行為セックス時に、副作用として心臓発作が生じやすいとされております。



※3:「その他の注意」の項参照
高齢者では一般に生理機能が低下しているため、慎重に投与が必要です。
女性に対する適応はございません。
小児等に対する適応はございません。


シアリスは、先に市販されている勃起薬、バイアグラ、レビトラとは分子骨格が異なります。
このため、長時間勃起効果が持続するというシアリスの特徴が得られているわけですが、この異なった分子骨格をもつことにより、副作用も前2者と異なっております。
つまり、バイアグラ、レビトラで副作用でお困りの方は、シアリスを試していただく価値がございます。
ED治療薬の副作用は、その効果の出現時に強く表れる印象を持ちます。
バイアグラ、レビトラは、比較的急速に吸収されるため、血中濃度の立ち上がりが急峻です。
このときに副作用が出現し、その後は、副作用が収まる傾向です。
これに対しシアリスは、なだらかな血中濃度のピークを持っています。ジワジワ効果が出現するイメージです。
ED治療薬3剤の中で、もっとも副作用が少ない印象の勃起薬です。



最近10年間のアメリカ食品衛生局FDAへのED治療薬の副作用報告


販売製薬会社によって行われた市販後調査では、一貫して、ED治療薬(PDE5阻害剤)による心血管系疾患の危険性の増加は認められないとされています。
1998年~2007年のバイアグラ(シルデナフィル)の市販後調査では、853例の心血管系の有害事象、副作用が報告されています。この有害事象、副作用には、心筋梗塞や動悸、頻脈が含まれています。これは、17909人のうち4.76%にあたります。
実際には、どれだけ多くの男性がED治療薬(PDE5阻害剤)の使用しているか、明確に把握できません(1500万人~8360万人と見積もられています)。
それゆえに、市販後調査報告は、一部の有害事象、副作用しか表してない可能性があります。

アメリカでは、製薬会社は、報告された副作用は、すべてアメリカ食品衛生局FDAに報告する義務が有り、さらに、別ルートで、医療従事者や患者が直接アメリカ食品衛生局FDAに報告することも可能です。
アメリカ食品衛生局FDAは、これらをもとに、必要であれば、注意喚起、警告を発信します。さらに、医薬品の治療適応を取り消したりもします。

ED治療薬であるPDE5阻害剤に関する注意喚起は、2007年のED治療薬使用に伴う聴力の低下(突発性難聴)に関する注意事項が最後になります。バイアグラ(シルデナフィル)で15例、レビトラ(バルデナフィル)とシアリス(タダラフィル)で各5例の突発性難聴の発生報告がありました。


最近10年に報告されているED治療薬の副作用をあげます。


バイアグラ(シルデナフィル)は、報告された全ての死亡例のうち1824例(83.6%)を占め、シアリス(タダラフィル)は236例(11%)と続きます。
心血管系の副作用は、3162例と全体の12%を占めています。各ED治療薬の内訳ですが、バイアグラ(シルデナフィル)は、2406例(76%)、シアリス(タダラフィル)433例(14%)、レビトラ(バルデナフィル)322例(10%)です。
心血管系以外の副作用報告には、難聴、記憶喪失症、脈絡網膜症、虚血性視神経症、ほてり、発疹、耳鳴り、一過性脳虚血発作、第Ⅲ脳神経麻痺、薬効欠如、筋肉痛、背部痛、頭痛、マスターベーションの過剰まで報告されています。
10%の副作用が、報告義務として製薬会社から報告され、残り90%は、医師や患者などから自発的に報告されたものです。
処方数や使用の詳細は、アメリカ食品衛生局FDAのデータからは判断できず、服薬からどの程度経過してから発症したかは分かりません。


【バイアグラ(シルデナフィル)】
バイアグラ(シルデナフィル)では、ED治療薬として使用された場合、14,818例の副作用が報告されています。(注:現在バイアグラ(シルデナフィル)は、原発性肺高血圧症治療薬としても認可されています。ここでの集計は、ED治療薬として使用した場合に限られています)死亡例は副作用報告中12.3%、心血管障害のは16.2%です。PDE5阻害剤に関連すると思われる死亡事故の報告は、心血管系の副作用報告と同様に、2001年の前半にピークがあります(死亡事故の報告は副作用報告全体の28.7%、心血管系副作用は副作用報告の34%)。副作用報告は、2005-2006年にかけて増加しておりますが、心血管系の副作用や死亡報告例は、相対的には増加していません。


【レビトラ(バルデナフィル)】
2003年から6,085例の副作用が報告されています。
2004年の上半期に、最も多い808例が報告されています。死亡例は、全ての副作用の2%を占め、心血管系の副作用は5.3%となっています。死亡例のピークは2003年の下半期で、全ての副作用中の3.6%(11例)です。2007年は、心血管系の副作用が10.8%を占めていますが、この時期の副作用報告自体(総数65例)が少なかった為かも知れません。
レビトラ(バルデナフィル)は、全般的に、全副作用報告中の死亡例は1-2%にあたります。心血管系の副作用は、全体の8.6%以下で推移しています。


【シアリス(タダラフィル)】
シアリス(タダラフィ)の副作用は、5,548例報告されています。
ピーク時で6カ月当たり878例です。死亡例は全副作用中4.3%であり、心血管系の副作用は7.8%です。2008年の下半期に、最も多くの死亡例が報告され、報告された副作用に占める割合は10.2%です(24例)。2009年に、心血管系の副作用が最も高率に報告されています(33例15.8%)。


仮に毎年500万人がPDE5阻害剤を使用しているとし、10年間で26,451例の副作用報告があるので、副作用の報告頻度は、単純に0.0005%になります。0.00006%が心血管系の副作用を経験する事となりますが、非常に少ない値です。
アメリカ食品衛生管理局FDAへの副作用報告は一定しており、依然として、死亡例は5%程度に上ります。


ここで紹介したものは、あくまで報告された副作用であり、実際に生じている副作用頻度を示しておりません。
一般的に考えると、重篤な副作用になるほど報告されると考えます。つまり、死亡例等は、きちんと報告され、逆に、ほてり等の軽微な副作用は、すべて報告されていない可能性があります。
いずれにせよ、心血管系の副作用や死亡例の頻度が、0.00006%であれば、性行為自体が、ED治療薬の使用の有無を問わず心臓突然死の頻度を多少増加する事を考えれば、さほど問題にしなくても良さそうです。
やはりというか、バイアグラは、レビトラ、シアリスに比較し、やや副作用が多いようです。


<参考文献>
10-Year Analysis of Adverse Event Reports to the Food
and Drug Administration for Phosphodiesterase Type-5 Inhibitors.
J Sex Med 2012;9:265–270