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多くの不動産会社や大家さんがそうですが、孤独死や自殺があった事故物件ではほぼ全ての内装をリフォームするといった内容の清算書を送ってきます。(この清算書では敷金相殺後でも約50万円が追い金となっています。)

家主としては心理的に気持ち悪いとの思いから事故が起きた部屋の内装を全て新品に交換してしまいたいとする要望があります。しかし、それを全て遺族や連帯保証人に請求して良いかどうかは別問題です。

上記事例の退去明細にもエアコンの交換やキッチンの交換などが記載されています。これは実際にあった事例をもとに作成していますが、孤独死や自殺によって直接には破損や汚損などしていないのに、その事故が起きた部屋にあったという理由だけで設備を新品に交換する家主がいます。

状況にもよりますが、過去の判例でもこういった請求を不当なものとしている判例がありますので家主に請求されるままに支払う必要はありません。

では、正当な請求金額はいくらになるのか?
退去トラブルに対して国土交通省が出しているガイドラインでは原状回復について次のように定義しています。

原状回復とは
賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意や過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること。

簡単に言うなら経年劣化の部分は家主の負担であり、次の入居者を募集するために行う清掃などは家主の負担ということです。

したがって、上記ガイドラインの指針に従うなら、有効な特約が設定されていない以上、次の費用は家主が負担すべきものであり、遺族や連帯保証人に請求すべきものではないとなります。
遺族や連帯保証人に請求してはダメだったもの
ルームクリーニング
キッチン交換
建具交換
消毒
エアコン交換
鍵交換

次にクロスの張替とフローリングの張替について考えてみましょう。クロスについては遺体の状況により臭いが付着して張替が必要となる場合があります。もちろん死臭等が発生していない現場なら入居者が付けた傷や汚れなどが無い限り張替の費用を負担する必要はありません。

仮に臭いが付着して張替が必要だった場合でもその費用を全額支払う必要があるとは限りません。次のグラフをご覧ください。
これは国土交通省の出しているガイドラインを基に作成された経年劣化に伴う借主の負担割合を示したグラフです。
より抜粋)

このグラフによるとクロスは新品にしてから6年で残存価値は1円になるとしています。
つまり、入居期間が6年以上なら、たとえ借主の過失であったとしてもその張替費用を全額負担する必要はないということです。過失など入居者の責任と思われる部分については残存価値が1円だったとしても工事の手間賃などの費用は発生する場合があります。)

上記の事例でも入居期間は3年となっていますので、借主側のクロス張替費用の負担は50%となり、死臭が原因で張替が必要だったとしても借主側が負担すべき費用は18,000円が妥当と考えられます。

次にフローリングについてですが、フローリングの原状回復はガイドラインに従うなら原則㎡単位での張替が基本となります。

上記事例の退去清算書では洋間のフローリング全体の張替となっていますが、全体の張替が必要になるのは部屋全体に血液や体液の染みが広がってしまっているような場合です。

ですので、遺体の跡が残っていたとしても部屋全体の張替が必要な場合は少なく、仮に部屋の半分までを借主の負担として考えるなら張替に伴う負担の範囲は7㎡となり、
費用は45,500円が妥当ではないかと考えられます。(フローリングの張替では原則経年劣化を考慮しません)

最後に諸経費として計上されている金額についてですが、大規模な修繕工事をする場合はこういった諸経費などの項目で金額が計上されている場合がありますが、金額が高額の場合はその内容を確認しましょう。はっきりとした説明が無いようなら支払う必要はありません。

結果として上記事例で借主側が支払う必要がある金額としては下記の金額が妥当と考えられます。
・クロスの張替費用    18,000円
・フローリングの張替費用 45,500円 
        合 計  68,580円(税込)

したがって、敷金と相殺したとしても141,420円は借主側に返還されるべき金額と考えられます。つまり、上記退去清算書では646,380円は過剰な請求だった可能性があるということです。

事故物件の現場では貸主(家主)が被害者で借主(遺族または連帯保証人)が加害者かのような錯覚に陥って、家主が高圧的に高額の原状回復費用を請求してくる場合があります。
その際は上記のようにガイドラインに沿って妥当な金額をまず計算してみましょう。

その上で、家主側の請求が過大で反対に敷金の返還が出来るような場合なら、その旨を家主に伝えてみれば、相続人の場合と同じように家財撤去の費用と敷金の放棄だけで解約手続きを進めていくことが出来るかもしれません。

POINTの確認!
ここでのポイントは家主側は過大な請求を行っており、本来なら敷金を返還しなければいけない事案という事を認識してもらい、双方の落とし所として遺族や連帯保証人が家財の撤去費を負担し、敷金の権利は放棄する、その代わり家主もそれ以上の請求はしないようにするという所にもっていくことです。

弁護士紹介制度について

弁護士紹介制度 (既に相手方ともめてしまっている方へ)

賃貸物件での自殺や孤独死の問題は借主側、家主側双方にとって大きな問題となります。また、法律で画一的に解決手段が決まっている訳ではないことからどうしても当事者双方の協議を重ねて解決へ向かっていく姿勢が重要となってきます。

第八行政書士事務所では当事者双方の協議を円滑に進める為に依頼者の方に親身になって相談に乗って頂ける弁護士を紹介しておりますので、どうしても相手方との折り合いが付かない、または話しを聞いてもらえないといった状況でお困りの場合は頼りになる弁護士の先生をご紹介いたしますのでご相談ください。

ご紹介する弁護士の先生は当事務所所在地が名古屋にあることから、名古屋に事務所を構えている弁護士の先生が中心となります。

弁護士の先生への相談(初回相談は無料対応有り)につきましては、相談時間を有効に利用する為にも当事務所にておおまかな内容の聞き取りを行い、その内容を弁護士の先生へお伝えした上で、相談に臨んで頂く方式を取っておりますので、最初のご相談は当事務所へとご連絡をお願い致します。(弁護士の先生の事務所へ行く際はお申し出があれば付き添いも行います。)

また、名古屋在住の方でなくても弁護士の先生の事務所へとご来店頂ける方につきましてはサービス対応の範囲内となっておりますので、自宅は県外だが名古屋の部屋を整理したい方や近くで良い先生がみつからないような場合はご相談ください。

また、名古屋までは出向けないけれど良い弁護士の先生を紹介してもらいたいといったケースでは、状況を確認した上で、弁護士の先生のネットワークを活用して対応して頂ける先生をご紹介できる場合がございます。(東京や大阪は比較的ご紹介できる状況です。)こちらは、状況次第で受けて頂ける先生をご紹介する形となっていますので、まずは当事務所へとご連絡ください。

費用について
弁護士紹介制度は賃貸物件での事故で悩まれているご家族の為に用意しておりますので、弁護士の先生のご紹介に関しては費用は発生いたしません。また、当事務所への相談も無料で行っております。

※当事務所スタッフが弁護士の先生の事務所への付き添うサービスについては費用が1万(税抜)が掛かりますが、遠方からこられて名古屋の地理が分からないような場合は送迎もいたします。(送迎は無料です。)

弁護士の先生へ実際に依頼する場合の費用については、事情をお伺いした上で掛かる費用を弁護士の先生よりご提示していただきますので、依頼されるかどうかはじっくり検討されてからご返事頂ければ大丈夫です。