ホゼ・アグエイアス

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彼のマヤ暦研究は独自の解釈がかなり入っていると言われるが、支持者たちは彼を「マヤ暦研究の第一人者」と考えている。支持者によると、「ホゼ・アグエイアス(ヴァルム・ヴォタン)は、銀河マスターであり、宇宙のメッセンジャーであり、次元間のアヴァター(化身)であり、人間の形をしたET(地球外生命体)である」という。アグエイアスが考案した暦が、「ドリームスペル暦(英:Dreamspell、ハーモニック・インデックス)」「13の月の暦」「コズミック・ダイアリー」の名称で普及・販売されている。マヤの叡智に基づくとされており、正しいマヤ暦と信じる人も多いが、異なる暦である。

「マヤ」は地域的・歴史的に限定されたものではなく、宇宙的・銀河的なもので、インド哲学ギリシャ神話の中にもあり、その科学体系は中国の『易経』やギリシャのピタゴラス派の哲学、現代の量子力学遺伝学とも一致するとした。宇宙は一定周期の「調和(ハーモニック)」から成りたち、マヤの科学はその普遍的法則を明らかにしていると主張した。

神智学系のシェア・インターナショナルニューエイジの騎手シャーリー・マクレーンなどと同様に、アグエイアスは超自然的存在の介入を現実のものと考えている。マヤ文明の創造者は「銀河のマスター」たちで、彼らが地球上に進化の種を植え付け、512年周期で銀河から地球に進化を促すビーム照射したことで生命は進化したとしている。UFOは「スペースブラザーズ」(宇宙の兄弟たち)であり、彼らは核の使用で乱れた地球の波長を整えるため現れていたという。マヤのパカル王は宇宙的存在で、銀河のマスターの一人であり、その石棺に描かれた彫刻は、腹部の「太陽神経叢」のチャクラを共振させて宇宙と交信する姿であるとした。

人類がマヤの予言に耳を傾ければ、2012年を境に人類は「ホモ・サピエンス」の段階を超えて高次元(精神圏、ヌースフィア)の新たな生物種に進化し(「ケツァルコアトルの回帰」と呼ぶ)、「アハウ・キネス(太陽の主たち)」という人間の精神に秘められた要素・能力が開花するという。新たな生物種で構成される世界「シャンバラ」では、政治や経済は「太陽・惑星問題協議会」という組織が一手に引き受け、古い軍事組織は廃止され、生産と分配が平等に行われるようになると考えた。また、芸術や音楽を重視した教育によって、超能力チャネリングなどの超常的な力をだれでも持つようになり、高次元の存在と交信できるようになるという。新しい時代になると、人間の身体は7つのチャクラが覚醒し、マヤ暦に示された神聖な波長と共鳴するとしている。テレパシー能力が備わることで、地球上の生物は霊化すると考えている。

グレゴリオ暦を反自然的な時間で人類を奴隷化するとみなし、世界的に使用される暦をグレゴリオ暦から、自作の「マヤの叡智に基づく十三の月からなる暦」であるというドリームスペル暦(ハーモニック・インデックス)に変更すべきと考え活動した。アグエイアスによると、ドリームスペル暦の目的は次のものである。

  • 「時は金なり」から「時は芸術なり」という考えに人間を転向させ、創造性を広げること。

この暦では、28日は「宇宙の影響を受ける、地球生物圏の普遍的なサイクル」「有機的秩序の周期」であると考え、1か月を28日とする。1年を13か月として、それに1日足して1年とする。「13の月の暦」は、これにマヤ文明の260日周期の暦ツォルキンを組み合わせたマヤの叡智に基づく暦とされる。13の「銀河の音」と20の「太陽の紋章」からなる260日(260キン)周期の暦を「銀河スピン」と呼び、四次元パターンに基づくと考える。支持者は暦の自分の誕生日から、「銀河の音」と「太陽の紋章」を組み合わせた「銀河の署名」を持つ。これを持つことで、銀河の通路(誕生日の日付)に同一化し、「<ドリームスペル>のお告げ」を知りそれを理解し、ホロンを活性化する「惑星キン」になるとされる。中国の易も取り入れられている。彼の暦に対しては、本物のマヤ暦を求める人々を彼のファンタジーに巻き込んだという批判もある。鏡リュウジは、彼の著作は「直観と連想と、数学的なパッチワーク」が入り混じっており、典拠には易などもありマヤに還元できない「マヤっぽい」ものであると評している。

世界はG7(先進7ヵ国蔵相会議)に支配されており、G7はヨハネの黙示録における「7つの頭を持つ獣」であると考えた。彼らは金融政策や電子メディアを操って社会を支配し、その活動で世界は破滅に向かっていると主張した。

マヤ暦を根拠とする「2012年終末論」は世界中に広まったが、大田俊寛は、そもそもマヤ暦は循環暦であり、暦が終われば次の周期が繰り返されるだけであると指摘している。

二度結婚し、最初の妻は作家・芸術家のミリアン・タルコフ(Miriam Tarcov)で、二人の子供がいた。2番目の妻はロイディーン・ブリ(Lloydine Burri)。

1987年に「マヤの宇宙的叡智を結集した書物」として『マヤン・ファクター』を出版し、2012年に人類に転機が訪れると明言。以降、ニューエイジではマヤ暦と2012年が結びつき、マヤ暦を根拠とする2012年人類滅亡説も流行した。1987年8月16日・17日に14万4000人が「目覚めた太陽の踊り子」としてマヤの予言に耳を傾ければ、人類は2012年に向けた進化・高次元文明への道に進むことができると考え、「ハーモニック・コンバージェンス(調波収束)」というイベントを開催した。14万4000人以上がイベントに加わり、シャーリー・マクレーンなどの著名人も参加した。鏡リュウジは、スピリチュアル系でのマヤ暦やアセンションブームはこのイベントからではないかと述べている。

アグエイアスはイベントの成功に喜んだが、直後に息子を亡くして悲しみ、またイベントによって社会が変わった様子もなく、失望を感じた。瞑想状態で息子の霊と話すようになり、1993年にはパカル王から代理として「預言者」の役を与えるというメッセージを受け取ったと考えた。人類が高次元へ進化するために、世界的に使用される暦をグレゴリオ暦から自作の「マヤの叡智に基づく十三の月からなる暦」に変更することが必要であると考え、暦(とそれに伴う平和運動・平和計画)の提唱・普及の活動を始め、各国の首脳やローマ教皇に暦を直ぐに替えるよう働きかけた。暦変更のために、2000年に「時間の法則財団」(Foundation for the Law of Time)という組織を作った。

2011年5月に、予言の2012年を見ることなく72歳で死去した。

日本での展開

研究によりマヤ暦の終わりは2011年に早まったが、特に何も起こらなかったため、スピリチュアル系でのアセンションブームは下火になっていった。

日本では、「環境意識コミュニケーション研究所」を主催する元電通の柳瀬宏秀が、ホゼ・アグエイアスの思想による「13の月の暦」に月の周期を取り入れた「コズミック・ダイアリー」を刊行している。柳瀬宏秀は、コズミック・ダイアリーは「新しい科学の枠組みでは確実に共有されるであろう内容」であり、「四次元的な新しい人類のステージ」にシフトチェンジすることを助けると述べている。コズミック・ダイアリーを使うと「宇宙にまでつながる、自然周期の時間」を感じるようになり、「シンクロ」が頻発するようになり、人間社会にかつて存在していたテレパシー能力が戻り、「銀河マヤの叡智によって進化する」ことができると主張されている。コズミック・ダイアリーは自然な時間であり、日本人本来の陰暦の文化を再生させるものとされる。なお「13の月の暦」は、1年365日で陰暦ではない。

柳瀬宏秀の環境意識コミュニケーション研究所は、「コズミック・ダイアリー・セミナー」の開催、コズミック・ダイアリー講師養成講座を有料で行っている。