Q1-01:麻疹はどのように感染しますか? | ||
麻疹は麻疹ウイルス(Paramyxovirus 科 Morbillivirus属)によっておこる感染症で、人から人へ感染します。感染経路としては空気(飛沫核)感染のほか、飛沫や接触感染など様々な経路があります。感染力はきわめて強く、麻疹の免疫がない集団に1人の発症者がいたとすると、12~14人の人が感染するとされています(インフルエンザでは1~2人)。 不顕性感染(感染はしても発症しない=症状がでない)はほとんどなく、感染した90%以上の人が発症します。発症した人が周囲に感染させる期間は、症状(Q1-02)が出現する1日前(発疹出現の3~5日前)から発疹出現後4~5日目くらいまでで、学校は解熱後3日を経過するまで出席停止となります(麻疹は、学校保健安全法に基づく第二種学校感染症に指定されており、学校をお休みしても、欠席扱いにはなりません)。なお、感染力が最も強いのは発疹出現前のカタル期(Q1-02)です。 | ||
Q1-02:麻疹にはどのような症状がありますか? | ||
麻疹ウイルスの感染後、10~12日間の潜伏期ののち発熱や咳などの症状で発症します。38℃前後の発熱が2~4日間続き、倦怠感(小児では不機嫌)があり、上気道炎症状(咳、鼻みず、くしゃみなど)と結膜炎症状(結膜充血、目やに、光をまぶしく感じるなど)が現れて次第に強くなります。 乳幼児では消化器症状として、下痢、腹痛を伴うことも多くみられます。発疹が現われる1~2日前ごろに頬粘膜(口のなかの頬の裏側)にやや隆起した1mm程度の小さな白色の小さな斑点(コプリック斑)が出現します。コプリック斑は麻疹に特徴的な症状ですが、発疹出現後2日目を過ぎる頃までに消えてしまいます。また、口腔粘膜は発赤し、口蓋部には粘膜疹がみられ、しばしば溢血斑を伴うこともあります(上気道炎症状や結膜炎症状をカタル症状といい、以上を「カタル期」あるいは「前駆期」といい、「潜伏期」とは異なります)。
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Q1-03:麻疹の予防方法について教えてください。マスクをすれば防ぐことができますか? | ||
| 麻疹は、接触、飛沫、空気 (飛沫核)のいずれの感染経路でも感染します。麻疹ウイルスの直径は100~250nmであり、飛沫核の状態で空中を浮遊し、それを吸い込むことで感染しますので、マスクでの予防は難しくなります。唯一の予防方法は、ワクチン接種によって麻疹に対する免疫をあらかじめ獲得しておくことです。 | ||
Q1-04:麻疹では合併症を起こすことも多いと聞きました。麻疹の合併症にはどのようなものがありますか。 | ||
麻疹に伴ってさまざまな合併症がみられ、全体では30%にも達するとされます。その約半数が肺炎で、頻度は低いものの脳炎の合併例もあり、特にこの二つの合併症は麻疹による二大死因となり、注意が必要です。麻疹の合併症には以下のものがあります。 [ウイルス性肺炎] ウイルスの増殖にともなう免疫反応・炎症反応によって起こる肺炎です。病初期に認められ、胸部X 線上、両肺野の過膨張、び漫性の浸潤影が認められます。また、片側性の大葉性肺炎の像を呈する場合もあります。 [細菌性肺炎] 細菌の二次感染による肺炎です。発疹期を過ぎても解熱しない場合に考慮すべきもので、原因菌としては、一般的な呼吸器感染症起炎菌である肺炎球菌、インフルエンザ菌、化膿レンサ球菌、黄色ブドウ球菌などが多くみられます。抗菌薬により治療されます。 [巨細胞性肺炎] 成人の一部、あるいは特に細胞性免疫不全状態時にみられる肺炎です。肺で麻疹ウイルスが持続感染した結果生じるもので、予後不良であり、死亡例も多いものです。発症は急性または亜急性で、発疹は出現しないことが多くあります。胸部レントゲン像では、肺門部から末梢へ広がる線状陰影がみられます。本症では麻疹抗体は産生されにくく、長期間にわたってウイルスが排泄されます。
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Q1-05:修飾麻疹とはどんなものですか。 | ||
麻疹に対する免疫は持っているけれども不十分な人が麻疹ウイルスに感染した場合、軽症で非典型的な麻疹を発症することがあります。このような場合を「修飾麻疹」と呼んでいます。例えば、潜伏期が延長する、高熱が出ない、発熱期間が短い、コプリック斑が出現しない、発疹が手足だけで全身には出ない、発疹は急速に出現するけれども融合しないなどです。しかし、その感染力は弱いものの周囲の人への感染源になるので注意が必要です。通常合併症は少なく、経過も短いため、風疹など他の発疹性疾患と誤診されることもあります。
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