近年注目を浴びる「遅延型アレルギー」の症状の1つにニキビがあります。遅延型アレルギーは、本人にアレルギーの自覚がないケースもあり、ニキビが悪化する可能性もあるのです。そこで「アレルギーでニキビが起きるしくみ」を知っていきましょう。さらに、アレルギーへの対処がニキビ改善につながるのかも、チェックします。
アレルギーでニキビが起きるしくみ
アレルギーとは、体を守るための「免疫機能」が過剰に働くことで起きる病気です。アレルギーのある肌では、肌が本来持つバリア機能が低下し、外部刺激に敏感になっています。アレルギーのある肌は、外部刺激から守るために皮脂分泌量を増やしたり角質を厚くするため、毛穴がふさがれやすい状態になりニキビが発生しやすくなるのです。
遅延型アレルギーがニキビの原因に
ニキビの原因となる「遅延型アレルギー」
一般的なアレルギーは、アレルゲン(アレルギーの原因物質)が体内に侵入して、すぐに反応が出るイメージがあるかと思います。このように、かゆみ、じんましん、クシャミなどの症状が15分〜20分程度で出るケースを「即時型アレルギー」と言います。
しかしニキビのように、アレルギーとは思えない症状が遅れて出るケースがあります。具体的には1日〜2日後に症状が出るケースが多く、これを「遅延型アレルギー」と言います。
慢性的なニキビはアレルギーが原因かもしれません
なかなか治らず慢性化するニキビは、アレルゲンとなる食べ物などを知らずに摂り続けていることが原因の可能性も考えられます。遅延型アレルギーは、ニキビのように比較的軽い症状が遅れて出るため、アレルギーの原因が分かりにくかったり、アレルギーであること自体に気づかないケースがあります。
大人になって発症したアレルギーからニキビへ
「子供の頃からアレルギーと無縁だった」「思春期にあまりニキビができなかった」という方も注意しましょう。大人になって急にアレルギーを発症するケースもあり、それがニキビの原因となる可能性があるからです。アレルギーは免疫機能のバランスが崩れることで発症しますが、その原因として以下の3点が考えられます。
1. 環境や生活リズムの変化
成人以降は、学生時代とは異なった環境や生活リズムで過ごすことになります。就職時はもちろん、仕事が忙しさからストレスや疲労が溜まり、アレルギーの発症からニキビへとつながる可能性があります。
2. 妊娠や月経
女性の場合、妊娠や月経によるホルモンバランスの変化やストレスが、アレルギーの原因となりニキビができるケースがあります。
3. 年齢による体質の変化
体が成熟する成人以降のタイミングで免疫機能のバランスにも変化が起き、アレルギーの発症やそれに起因するニキビが起きる可能性があると言われています。体質は年齢によって変化することがあるのです。成人以降、急にニキビができやすくなった方は、単なる大人ニキビではなくアレルギーの可能性も考慮しましょう。
どんなものがアレルゲンになるの?
アレルギーの原因物質「アレルゲン」にはたくさんの種類があります。アレルゲンを遠ざければニキビ改善にもつながります。いずれも生活の中にある身近なものですので、1つずつ確認してみましょう。
【食物】
アレルギーの出る食べ物としては、そば、乳製品、大豆、卵、ナッツ類などが有名です。しかし実際には肉類、魚介類、くだもの、野菜など、多くの品目がアレルゲンとなります。特定の食べ物を口にした翌日にニキビができた場合などはご注意ください。
【金属】
ネックレスやピアスなど身につけた箇所がすぐに赤くなったり、じくじくするケースがありますが、身につけた箇所から遠い部位に後でニキビなどの症状が出ることもあります。「軽度の金属アレルギーだから」とガマンしてアクセサリーを身につけている方は、それがニキビの原因となる可能性もあるのでご注意ください。なぜなら、アクセサリーの材料として使われる金属は、汗や体液で溶け出して皮膚のたんぱく質と結合することで、アレルギーの原因となることがあるからです。中でも、クロム、コバルト、ニッケル、水銀はアレルギーを起こしやすいと言われているため、ニキビに悩む方はご注意ください。
【花粉】
アレルギーの原因としては、春先のスギやヒノキの花粉が有名です。花粉は肌に刺激を与えてしまうため、その反応として皮膚の角質が厚くなったり、皮脂の分泌が増えます。その結果、毛穴が詰まりやすくなりニキビへとつながるのです。春先は花粉症と共にニキビができやすくなる方も多いと言います。夏にかけてはハルガヤ、カモガヤ、秋にかけてはヨモギ、ブタクサなど、アレルギーの原因となりうる花粉はほぼ1年中飛んでいます。
【ハウスダスト・ダニ】
外の花粉のみならず、家の中にもホコリ、チリの中に生息するダニ(チリダニ)、化学物質などのハウスダストがアレルゲンとなることがあります。特に引っ越しのタイミングでニキビができはじめた場合には、ハウスダストがアレルゲンとなっている可能性もあるでしょう。
【動物】
猫や犬などのほ乳類をはじめ、鳥の毛やフンがアレルゲンとなる場合があります。特に、ペットを飼い始めてからニキビが増えた、というような場合は動物アレルギーの疑いも考えられます。
【化粧品・薬】
化粧品や薬に含まれる特定の成分がアレルゲンになり、ニキビの原因となっているケースもあります。そこで新しい化粧品を使う前には「パッチテスト」をおこなって、問題がないかチェックしてみましょう。方法は、入浴後に適量の化粧品を、二の腕の内側などに塗って1日〜2日程度様子を見ます。炎症、赤み、かゆみ、腫れなど出た場合はその化粧品の使用を中止してください。また、処方薬を飲み始めてからニキビが出始めた場合には、処方を受けた病院へご相談ください。
アレルギーの原因を知ることがニキビ改善にも効果的!
アレルギーの原因物質を知って、アレルゲンを遠ざければニキビ改善にもつながります。なお、アレルゲンを特定するためにはアレルギー検査を受けることが効果的です。
1. 病院でおこなうアレルギー検査
幅広くアレルゲンを検査したい方は、病院で検査を受けてみましょう。希望すれば、食べ物、花粉、ハウスダスト、薬品、動物など複数のアレルゲンを調べることが可能です。
費用の目安は15,000円程度で、保険適用内では36項目までのアレルゲンを1度に調べることができます。なお、健康保険は「アレルギーを疑わせる症状があり、なおかつ医師が検査の必要性を認める場合」にのみ適用されます。
2. 自宅で遅延型食物アレルギー検査
キットを買えば、自宅で食物アレルギー検査ができます。以下はUSバイオテック研究所の日本正規代理店・アンプロシア株式会社が発売する遅延型食物アレルギー検査キットです。指先から少量の血液サンプルを取ることで、96品目の食物アレルギー検査をおこなうことができ、通常は2週間程度で検査結果が届きます。
・IgG96スタンダード・フード・パネル(日本)
まとめ
アレルギーによってバリア機能が低下した肌は、刺激に敏感なためニキビの原因となることがあります。アレルギーは大人になってから発症するケースもあるため注意が必要です。そしてアレルギーが原因のニキビ改善にはアレルゲン(アレルギーの原因物質)を把握することが大切です。ニキビの原因として心当たりのある方はぜひ1度アレルギー検査を受けてみましょう。
(参考書籍)
『大人のアトピー、アレルギー&皮膚の悩み相談室』(主婦の友社)
『徹底解説!スキンケアと皮膚の病気』(神戸新聞総合出版センター)
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