忙しいからと肌荒れを長期間放置すると黒ずみに?炎症と色素沈着のリスクについて

肌荒れはれっきとした炎症です

肌荒れとは一般的に、お肌の皮膚トラブルの事を総称した呼び名ですが、具体的にはどんな状態の事を指すのでしょうか?

○肌荒れといえば、大人ニキビ(吹き出物)
よく、肌荒れの症状としてあげられる大人ニキビは、主に炎症が原因の肌トラブルです。
生理前のホルモンバランスが崩れた状態や、不規則な生活で自律神経が乱れたり、疲労やストレスが溜まると出てきてしまうにが白ニキビや黒ニキビです。これらのニキビが悪化した状態のものが赤ニキビになるのですが、この赤ニキビは炎症による悪化が原因となった大人ニキビなのです。

○炎症が起きる原因は?
赤ニキビ以外にも、ヒリヒリとした赤みやムズムズと痒くなる肌の状態は、炎症が原因の肌トラブルです。ではこれらの炎症を起こしてしまう原因には、一体どんなものがあるのでしょうか?
炎症の主な原因は『外部から刺激」が大半を占めています。
・手や髪の毛、衣類に触れる事によって生じる摩擦
・化粧品に含まれる化学物質
・紫外線
・過剰な皮脂分泌
・乾燥によるバリア機能の低下
など、外部からの刺激といっても様々あります。日々、普通に生活しているだけで、炎症を引き起こしてしまう原因になってしまう事もあります。
さらに、お肌の免疫力が低下する事で外部から刺激に敏感になり、炎症を起こしやすくなります。そして炎症を繰り返し、バリア機能が低下したお肌は、皮膚の角質層が薄くなり、さらに炎症を起こしやすくなるといった悪循環に陥りやすくなります。

「炎症後色素沈着」とはかなりポピュラーなシミの症状

「炎症後色素沈着」という言葉に聞き馴染みがないかもしれませんが、ニキビ跡がシミや色素沈着として残る、という事実をご存知の方も多いのではないでしょうか?ニキビ以外にも虫さされ、火傷(ヤケド)や、湿疹、アトピーなども「炎症後色素沈着」の原因になります。
こういった、皮膚が炎症した後にシミや黒ずみになってしまう状態の事を「炎症後色素沈着」と呼びます。
シミの原因といえば紫外線、というイメージですが、紫外線によるメラニン生成だけがシミの原因ではないのです。
「炎症後色素沈着」は、炎症の度合いに比例して、その色素沈着がひどくなってしまい、最悪の場合は長年消えない色素沈着として残る事もあります。

どうして肌荒れ(炎症)が黒ずみになってしまうの?

外部からの刺激などで炎症を起こした肌では、活性酸素が発生します。この活性酸素は、増え過ぎると様々な肌トラブルの原因になります。さらに、肌細胞を酸化させてしまい黒ずみの原因になるので、厄介な物質なのです。

○黒ずみの原因である「活性酸素」が増える原因
活性酸素が増える原因として、紫外線やストレス、喫煙やアルコール、外部刺激による炎症などが大きく関係しています。この活性酸素は適量だと、細菌などから細胞を守ってくれる強い味方なのですが、増え過ぎると厄介で、様々な肌トラブルの原因になります。その肌トラブルの中でも、シミや黒ずみになってしまった場合は、お肌の力だけではなかなか完治させる事が難しいのです。

○「活性酸素」が黒ずみを作ってしまうメカニズム
活性酸素が大量に発生する事で、メラニン色素を生成するメラノサイトという細胞に「メラニンを作って!」という信号が、情報伝達物資として送られます。その情報伝達物資により、メラノサイトが刺激され、シミの元になる、チロシナーゼという酵素が活性化されます。
このチロシナーゼが活性化する事により、お肌の細胞の中の無色の物質を酸化させメラニンが生成され、色素沈着となり、黒褐色になるのです。さらに、炎症を起こしている状態の肌の中で、メラニンが作られてしまう事で、シミや黒ずみとして残ったままになってしまいます。

黒ずみを完全に治すにはかなりの時間がかかる

本来であれば、肌のターンオーバーによってお肌の一番上の部分(表皮)に押し出され、垢となり排出されるはずのシミですが、ニキビによる炎症後の黒ずみやニキビ跡は簡単には治りません。
さらに、ニキビなど肌荒れの炎症によって活性酸素が大量に発生し、その活性酸素からお肌を守るためにメラニン色素が過剰生成される為、炎症の度合いが酷ければメラニンも濃くなります。
簡単に言えば、炎症が悪化した後の色素沈着は、褐色ではなく黒褐色(黒ずみ)になる可能性が高くなるという事です。
そして、その色素沈着が肌の奥の真皮近くに出来てしまっている場合、ターンオーバーが正常でも、なかなか消えない黒ずみになってしまうのです。

色素沈着にはハイドロキノンがきわめて有効

「炎症後色素沈着」とは、炎症した後の色素がお肌の中に沈着している状態なので、沈着した色素(メラニン)を漂白して白くしてくれる作用のある「ハイドロキノン」という美白成分が有効的だといわれています。

○数多くある美白成分とは違う、ハイドロキノンとは?
一般的に、美白効果のある化粧品は、メラニン生成を抑える事が目的のものです。出来てしまっているシミや色素沈着に抜群の効果が期待出来るものではありません。
しかし、ハイドロキノンは、生成されたメラニンに直接アプローチし、シミや色素沈着を白く、薄くしていく効果があります。
皮膚科で治療薬として処方されていましたが、2001年の薬事法改正で、化粧品に配合されるようになりました。
美白効果が強い成分なので「白班」などの副作用の心配があるかもしれませんが、一般的に市販されているハイドロキノン入りの化粧品は、5%程配合されているものが一般的です。ハイドロキノン5%配合の化粧品では、白班の報告があがっていません。しかし、5%以上の高濃度のハイドロキノンを使用する際や、長期間にわたって使用する場合は、医師に相談する事を推奨します。

○チロシナーゼの活性化を抑え、沈着した色素を取り去る
ハイドロキノンの美白効果の大きな特徴として、チロシナーゼの活性を阻害し、抑えてくれるという作用があります。他の美白有効成分に比べると、チロシナーゼ活性の抑制力が約100倍あるといわれています。
チロシナーゼという酵素が活性化される事で、メラノサイトが活動をはじめ、メラニン色素が生成され色素沈着などのシミを作らせてしまいます。ハイドロキノンは、そのチロシナーゼに直接働きかけてくれるので、シミを作らせなくなるという事です。
さらに、メラニンを生成するメラノサイトそのものを減らす作用もあり、かなり強力な効果が期待できるので”お肌の漂白剤”と例えられるほどです。

早く治すには市販薬より皮膚科でのレーザー治療等が有効

ハイドロキノンが配合された化粧品やクリームで少しずつ薄くしていく事も可能ですが、真皮にまで届いてしまったメラニンは自宅での治療が難しくなります。その為、皮膚科や美容皮膚科などでレーザー治療を受けて、早く確実に治療するという選択肢もあります。

○レーザー治療の種類や特徴は?
医療用レーザーには多数の種類がありますが、黒と茶色の色素にのみ反応して、シミの原因であるメラニン色素を破壊してくれるという仕組みのレーザー機器です。炎症後色素沈着の治療によく用いられる医療用レーザーが、下記の2つです。

・Qスイッチルビーレーザー
アザの治療や、タトゥー除去などでも使用されているレーザーで、傷跡を残さずにメラニン色素のみを的確に破壊するレーザー機器です。照射のパワーが強いので、ほとんどの場合が1回の治療でシミや色素沈着をきれいに取る事が出来ます。術後はテープや絆創膏で保護する必要があり、その後はカサブタが取れるまで10日~2週間程かかります。

・レーザートーニング
均一でムラのないエネルギーを低出力で照射していき、メラニンや色素沈着を徐々に減らしていく手法のレーザー治療です。弱いパワーで複数回に分けて治療していくので、肌へのダメージを少なく抑える事ができ、術後すぐのメイクも可能です。