口コミで話題の「オロナインパック」の真相
ネット上の口コミを中心に広まった「オロナインパック」。
毛穴詰まりに効果があると言われていますが、その真相は?
角栓が取れる?「オロナインパック」の方法
オロナインの殺菌効果はにきび有効だが、パックとしての使用は危険?
界面活性剤や保湿剤はどう働くか。個人的な見解は「オロナインパックはおすすめしない」
オロナインパックとは?
擦り傷や切り傷などに塗る定番の常備薬といえば「オロナインH軟膏」ですね。
大塚製薬が販売する薬の中でも、ロングセラー商品となります。
オロナインは第2類医薬品に分類されるもので、ドラッグストアなどで簡単に入手可能です。
怪我をした際に傷口へ塗布するほか、にきびやしもやけ、軽度のやけどにも使用でき、幅広く活用できるのです。
そんなオロナインを使ったとある毛穴対策が話題になっています。
それが「オロナインパック」と呼ばれるもの。
特に詰まった角栓を除去する効果が高いと言われており、毛穴パックと合わせて使用する方法を多くの人が試しているようです。
オロナインパックの方法はコレ
具体的なオロナインパックの方法を調べてみました。
ネット上で散見される方法としては、鼻の角栓対策として使うのがスタンダードなようです。
1. 洗顔後の清潔な鼻に、厚さ1mm程度オロナインを塗る。
2. そのまま10~15分放置する。
3. ぬるま湯でオロナインを洗い流す。
4. 市販の毛穴パックを使用する。
4の後は通常通りスキンケアをして終了となります。
文字通りオロナインでパックを行い、その後市販されている毛穴パックで角栓を取り去るというもの。
角栓がごっそり取れるという声がありますが、なぜオロナインでパックする必要があるのでしょうか。
オロナインの成分や効果から考える毛穴への作用
まずはオロナインに含まれている成分を確認してみましょう。
<有効成分(1g中)>
クロルヘキシジングルコン酸塩液(20%):10mg<添加物>
ラウロマクロゴール・ポリソルベート80・硫酸Al/K・マクロゴール・グリセリン・オリブ油・ステアリルアルコール・サラシミツロウ・ワセリン・自己乳化型ステアリン酸グリセリル・香料・精製水
オロナインの有効成分から考える効果
医薬品や医薬部外品には有効成分が含まれており、国で認可されたものが配合されます。
ちなみに“化粧品”には有効成分が入っていません。
科学的に体への働きかけがハッキリしているものが、有効成分となります。
オロナインの有効成分である「クロルヘキシジングルコン酸塩液」には、消毒、殺菌、抗菌といった有効作用があります。
つまりオロナインパックを行うことで、皮膚に生息する雑菌を抑えられます。
オロナインの効能・効果には「にきび」がありますが、にきび悪化に関わるアクネ菌の増殖を予防する作用があるためでしょう。
しかし、鼻全体に塗るような使い方を何度もするのはどうでしょうか。
個人的には、肌にオロナインの殺菌・抗菌効果を与えすぎるのも危険だと考えます。
皮膚には常在菌という、アクネ菌を含めた複数の菌が生息しています。
もちろん増えすぎはダメですが、減りすぎてもNG。
皮膚常在菌の中には肌のバリア機能を保ったり、肌が健康をキープできるph“弱酸性”を維持するのに必要不可欠なものもいるのです。
本来はにきびにピンポイントに塗って活用するのがオロナインの使い方のはず。
それをパックのように広範囲に塗ってしまっては、不用意に常在菌を減らしてしまうリスクがあります。
添加物から考える効果
ラウロマクロゴール、ポリソルベート80といった界面活性剤が使用されています。
界面活性剤と聞くと悪いイメージが多いかもしれませんが、今では現代に欠かせない成分の1つなのです。
界面活性剤の代表的な働きは乳化や分散といって、水と油など本来混ざりあえない性質のもの同士を混ぜ合わせることができます。
メイクオフするクレンジングもこの性質を利用し、クレンジングに含まれる界面活性剤が油性のメイクを乳化させることで、水で洗い流せるのです。
オロナインもそうですが、界面活性剤の種類や量は安全性を確保して配合されています。
ただ、その安全性は従来の使用方法を守った場合のものであり、オロナインパックのような使用方法ですと副作用が出ないとは言い切れないでしょう。
界面活性剤には潤いの奪いすぎによるバリア機能の低下、それによる様々な肌トラブルのリスクが存在します。
グリセリンは保湿剤として知られ、化粧品類にも幅広く使用されます。
オリブ油(オリーブオイル)は食用オイルとして以外に、洗顔など肌にも活用される良質な油分です。
オロナインにはひび、あかぎれといった乾燥の悪化による症状にも効果がありますが、これら成分による高い保湿効果が得られるのでしょうね。
ただ、この効果はあくまで乾燥が進んだ状態の皮膚に対して得られるもの。
角栓詰まりが起きている鼻ですが、特に鼻周辺などTゾーンは皮脂分泌が多く、乾燥よりも皮脂の多さやテカリが気になりやすい部位。
そこに保湿剤を大量に塗布すると、かえって油分過剰になることも考えられます。
オイリー肌の人なら、そのリスクがよくわかるはず。
オロナインパックをすることで、油分バランスを崩す恐れが高いでしょう。
なぜ角栓が取れやすくなると言われるのか?
個人的な見解としては、保湿成分が入っているオロナインでパックすることで、一時的に肌に潤いがもたらされ、毛穴が柔らかくなるのではないでしょうか。
それにより角栓が取れやすくなり、毛穴パックの効果が高まる可能性はあるでしょう。
もう1つは、界面活性剤の成分が角栓の脂肪分をはがれやすくし、毛穴パックで抜き去る効果を高めている可能性です。
上述の通り界面活性剤には乳化作用があるので、皮脂といった油も水で洗い流せるように働きかけます。
これが詰まった角栓を柔らかくし、取れやすくしているのかもしれませんね。
一方で、10分以上の長時間も広範囲にオロナインを塗布した状態では、界面活性剤の作用が広く肌に働き続けることにもなります。
界面活性剤は使い方を誤ると必要な潤いを奪いすぎる懸念があり、バリア機能の低下やターンオーバーの乱れなど様々なトラブルにつながるのです。
オロナインパックではそのリスクを高めた後に、強力に角質を剥がす毛穴パックまで使用しますね。
これでは自ら肌を痛めつける危険性の方が高くなるのではないでしょうか。
保湿することで毛穴が柔らかくなる可能性を挙げましたが、これを目的とする場合でもオロナインを使う必要性はありません。
美顔器のスチーマーなどもっと適したアイテムがあるはずですね。
本来の使い方ではないオロナインパックでは、肌を痛めつける危険性の方が高いと推測されます。
結論:オロナインパックは副作用のリスクが高いのでおすすめできない
結論から言うと、上記のようにオロナインパックは角栓対策としてのメリットが想像以上に低いと考えます。
そもそも本来の使用方法でない時点で、副作用が起きるリスクの方を心配するべきではないでしょうか。
角栓は大部分がタンパク質です。
界面活性剤で脂肪分を落とすよりも、ピーリングや酵素洗顔などでタンパク質成分(不要な角質)の除去に焦点を当てた方が効率的です。
ターンオーバーを正常化することで詰まる角質を除去したり、健康な皮膚への生まれ変わりも促します。
ただし乾燥肌や敏感肌の人には向かないので注意しましょう。
乾燥するのに皮脂が多い、すぐ肌荒れを起こすなどの場合。
バリア機能が低下しており、未熟な角質細胞が増えて角栓を発生させているかもしれません。
角栓が気になるあまり洗顔をしすぎていないか、保湿不足でないかを見直してください。
このままの状態でオロナインパックを続けても悪化する一方ですので、基本的なスキンケアの見直しと保湿ケアで肌機能を取り戻しましょう。
執筆者:rihira
一般社団法人 日本スキンケア協会
認定:スキンケアアドバイザー