対潜哨戒機P-1とP-8

対潜哨戒機P-1とP-8

日本のP-1とアメリカのP-1の性能比較みたのですが、上昇限界高度、巡航速度、最高速度、航続距離共にP-1が勝っていて特に航続なんて日本の方が4倍近く、アメリカのP-8は2200キロしかない
日本が海洋国家で航続距離が重要なのはわかりますが、P-8は航続距離少な過ぎやしませんか?
電子系はどうか分かりませんが、なぜあのアメリカがP-1よりスペックの低いモノを開発したのでしょう?
あと、総合的にどちらが優れているでしょう?
高新6号ェ・・・

ベストアンサーに選ばれた回答

航続距離については他の回答者の方の仰るように作戦行動半径などである可能性が高いと考えられます。
同規模の機体で航続距離に違いがありすぎるので同一の算出方法でないことは確実であると言えます。


現時点で得られる情報を総合的に判断するとP-1の方が性能は上だと思います。

ただ、P-1とP-8では運用目的が若干違うと考えられます。

対潜機器に関しては日米で共同運用研究は行なっていますが、機器自体は双方とも独自開発されたものを積んでいます。
ただ、現在のP-3Cも日本は独自開発機器の搭載を進めており、アップデートされたアメリカの機体と同等の能力があるとも言われますから大きな差は無いと考えられます。

しかしP-8は磁気探知用のMADを効果が低いとして廃している一方で、P-1はこれまで通り取り付けています。

対潜機器のみではなく、それも含めたMPAとしての総合的な戦闘能力についてはP-1の方が上であると言えます。

P-1の最大の特徴はACDS(先進戦闘指揮システム)を搭載していることです。
これは人工知能を採用した情報処理を行なうことでオペレータのワークロード低減と同時に意思決定の迅速化を図ったシステムで、P-8には現在のところ同様のシステムの存在は確認できません。

また、P-8はベース機に双発機を選び、海軍型グローバルホークなどの無人機と共同運用させる事を考慮している事からも、単独での海洋哨戒能力にはさほど重きを置いていないようです。
P-1が4発機とし、機体の全周360度を監視できるフェイズドアレイレーダーを張り巡らせているのは単独の海洋哨戒での生存性を可能な限り高めているからです。

兵装についてはP-1が対艦ミサイルを8発も搭載できるのに対し、P-8はP-3と同じく4発搭載にとどまっています。
その代わり、P-8はSLAM-ERやJDAMといった対地攻撃兵器の搭載能力があることが特徴です。


これらを考えると、P-1は単独での対潜・対水上哨戒に重点を置いているのに対し、P-8は艦船・無人機とのデータリンクによって哨戒を行い、対地支援機としても活かせるように考えられた哨戒機だといえます。



機体自体は哨戒機向きな性能を追求して一から開発したP-1と、哨戒機向きでない飛行性能の旅客機を無理やり転用したP-8では機体性能が大分違います。

目的地に向かうまでの高速巡航は利点だといえますが、哨戒機は任務の都合上、低空・低速巡航を必要とします。
しかしP-8のベースとなったB.737 BBJは高高度・高速巡航によって航続距離を伸ばしたタイプです。

そのため開発は困難を極め、莫大な開発費用と期間を必要としました。
哨戒機はコスト削減のために民間機ベースであるべきだ、との固定化した考えから抜け出せずに無理な開発を進めて、結果的に裏目に出てしまったのだと言えます。

搭載レーダーなどでも、P-1の搭載するHPS-106はアクティブフェイズドアレイを採用して、機体の側面・後面にもアンテナを配置して全周警戒が可能なのに対し、P-8の搭載するAN/APY-10はAESAではあるものの、現行のP-3Cに搭載されているAN/APS-137の発展型に過ぎません。

操縦装置も、P-1は世界初の実用機でのフライバイライト採用機なのに対し、P-8はベース機の737がフライバイワイヤを採用していないため、おそらくフライバイワイヤですらありません。

ウエポンベイについては、P-1は機体自体を自由に設計にできたことにより機体重心位置に最適な場所と規模で設計されていますが、P-8の場合は737の構造上の制約により、ベイの大きさと位置も制約を受けています。

どうもP-8は運用思想が明確化されないままP-3の後継が必要だとして開発されたことが各部でちぐはぐな能力として現れてしまったのではないかと思います。


以上のことから、多少の運用概念の違いはあるものの、海洋・対潜哨戒機として考えた場合に総合的にはP-1の方が上だと考えられます。

質問した人からのコメント

2013/5/30 00:34:46

逆に考えると民間機には適さないバリバリの哨戒機ですか
売るにしても米国の互換性があるせいでそう簡単に輸出しようともできないか
オーストラリアやイギリスや東南アジア辺りにモンキーモデルでも売ってコストを下げたいですな

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ベストアンサー以外の回答

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    英語版wikipediaやボーイングのサイトで調べてみたところ、
    ---
    Range: 1,200+ nautical miles, with 4 hours on station (1,381miles, 2,222 kilometers)
    ---
    としか書かれていないのですよ。よってpaams_03samさんの推測通り、これは4時間哨戒活動を行う際の戦闘行動半径ではないかと。

    P-8は開発開始から不運な機体でした。なにせ737-800なんていう旅客機をベースにしたのが不運の始まりでした。現代の旅客機は、高空を高速で飛ぶことで所用時間と消費燃料を減らすという原則に基づいて設計されています。ところが哨戒機は低空をゆっくり長時間飛ぶ必要があるのです。双発機の上エンジンがパイロンで主翼から離れて取り付けられているので、片方のエンジンをアイドルにして燃料を節約しようとすると、ねじりモーメントが生じてまっすぐ飛べず、舵を切らなければならないので抵抗が増えて燃費に不利になるとか。そんなこんなで開発炎上して、一時期どうなることやらとまで言われていましたが、なんとか完成したようですね。

    対潜機器類はほぼ同じはずですよ。互換性試験をやっていますから。ただし何故かP-8ではMAD(磁気探知機)が無いのですよ。Fly-by-wireのせいでノイズが乗る(P-1はFly-by-lightで光ファイバ採用のため有利)のか、それとも旅客機ベースのため離着陸時に尻餅事故を起こしかねないためかわかりません。その代わりP-8は無人機と共同作戦を取るそうで。MQ-4CというRQ-4ベースの無人哨戒機だそうですが、昨日(22 May 2013)初飛行したそうで、実戦配備までにあと何年かかりますかねぇ。現在米軍は強制予算削減中で作戦機の1/3が飛べない有様で、F-35の開発にも影響が出かねない有様ですから。MQ-4Cは一番最初にコストカットのターゲットにされそうです。

    P-1はP-3Cの正常進化系とでも呼ぶべき機体で、哨戒機として理想的な形を選択し、どうでもよい部分はC-2と共通化してコストも下げたという非常に妥当な機体です。試作機ができた頃にAAM-4(中距離空対空ミサイル)の運用能力があるという噂がありましたが、量産機で採用されたかどうか。ま、哨戒機としての理想を追求したため、旅客機型は検討された物の市場性に欠けるとされ当面開発されそうにありません。エンジンが小さめの4発というだけで、整備コストが上がり旅客機としては不利ですから当然とも言えます。

    追記
    MQ-4Cの写真を見つけました。
    http://www.navy.mil/view_single.asp?id=151772
    試験前日の写真だそうです。まだ試験中とは言え、2機できているのですね。不具合が見つからなければ、意外と正式採用は早いか?

    ウィッキペディアは誤記も多いのですが、P-8は737-800ERXをベースにしていますから、航続距離はもっとあるはずです。おそらく書き込んだ人が航続距離と作戦行動半径を誤認した可能性があります。
    (作戦行動半径)
    「軍用機がある基地から離陸した後、任務を達成して同じ基地に帰還できると期待できる距離。
    兵装や運用方法によって劇的に変化するが、一般には航続距離の1/3程度だとされる。」

    事からして、3倍にすれば、航続距離のおおよそは出ます。大雑把ですが。またP-8は空中給油で航続距離を伸ばす事も可能です。
    ただし、旅客機を転用したP-8は最初から哨戒機として設計されたP-1と比べて色々と制約もある訳で・・・。
    P-3Cも民間ターボプロップ機のロッキード L-188をベースにした物ですね。また、英軍から国防費削減の煽りで退役しましたが、ニムロッド対潜哨戒機も、デ・ハビランド DH.106 コメットをベースにしています。対潜哨戒機を民間機から転用せず開発したのは珍しいですね。

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