乾燥肌に効果のある漢方薬はあるの? 処方してもらう方法とは?

記事監修
十字屋平蔵薬局 店長・薬剤師 富居博典
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秋も深まり、気温が下がるとともに空気もからりと乾いてきました。
これから冬にかけて、肌の乾燥に悩まされる方も多いでしょう。
肌が乾燥すると見た目も悪くなりますが、それ以上にやっかいなのはかゆみです。
「乾燥肌のせいで、夜はかゆくて眠れない」という悩みを抱えている方も多いでしょう。
乾燥肌の治療は、保湿成分の入った塗り薬が使われることが多いです。
しかし、薬を塗り忘れるとかゆみがぶり返す人もいるでしょう。
そこで、今回は乾燥肌を改善する効果がある漢方薬についてご説明します。
東洋医学では、乾燥肌の原因をどのように考えているのでしょうか?
答えは、この記事を読めば分かりますよ。

目次

  1. 乾燥肌の原因とは?
  2. 漢方薬による治療が効果的な乾燥肌とは?
  3. 乾燥肌の治療に漢方薬を利用したい場合はどうすればいいの?
  4. 漢方薬を服用する場合の注意点
  5. おわりに

1.乾燥肌の原因とは?

まず始めに、乾燥肌の原因を東洋医学と西洋医学の視点からそれぞれご説明します。
今回ご紹介するのは最も一般的な例ですから、当てはまる方も多いでしょう。

1-1.西洋医学の視点から考える乾燥肌の原因

乾燥肌は、症状のひとつであり病気ではありません。
ですから、「これを使えば永久に肌が乾燥しなくなる治療」というのは存在しないのです。
乾燥肌の原因を西洋医学では「肌の保水力が失われた状態」と考えます。
冬場に空気が乾燥すれば、それにさらされた肌も乾燥するでしょう。
また、年をとるほど肌の保水力は落ちていくのです。
ですから、高齢者の方が乾燥肌になりやすいといわれています。
乾燥肌の治療は、保湿効果のある塗り薬が使用されることが多いでしょう。
かゆみが強い場合はかゆみ止めが処方される場合もあります。
しかし、これでは乾燥肌の症状は抑えられますが、乾燥肌そのものの治療にはなりません。
薬を塗らなければ、また肌が乾燥してしまいます。

1-2.東洋医学の視点から考える乾燥肌の原因

東洋医学では、「肌の状態は内臓の鏡」という考え方があります。
つまり、内臓が弱っているから肌の状態も悪くなると考えているのです。
また、東洋医学では「気・血・水」が乱れていたり過剰だったり逆に不足していたりすると、病気になると考えています。
ちなみに、乾燥肌は「血が不足している状態」です。
血が不足していれば、肌の保水力が弱まって栄養も行き届かずより乾燥肌になりやすくなるでしょう。
ですから、「四物湯(しもつとう)」など血を補ったり気血(きけつ)の流れをよくしたりする漢方薬を内服することによって、乾燥肌を根本から治療していきます。
長年乾燥肌に悩んでいる方は、漢方による治療を試してみるとよいでしょう。

2.漢方薬による治療が効果的な乾燥肌とは?

乾燥肌の原因はいろいろあります。
アレルギーや皮膚病によって一時的に歯だの保水力が失われても、乾燥肌になるでしょう。
ですから、原因がはっきりとしている乾燥肌の場合は病院で治療を受けるのが一番です。
逆に、原因が分からず「体質」や「加齢」、「敏感肌」などと診断されている場合は、漢方薬による治療が効果的。
漢方薬を使って体質を改善していけば、乾燥肌になりにくくなる可能性があります。

3.乾燥肌の治療に漢方薬を利用したい場合はどうすればいいの?

では、漢方薬を利用して乾燥肌の治療を行いたい場合はどうすればよいのでしょうか?
この項では、その方法の一例をご紹介します。

3-1.主治医がいる場合は相談する

すでに、皮膚科で治療を受けている場合は、まず主治医に相談してみてください。
漢方薬は、副作用がなく安全というイメージがありますが、それは違います。
薬の飲み合わせによっては漢方薬でも副作用が出るのです。
ですから、今使っている薬と漢方薬を一緒に服用しても大丈夫かどうか、必ず確認しましょう。
病院によっては、漢方薬を処方してくれるところもあります。
現在は、漢方医といって漢方薬を積極的に治療に取り入れる医師もいるのです。
ですから、西洋医学の治療を受けながら漢方薬を試したいという場合は、漢方医がいる皮膚科を受診しましょう。

3-2.漢方薬局を利用してみよう

漢方薬を購入する方法は、3つあります。
ひとつは、病院で処方してもらう方法。
もうひとつは、ドラッグストアで購入する方法です。
しかし、ドラッグストアで購入できる漢方薬は、病院で処方される薬と同じで多くの方に同じ効果が出るように調剤されたもの。
ですから、人によって効果に差が出る場合があります。
自分に合った漢方薬を処方してほしい場合は、3つ目の方法、漢方薬局を利用しましょう。
漢方薬局とは、漢方薬を専門に取り扱っている薬局です。
サイトを開設している店も多いので、インターネットで自宅近くの店舗を調べてみてもよいでしょう。
漢方薬局では、脈をはかられたり生活習慣を尋ねられたりします。
これは、漢方薬を調剤するときに必要なので、正直に答えてください。
病院で薬を処方してもらっている方は、お薬手帳も持参するとよいでしょう。
漢方薬は高価というイメージもありますが、高価な生薬はごく一部です。
ほとんどの薬の値段は市販薬と変わりません。
また、苦いのが苦手という方には、カプセルでの処方をしてくれる薬局もあります。

4.漢方薬を服用する場合の注意点

漢方薬局で処方された薬は、その人の体質や症状に合った薬です。
ですから、同じ症状の人でも共有はできません。
「母が処方された薬だけれども、娘の自分も乾燥肌だから使おう」というわけにはいかないのです。
また、漢方薬は生薬といって自然の草木が原料になっています。
ですから、病院で処方された薬よりも効き目が穏やかに現れるのです。
そのため、最低でも1か月は飲み続けてください。
その間、がまんできないかゆみや肌の乾燥などが出た場合は、病院で処方された薬も併用して使いましょう。
効果がないからといって飲むのをやめてしまえば、薬がむだになってしまいます。
さらに、漢方薬はれっきとした薬です。
健康食品やサプリメントではありません。
飲むときは用法を守り、白湯(さゆ)や水で飲みましょう。
いいかげんな時間に飲んだり、清涼飲料水やお酒などで飲んだりしてはいけません。
また、飲んだり飲まなかったりしても効果は現れないでしょう。
どうしても苦くて飲めないという場合は、漢方薬局に相談してみてください。
処方の方法を変えてくれる場合もあります。
また、薬を煎じて飲む場合もやり方を守りましょう。
長い間漢方薬をお湯の中で煮れば、苦くて飲めなくなります。

5.おわりに

いかがでしたか?今回は、乾燥肌に効果のある漢方薬についてご説明しました。
まとめると

  • 乾燥肌に効果のある漢方薬とは、血を補ったり血の流れを改善したりする漢方薬である。
  • 体質や加齢などで乾燥肌になっている人には、漢方薬による治療が効果的である。
  • 漢方薬による治療と病院の薬とは併用できるので、主治医と相談しよう。
  • 漢方薬は最低でも1か月は飲み続けよう。

ということです。
最近は、漢方薬を万能薬のように宣伝している人もいます。
しかし、漢方薬は決して万能ではありません。複数ある治療法のうちのひとつです。
でも、病院で処方された薬を塗ったり飲んだりしても効果が出なかったり、体質によるものと診断されたりした場合は、試してみましょう。
使う薬の量が減ったり症状が軽くなったりするかもしれません。
また、漢方薬は冷めると独特の臭いがするものもあります。
そのため、煎じて飲むタイプは必ず温かいうちに飲みましょう。