日増しに暖かくなるにつれ、体臭が気になり始めた。同僚、仕事相手、街行く人々。さらに家族までもが自分の臭いに迷惑しているのではないか……。こんな意識では、仕事もプライベートもうまくいくはずがない。そこで男の大敵である「体臭・頭皮の臭い」と「口の臭い」を徹底的にケア。専門家のアドバイスを参考にして若かったあのころの自信を、取り戻そうではないか!
周りの人だけが気づいている……こんな習慣に思い当たる人は男の“二大臭”を疑ってみよう。
男の二大臭い 体臭編
一口に体臭といっても、それはさまざまな臭いの複合体。
「30代以上の男性の場合、体臭は主に、加齢臭、メタボ臭、疲労臭の三つで構成されます」と五味クリニックの五味常明院長。
加齢臭は、脂肪酸の一つ「パルミトオレイン酸」と、中性脂肪やコレステロールが酸化されてできた過酸化脂質が皮脂腺の中で結びつき、「ノネナール」という臭い物質を発生することによる。古い油のような臭いだ。
「加齢とともに過酸化脂質が増えるため、若いころに比べて臭いがきつくなります。臭いを抑えるには食生活を見直すこと。パルミトオレイン酸を増やす肉類を避け、抗酸化成分を多く含む梅干しや海藻類を多く食べる。さらに便通を良くする食物繊維や、腸内環境を整え毒素の生成を防ぐ働きをもつ乳酸菌やオリゴ糖も摂取してください」
二つめのメタボ臭は、「エクリン腺」から出る汗の臭いが原因。汗かきの太った人の臭いだ。本来、かき立ての汗は無臭だが、汗が排出される前に雑菌が繁殖すると、干物のような生臭いにおいに変化してしまう。
「適度な運動や入浴、マッサージなどで、汗腺の機能を高めること。睡眠を十分にとり、ストレスを減らすことも大切です」
三つめの疲労臭は、アンモニアの鼻をつく臭い。アンモニアはすべての人の体内で発生するが、健康体であれば肝臓のオルニチン回路によって尿素に分解され体外に排出される。だが疲労がたまると、オルニチン回路の機能が低下し、皮膚から出るアンモニアの量が増加してしまう。改善法は、体の疲れを取り、肝機能の働きを強めること。シジミなどを食べて、オルニチンを摂取するのも効果的だ。
加齢だけが臭いの原因ではない! 男の“三種の臭い”をひも解く
臭いのしくみは?
「加齢臭」「メタボ臭」「疲労臭」のミックスゾーン
| 体臭の成分と主に発生する場所は | ||
| 原因物質 | 発生する場所 | 臭いの特徴 |
| イソ吉草酸、アルデヒド類 | エクリン腺 | 干物のような乾いた汗臭さ |
| ノネナール | 皮脂腺 | 古い油、古本や生っぽいカビ臭さ |
| 3メチル2ヘキセノイン酸 | アポクリン腺 | 甘酸っぱくスパイスのような臭い |
| アセトン | 口内や汗 | ほの甘さを含む臭い |
| 酢酸、プロピオン酸などの有機酸 | 口内や汗 | アンモニア臭 |
発生のメカニズムが異なる
肝臓の疲れが原因
「これら三つの臭いが合わさると、体臭はきつくなります。特に最近の研究では、加齢臭の強い人はメタボ臭も強いことがわかっています。体の表面だけを清潔にしてもダメ。体内からの改善を目指してください」
体臭と同時に、頭皮の臭いも気になる。またフケが多いと、視覚的にも不潔に感じる。
「臭いとフケ、この二つには大きな関係があります」と新宿・大宮スキンクリニックの石井良典院長。「フケは頭皮に繁殖する細菌の栄養分になるため、嫌な臭いを生む原因になります。さらにフケが多い状態をそのままにしておくと、頭皮が魚のうろこのようになる脂漏性湿疹につながる。この湿疹は脱毛の大きな原因とされています」。脂漏性湿疹は皮脂分泌の活発な人に多く見られる。対処法は、皮脂を減らす働きをもつビタミンB2、B6を多く含む食材やサプリメントの摂取だ。
臭い改善は体の 「外」より「内」を重視!
【身だしなみ術 1】運動+睡眠が基本――体も頭も洗いすぎは禁物
体臭を防ぐために、体や頭を洗って清潔に保つことは重要。だが洗いすぎは、体のうるおいを保つために必要な脂分を、根こそぎ取り除くことにもつながる。特に頭皮には皮脂腺が多く、洗いすぎによって乾燥すると、細菌が繁殖しやすい環境になり、臭いが強まりやすい。シャンプーは多くても1日1回で十分。それ以上洗う場合はシャンプーなしで流すだけという手も。
【身だしなみ術 2】体臭は体の中から改善――4つの成分を心がけてとる
加齢臭の原因であるパルミトオレイン酸と過酸化脂質。前者は動物性脂肪を含む食物を多くとったときに発生しやすく、後者は体内の活性酸素量に比例して増加する。つまりこの二つの物質を減らすには、食べる肉類の量を少なくして、逆に抗酸化成分が多く含まれる食材を積極的にとればいい。併せて食物繊維、乳酸菌、オリゴ糖の摂取も心がけたい。
| 4つの食成分を摂取して体の中から臭いを抑える | |
| 1 抗酸化成分をとる | 2 食物繊維をとる |
| 活性酸素の働きを抑える成分。緑黄色野菜が含むβカロテンやルテイン、大豆のイソフラボン、海藻のフコイダンなど。 | 消化されずに腸まで届き、脂肪、コレステロール、糖質の吸収を抑制。野菜、穀物、果物、海藻などに多く含まれる。 |
| 3 乳酸菌をとる | 4 オリゴ糖をとる |
| 整腸作用があり、便秘の改善に有効な菌。ヨーグルト、キムチ、味噌、醤油など、発酵食品に多く含まれている。 | 善玉菌のエサとなって善玉菌を増やし、腸内環境を整える。オリゴ糖の多い食品は、タマネギ、キャベツ、ゴボウなど。 |
【身だしなみ術 3】体臭を抑えるケア商品
日中に汗をかいたなら、臭いの原因となる菌の働きを抑えるデオドラント商品を活用したい。ただし使いすぎは禁物。必要な菌まで死滅させると、より強い菌を繁殖させることにもなりかねない。頭皮に関しても同様。脂分の除去とともにうるおい成分まで取り除いてしまうと、頭皮が乾燥し、細菌が繁殖しやすい環境になってしまう。何事も“ほどほど”が重要だ。