これがクロップの限界?最下位のドルトムントに一体、何が?
投稿日:2015年2月6日更新日:
『チームが降格するという崖っぷちで、逆にアクセルを全開で踏み込んでくる様なタイプがクロップだと予想していたんですが、逆にブレーキを中途半端に踏んでしまいましたね』
ブンデスリーグも後半戦を迎えました。香川真司が所属するドルトムントは優勝候補のバイエルン・ミュンヘンの対抗馬とされていましたが、蓋を開けて見れば前半戦は降格圏という順位…
更に先日のアウグスブルク戦では、ホームで1-0と敗戦。ドルトムントはブンデスリーグ最下位の位置から上昇する事は出来ませんでした。
ドイツ代表を数名抱え、他の選手も殆ど各国代表選手というドルトムントがブンデスリーグ最下位とは信じられない状況です。
監督のユルゲン・クロップは「ねじを巻き直して、後半戦に臨む!」
と息巻いてましたが、ねじを巻き過ぎて、ねじ切れてしまった感も多少、見受けられます。
本ブログでも、何度もドルトムントの低迷について分析を重ねてきましたが、今一度、何故、最下位にまでドルトムントは低迷したのか?公開してみたいと思います。
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クロップのチーム修正は失点を抑えるという事に焦点を当てた様ですが…
香川真司がアジアカップにチームを離れている間、後半戦に向け、ドルトムントは当然、立て直しを模索していたのでしょう。
ただ、後半戦の試合を観る限りでは、クロップが考えたチーム修正点は全盛期のドルトムントに回帰を目指したものではなく、失点を招かない様にしただけの凡庸な戦術変更でした。
今季のドルトムント失点パターンは、不用意な中盤でのボールロストから、難度の低いカウンターを仕掛けられ失点するというパターンです。
それをクロップは恐れたのか、後半戦に入ると、ドルトムントの攻撃方法は中盤を省力し、前線へロングボールをフィードする単純な攻撃に終始しています。
確かに、中盤での細かいパスワークを省力した結果、カウンターからの失点は減りました。同時に組織的な連携からの攻撃パターンがドルトムントから失われてしまった印象を受けました。
相手を崩すというよりも、とりあえずボールを敵陣に持ち込み、そこから個人技、もしくは運頼みでゴールを目指すという単調なサッカーを展開しています。
緩急を付けて、連携で崩されるという事はないので、ドルトムントの攻撃は守りやすい筈です。自陣でブロックを敷き、マンツ―マンを基本に守れば失点は防げるでしょう。
クロップは失点を減らす、負けないサッカーを選択したようですが、同時にマルコ・ロイス、ケヴィン・カンプル、イルカイ・ギュンドアン、香川真司などテクニカルな選手の長所を消してしまいました。
アウグスブルグ戦でのドルトムントのチームパス成功率は50%前後でした…。まるで、アマチュアのサッカーレベルです。
バイエルン・ミュンヘン、バルセロナ、レアル・マドリードなどの超一流チームのパス成功率は90%を超えます。そこまでは要求されないとしても、パス成功率は80%以上ないと試合に勝てません。
これが、ユルゲン・クロップがチーム立て直しの為に採り入れた戦術です。厳しく言及すれば『弱者が選択するサッカー』と考えてもいいと思います。
ケヴィン・カンプルはドルトムントと相性が良さそうな選手!
セレッソ大阪に所属していた南野拓実が移籍したレッドブル・ザルツブルグから、ドルトムントはケヴィン・カンプルという選手を獲得しました。
試合を観た感想から言えば、ケヴィン・カンプルは運動量が多く、攻守の切り替えも速い、ドルトムントには相性が良さそうな選手だと思いました。
ドルトムントのお家芸、ゲーゲン・プレスにもすんなりと対応が出来そうな選手だと思います。珍しくドルトムントの補強が当たっただけに、現在のチーム低迷は残念です。
マルコ・ロイス、イルカイギュンドアン、ヌリ・シャヒンも怪我から復帰し、チーム上昇の気配は見えているのですが…。
クロップが消極的なサッカーを採り入れているので、彼らの能力を十分に活かせないかもしれませんね。香川真司も叩かれている程、プレーは悪くないんです。
インモービレ、オーバメヤン、ムヒタリアンを外した方が良いのでは?
わたしの個人的感想ですが、ドルトムントに低迷をもたらしたのは、インモービレ、オーバメヤン、ムヒタリアンの3選手の影響が強いと思っています。
センターバックのスボディッチ、フンメルスの軽率なミスも目立ちますが、元を辿れば、上述した3選手がその状況を作り出している印象を受けます。
インモービレは昨季まで在籍をしていたレヴァドンフスキの様に、中盤の選手にスペースを作る様な動きは全く行いません。オーバメヤンも同様です。
ムヒタリアンは連携で相手を崩すという意識が低く、単独で無理な攻撃を仕掛けた結果、ボールを奪われ、何度も相手チームのカウンターの起点を作らせてきました。
各々が好き勝手に、恣意的で場当たり的なプレーを展開するので、ドルトムントの攻撃は酷く単調でポゼッションも悪い、低レベルのサッカーを前半戦は見せていました。
何より、ポゼッションが低い事はドルトムントのゲーゲン・プレスの質を落します。運動量を高く要求されるこの守備戦術は、ボールポゼッションと根深く関連しています。
簡単に言うと、ゲーゲン・プレスは疲れるから、攻撃時間を長くして、仕掛ける頻度を減らすか、休む時間を長くしないと体力が持たないんですよ。
全盛期のドルトムントはこのゲーゲン・プレスの仕掛けるタイミング、ポゼッションを高める遅攻のバランスが非常に良かったです。
しかも、意図的に相手にボールを奪わせて、敵陣深くからゲーゲン・プレスを仕掛けていた場面も多く見られました。
ゲーム展開に鋭利な『緩急』を意図的に付けていた事が、ドルトムントの強みだったんです。
今季のドルトムントは、上述した3選手が無理に縦に急ぐ攻撃に終始するので、成功、失敗関係なく、ボールポゼッションが低いです。
しかも、ゲーゲン・プレスを仕掛けるタイミングも噛みあわず、無駄に体力を消耗し、終盤に失点するパターンも目立ちます。
ゲーゲン・プレスは対策がされたから、ドルトムントは弱体化したのではなく、攻撃方法が悪いので、ゲーゲン・プレスが効果的に機能していないというのが、わたしの見解です。
ドルトムントの低迷の元凶は『ボールの奪われ方が悪いからです』そして、それをもたらしているのが、インモービレ、オーバメヤン、ムヒタリアンの3選手です。
もう一度、勇気を持って、縦に急がずに中盤の連携を重視するサッカーを選択しては?
ケヴィン・カンプルという利他的で運動量も豊富、テクニックも申し分のない選手が加入した事ですし、クロップはもう一度、ロングボール重視の攻撃を改めてもいいのではないでしょうか?
彼は中央でもサイドでも、プレーが出来る幅の広さを持っていそうですし、何より、動いてボールを繋ごうとする意識が高さそうなところは期待できます。
香川真司もいますし、ギュンドアン、シャヒンもいるので、中盤で十分にタメを作れる攻撃が出来そうなんですけれどもね。
チームが落ち着いて攻める事が出来れば、ゲーゲン・プレスを仕掛けるタイミングも計り易いでしょうし、そこからのショートカウンターも仕掛けやすいでしょう。
ショート・カウンターが失敗しても、ポゼッションを重視した遅攻でじっくり攻めれば、ドルトムントはゲームを支配できる筈です。
しかし、ユルゲン・クロップは『退がった』んですね…後がない状況で、リスクを踏まえて『前に出る』と思ったんですけど。
このままではチームが降格するという崖っぷちで、逆にアクセルを全開で踏み込んでくる様なタイプがクロップだと予想していたんですが、逆にブレーキを中途半端に踏んでしまった…
今季のドルトムントは、あんまり期待できないかもしれませんね。