耳がかゆくてたまらないときは要注意! カビがはえていることも?
2015/09/14
記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
耳掃除をしているのに、耳がかゆいという方は少なくありません。耳がかゆくてたまらないので、ついガリガリと強めに耳掃除をする方もいるでしょう。しかし、耳がかゆくなる原因がカビだった場合は、放っておくほど症状がひどくなります。
そこで、今回は耳がかゆくなる原因と、原因がカビだった場合の対処法をご紹介しましょう。耳は脳にもつながっている大変デリケートな器官です。ですから、乱暴にかきむしっていると大変なことになるでしょう。耳がかゆいという方は必見ですよ。
- 耳がかゆくなる原因は?
- カビがはえやすい状態の耳とは?
- 耳がかゆい場合はどうしたらいいの?
- おわりに
1.耳がかゆくなる原因は?
耳の中というのは、正常の状態だと若干の湿り気を帯びています。耳あかが乾いている人でも同様です。では、どのようなときに耳がかゆくなるのでしょうか? この項では、耳がかゆくなる原因をご説明します。
1-1.肌の乾燥
季節の変わり目になると、肌が乾燥するという方は少なくありません。特に、乾燥肌の方は冬になるとかゆくなりやすいでしょう。乾燥肌がひどくなるとかゆみが出てきます。耳の中の皮膚も同様です。
しかし、乾燥によるかゆみはかけばかくほどひどくなりやすいでしょう。ですから、乾燥肌で耳の中までかゆくなってしまった場合は一度皮膚科を受診し、保湿効果のある薬を処方してもらってください。
1-2.耳掃除のし過ぎ
耳掃除が大好きという方は、少なくありません。中には毎日のように力任せに行っている人もいるでしょう。しかし、耳の中の皮膚はほかの部分に比べるとデリケートです。たとえ綿棒とはいえ、強くこすれば皮がむけてしまうこともあるでしょう。
かさぶたができると、かゆみが出ることも珍しくありません。また、かさぶたを耳あかと勘違いして取ろうと思う方もいるでしょう。そうなると、ますます皮膚が傷ついてかゆみが増してしまいます。
1-3.カビの発生
体にカビがはえるなんて、と思う方もいるかもしれません。しかし、体にカビがはえることは決して珍しくないのです。多くの方が悩んでいる水虫も、原因はカビ。耳にカビがはえてしまうと、耳真菌症(外耳道真菌症)と診断されます。体にカビ菌が取りついてしまうと、駆除はとても大変です。水虫の治療が長くかかることからもわかりますね。
耳の中は通常では見えません。たとえ耳の中がひどいことになっていても、気づかない方も多いのです。また、耳にカビがはえる場所は外耳といって鼓膜の外側になります。ここが炎症などを起こしても、聴力が急激に低下することはありません。しかし、何かの拍子に鼓膜の内側である内耳にカビ菌が入りこめば、聴力が低下する可能性もあります。
2.カビがはえやすい状態の耳とは?
この項では、カビがはえやすくなっている耳や体の状態をご説明します。心当たりのある方は十分気をつけてください。
2-1.外耳炎を発症している人
外耳炎とは、耳の穴の入り口から鼓膜までの部分が炎症を起こしている状態です。かゆみや痛みがあり、ひどくなると腫れあがっていることもあります。炎症を起こしている皮膚は、普段よりも抵抗力が下がっているのです。
ですから、この状態のときにカビ菌がつくと一気に繁殖してしまうかもしれません。また、外耳炎を発症している方は耳の中に傷がある場合も多いです。このようなときもカビ菌が繁殖しやすいでしょう。
2-2.イヤホンや補聴器を使っている人
イヤホンや補聴器は耳の穴の中に直接入れて使う道具です。しかし、あまり清潔に扱っていない場合、イヤホンや補聴器にカビ菌がつく場合があります。これは、綿棒でも同様です。
カビ菌はとてもありふれた菌。ですから、無造作にテーブルの上に放りだしてあるだけでも、カビ菌は付着します。なので、使う前は消毒用アルコールを脱脂綿につけて軽くふくとよいでしょう。また、長時間使わない場合は清潔なケースに入れておきましょう。
さらに、手も同様です。耳掃除をするときは必ず手を洗ってから行いましょう。耳がかゆいからといって爪を直接耳の穴に入れるのはやめてください。雑菌を入れているようなものです。
2-3.免疫力が低下している人
ストレスなどで免疫力が低下していると、カビ菌に免疫が抵抗できません。病気などで免疫抑制剤を服用している人でも要注意です。免疫抑制剤は、体の抵抗力も低下させてしまいます。
また、糖尿病にかかっても免疫力が低下します。重症の場合はカビが生えるだけではなく、緑膿菌の感染が進行して皮膚や骨まで炎症が及んで命にかかわる「悪性外耳道炎」になることもあります。
また、ストレスで免疫力が低下した場合は、自分でも気づきにくいのです。しかし、忙しい日々が続き疲れやすくなっている人は注意が必要になります。
3.耳がかゆい場合はどうしたらいいの?
では、耳がかゆくてたまらない場合はどうしたらよいのでしょうか? この項では、その解決方法をご紹介します。
3-1.耳鼻咽喉科を受診する
耳がかゆいという場合は、耳の中で炎症が起きている可能性が高いです。ですから、まず耳鼻咽喉科を受診してください。耳の中を診てもらえば、なぜかゆいのか原因がよくわかります。
また、耳鼻咽喉科ではアレルギー検査も行ってくれるでしょう。ハウスダストなどのアレルゲンが原因で皮膚にかゆみが生じていることもあります。皮膚には異常がないのにかゆくてしょうがないという場合は、アレルギー検査をしてもらってください。
3-2.耳真菌症(外耳道真菌症)と診断されたら?
耳にカビがはえてしまったら、一朝一夕には治りません。まずは耳あかを含むカビをすべて取りのぞいてから、点耳薬と内服薬で治療をしていきます。カビを取りのぞけば一見すると耳はきれいになったように見えるでしょう。
しかし、カビの胞子はまだ残っています。それを完全になくすには、根気強い治療が大切です。
ですから、1か月以上耳鼻咽喉科に通う必要があるかもしれません。医師が「もう大丈夫ですよ」というまで勝手に通院をやめてはいけません。
もし、勝手に治療を中断してしまうと、カビが再びはえてくる可能性があります。痛みがない場合、そのまま放置していると最悪の場合は聴力が低下することもあるでしょう。「水虫と同じようなもの」と軽く考えず、きちんと治療してください。
子どもや高齢者も抵抗力が弱いため、カビがはえやすいです。特に、子どもは耳のかゆみを訴えられないことも多いので、親が気をつけて見てあげてください。
4.おわりに
いかがでしたか? 今回は耳がかゆくなる原因や耳にカビがはえてしまった場合の対処法についてご説明しました。
まとめると
- 耳にカビがはえた場合は自分で気づきにくい。
- 耳がかゆくなる原因は、耳掃除のし過ぎのことも多い。
- 耳にカビがはえたらすぐに耳鼻咽喉科を受診し、根気よく治療をしよう。
ということです。花粉症や風邪で耳鼻咽喉科を受診することはあっても、耳の病気で受診することは少ないかもしれません。
また、かゆみは痛みと違い、かきむしれば一時は治まります。ですから、病院に行くほどのことではないと思いがちです。しかし、カビでなくても耳をかきむしれば雑菌が入りやすくなります。外耳炎は中耳炎ほどポピュラーな病気ではありませんが、くり返せば聴力が低下することもあるのです。
ですから、耳のかゆみが1週間以上治まらない場合は、できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診しましょう。