頭皮の血行不良と臭いの関係
血液は酸素や栄養を細胞に運んでくれます。また、体内で発生した二酸化炭素などの老廃物を腎臓や肝臓に運ぶ働きもしてくれます。そのため、健康維持に必要な代謝が正常に行われなくなってしまうのですから、当然血行不良は体に良いとは言えません。
これは頭皮の血行不良も同じです。頭皮の血行が悪くなると、ターンオーバーの乱れなどの頭皮環境の悪化を引き起こしたり、クサい汗をかきやすくなったりします。そのため、頭皮の血行不良は頭皮臭を臭くしてしまう原因なのです。
頭皮の血行不良によってクサい汗をかくようになる
血行不良によって汗自体に臭いがするようになります。この汗が頭皮の臭いをキツくしてしまうのです。これはエネルギーをつくる代謝機能が関係しています。
クサイ汗を生みだす解糖系という代謝
普段私たちは、酸素を取り入れることでエネルギーをつくり出しています。この酸素を使った代謝機能がクエン酸回路です。
この代謝機能によって私たちは生命を維持することができています。そして、このエネルギーの生成は一瞬でも止まってはいけません。一瞬でも止まってしまったら生命を維持することができなくなるでしょう。
しかし、酸素が不足するときがどうしてもあります。その一つとして血行不良があります。酸素を全身に届けている血液の流れが悪くなってしまうことで、消耗器官が働くために必要な酸素が不足してしまうのです。
ですが、一瞬でもこの代謝を止めることはできませんよね?
そこで、体は別の方法でエネルギーを作り出します。それが解糖系という方法です。実はこの解糖系が汗を臭くする原因になります。なんと、乳酸とアンモニアが生成されてしまいます。
つまり、エネルギーを生み出してくれると同時に臭い成分までつくってしまうのです。血行不良によって汗を分泌する汗腺でこの解糖系が起こることで、アンモニアや乳酸が多く含まれた汗が分泌されてしまうわけです。
血行不良による汗は雑菌の繁殖を促す?
汗自体に臭いがある汗をかけば、クサくなって当然です。しかし、それだけではありません。クサい汗はさらに臭いをつくってしまう厄介者なのです。それはアンモニアが多く含まれていることが影響しています。
頭皮を健康に保つには弱酸性である必要があります。弱酸性によって雑菌の抑制や皮脂膜を正常に形成することができるのです。
しかし、アンモニアはアルカリ性です。そのため、アンモニアを多く含む汗をかくことで、頭皮のpHをアルカリ性に傾かせてしまいます。しかも臭いをつくる雑菌は、弱アルカリ性に傾いた環境が増殖に適しています。そのため、アンモニアを多く含む汗は、雑菌の繁殖を促す汗と言えるでしょう。
ですから、血行不良によるクサイ汗は、臭いをつくりやすい汗でもあるのです。この汗によって頭皮がさらにクサくなるのは当然です。
血行不良で頭皮環境が悪化!頭皮トラブルによる臭いの原因に
頭皮の血行不良が続くことで、頭皮環境が悪化します。血液は酸素だけでなく栄養も頭皮に送っています。そのため、血行不良は頭皮の栄養不足を招きます。
栄養が不足すれば、ターンオーバーが乱れて健康な頭皮を維持できません。
このターンオーバーは皮膚細胞の新陳代謝。日々誕生する皮膚細胞を、古いものから新しいものへと生まれ変わらせるために必要な代謝機能と言えます。そのためターンオーバーの乱れは、以下のような頭皮トラブルを引き起こしてしまうのです。
- 皮脂の異常分泌
- 頭皮ニキビ
- 炎症
- 過敏さが増す
- フケが多くなる
皮脂の異常分泌による乾燥やベタつきは、雑菌の増殖を抑制する抵抗力を落としますし、フケは臭いの原因である雑菌の餌です。そして、ニキビや炎症などは頭皮の皮脂分泌を盛んにさせます。
つまり、これらの頭皮トラブルはすべて頭皮の臭いをキツくしてしまう要因なのです。
なぜターンオーバーの乱れが頭皮環境を悪化させるの?
ターンオーバーは一定の周期があります。この周期は早くても遅くてもいけません。
遅くなれば剥がれお落ちるはずの古い角質がいつまでも残り、頭皮トラブルを引き起こします。
逆に早すぎも未成熟な細胞が角質層になるため、頭皮表面が弱くなります。未熟な細胞は傷つきやすく、保湿力やバリア機能が低いのでこれも頭皮トラブルを引き起こします。
多くのシャンプーは、この遅いターンオーバーの方に注目しがちです。そのため、特に市販のシャンプーは洗浄力が強くなってしまうのです。
これによって洗いすぎを招き、早いターンオーバーを引き起こします。その結果、多くの方が頭皮トラブルを起こしてしまっていると言えるでしょう。
薄毛や抜け毛の原因にもなる?
髪の毛が成長する場所は、毛乳頭にある毛母細胞ただひとつです。血液によって運ばれた栄養がそこに届くことで毛が育ちます。
そのため、血行不良は頭皮に十分な栄養が届かなくなるということです。当然髪の毛は十分に育たなくなります。
そしてこれはヘアサイクルにも影響します。
髪の毛には成長期、休止期、後退期というヘアサイクルがあります。成長期でグングン成長して休止期で停止、後退期で抜け落ちて次の新しい髪が生えてくるという事を繰り返しているのです。
しかし、毛母細胞に十分な栄養が届かなければ、このサイクルが乱れ、髪が十分に成長する前に抜け落ちてしまいます。次の毛が準備が出来ていない状態で抜け落ちるので、毛の量は減ってしまうのです。
また、血行不良によって起きたフケや皮脂分泌などの頭皮トラブルも抜け毛の原因になります。フケや皮脂を毛穴につまらせて、髪の毛の成長を妨げてしまうからです。
ですから、血行不良は汗や頭皮環境だけでなく、毛の発育にも影響を与えてしまうのです。
血行不良を引き起こす原因は?
では一体どのような原因で血行不良を引き起こすのでしょうか?
脂肪分や糖分の摂り過ぎ
脂肪分を摂り過ぎると、血中のコレステロールや中性脂肪が増え、血流悪化を招きます。
また、糖分の摂り過ぎは血液をドロドロにして流れを悪くしてしまいます。血流が悪くなれば、血行不良を起こしやすくなります。
水分不足
血液に含まれる成分の50%以上は水分です。そのため、水分が不足すればドロドロ血液になって血流が悪くなり、血行不良を起こしやすくなります。
運動不足
血液を体の隅々まで届かせるには筋肉が必要です。そのため、運動不足によって筋力が低下すると、体の末端部まで血液が流れにくくなります。
ストレス
ストレスによって交感神経が刺激されると、血管が収縮して血流が悪くなります。
たばこ
お酒
お酒は一時的に血流をよくしますが、アルコールが抜けると逆に血流を悪くします。それは血液の赤血球などを死滅させてしまうからです。飲みすぎには気をつけましょう。
加齢
20歳をピークに加齢によって毛細血管が減少すると言われています。さらに血行を悪くする筋肉の衰えやホルモンバランスの乱れも起きやすくなります。
なので、年を重ねるに連れてより一層定期的な運動や血行を促進する対策を意識したほうがいいと言えるでしょう。
まとめ
頭皮の血行不良は汗を臭くしたり、頭皮のターンオーバーを乱してさまざまな頭皮トラブルを引き起こしたりするなど、頭皮の臭いを強くする原因になります。
また、臭いだけでなく抜け毛や薄毛の原因にもなります。なので、健康な頭皮を維持することは、頭皮の臭い対策だけでなく薄毛・抜け毛対策にもなるということです。
そのためには、日頃から頭皮マッサージや正しいシャンプー方法、適度な運動で筋肉を付けるなどして血流を促すことが必要と言えるでしょう。
血行を促進して健康な頭皮を保つことは欠かせませんね。