投稿日:2010/09/05
実は、私がポートレートを撮りたいと思ったきっかけは、魚住先生の「おしゃポー」こと「おしゃれなポートレートの撮り方」シリーズだったりします。それ以外にも去年ルデコで行われた写真展やポートレート専科などに足を運んだり、ハードロックの趣味も何か合いそうとか、勝手に私淑していたりするわけです。
その魚住先生から直々に教わったポートレート・レタッチのコツを試さない手はないということで、これから3回にわたってAdobe Photoshop CS5とIntuos4を使ったポートレート/レタッチに挑戦してみたいと思います。
なお、今回素材として使った写真はオリンパスさんのデジタル・カレッジの人物撮影講座エピソードII(http://fot
モデルは、十代最後の撮影という中根かなこさん(グルーヴィーエア)。
<レタッチの方向性を決める>
まずは、Lightroom3のデフォルト設定で現像した状態です。
[portfolio]
レタッチでは、最初にどういう方向の写真に仕上げたいのかを考えてみると・・・奥に抜けた風景の光を活かしつつ、かなこさんの凛々しい表情を印象づけてみたいと思います。
<RAW現像での下地づくり>
方向性が決まったら、RAW現像でレタッチのベースをつくります。
私はLightroomの現像モジュールを使ってRAW現像をしていますが、基本的なロジックはCamera Rawも同じはずです。
私の場合は、最初に全体的な露出を調整します。ポートレートの場合は、基本的に肌を基準に質感が失われない限度で少しプラス気味にします。ただ、人物と背景の輝度差が激しい時には、人物を少し暗めにして、あとで[補助光]を使ってシャドウ部を持ち上げます。
何れにしても、人肌についてくすみトーンジャンプを気にせずにいじることができるのは、上下2/3EVぐらいだと思うので、撮影時にびしっと露出を決めておくことはとても大事です。
カメラの背面液晶だけで露出をチェックしていると特にポートレートでは露出を暗いと感じて露出を上げすぎることがあります。白飛びしてデータがなくなってしまうと肌の質感再現は無理なので、液晶画面でみてちょっとシットリ気味かなと思うぐらいに留めておくのが、ちょっとしたコツです。
全体的な露出を整えたら、あとは[白飛び軽減]と[補助光]を使って調整していきます。注意したいのは、[白飛び軽減]が強すぎると肌のハイライトまでくすんでしまい、透明感がなくなることです。[白飛び軽減]を使う時には全画面表示でバランスをとるのと同時に拡大表示で肌の透明感が損なわれていないかもチェックした方がいいでしょう。
[黒レベル]は、画面がひきしまるのですが黒ツブレが出てしまうとレタッチで救うことができないので、RAW現像の段階では上げすぎない方がいいと思います・・・と常々思っていたら、魚住先生もRAW現像の際には[黒レベル]は0がいいと仰っていたのでひと安心です。
この写真では露出は元々適正値に近かったので、わずかに補助光をプラスして顔を明るくすると共に、黒レベルを0にして髪の毛の黒つぶれを避けておきます。
(露出は人肌を基準に調整)
こうして露出が整ったら、次に[ホワイトバランス]をいじって、全体的な色味を調整します。写真全体のトーンを決める上では結構大事です。有名なのは長野博文さんのように思いっきり色温度を下げる「長野ブルー」ですが、私がポートレートの一番の師と仰ぐ土屋勝義先生は色温度を上げて、思いっきり夕暮れの雰囲気を強調したりもします。
私も、一時、極端な色合いに凝ったこともあるのですが、一巡して最近はナチュラルっぽい色合いを意識して、撮影時にマニュアルで色温度を決めて、そのイメージで撮ることが多くなっています。なので、現像段階で大きく色味を変えることは余りなく、最近は写真間での色味のバラツキを押さえるぐらいの微調整に留まることが多いです。
ところで、WBはメーカーによってかなりクセがあります。風景を撮っていると、それほど感じないのですがポートレートではWBでのちょっとした色温度の違いが肌の質感に影響を及ぼすので、自分の機体のクセを掴んでおくことは重要です。
(ホワイトバランスを思いっきり下げて、Greenを足してみると・・・)
そして、[自然な彩度]/[彩度]と[コントラスト]を調整します。まずは、[自然な彩度]で肌に隠れている複雑な色合いを浮かび上がらせます。やり過ぎると、だいたい黄色っぽくくすんだ感じの肌になるので、私の場合は+10ぐらいでしょうか。
私自身は余り[彩度]は使わず、色が足りないと思ったら[HSLパネル]を使って、足りないと思う系統の色だけ少しだけ足したり、輝度を下げたりしています。
これと並行して[コントラスト]も調整します。彩度とコントラストは同じような効果を持つところもあるので両方を同時にかけると、脂っこい画になってしまいます。ですので、彩度系をあげながらコントラスト系を微妙に下げたりしながら調整していきます。
あとは、隠し味的に肌の透明感と唇の艶っぽさをあげるために、HSLパネルでオレンジ系の輝度と赤系の彩度を気持ちあげることがあります。これもやり過ぎると脂っこくなるので加減が大事です。
[トーンカーブ]は、肌の明るさだけ、ほんの少し上げたい時にすこしだけ触りますが、ほとんどいじりませんし、[シャープネス]と[ノイズ処理]も全部切ってしまいます(ノイズはNik SoftwareのDfine等で調整することが多い)。
・・・と、ここまで自己流のRAW現像ですが、魚住先生流とそれほど大きな違いは感じなかったんですが、魚住先生は[明瞭度]を-10~-20ぐらい下げて、お肌のすべすべ感を出すそうです。
(お肌はスベスベに)
この辺りは好みの問題もありそうですし、そもそも私のメインであるオリンパスのE-30は、元々少し紗がかかったようなトーンで、別の言い方をするとキレ味にかけるところがあります。以前5D Mark2を使う機会があったのですが、撮って出しでも明らかに出てくる画の性質が違うところがあったので、この辺りも自分の機体のクセを十分に踏まえる必要がありそうです。
あと、周辺光量補正を普通は四隅を落としてトイカメラ風にしたりして使うことが多いと思いますが、逆に光量を上げることで後ろから光が回っているような印象になるというのも発見です。
今回は周囲とのコントラストを活かすことが主眼でしたが、もう少し明るいところでのアップとかであれば使ってみたいテクニックです。
最後に、この画面は囲みでかなり無理な姿勢でとったので、やや水平がずれてしまっているので、切り取りツールやレンズ補正で水平を合わせます。
(水平は大事)
<そして,下地はできあがった>
こんな感じで、今回のレタッチのベースとなるRAW現像はできあがりました。
これまでの私のパターンでは、この段階でほとんど写真に対するPC上での修正は終わりです。あとは、お肌のシミとかをLightroomのスポット修正で修正したり、Nik SoftwareのColor Efex Proなどで全体的にフィルター効果をかけて終了することがほとんどでした。
というのも、Photoshopをちょった使ったこともあるんですが、レイヤーの指定やらマスクのかけ方やら、何か厄介だったというのもあります。
しかし、せっかくIntuos4が手元にあるのですから、Photoshop による「愛情レタッチ」に挑戦してみたいと思います。
(続く)
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2010年09月09日 00:35