オーガニックと一言でいっても、実は様々なグレードが存在するのをご存知でしょうか?
今日は、有機栽培の世界最高峰と言われるバイオダイナミック有機農法と、その有機認証機関デメター、さらにデメター認証をとった美味しいワインをご紹介!
バイオダイナミック有機農法とは
バイオダイナミック有機農法は、オーストリア人哲学博士ルドルフ・シュタイナーが提唱した「有機農法の一種」。
「世界で最も厳しいオーガニック基準」といわれるドイツの認証団体デメター(Demeter)によりその基準が管理され、オーガニック業界では一目置かれる有機農法と有機認証です。
2016年の統計データによると、全世界でバイオダイナミック有機農業を営む農家は5,091人に上り、圃場(ほじょう)は17万ヘクタールにもなります。
(*圃場とは、作物を栽培する田畑のこと。)
シュタイナーの「哲学」を具現化した農法
バイオダイナミック有機農法の始まりは、1924年近代農業に異を唱えたヨーロッパ中の農民がシュタイナーを講師として招き開催した『農業講座』だったと言われています。
ここでシュタイナーは、農場はそれ自体が「生きた生命体」であり、単一的に無機的に製品を生み出す「工場」ではないと説きました。
また、合成農薬や化学肥料の使用は、人、動物、植物や自然が本来持つ生命力の低下を招いていると警鐘を鳴らしました。
シュタイナーの「思想」を具現化した農法
バイオダイナミック有機農法は、シュタイナーの哲学的思想に基づき作られています。
有機認証デメターの基準そのものが、この思想を具現化して策定されたものなのです。
例えば、シュタイナーは、「農場はそれ自身で完成した個体である」という思想に基づき、必要なものは農場で全て生み出し、農場に全て還元していくべきと唱えました。
ここから、デメター認証では、圃場(ほじょう)で使用できる素材のほか、調達先まで厳格に管理・規制しています。
世界最高峰と言われる「有機認証デメター」と「通常の有機農法」の生産・製造方法の違いを説明するときりがないのですが、一例を示すと、
| テーマ | EUの公的基準 | デメター認証 |
| 家畜の糞を肥料とする場合の調達先 | 調達先の規制はない | 農場から80km以内ならば調達可能 |
| ワイン製造に使用できる食品添加物 | ワイン製造特有の規制はない | ワイン製造特有の規制がある |
| ワイン製造施設で使用できる洗剤 | 製造や保存場所で使用する洗剤の規制はない | ワイン製造施設特有の規制がある |
| ワイン製造や保存時に使用できる容器や栓 | 規制はない | ワイン特有の規制がある |
など、より一層厳しい管理下の元で生産されています。
スピリチュアルな生産・製造方法
もう一つ、通常の有機農法と異なるのは、人や動植物といった自然界の事象は、宇宙や霊的力から影響を受けているというシュタイナーの教えに基づいていること。
そして、そのエネルギーを活用するための様々なユニークな技法が存在することです。
例えば、バイオダイナミック農法では、水晶、ハーブ、家畜の糞などから作られた独自の調合剤を使用することが義務付けられているのですが、この調合剤の製造の仕方から使い方までがなんともスピリチュアル!
牛糞を詰めた牛角がその一つ。この角は、宇宙のエネルギーを呼び込むために、秋から春にかけて地中に埋められます。
牛角は春に地中から掘り起こされ、牛角に詰められた牛糞は丸くお団子状にして保管されます。
お団子状の牛糞は水で希釈されます。その希釈方法にも決まりがたくさん!
木の枝などを使用して手動で混ぜ、定期的に混ぜる方向を変えて水が常に動的な状態であることを保つ。これを最低1時間繰り返す….など。
他にも、牛の角の地中への埋め方、水と牛糞の配合の割合、畑への蒔き方、蒔く時期など細かい決まりがあります。
さらに、種まきや収穫といった農作業は、天体や星座が植物に与える日が記載された専用の暦に従って実践されるなど、超自然的な様々な技法があります。
超自然的世界と科学の融合を目指すバイオダイナミック農法
バイオダイナミック農法の最もすごいところは、超自然的世界に傾倒しつつも、この農法が動植物や土質などに与える影響を科学的に解明する努力を惜しまず行ってきたことです。
1950年ドイツでバイオダイナミック・リサーチセンターが設立し、以来ドイツ国内の大学や世界中の研究機関との共同研究が進められてきました。
私が卒業した南ドイツの大学院にもバイオダイナミック農法のリサーチファームがあり、何度も視察しに行きました。
シュタイナーの神秘的な教えは、今日科学的にもその有効性が立証され、デメター認証団体を通じて世界中の消費者から支持されています。
生産者の手間と想いと地球の極上エネルギーがたっぷり込められたデメター製品には、食品とコスメがあります。
ドイツ国内でも、ここ数年はオーガニックスーパーや専門店だけでなく、一般のスーパーやドラッグストアなどでも日常的に見かけるほどの人気を博しています。
ワイン好き必見!オーガニック専門見本市ビオファ2017で出会った美味しいデメターワインのご紹介。
ビオファ(Biofach)は、ドイツ・ニュルンベルク市で毎年開催される世界最大規模のオーガニック専門見本市。2017年は、134カ国から51,453人が来場、2,785社が出展し、世界中のオーガニック製品や業者が一堂に集いました。
ワイン好きの私は必ずここで新しいワインを試すようにしています。
2017年は、今まで百本以上試してきたオーガニックワインの中で、「最も美味しい!」と自信を持っていえる運命的なデメターワインとの出会いがあったのでご紹介します。
ビオファで出会ってから我が家一押しのデメター白ワインとして君臨したのがこちらのワイン。
見本市で試して早速、その場で自宅配送の注文。
ワインには口うるさいドイツ人家族や友人たちも皆一様に頷く気品のある味わいです。
毎日飲んでも飽きのこない芳香のある女性的なワイン。風味豊かで精気に満ちたフルーティーな香味が口の中に広がります。
一度飲んだらやめられないドイツらしいエレガントな甘口白ワインです。
1711年に創業したツヴェルベリッヒ(Zwölberich)は、300年を超える長い歴史を誇るドイツでも有数のワイナリー。
23年前にバイオダイナミック農法に全耕作地を転換して以来、“Best of Bio“や“ “Best Organic Wine-Producer of The Year“などの著名な国際ワイン・ワイナリーコンクールの賞を数々受賞してきました。
ツヴェルベリッヒのワイナリーの土作りに使用されるのは、「砕いた石、石灰、ハーブ、茶葉、家畜の糞から作られた独自の調合剤、自然療法ホメオパシーで使用されるレメディーなど」で、化学肥料は一切使用しません。
合成農薬ももちろん不使用で、その代わりに使用しているのが、石の粉で作ったスプレー。
こちらでご紹介したワインは日本未上陸ですが、メーカーさんのご好意で日本からでも直接オンラインショップより購入可能となりました(別途輸送費がかかります)。
是非、デメター製品の良さを実際に手にとって実感していただければ嬉しいです!