カゴメ株式会社からのニュースリリースです。
掲載された情報は発表当時のものです。価格などは変更される場合があります。
2011年9月8日
トマトジュースの継続摂取に肌状態を改善する効果が期待
〜カゴメ、新宿南口皮膚科の共同研究〜
カゴメ株式会社(社長:西秀訓)と新宿南口皮膚科(院長:乃木田俊辰)は、トマトジュースを継続的に摂取することで肌状態(角質層の状態や眼の下のシワ)に改善が見られることを確認致しました。 なお、本研究内容は第29回日本美容皮膚科学会(2011年9月10〜11日、下関プラザ)において発表いたします。 ■共同研究者 新宿南口皮膚科 乃木田俊辰 院長のコメント トマトの抗酸化成分であるリコピンは、肌に蓄積して紫外線から肌を守る役割を持つことが明らかにされつつあります。本研究ではトマトジュースを長期間摂取することが、肌状態にどのような影響を与えるか評価いたしました。 その結果、角質層の状態や眼下のシワなど一部の肌状態について改善効果があることを確認しました。若く美しく肌を保つために、トマトがその一助となる可能性があると考えられます。 ■研究の背景 太陽光(紫外線)、喫煙、ストレス等により体内に過剰に生じた活性酸素は、シミやシワ、たるみ等の肌の老化の原因であることが報告されています。トマトの赤い色素リコピンは活性酸素を消去する作用があり、肌に蓄積することが明らかになっています。 これまでの研究から、リコピンには紫外線によって生じる日焼けによる赤みや肌の老化の予防に役立つことが期待されます。よって、リコピンを含むトマトジュースなどを継続的に摂取することで、肌に何らかのよい効果をもたらす可能性があると考えました。 ■研究概要 ≪目的≫ 継続的なトマトジュースの摂取がヒトの肌状態に与える影響を明らかにすることを目的として試験を行いました。 ≪試験方法≫ ・被験者 カゴメ株式会社に所属する年齢が20歳以上50歳未満の36名(男性15名、女性21名)を試験の対象といたしました。 ・試験食品 試験食品にはトマトジュースと対象飲料としてミネラルウォーターを用いました。被験者には1日あたりトマトジュース160gまたはミネラルウォーター160mlを毎日任意の時間に摂取していただきました。 ・試験スケジュール 試験は図1の要領で実施し、試験食品を12週間摂取してもらいました。 図1.試験スケジュール ・評価項目 1.血中リコピン濃度の測定 2.肌状態について以下の項目を評価 頬部 : 水分量、油分量、弾力(粘弾性)、角質層の状態(細胞面積、多重剥離度)※ 全顔 : シワ、色素沈着(シミ)、色味、毛穴、赤味 ≪結果≫ 1.血中リコピン濃度 試験食品摂取前後の血中リコピン濃度を測定した結果、12週目においてトマトジュース摂取群ではミネラルウォーター摂取群よりも有意に上昇することを確認いたしました(図2)。 血中のリコピン濃度と皮膚中のリコピン濃度には相関があることが報告されており(Scarmo S, et al., 2010)、皮膚中のリコピン濃度も高まっていることが考えられます。 図2.血中リコピン濃度の変化 (平均±標準誤差,*:P<0.01(対応のないt検定)) 2.肌状態の評価 ・頬部 頬部の肌状態について、水分量、油分量、弾力、角質層の状態を評価いたしました。 角質層の細胞面積※は摂取前と後で比較したところ、ミネラルウォーター摂取群では変化はありませんでしたが、トマトジュース摂取群では有意な上昇が確認され、角質層の状態が改善したことが示唆されました(図3)。 その他の項目についてはトマトジュース摂取による顕著な変化は認められませんでした。 図3.試験前後の角質細胞面積 (平均+標準誤差,*:P<0.05(対応のあるt検定)) ※角質層の状態の評価法 テープを使って採取した角質層を染色し、角質細胞の面積と折り重なっている細胞の割合を算出することで、角質層の状態について評価します(図4)。肌の新陳代謝が正常に行われないと、未熟な細胞が肌の表面に押し出されたり、通常剥がれ落ちるはずの角質細胞が残存したりします。 つまり、新陳代謝が正常でない肌では角質層の状態が不均一になり、折り重なって採取される細胞が増加します。 ・細胞面積:解析エリアのうち、角質細胞が占める割合 ⇒高いほど正常 図4.角質層の状態の評価法 ・全顔 ®ロボスキンアナライザーを用いて、撮影した顔面画像からシワ、色素沈着(シミ)、色味、毛穴、赤味について解析しました。 その結果、摂取前後での眼下のシワの数の変化量において、トマトジュース摂取群で8週目と12週目に有意な減少が確認されました(図5)。 その他の項目についてはトマトジュース摂取による顕著な変化は認められませんでした。 図5.眼下のシワ数の経時的な変化 (平均±標準誤差,*:P<0.05、**:P<0.01(対応のないt検定)) ≪まとめ≫ 今回の研究から、トマトジュースを継続的に摂取することで、角質層の状態が改善してバリア機能が高まる、眼下のシワが減少するといった肌状態によい効果をもたらす可能性が示唆されました。 ■用語の説明 リコピン: カロテノイドのひとつで、トマトに多く含まれる赤い色素です。カロテノイドの中でも優れた抗酸化活性を有しており、活性酸素が原因と考えられる様々な疾病に予防効果を示すことが期待されています。脂溶性であることから油とともに摂取すると吸収性が高まります。 紫外線: 地表に届く太陽光の中で最も波長の短いものです。紫外線は波長によってUVA、UVB、UVCの3つに分けられます。UVCはオゾン層にさえぎられ、地表には届きませんが、UVAやUVBは地表まで届きます。紫外線は体内でビタミンDを作るのを助けるなどよい影響もありますが、一方浴びすぎると皮膚や目など生体に悪い影響を及ぼすことがあります。紫外線の強さは時刻や気象条件により変わりますが、一日の中では正午ごろ、季節では5〜8月頃に最も強くなります。 活性酸素: 酸素分子から派生する、酸化力が強い物質の総称で、体中では細菌に対する攻撃やエネルギー産生に関与していますが、過剰に存在すると生活習慣病の原因になります。 角質層: 角質層は肌の最外層に位置しており、角化した扁平な角質細胞(死細胞)が重なった層です。外界からの異物の侵入を防ぐバリア機能と水分の蒸発を防ぐ保水機能を持っています。 ®ロボスキンアナライザー: 撮影ボックスを用いて全顔の画像を撮影する装置であり、シワ、色素沈着(シミ)、色味、毛穴、赤み、について解析を行いました。 【資料】学会発表の要旨 [演題名] トマトジュース摂取が皮膚に及ぼす影響 [発表者] ○大亀 友華1・山本 紗代1・相澤 宏一1・乃木田 俊辰2、3 1)カゴメ株式会社総合研究所 2)新宿南口皮膚科 3)東京医科大学皮膚科 [抄録] 【背景・目的】トマトには抗酸化物質のリコピンが多く含まれる。リコピンは皮膚に蓄積することから、活性酸素から皮膚を保護する作用が期待される。そこで、本試験では継続的なトマトジュース摂取が皮膚に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。 【方法】健常な成人男性15名、女性21名にトマトジュース(リコピン16mg/day)またはミネラルウォーターを12週間摂取し、摂取前後に血液と角層を採取して、血中リコピン濃度及び角層細胞面積、多重剥離度を測定した。また、摂取前、4、8、12週後に顔面の水分量、油分量、粘弾性を測定した。 【結果】トマトジュース摂取後で血中リコピン濃度の有意な上昇が見られ、角層細胞面積が有意に上昇することが確認された。また、頬部の弾力の指標がトマトジュース群でミネラルウォーター群より高い傾向が認められた。以上より、継続的なトマトジュース摂取は皮膚の状態を改善する可能性が示唆された。 |