まだまだ日本では馴染みのないビオホテル (Biohotel)。ドイツ語でオーガニックを意味するビオ(Bio)をとって名付けられたオーガニックホテル、通称ビオホテルのことを皆さんはご存知ですか?
今回は、本場欧州のビオホテルの魅力について迫りたいと思います!
ビオホテルとは?
本協会が誕生したのは2001年。意識の高いオーストリアのホテル経営者や生産者らが集い、ドイツのオーガニック民間認証団体Biolandのサポートを受けて発足しました。
現在、本協会よりビオホテル認証を受けているのは、ドイツ、オーストリア、スイス、イタリア、スペイン、ギリシャ、スロベニアの7カ国にある100軒ほどのホテルで、その多くはドイツとオーストリアに密集しています。合わせて全部で約4500個のベッドが存在し、毎年300,000人の宿泊者が訪れています。
日本では、ビオホテル協会の公認を受けたBIO HOTELS JAPANが2013年に発足し、以来独自の基準を設けてビオホテルの国内普及に努めています。
現在、福島県と長野県に2軒ビオホテルがあります(2017年6月現在)。
ビオホテルの認証基準
ビオホテル協会が設けている基準はとにかく厳しくて細かい!なんと、例外処置にまで渡って細かい決まりがあります。
例えば、
食品、飲み物は原則オーガニック認証を取ったもののみ使用可能:
・ホテルで提供される食事や飲み物は、オーガニック認証を取ったものもしくは、それと同等に厳しい条件下で作られたもの、ないし野生採取のもののみ
・できるだけ地元産であることが望ましい
・魚や肉は、漁業者や畜産農家から直接購入するか持続可能であるという漁業認証や産地証明などがあるものに限る
・ホテルの畑は有機畑として認証を受けていること
・レンジの使用禁止
・ソフトドリンクとビールはオーガニック認証を受けたもののみ
など。
例外:
・食品、ソフトドリンク、ビールは、ホテル1軒につき3品まで協会基準外の製品を使用してもよい
・協会基準外製品を使用する場合は、宿泊者がそれとわかるように明確に表記する
・協会基準外製品を使用する場合は、1品につきそれぞれ基準外料金が徴収される
などです。
コスメはオーガニック認証を取ったもののみ使用可能:
・ホテルの部屋やショップなどで使用・販売するコスメは、協会が指定する「ナチュラル、オーガニックコスメ認証」をとったコスメのみ
・協会指定以外のナチュラル、オーガニックコスメ認証コスメを使用する場合は、都度協会から許可を得る
環境マネジメントの徹底:
・環境認証であるエコホテル認証(ehc: eco hotel certified)の認証取得
・再生エネルギーの使用
・再生紙やFSC認証紙の使用
・継続的なC02排出量の改善(C02排出量の値が明確に決まっている)
など。
更に、基準には含まれないものの各ホテルが自主的に取り組んでいるのが、寝具やタオルなども認証を受けたオーガニックコットン素材のものを揃えていることなど、上記がビオホテルの基準としてあげられます。
ビオホテルの基準は年々厳しくなっている!
ビオホテルには毎年検査が入り、基準が遵守されていないとみなされた場合は、罰金や強制退会が課せられます。
ビオホテルの基準が協会設立当初からここまで厳しく管理されていたわけではありません。あるのはむしろ、長い年月をかけて協会が抱いている思いやアイデアを少しずつ形にしていった歴史です。
主なビオホテル基準の歴史:
2001年:食品基準の導入
2006年:飲料基準の導入
2010年:コスメ基準の導入
2011年:エコホテル認証(EHC: eco hotel certified)の導入
2018年:ワイン基準が更に厳しくなる予定
ビオホテルの基準は、今後更に厳しくなっていくと考えられています。
本場ドイツよりビオホテルのご紹介
Biohotel Mattlihüs(ビオホテル・マトリヒュース)経営者Alexander Geissler氏と
私がオススメしたいビオホテルは、南ドイツ、バイエルン州アルゴイ地方にあるBiohotel Mattlihüs(ビオホテル・マトリヒュース)。
標高1200メートルにあるこちらのホテルは、ハイジが出て来そうなアルプスの眺めが何と言っても豪華!部屋のどこにいても目に入ってくるので、この壮大な眺めが部屋の一部と化していました。
食事・飲み物はもちろんオーガニック100%。アメニティーやスパのコスメ、リネンもオーガニック。さらにドイツ人は無愛想な人が多いという印象が強いですが、ここはホテル到着後、フロントの方が丁寧に席を立って握手でお迎えしてくれます。
こちらのホテルは、「Holz100」という建物で有名。
家の中の空気を吸っているだけで化学物質化敏症やアレルギーなどの様々な健康障害を発症すると言われる猛毒環境ホルモンや有害物質が多くの住宅に使用されていると言われる中、Holz100では有害物質ゼロの空間づくりが徹底されています。
具体的には、壁紙や接着剤などの化学物質を一切使用せず、無垢、天然石、壁土といった自然素材のみを使って特殊な建築工法を採用して建てられています。また、電磁波にもさらされない工夫が随所でなされ、スパや受付付近などは風水にもこだわり抜いた建物になっています。
「Galerie Suite Holz100」というお部屋は、筒抜けの2階にバスタブがボンと置いてあるという斬新なデザイン。
ホテルが所有するオーガニックハーブ園で栽培されたドライハーブと塩でできた手作りバスソルトが用意されています。お風呂に浸かりながら見えた天井窓を通して見える青い空と横の窓から見えるアルプスの麓の景色が本当に最高でした。
Holz100のお部屋は無垢材むき出しで、温もりや香りがなんとも言えません。ここにいるだけぎゅっと優しく包まれているそんな気にさせてくれます。息をしているだけで心身ともに癒される、宿るエネルギーがとにかくポジティブなビオホテル・マトリヒュース。
皆様にも是非一度体験していただきたいのですが、そうはいってもいきなりドイツまでいくというのは難しいと思います。いつかビオホテルに宿泊してみたい!という方は、コラム末尾の動画を参考になさって下さい。
私がビオホテル・マトリヒュースを取材した際の動画をご覧になれます。
(この動画では、Holz100の内装・外装、食事やホテルからの眺め、経営者の思いなどが垣間見れます。)
ビオホテルが流行れば流行るほど、社会は豊かになる。
7各国に存在する100軒近いビオホテルのビジネスは、小学校の校庭約8000-9000個分はいる広さの有機ほ場に支えられていると言われています(約8000-9000ヘクタール)。
ビオホテルが流行れば流行るほど、
・地域の有機農家さんの暮らしが安定する
・その地域の水質・土質が改善する
・もっと広い範囲の環境負荷も軽減する
・関わる全ての命の健康を促進できる
・オーガニックが心地よいものとして更に広まって行く
そんな「プラスの循環」を生み出していけるのがビオホテル。
ビオというドイツ語はもともとはギリシャ語のBiosで、「命」が語源となっています。ビオホテルはまさに命をつなぐホテル。
宿泊客だけではなく、周囲や関わる全ての命を豊かにしてくれる。そんなビオホテルを是非とも次回の旅行の目的地にしてみるのはいかがでしょうか。
Biohotel Mattlihüs(ビオホテル・マトリヒュース)
Familie Geißler
Iselerstraße 28
87541 Bad Hindelang/Oberjoch
www.mattlihues.de
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