食物繊維が足りなくなるとニキビになりやすくなる、というのは腸内環境と肌の状態というのが密接な関係にあるからです。
この食物繊維には水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と水に溶けにくい「不溶性食物繊維」があり、それぞれ体内での働きが違います。お腹の状態によって上手に使い分けましょう。
食物繊維と肌の関係、水溶性と不溶性の摂取量のバランスなどについて知ることでニキビ対策をしていきましょう。
食物繊維でニキビ対策
「肌は内臓の鏡」といわれる通り、便秘や腸内環境の悪化は肌トラブルの元。
腸内環境を整えることで便秘予防や改善につながって、老廃物の排出に役立つんです。食物繊維は消化されずに体の中を通過していくことで体に影響を与えます。
老廃物が腸内にとどまってしまうと腸内環境が乱れてしまい、善玉菌が減って悪玉菌が繁殖します。悪玉菌はガスなどを作りだし、血中に吸収されます。血液を通して全身にいきわたるとイライラや食欲低下、疲労感、そして肌トラブルにつながります。
また腸内環境が悪化すると自律神経の働きが乱れたり、全身の血流自体が悪くなったりするので、やはりお肌に悪影響です。
さらに言うと老廃物や有害物質が体内をめぐるということは、それを無害化しようとする肝臓に負担をかけることになります。腸内環境が悪い状態を放置すると、肝臓の機能低下につながり、またそれも肌トラブルを引き起こす原因にもなります。
つまり腸内環境が悪くなるとニキビはもちろん、身体すべてに対して悪循環を起こしかねないので、食物繊維が不足しないようにしましょう。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の違いや効果
水溶性食物繊維は、糖質の吸収をおさえたり脂質代謝の調整をしてくれる他、私たちの体に好ましくない物質の吸収を防いでくれます。また腸内ではビフィズス菌などの善玉菌を増やし、大腸菌などの悪玉菌を減らしてくれるので腸内の環境を整える作用もあります。
不溶性食物繊維は胃の中で水分を吸収し約10倍にふくらんで胃腸の働きを活発にすることで排便を促す働きをします。排便を助けるので便が腸内にとどまる時間が短時間ですみます。悪玉菌が繁殖したり、身体に害をもたらす時間を与えないんですね。
食物繊維の摂取と量について
便の回数が少なくて、お腹がゴロゴロいわず動いている感じがない場合は、「不溶性食物繊維」を摂ると、腸が刺激されて動きやすくなります。
お腹はゴロゴロいっていて動いている感じがするのに便が出ない場合や、うさぎのフンのようなコロコロ便や便秘と下痢を交互にする場合は、「水溶性食物繊維」を摂りましょう。
このタイプの場合は「不溶性食物繊維」を多く摂ると腸が刺激されるだけで、コロコロ便ばかりになることがあります。
食物繊維の水溶性と不溶性の割合
食物繊維の水溶性と不溶性の割合は、それぞれの効能の違いがあるため1:2で摂るのが理想的なバランスであると考えられています。
これは慢性便秘症の患者に不溶性食物せんい14g、水溶性食物せんい7gの割合で摂取してもらったところ排便に対して最も良い結果があったという研究結果に基づいているようです。ただし厳密にこの割合を守る必要はなく、あくまでも一例です。
食物繊維の必要量は「1日に1回、規則的に排便がある」ことをひとつの目安にすると良いでしょう。排便量は一日に約150g(Mサイズの鶏卵約3個分)です。また明るい色(黄土色系)の便で水に浮く状態なら食物繊維は摂れていると思って良いでしょう。
こういった状態なら食物繊維は足りているので必要以上に摂る必要はありません。
食物繊維をとりすぎるとどうなる?
食物繊維は摂取量に上限量が定められていません。食物繊維のとりすぎによる過剰症はないと考えられていますが、まれに下痢を引き起こす場合があるようです。
また食物繊維というのは便と一緒に栄養素を出してしまうんです。とりすぎは栄養素の消化率をどんどん低下させてしまうということです。
普通の食生活であれば、このことによるエネルギーの損失はわずかです。ただダイエット中などでエネルギー摂取量が少ない場合は問題があるんですね。特に鉄やカルシウムなどのミネラルをあまり摂ってない状態で食物繊維を多く摂取してしまうと、ミネラル不足となってしまい貧血を起こす可能性があります。
食物繊維の摂りすぎが貧血につながるなんて驚きですね。あなたも食生活と食物繊維をとる量に気を付けてくださいね。
以下に食物繊維の標準的な摂取量の目安を記載しています。
食物繊維の目標摂取量(mg/日)
- 男性
- 18~69歳:20g以上
- 女性
- 18~69歳:18g以上
食物繊維の多い食べ物
食物繊維には、飲料や加工食品に利用されている人工の食物繊維があり、同様の作用を持ちますが、天然の食物繊維の方が比較すると作用は強いと考えられています。そのため食物繊維は天然のものを摂取する方が良いと言われています。
水溶性食物繊維は、海藻、果物、いも類、豆類、野菜等、不溶性食物繊維は、穀類、豆類、いも類、きのこ、野菜等に多く含まれています。
水溶性・不溶性の食物繊維を知っていても多く含まれている食品を勘違いしていることも多いです。確認して上手にバランスを摂っていきましょう。
食物繊維の食品100g当たりの含有量/g(水溶性:不溶性)
豆類
- ひよこ豆(フライ):21.0g(1.1:19.9)
- えんどう豆(塩豆):17.9g(1.1:16.8)
- あずき(乾): 17.8g(1.2:16.6)
- だいず(乾): 17.1g(1.8:15.3)
- きな粉: 16.9g(1.9:15.0)
- そら豆(フライ): 14.9g(–:–)
- いんげん豆(ゆで):13.3g(1.5:11.8)
- ひよこ豆(ゆで): 11.6g(0.5:11.1)
- おから: 9.7g(0.3:9.4)
- えんどう豆(ゆで): 7.7g(0.5:7.2)
穀類
- 大麦: 9.6g(6.0:3.6)
- オートミール: 9.4g(3.2:6.2)
- とうもろこし玄穀:9.0g(2.0:7.0)
- コーンミール: 8.0g(0.6:7.4)
- アマランサス: 7.4g(1.1:6.3)
- ライ麦パン: 5.6g(2.0:3.6)
- パン粉: 4.0g(1.6:2.4)
- 肉まん: 3.8g(0.9:2.9)
- 焼きふ: 3.7g(1.1:2.6)
- 小麦粉(中力粉): 2.8g(1.2:1.6)
野菜
- とうがらし: 46.4g(5.4:41.0)
- かんぴょう(乾): 30.1g(6.8:23.3)
- 切干大根(乾): 20.7g(3.6:17.1)
- エシャロット: 11.4g(9.1:2.3)
- しその実: 8.9g(0.8:8.1)
- しそ: 7.3g(0.8:6.5)
- パセリ: 6.8g(0.6:6.2)
- ごぼう: 6.1g(2.7:3.4)
- ゆりね: 6.0g(3.2:2.8)
- モロヘイヤ: 5.9g(1.3:4.6)
- グリンピース: 5.9g(1.2:4.7)
きのこ類
- きくらげ(乾): 57.4g(0.0:57.4)
- 干ししいたけ: 41.0g(3.0:38.0)
- まつたけ: 4.7g(0.3:4.4)
- エリンギ: 4.3g(0.3:4.0)
- えのきだけ: 3.9g(0.4:3.5)
- しめじ: 3.7g(0.3:3.4)
- しいたけ: 3.5g(0.5:3.0)
- マッシュルーム: 3.3g(0.1:3.2)
- マッシュルーム缶:3.2g(0.5:2.7)
- まいたけ: 2.7g(0.3:2.4)
- なめこ: 2.7g(1.1:1.6)
海藻類
海藻は水溶性と不溶性の分析が難しいそうで厚生労働省でも数値の発表には至っていません。
ですが水溶性食物繊維である低分子化アルギン酸ナトリウムが豊富という見解です。昆布などから抽出されサプリメントにも使われていますよね。
- 寒天(乾): 74.1g(–:–)
- ひじき(乾): 43.3g(–:–)
- あおのり(乾): 38.5g(–:–)
- 焼きのり: 36.0g(–:–)
- わかめ(カット):35.6g(–:–)
- わかめ(素干し):32.7g(–:–)
- 昆布(乾): 31.4g(–:–)
- あおさ(乾): 29.1g(–:–)
- とろろ昆布: 28.2g(–:–)
- 味付けのり: 25.2g(–:–)
イモ類
- マッシュポテト(乾):6.6g(2.5:4.1)
- さつまいも: 3.5g(1.1:2.4)
- フライドポテト: 3.1g(1.0:2.1)
- しらたき: 2.9g(0.0:2.9)
- やまといも: 2.5g(0.7:1.8)
果物
- 干し柿: 14.0g(1.3:12.7)
- プルーン(乾): 7.2g(3.4:3.8)
- ゆず(果皮): 6.9g(3.3:3.6)
- アボガド: 5.3g(1.7:3.6)
- レモン(全果): 4.9g(2.0:2.9)
- ラズベリー: 4.7g(0.7:4.0)
- きんかん: 4.6g(2.3:2.3)
- 干しぶどう: 4.1g(1.2:2.9)
- ブルーベリー: 3.3g(0.5:2.8)
- キウイフルーツ:2.5g(0.7:1.8)
まとめ
食物繊維は人間の消化酵素では消化されない成分で、以前は無駄なものと考えられていたようです。しかし今では炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの五大栄養素と同じく重要な栄養素です。
一般的には便秘改善に良いということでよく知られていますが、他にも肥満予防や生活習慣病予防に役立っていますし、腸内環境を整えるなどの体調に関わる働きをしているお肌にも影響しています。
ニキビ対策には食物繊維が不足しないように気を付けましょう。