【五穀ミルク】は食物繊維たっぷり。肥満・高脂血症・大腸ガンなど生活習慣病を予防する

●解説してくれる人
嬉野温泉病院内科/江崎雅夫 先生
●先生のプロフィール
えぎまさお
福岡大学病院内科・健康管理科、国立小倉病院、福岡天神クリニックなどをへて、現在、嬉野温泉病院内科勤務

五穀や雑穀が脚光を浴び始めた

五穀とは、玄米、麦、ハト麦、ヒエ、アワ、キビ、黒米、赤米、そば米……など、穀類の総称です。
数十年前まで、日本人の主食は五穀でした。精米した白米を食べるようになったのは、人類の歴史のなかでもごく最近のこと。それまでは玄米を食べ、五穀を米や麦にまぜて炊いていたのです。
ところが、玄米を白米にする精製過程で、ミネラルやビタミン類たっぷりの胚芽やぬか層は削りとられてしまいます。それに伴い、ミネラルとビタミン類の日本人の平均摂取量は低下しました。
けれども最近になって、五穀の有用性が注目を集めるようになりました。麦やヒエ、アワ、キビなどの五穀は未精製なので、栄養分を余すところなく摂取できます。
五穀の特筆すべき2大栄養成分は、食物繊維とミネラルです。この2大成分についてお話ししましょう。


五穀の秘密は食物繊維とミネラル

現代の日本人の食物繊維摂取量は、目標摂取量の約6割にとどまるといいます。
食物繊維は、人間の消化酵素では消化されません。しかし、腸に入ると、善玉の腸内細菌のエサになり、善玉菌をふやし、腸内の環境を整えます。
また、食物繊維は、腸内を通過するときに腸を刺激して蠕動運動を起こし、便意を促します。あるいは、腸壁にこびりついた老廃物や発ガン性物質などの有害物質を絡めとって、便として排出します。
このように便秘をはじめ、大腸ガン、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状、高血圧や高脂血症、高コレステロールなどの生活習慣病、そして肥満も、食物繊維の不足が一因と考えられます。
さて、五穀にはミネラルも豊富です。ミネラルは、神経の刺激伝達を助けたり、新陳代謝などの化学反応を促したりと、体の機能調節に欠かせません。
欠乏すると、鉄なら貧血、カルシウムなら骨粗鬆症、慢性的なミネラル不足は心臓疾患、ガンなどの危険を高めます。ナトリウムが過剰になり、カリウムが少なければ、高血圧が心配されます。
ビタミンB群も多く、たとえばナイアシンは、糖質や脂質の代謝に不可欠です。コレステロールや中性脂肪を下げる働きもあり、肥満を防ぐ作用も期待できます。


五穀を粉末にして吸収を高める

未精製の穀類、すなわち五穀こそが、現代人に不足している栄養成分のかたまりであることがわかりました。
この五穀を粉末にして、牛乳にまぜた飲み物が、五穀ミルクです。こまかい粉末にすれば、栄養成分の吸収を高めることができます。五穀ミルクは、すぐれた成分を効率よく体内にとり込む食品といえるでしょう。
また、食物繊維を豊富に含んでいるので、満腹感が得られます。やせたい人は食前に飲めば、おなかがふくれて、食べすぎを防ぐことができるでしょう。
現在、3人に1人の女性が便秘に悩んでいるといいます。肥満と便秘、これらの現代病を解決する方法のひとつが、 五穀ミルクです。足りない栄養素を補いながら、便秘体質を改善して、健康的なダイエットに役立ててみませんか。


五穀は、食物繊維と微量栄養素の宝庫だ!

押し麦
消化がよい。副腎皮質に働きかけてストレスを解消する作用や、精神安定の効果も。カルシウムが白米の約4倍!



赤米
古代米とも呼ばれる。タンニン系の色素を含む。体をあたためるので、冷え症の女性におすすめ



黒米
古代米とも呼ばれる。アントシアニン系の色素を含む。ミネラル類やビタミンB群が豊富



ヒエ
カルシウムが豊富で、骨粗鬆症の予防に効果。穀物のなかでもアレルギーになりにくいと食材とされる



キビ
亜鉛を多く含むので、味覚を正常に保ち、免疫系を高め、感染症を予防。皮膚の老化を防ぐ若返り効果も



ハト麦
煮汁はハト麦茶でも知られる。ビタミンB群が豊富。中国では利尿薬、解毒薬などに使われてきた。美容効果もあり



そば米
良質のタンパク質を含む。ルティンの働きにより、強い血管をつくり、高血圧を防ぐ。ナイアシンは白米の3倍!



アワ
鉄分が多く、貧血の改善に役立つ。豊富に含まれる必須アミノ酸によって、不眠症に悩む人にはおすすめ



牛乳のカルシウムが骨粗鬆症を予防。すぐれた栄養バランスの【五穀ミルク】こそ、健康的にやせたい人の味方だった

牛乳はカルシウム食品の王様

100g中の普通牛乳に含まれるカルシウムの量は100mg。牛乳は、カルシウムの含有量が高いだけでなく、カルシウムの吸収率も高い食品です。
カルシウムは、日本人に最も不足している栄養素のひとつです。魚・海草・豆類・穀類などが食卓にあまり上らなくなったことや、運動不足が影響しているのでしょう。
体内のカルシウムは、99%が骨や歯のなかにあって、その強度を保っています。残りの1%は血液や細胞のなかです。
たった1%といっても役割は重大。血液や細胞のカルシウムは一定量に保たれていて、筋肉を収縮させたり、ホルモン分泌を助けたり、脳から神経への情報伝達に関わったりしているのです。
もし、血液中のカルシウムが足りなくなると、体は自動的に骨からカルシウムをとり出し、血液に送り込みます。つまり、カルシウム不足の状態がつづくと、骨からどんどんカルシウムが流出してしまうのです。
ですから、カルシウム不足は骨粗鬆症を引き起こします。とくに閉経以降の女性は、女性ホルモンの分泌が少なくなる関係で、骨の老化のスピードが早まるため、カルシウムの補給は必須です。
骨粗鬆症の予防は、カルシウムを充分に摂取し、日光の下で適度な運動をすることで対応できます。年配の人もカルシウムの摂取に心がければ、骨量が失われるスピードに待ったをかけることができます。
また、カルシウム不足で血行や血液の状態が悪くなると、高血圧や動脈硬化の一因にもなります。
しかも、カルシウムはたくさん摂取しても、すべてが吸収されるわけではないという、やっかいな成分でもあります。吸収率を比較してみると、牛乳が摂取量の50〜60%、魚は約40%、野菜は約20%。つまり、牛乳のカルシウムはたいへん吸収されやすいといえます。
年とともにカルシウムの吸収率は落ちていきますから、牛乳でカルシウムを補いたいものです。


栄養バランスの整ったダイエット食品【五穀ミルク】

このところ、無謀なダイエットをつづけて体をこわす若い女性がふえています。まったく食べなかったり、偏った食事をしたりで、栄養のバランスが崩れ、カルシウムが不足した結果、20~30代の女性の骨密度が50~60代の女性と同じ、ということも珍しくないそうです。
無理なやせ方をしても、肌がガサガサになったり、顔色が悪かったり、病気になったりでは、決して美しいとはいえません。
けれども、牛乳と五穀が合体した五穀ミルクなら、栄養バランスが整ったメニューです。食前に五穀ミルクを飲めば、不足しているカルシウムや食物繊維を補えるばかりか、快適なお通じを得ることができます。無理をしたり、ガマンをつづけたりすることなく、健康的な理想の体型に近づくことができるでしょう。全身の新陳代謝がよくなれば、みずみずしい肌つやも手に入ります。
牛乳を飲むとおなかがゴロゴロするという人は、牛乳をあたためてから、五穀の粉末をまぜてください。牛乳が苦手な人は、五穀の粉を加えることで、香ばしい風味が広がり飲みやすくなります。脂肪が気になる人は、低脂肪乳を利用するとよいでしょう。
五穀ミルクは、ダイエットが目的の人にも、便秘に悩んでいる人、体調がすぐれない人にも、おすすめしたい飲み物です。