米CNNがフェイスブックの読者アンケートによる「グルメ旅の世界ランキング ベスト10」を6月に発表しました。圧倒的な得票差で首位に立ったのは台湾。うんうん、台湾は旅行者のお財布にやさしいB級グルメも楽しいし、小さな島ながら郷土料理もあるし、納得です。
国が熱心にPRしている我らが日本は微妙な5位で、思うことはいろいろあるけれど、それはまあいい。で、2位につけた国の名を見てびっくりしました。
あの美食国家フランス(圏外)でもイタリア(3位)でもなく、世界三大料理のトルコ(圏外)や中国(香港が7位)でもなく、なんとフィリピンだったのです。
フィリピンといえば、日本で知られているのは、フィリピンマンゴーやバナナ、ミニストップの夏の風物詩「ハロハロ」くらい。「これがフィリピン料理」と、代表的なメニュー名をすぐに挙げられる人は少ないのではないでしょうか。
けれども世界では、フィリピンの食材と料理が、すでに注目されはじめています。
世界の食の祭典がマニラにローンチ
フィリピンの首都マニラではこの4月、美食の祭典「マドリード・フュージョン・マニラ」が開催されました。「マドリード・フュージョン」は、毎年1月にスペインのマドリードで開かれる料理学会と食の祭典です。スペインの料理界といえば、「世界一のレストラン」といわれた「エル・ブリ」をはじめ、料理を科学的に分子レベルにまで分析・研究した「分子ガストロノミー」で一世を風靡しました。学会では、世界の最新技術や食材が披露されるため、世界中の料理人やジャーナリストの関心を集めています。その祭典が、今年はじめてマニラにローンチしました。
展示場にはフィリピンのさまざまな特産品が並んでいましたが、なかでも目を引いたのが、美肌や健康にいいということで日本でもブームのココナッツオイルやココナッツミルクです。ココナッツは、中鎖脂肪酸という代謝を促進して脂肪を燃焼するといわれる成分を多く含むことから、ダイエット効果が期待されているそう。
マニラ郊外には、そんなココナッツを敷地内でオーガニック栽培し、自家製のエキストラバージンオイルやミルクをつくっている「ザ・ファーム・アット・サンベニート」があります。ここはスパでのトリートメントとヘルシーな食事を組み合わせた滞在型のヘルスリゾートで、世界の著名人、たとえば日本人では女優の川島なお美さんといった情報に敏感な人たちが、すでに足を運んでいました。
アジアのベストレストラン50にランクイン
美食トレンドもおもしろいことになっていて、世界レベルの料理人やレストランがいくつか登場しています。そのひとつが、マニラから60kmほど南下した、日本でいえば軽井沢のような避暑地・タガイタイにある「アントニオス」です。アジア全域を対象にした「アジアのベストレストラン50」の2015年版で、フィリピンからはじめて48位にランクインしました。
レストランは、スペインの影響を感じるコロニアル建築の瀟洒な一軒家の邸宅。丘の中腹にたたずみ、明るい光と豊かな緑に包まれてリゾート感たっぷり。ランチに行ってみると、シンガポールのフードジャーナリストふたりが取材と視察に訪れていました。
マニラを拠点に、ヘルスリゾート「ザ・ファーム・アット・サンベニート」と組み合わせれば、フィリピンの食の“いま”をコンパクトに体験できるこのルート。この様子では、たちまち予約が取れない人気の旅先になってしまいそうなので、ぜひお早めに。
■トラベルデータ
日本からフィリピンのマニラへは、各地から直行便が飛んでいる。羽田空港からの飛行時間は約4時間。公用語はタガログ語。英語は共通語で、どこでも英語が通じる。時差はマイナス1時間。通貨はフィリピンペソで、1ペソ=約2.7円。
*データは2015年4月取材時のもの
■取材協力: