ニキビの悪化の程度を判断する1つの目安として、「かゆみ」があるかないかがあります。
ニキビがかゆいということは、ヒスタミンという痒み成分が分泌されている証拠であり、このヒスタミンが分泌されるきっかけになるのが、炎症です。
つまり、ニキビの見た目がどうであれ、かゆみがあるということは、毛穴内部で炎症が起こっている可能性が高いので、ニキビの程度としては赤ニキビ以上、かなり進行している状態だといえるんですね。
さらに付け加えると、角質層のバリア機能が低下して皮膚が乾燥している状態だと、炎症が悪化しやすいうえ、知覚神経が角質層近くまで伸びてきているので、ちょっとした刺激に過敏に反応してかゆみを増幅して脳に伝えてしまいます。
いずれにせよ、ニキビのかゆみの原因は、ヒスタミンという痒み成分です。かゆみを何とかしたければ、ヒスタミンの分泌を抑制するといった対策が必要になります。
ニキビが炎症することで、ヒスタミンが分泌される
何らかの刺激を受けて、表皮と真皮の境界を走る知覚神経の末端にヒスタミンなどの「かゆみ物質」が作用すると、かゆみとして脳に伝わります。かゆみを感じて皮膚を掻くと、さらにヒスタミンが分泌されて、かゆみが増すという悪循環に陥ります。
このヒスタミンを分泌させるきっかけの1つがニキビの炎症です。
ニキビのかゆみの程度については体質や肌質に左右されることが多く、蕁麻疹(じんましん)やアレルギー体質の人はヒスタミンが分泌されやすいため、ニキビができると無視できないほどのかゆみがでてくることもあります。
また、ニキビと一緒に脂漏性皮膚炎、湿疹などを併発してしまうことでも炎症がきっかけになりヒスタミンが放出されるので「かゆみ」を伴うことがあります。
ヒスタミンにはかゆみをもたらすだけでなく、毛細血管拡張作用があり、炎症による赤みを増強させる作用があります。このことからわかるのは、かゆみのあるニキビは適切に対処しないと、ニキビ跡が残りやすいということです。
「掻いたところでかゆみの症状も抑えられないし、ニキビ跡も残りやすい。」
かゆいニキビの取り扱いには要注意だということです。
炎症をおこしていない白ニキビがかゆいのはなぜ?
かゆみのあるニキビのなかでも自律神経が乱れていることが原因のニキビは、特にかゆみが強くなりやすいといわれています。大人ニキビはほぼすべて該当するといっていいと思いますが、「サブスタンスP」というストレスホルモンが悪さをしているのがその理由です。
ストレスを感じた際に交感神経節からサブスタンスPは分泌されて、皮脂の分泌を増加させます。さらに、このサブスタンスPは、前述したヒスタミン(かゆみ成分)を増加させる作用があるともいわれているんですね。
ただでさえ、ヒスタミンが放出されると、肌がアレルギー反応をおこし、かゆみを感じるわけですが、サブスタンスPによってそれが増強されるので、人によっては我慢できないくらいのかゆみになることがあるわけなんです。
「ヒスタミン分泌のきっかけとなる炎症をおこしていない白ニキビがかゆいのはなぜ?」
という質問に対しても、ストレスホルモンであるサブスタンスPが交感神経節から分泌されてしまえば、ヒスタミンが増加して、知覚神経を刺激してしまうので、痒みが生じてしまうという答えになるのではないかとと思います。
かゆいニキビのメカニズム
ニキビの炎症
ヒスタミンが分泌されやすい蕁麻疹やアレルギー体質
脂漏性皮膚炎など他の皮膚病との併発
ストレスホルモン「サブスタンスP」の分泌
といった条件が揃うと、ニキビにかゆみが伴うことがあるということです。
また、ニキビかと思ったら実は、ニキビではなくアレルギーによるブツブツという可能性もあります。アレルギーのブツブツの場合も炎症が起きているためヒスタミンが分泌されて痒みがあることが多いです。
肌が乾燥していると、かゆいニキビは余計に悪化する!?
ニキビのかゆみの原因が「乾燥肌」だという情報を多く見かけますが、ちょっと敏感肌のムズムズとニキビのかゆみを混同しているように思われるのでここではっきりさせておきます。
乾燥肌(=肌のバリア機能が低下した肌)は、ホコリやダニなどアレルゲンや外部刺激に過敏に反応するようになってしまうので、肌がかゆくなるというのは確かにその通りです。
ただこれは敏感肌やアレルギー肌が感じやすい肌のムズムズの説明であって、ニキビ部分のみ局所的に痒いという場合の説明としては、おかしいです。
バリア機能が低下すると表皮と真皮の境界を走るC線維という知覚神経の末端が角質層まで伸びてきてしまい、刺激に弱くなってしまうんですが、このことが原因で感じる痛みやかゆみはもっと顔の広範囲に及ぶものなんですね。
局所的にかゆみがでてくるニキビとはやはり原因が違うと考えるべきです。点でかゆみや痛みがあるのは毛穴の炎症がヒスタミンの分泌を促進していると考えるほうが筋が通ります。
もちろん肌が乾燥していると炎症が頻発するので、そこにニキビができると、炎症がよりひどくなり、ヒスタミンの分泌を増加させて強いかゆみになるということが考えられるので、乾燥肌を放置することは良くありません。
保湿ケアでバリア機能を高めて肌体力をつけるというのは、間接的にニキビのかゆみを抑制することにつながりますし、何よりニキビそのもの発生や再発防止になるはずです。
乾燥肌は、ニキビのかゆみの直接的な原因ではなく、ニキビの炎症を悪化させる要因になるというのが正しい理解ではないでしょうか。
かゆいニキビの応急処置は「冷やすこと!」
いくらニキビがかゆくても絶対に掻いてはいけません。引っ掻いた刺激でヒスタミンを誘発する物質(神経ペプチド)が出て、さらにヒスタミンを分泌させてかゆみがひどくなるからです。
また、雑菌まみれの爪や指でニキビを触ってしまうことで細菌が侵入し、ニキビが悪化してしまう可能性もありますし、ニキビを潰してしまうこともあるからです。
では、どう対策したらいいかというと冷やすのが一番です。
おでこ・頬・顎etc、ニキビができている部分に氷やタオルを巻いた保冷剤などを当てて冷やしてみてください。冷やすことでヒスタミンを抑制できますし、知覚神経を一時的ですが麻痺させることができるのでかゆみを緩和できます。
どうにもかゆみが収まらないという場合は、皮膚科で抗ヒスタミン薬やサブスタンスPの働きを阻害したり、減らすための「かゆみ止めの薬」を処方してもらう必要がでてきます。
皮膚科の処方薬では「リンデロン」、市販薬としては虫刺され薬としておなじみの「ムヒ」がニキビのかゆみに効果がありますが、余程ひどい状態でなければ、冷やすことでほとんどのニキビのかゆみには対処できると思います。
かゆいニキビの応急処置から再発防止まで
応急処置としては冷やすことが一番
抗ヒスタミン薬を使ってかゆみを止める
抗炎症作用のあるニキビケア化粧品で炎症を鎮静化させる
肌のバリア機能を鍛える保湿重視のケアで予防・再発を防ぐ
いずれにせよ、ニキビを作らせなければ、かゆみに苦しむこともないはずですから、ニキビを作らせない、繰り返さない普段のスキンケアを見直すということが実は根本的なかゆいニキビの対策になるはずです。