なんだかおしりが臭う…痔のせい?
体臭は自覚しにくいといわれていますが、お尻の臭いは自分でもすぐに気がつくもの。それが臭いとなったら、何が原因なのか四六時中考えてしまうと思います。痔にかかっている場合は、症状によってお尻が臭くなる可能性があります。痔以外にもお尻が臭くなる原因は案外多いのです。どのような原因が考えられるのか詳しく調べたので、確認していきましょう。
どんなニオイ?痔の臭いの原因とは
原因1.出血による匂い
痔のタイプは複数ありますが、いぼ痔や切れ痔の場合は出血を伴うことが多いです。
いぼ痔による出血
いぼ痔での出血は痛みがなく、真っ赤なのが特徴です。いぼ痔の「いぼ」は正式には「内痔静脈叢(ないじじょうみゃくそう)」という血流が悪くなり大きくなってしまった部分のことで、排便の際に強くいきむと勢いよく出血します。血が直腸の部分にたまると時間が経って赤黒くなることがありますが、基本的に真っ赤です。
いぼ痔の初期段階である内痔核は痛みにつながる神経が通っていないため、傷はついても痛みは伴いません。
切れ痔による出血
切れ痔での出血は痛みがあり、真っ赤なのが特徴です。便秘や下痢による肛門周辺への直接的な傷が原因で出血するため、痛覚をつかさどる神経が近くを通っていて痛みを伴います。排便時だけでなく、排便後も痛みが続くことが多いです。出血量はそれほど多くありませんが、進行すると増える可能性もあります。
どちらの出血でも血特有の鉄のような臭いがあり、それがお尻の悪臭へとつながります。
原因2.傷口から出た汁・膿・粘液の臭い
痔瘻(じろう)は患部に膿がたまってしまうタイプの痔で、排便のいきみなどで膿が出てきてしまうと悪臭になることがあります。傷口から一緒に出てくる滲出液という汁や粘液が膿と混ざり、時間が経つにつれて少しずつにじみ出てきます。
痔瘻による膿は症状が改善されるまで少しずつ出続けます。刺激臭ではありませんが、唾液などの体液と似たような臭いがするそうです。今まで感じたことのない臭い、と思う人もいるようですが、そうした臭いがしたら何かしらのサインだと思って慎重に経過を観察しましょう。痔の症状が出た場合はすぐに肛門科に相談してください。
原因3.痔に付着している腸液や便の臭い
いぼ痔になった場合、トイレットペーパーでふくだけでは汚れをしっかり取れない可能性があります。いぼ痔は内痔核と外痔核に分かれていて、肛門の内側にできる初期段階を内痔核、進行して内側にあったいぼが外に出てしまったものを外痔核と呼びます。通常肛門の中に痔があるため、排便の際に肛門をふくだけでは中の痔まできれいにすることができず、結果、痔に着いている腸液や便の臭いで臭くなってしまうのです。
外痔核は肛門の外にできるため刺激を直接受け、痛みを伴う場合があります。しかし痔核そのものが臭いを発することは少ないため、体内の液体や便などの物質が悪臭の原因と考えられます。
原因4.脱肛によって漏れた便臭+粘液
いぼ痔が進行すると少しずついぼが大きくなり、排便する際にいきんだことでいぼが内側から外へ出ることがあります。同時に、それまで正常だった組織まで肛門の外に一緒に飛び出してしまうことがあります。肛門がひっくり返ってしまうこの状態を脱肛と呼び、手術などの外科的治療が必要になります。文字通り肛門がひっくり返るため、内側にあったはずの便や粘液の臭いが外に出てしまいます。
ほとんどのいぼ痔は初期治療で治すことができますが、抵抗力が低い高齢者の方や出産経験のある女性は脱肛になる可能性があります。普段からいきまないようにして、肛門へ負担をかけない生活をすることが大切です。
原因5.汗や血を吸い取った衣類の臭い
痔による出血や下着で蒸れて汗をかいたときの臭いが衣服に着き、それが臭くなることも考えられます。血や汗そのものも悪臭となる可能性がありますが、さらに衣服に着いたことで繊維の臭い、チリやホコリの臭いと混ざって埃っぽい鉄のような臭いになります。
痔の症状が出ているときは肛門周辺を常に清潔にしておき、万が一出血したり蒸れたりした時のため替えの下着を持ち歩くなどして対策しましょう。生理用品を活用するのも効果的です。
痔以外のお尻が臭い原因
お尻が臭くなる原因は痔だけではありません。他にどのような原因が考えられるのでしょうか。
肛門括約筋の緩みによる臭い・便の漏れ
肛門括約筋という肛門の筋肉が緩んでしまうと、便の漏れなどによって臭くなる場合があります。特に下痢の時は便そのものが緩いため、括約筋の緩みで外に出てしまうことが多いそうです。また、おならがすぐ出てしまうことにもつながり、こちらも臭いの原因となります。お尻は肛門があるので、体の中でも便のすぐ近くにある部分といえます。肛門括約筋を鍛え、便やおならの漏れを防ぎ臭いの元を断つようにしましょう。
肛門括約筋の鍛え方
- 肛門に意識を集中して2秒ごとにキュッと締めるようにする
- 10秒ほどギューっと締めるようにする
肛門括約筋は筋肉なので、他の筋肉と同様鍛えることができます。上記のトレーニングは最もシンプルな方法ですが効果はあるようなので、1日1回は行い、簡単に緩まない括約筋を目指しましょう。
汗が細菌の働きで悪臭に変化
汗は体のどの部分からも出ることのある体液です。通常ならちょっと酸っぱい様な独特の臭いだけで済みますが、細菌の働きによってさらに臭くなることがあります。
もともと汗そのものに臭いはありません。あの独特の臭いは、汗に含まれるエクリン腺という物質が皮脂や角質層と混じって留まることで菌が繁殖し、その後分解され発生します。この菌は常在菌といって、皮膚を守るバリアの役割を果たします。しかし汗や汚れがたまってしまうと菌が繁殖し、臭いの元となります。
汗と皮膚の臭いは健康のバロメーターにもなるため、強いにおいが発生している場合は皮膚科など専門の病院を受診しましょう。他の体の部位であれば制汗剤や汗ふきシートを使ってふき取ることができますが、デリケートなお尻はかえってダメージになることがあるため、通気性の良い服を着るなど工夫することをおすすめします。
肛門周りに毛がたくさん生えている
お尻が毛深く、特に肛門周りに毛が多いという人はそれが臭いの原因となる可能性があります。毛がたくさん生えているということは、それだけ汗をかいたときに水分をとどめやすい・蒸れやすいということです。また、排便の際に便や体液が毛についてきちんとふき取れない可能性もあります。こうした体質が臭いを体にとどめ、お尻が臭くなることにつながると考えられます。
あまり毛が濃いときは短く切るなど、処理をしましょう。自分で見るのが難しい場所なので、不安な人は美容クリニックでケアしてもらうのも一つの方法です。
出血による場合疑われるほかの病気
お尻から出血するのは痔の時だけではないようです。出血で考えられるほかの病気には以下のものがあります。
出血+粘液が混じるなら
出血と粘液の場合は、大腸がんが考えられます。また、下痢を伴う場合は潰瘍性大腸炎かもしれません。
大腸がん
大腸がんは初期段階だと症状がなく、非常に気づきにくいがんの一つです。ある程度進行してから出てくる症状としては、主に以下の4つがあります。
- 血便
- 下痢・便秘
- 腹痛
- 腹部のしこり
血便でなくても、出血と粘り気のある液体が出たときはがんを視野に入れたほうが良いでしょう。上記の症状さえ気づかずそのまま放置してしまうと、出血による貧血や腫瘍による腸閉塞を引き起こす可能性があり、突然の激しい腹痛や吐き気に襲われることがあります。
排便の際少しでも出血があれば、すぐに病院へ相談してください。
潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎は原因がはっきりしておらず、ストレスなどが因子の一つではないかといわれています。主な症状は以下の2つです。
- 下痢
- 血便
粘液のようなものが出血とともに出ることもあり、症状が強くなると腹痛や発熱を引き起こします。また、関節の痛みや体に発疹が出ることもあるようです。
初期治療がとても大切な病気で、早ければ薬剤治療や手術など様々な方法で治療にあたることができます。体内の免疫力低下が原因の一つとも考えられているため、健康な体作りが予防に欠かせません。
出血がどす黒いなら
血の色が黒い場合は胃潰瘍や十二指腸潰瘍が疑われます。また、大腸がんも出血が黒くなることがあります。
胃潰瘍
胃潰瘍の中でも出血性胃潰瘍は、便が黒くなる・血の色がどす黒くなるということがあります。これは胃潰瘍が重症化して消化器官が正常に機能していないためです。他の症状は以下の通りです。
- 貧血
- ふらつきやめまい
- 胃の痛み
胃の痛みを伴う場合は、強いストレスを感じるほか、お酒をたくさん飲んでいる、女性の場合は生理痛の痛み止めをよく使っているといったことが原因として考えられます。こうした状態が続くようであれば緊急入院が必要で、血圧低下を防ぐためすぐに点滴治療が始まります。
十二指腸潰瘍
十二指腸潰瘍も黒い便や出血が出ることがあります。症状は胃潰瘍と共通するものが多いです。
- 空腹時のキリキリとした痛み
- 貧血
- 食欲不振
- 胸やけ
胃潰瘍との違いは、空腹時の強い痛みです。食事を摂ると一度は治まりますが、空腹になると胃酸が潰瘍を刺激して再び痛み出します。
黒い便や出血のほか、胸やけや食欲不振も症状の一つです。これらは胃潰瘍でも見られる症状で、臓器の位置が近いためと考えられています。通常の体調不良と似たような症状が多いですが、無理せずすぐに病院へ相談しましょう。
ぽたぽた落ちる鮮血なら
ぽたぽたと真っ赤な血が流れるようなら、直腸がんの可能性があります。
直腸がん
直腸がんの初期症状は肛門からの出血です。真っ赤な鮮血がぽたぽたと落ち痛みがないのが特徴ですが、便に血が混じることもあります。
- 貧血
- めまい
- ふらつき
- 顔色が白くなる
出血のほか、上記症状も現れることがあります。いずれも体調不良として現れやすい症状のためそのままにしてしまう人が多いですが、肛門からの出血と共に上記症状がある場合はまず病気を疑いましょう。放置するとどんどん病気が進行し、取り返しがつかなくなる恐れもあります。
直腸がんの検査はカメラや造影検査といった特別重いものはないそうです。検便などの軽いものなので、安心して相談してください。
痔の臭いを消すための対策
お尻の臭いの原因が痔の場合、どのような対策がとれるのでしょうか。家や外で取り組める方法を具体的に紹介します。
ウォシュレットを活用する
臭いを消すには清潔さが大切です。お尻の清潔には、ウォシュレットを活用しましょう。トイレットペーパーで何度もふき取ろうとすると、肛門への直接の刺激となって痔が悪化する可能性があります。ウォシュレットは強さや温度を選ぶことができますし、水が当たるだけなのでやさしい力でお尻をきれいにすることができます。
外出先にウォシュレットがない場合は、携帯ウォシュレットも便利です。携帯ウォシュレットは文字通り携帯し持ち歩くことができるので、外出先や海外旅行などでも役に立ちます。
携帯ウォシュレットのつくりは商品ごとに異なりますが、性能の良いものだとワンタッチで利用できる電池式の商品があります。ウォシュレットが欠かせない、外出することが多いという人は検討してみてはいかがでしょうか。
お風呂でレスタミン石鹸を使う
レスタミン石鹸とは、肛門科で推奨されることの多い透明な石鹸です。肌の洗浄と同時に消毒や殺菌をしてくれる石鹸で、洗浄力にすぐれ泡立ちがいいのが特徴となっています。消臭効果も期待できるので、お尻の臭いをおさえてくれるでしょう。
お風呂でレスタミン石鹸を使う際は、しっかり泡立てて優しく洗うようにしましょう。指や物が肛門にあたらないように、できるだけ手で泡立てて泡だけをそっと患部に乗せるようにします。この方法だと刺激を極力減らすことができるのでおすすめです。
洗い流す時も、強いシャワーや熱いお湯は控えましょう。これらも肛門への刺激となることがあります。体温に近い38度程度のぬるま湯で優しく洗い流し、清潔を保ち、体臭の元を断ちましょう。
下着やズボンをこまめに消臭
血や体液が下着やズボンに着くことで臭くなる場合もあるため、こまめな消臭を心がけましょう。たとえば、トイレに行ったときに衣服に消臭スプレーをかける、会社などでデスクがある場合は足元に消臭剤を置く、日々の洗濯の時に消臭効果のある洗剤を使う、といった方法があります。
下着をかえるという方法もありますが、頻繁にできることではないので、消臭グッズを持ち歩きこまめに使っていくようにしてください。
痔そのものの予防・改善策
お尻の臭いをなくすには痔の予防や改善が必要です。どのようなことができるのか、生活習慣や市販薬の活用などから詳しく見ていきます。
セルフケア
日々の生活を見返し、健康的な習慣となるようセルフケアをして痔を予防・改善しましょう。
食事バランスを整える
栄養バランスの良い食事は健康体になるだけでなく、毎日活発に動く原動力となります。炭水化物、たんぱく質、ビタミン、脂質などを偏らずに少しずつ摂るようにしましょう。
また、便通を良くするために食物繊維や乳酸菌を積極的に摂ることをおすすめします。食物繊維は緑黄色野菜やきのこ類、海藻類に多く含まれます。乳酸菌はヨーグルトや牛乳、ナチュラルチーズなどに多く含まれます。決して食べすぎず、習慣化して食べるようにすると良いといわれています。
また、適度な水分補給も便通を良くします。ただし冷たい飲み物の飲みすぎは内臓を冷やし逆効果となるので、常温の水を少しずつ飲むといいでしょう。
適度な運動をする
運動を習慣づけると体の代謝が上がり、内臓が正常に働くようになります。体を動かすことで気分もリフレッシュするので、ストレスが原因になることもある痔の予防に効果的です。
運動不足の人は軽いストレッチからでかまいませんので、お風呂上りなど血行が良くなっているときに少しずつ行うようにしてください。
良質な睡眠をとる
良質な睡眠は一日の疲れをしっかり取り、体と心を癒します。寝る前にパソコンやスマートフォンを見ないようにするなど、できるだけ神経を刺激させないように過ごしましょう。
寝具が体に合わず睡眠不足になることがあるので、体の痛みを感じる場合は寝具の見直しも視野に入れてください。
排便習慣を身につける
食後の決まった時間にトイレに行くなど、排便習慣を身につけることも大切です。たとえ便が出なくても、体が便を出す準備をするように促していくだけで効果があります。
また、排便する際の姿勢にも気をつけましょう。強くいきまず、リラックスして自然と便が出るような姿勢を心がけてください。
市販薬や塗り薬を活用
市販薬や塗り薬を使って痔を改善することもできます。以下はおすすめの2商品です。
ピーチラック「乙字湯」
| 価格 | 内容量 | 効果・効能 | メーカー |
|---|---|---|---|
| 1,980円(税抜き) | 32包(1日朝夕2包で16日分) |
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漢方製薬研究所のピーチラック「乙字湯」は、軽度の痔の症状を改善してくれる漢方薬です。整腸作用のある漢方を組み合わせ、腸の働きを高めて健康的な排便習慣をサポートします。お尻のかゆみや痛みにも効果があるようで、少しお尻に違和感がある、なんだかお尻がかゆいという初期症状に効くといわれています。
漢方には満了処方と3分の2処方があります。成分量の違いで、満了処方は成分が多く含まれる分刺激が強いのですが、ピーチラック「乙字湯」は3分の2処方なので刺激が少なく、安心して飲むことができます。
プリザエース注入軟膏T
| 価格 | 内容量 | 効果・効能 | メーカー |
|---|---|---|---|
| 1,600円(税抜き) | 10個(1日1回~3回) |
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塩酸テトラヒドロゾリン、ヒドロコルチゾン酢酸エステルなどの有効成分が作用し出血や炎症を抑えるため、痔の応急処置におすすめです。市販薬なので手軽に手に入れることができ、急なお尻のトラブルの強い味方となってくれるでしょう。
病院で治療
お尻に違和感を覚えたら、病院に相談するのもいいでしょう。特に排便時の出血などは明らかな異常なので、恥ずかしいと思わずすぐに治療を受けるようにしてください。初期症状の段階で治療を受ければ、比較的すぐに完治させることができます。
しかし痔のタイプの中でも脱肛や痔瘻は、特に重い症状です。ここまで進行してしまうとセルフでの予防や改善が難しくなるため、すぐに病院で治療を受けましょう。
脱肛や痔瘻は痛み・出血だけでなく発熱を伴う場合があり、放置するのは危険です。無理をせず、できれば症状が悪化する前に病院へ相談してください。
症状が悪化する前に対策を
お尻が臭いと思ったら、痔の症状がないか確認しましょう。早い段階での原因解明が早期治療につながります。症状が悪化すると痛みがつらいだけでなく、日常生活に支障をきたすこともあります。そうなる前に予防・改善を行い、常にお尻が健康な状態でいるようにすることが大切です。
生活習慣などを見直し、お尻だけでなく体そのものが健康な暮らしを心がけてください。