ワキガと体臭というものを、同じものだと考えている方が意外と多いようです。ですが体臭が強くなっても、あのワキガの特徴的な臭いになることはありません。このふたつは、まったくの別物だからです。 ワキガに対する誤解のひとつとして「不潔にしているからワキガになる」というものが挙げられます。これは時として偏見となり、ワキガ体質の人に対して「まったく不潔なんだから…」というマイナスイメージが投影される原点にもなっています。確かに局所の清潔を保つことでワキガのニオイを軽減することはできますが、「ワキガだから不潔だ」ということには決してなりません。 たとえば風邪をひいて数日間寝こんだときなど、ろくに入浴もできず、布団にくるまって汗をかいたあとでは、誰でも体のニオイが強くなっていることに気づくでしょう。髪や皮脂のニオイ、さらに汗臭さも加わって、「あぁ、早く風呂に入ってサッパリしたいなぁ」などと思うはずです。ですがこれは、いわば不潔から来る体のニオイです。その人が本来持っている体臭とはまた別のものですし、もちろんワキガ臭とはまったく異なるものです。 私たち医師は職業柄、こうした「体のニオイ」を明確に区別しています。ワキガは体臭とは別のものですし、ましてや不潔だから発生するものではありません。そのあたりのことを、少しお話ししていくことにしましょう。 |