肌の新陳代謝のことを、一般的にはターンオーバーとよくいいます。平たく言えば、古い細胞から新しい細胞に生まれ変わることであり、これがあるお蔭で、私たちは今の体を維持していられるのです。
しかし、ターンオーバーはあらゆる影響によって乱れやすいものです。乱れることとは、体の維持に悪影響をもたらすということ。つまり、肌に何らかのトラブルが発生しやすくなるということです。
今回は、そんな肌のターンオーバーの乱れに悩んでいる方に向けて、少しでも正常化を講じることができるよう、知識やアドバイスをお伝えしていこうと思います。
ターンオーバーでは、何が起きてるの?
エステや美容院でスタッフの方とお話をしていると、ターンオーバーがなんたら…とよく会話に出てきたりします。でも、実に多くの人が「詳しくは分らないけど、まあ生まれ変わりのことね」と判断したら最後、深く考えることはしないでしょう。
そこでまずは、ターンオーバーというのもが一体どんなものなのか、そして一体肌で何が起きているのかを把握しておきましょう。
ターンオーバーとは
冒頭にも書いたように、ターンオーバーとは、肌の新陳代謝のことで、平たく言えば、古い細胞から新しい細胞に生まれ変わることです。肌表面に浮き出てくる垢(あか)は、ターンオーバーによって剥がれた古い皮膚(表皮)です。
健康的な肌の場合およそ28日周期で行われており、またその周期で行われるように努めることが、健康的な美肌になるための秘訣です。
なお、女性に特有の生理周期(月経周期)も28日前後となっています。28日という数字は、うるう年ではない2月の日数に等しいですね。この偶然も摩訶不思議だなあと私は思います。
肌で起きていること
ターンオーバーについてもう少し詳しく説明していきましょう。
肌は、大きく分けて、表側から「表皮(ひょうひ)」と「真皮(しんぴ)」という2つの部分から成っています。さらに、その「表皮」は、表側から順に、次の4つの層に分けることができます。
- 角質層
- 顆粒層(かりゅうそう)
- 有棘層(ゆうきょくそう)
- 基底層
ターンオーバーは、最も真皮に近いところにある基底層の基底細胞から始まります。
生まれ変わった基底細胞は表面に向かって上がっていき、有棘細胞、顆粒細胞と姿を変え、やがては角質層へと上りつめます。まず、このプロセスにかかる時間が、およそ14日と言われています。
次に、角質層まで上りつめたその細胞は、およそ14日のあいだそこに停滞し、肌を守ります。そして最後は垢(あか)となって剥がれ落ちるようになります。
いかがでしょうか。肌のターンオーバーは、以上のように 14日+14日=28日 を一周として行われています(※)。イメージだけで語れば、肌の奥から表に向かってゆっくりと細胞が生まれ変わる、ということです。
※ 日数には、もちろん元々個人差があります。
ところが、このターンオーバーが早くなったり遅くなったりすると、肌にトラブルが発生するようになります。
ターンオーバーの乱れ
ここでは、ターンオーバーが早くなる場合と遅くなる場合とで分けてお伝えしていきましょう。
早くなる場合とその原因
ターンオーバーが早くなる、すなわち、およそ28日の周期がデフォルトであったはずが、それよりも日数が短縮されてしまう場合のことをいいます。
なぜそうなるのかといえば、システム的には、細胞の再生スピードが速くなったことそのものが挙げられますが、それには、やはりそれなりの原因というものがあります。
その原因とは、ずばり「ダメージを受けた肌を早く生まれ変わらせて元に戻してやろう!」といったものです。ターンオーバーシステムを擬人化して喋らせたら、おそらくそのように言うでしょう。
具体的にどんなケースが考えられるかというと、
- 日焼け
- 乾燥
- 肌荒れ
- 間違ったスキンケアによる刺激
- その他肌に刺激となる事柄や行為
といったケースです。実際、多くの人たちにとって心当たりのあることでしょう。そりゃ、人間生きていれば少なからず肌にダメージは加わるものです。でも、対策である程度影響を抑えられるようになります。
遅くなる場合とその原因
では、逆に遅くなる場合を考えてみましょう。すなわち、およそ28日の周期であるその日数が増えてしまう場合です。
なぜターンオーバーが遅くなるのかといえば、システムとしては細胞の再生が遅くなることにほかなりませんが、その原因として考えられるのは、ずばり、
- 老化
です。体も肌も、加齢による老化によって機能が低下します。機能というのは、細胞の再生機能のことも含んでいます。つまりはターンオーバー機能のことも含んでいるというわけです。古くなった体は動きが遅くなりますが、それと同じです。
ほか、その老化を加速する要因は色々あります。先ほど挙げた、ターンオーバーが早くなる原因たちも、後々老化を加速させる要因となります。また、質の悪い食生活や寝不足、ストレスなども、ゆくゆくは老化の加速につながるでしょう。
ターンオーバーが不均一になると起こること
上で述べた、ターンオーバーが早くなる原因と遅くなる原因が、うまく相まって打ち消し合えばいいのに…と考えることもありますが、実際はそんな単純ではありませんよね。
冗談はさておき…、ある部位でターンオーバーが早まる(遅れる)と、比較的正常な部位との差が生まれます。片や綺麗に、片やそのまんま…。想像するだけでも、アンバランスです。結果として、しわやキメの粗さに繋がります。
そもそも、肌に刺激が加わっていたり対策が不十分であるために、敏感肌や肌荒れ等、あらゆる肌トラブルが生じることが考えられます。少しでも早いうちに、ターンオーバーを正常化させる対策を講じたほうが良いでしょう。
ターンオーバー正常化のための対策
対策と一口に言っても、それは無数にあり、先述したさまざまな原因に対応した対策を施すということになります。
- 日焼けをしにくくする
- 基本的な保湿スキンケアをコンスタントに続ける
- メイクはなるべく軽くし、クレンジングしやすいようにする
- クレンジング・洗顔時は決してこすらない
- 食生活を整え、内側から健康的な肌をつくる
- 睡眠を十分にとり、身も心もリセットする
- ストレスを定期的に解消し、自律神経への負担を軽減する
というように、実に数多く存在します。
上のほうでもチラッと述べましたが、人間、生きていれば少なからず肌にダメージは加わるものです。老化現象も、いくら対策を練っても不可避です。多かれ少なかれ、必ずやターンオーバーの乱れはやってきます。
自然の摂理ですから、100%逃げ切ることは不可能です。
「ケアをたくさんすればいいんじゃない?」・・・ケアは大切ですが、やり過ぎは肌への刺激となり、ターンオーバーを早めます。
「じゃあもう何もしない!」・・・何もしなくても強い肌なら良いですが、たいていの人は傷んでしまうかもしれません。
要は、対策では、必要のないターンオーバーの早まりや遅れを極力避けるようにするわけです。あとは、ある程度割り切って乱れとうまく付き合うしかありません。
「厳しいな・・・」と思った方がいらっしゃるかもしれませんが、それが現実というものです。美肌の夢は持ち続けることが大切ですが、実際のケアでは、現実を見据えて肩の力を抜いたほうが、案外うまくいったりすることもあると思います。
夢は持ち続け、でも現実から目を背けず、やれることはやってみようという志を抱き、前向きにケアをしていっていただきたいなあと思います!