水虫は白癬菌というカビの一種の真菌が、角質層に入り込んだ状態のこと。
無症状のものもありますが、実はこの真菌が脳に入り込み死亡した例もごく少数ではありますが、存在します。
水虫は命に関わるイメージがないのが普通ですが、重症になると爪の変形(爪水虫による)で靴が履けなくなったり歩行に支障が出ることもあります。
さらに、糖尿病など免疫機能が低下する疾患に併発することで、雑菌が体内に侵入しやすくなり、筋膜など深部までダメージを受ける可能性があります。
大したことはない、と見過ごされがちな水虫ですが、重症化させると命を脅かす存在になる可能性も。
早期発見・早期治療が重要です。
水虫の初期症状ってどんなもの?
多くの水虫の場合、その初期症状は「かゆみ」です。
虫刺されもない、見た目には特に変わった様子はないのにとにかくかゆい。
これは水虫の典型的な初期症状になります。
なぜ水虫になると足がかゆくなるの?
水虫の初期。
どうして足がかゆくなるのでしょうか。
実はこれは体の免疫反応によるもの。
水虫は私達の皮膚の角質層にあるケラチンをエサにします。
ケラチンが溶けることで、体は菌が角質層にいると気が付きます。
すると、免疫反応としてこの菌を攻撃するための化学物質が角質層に向けて送りこまれます。
この科学物質が細血管や神経を刺激し、かゆみとして脳に伝わります。
水虫菌自体がかゆみを起こしているわけではなく、この水虫菌を排除するための体内の免疫システムがかゆみの原因となっているのです。
かゆくない水虫もある
しかし、水虫の初期症状は全てかゆみかというとそうではありません。
なかには全くかゆみがないままに水虫が進行するケースもあります。
これらの水虫には一体どんな違いがあるのでしょうか。
足白癬のタイプは大きく分けて3パターン
一言で水虫といっても、実はその症状のタイプはいくつかあります。
以下は足白癬に多い3つのタイプ別に特徴をまとめたものです。
| 種別 | 好発部位 | かゆみ | 症状の特徴 |
|---|---|---|---|
| 角質増殖型 | 足の裏、特にかかと部分 | なし | ・皮膚が厚くなり、白くザラザラとしてくる ・皮が剥ける |
| 趾間型 | 指の間・指の股部分 | あり | ・初期症状はかゆみと赤み ・次第に皮膚が白くふやけた様になる ・皮を剥くとじゅくじゅくと液が出る |
| 小水疱型 | 足の裏や側面 | とてもかゆい | 直径2~3㎜程度の水疱や膿疱ができる |
この他にも爪に増殖する「爪水虫」、てに起こる「手水虫」、股間に起こる「いんきんたむし」などがありますが、ここでは足白癬について特記していきます。
水虫の初期に起こる種類別の皮膚変化
先に言いますが、水虫の進行は人それぞれ。気が付いた時にはあっという間に重度になっている方もいます。
ここでは一般的によく見られる水虫の種類別初期症状を画像でまとめます。
【小水疱形成型】
直径1㎜にも満たないような小さな水疱が形成しては消える・・・を繰り返します。
放置をしていると、体調が悪い時などに急激な悪化をしたりしながら少しずつ範囲を広げていきます。
悪化が進むと周囲の皮むけも伴うことが多いです。
【趾間型】
主に指の間に発生しますが、この方の場合は足の小指周囲から発症しました。
薄皮が剥ける範囲が広がり、次第に趾間がじゅくじゅくとふやけたようになり、受診した結果、水虫と診断されています。
革靴や窮屈な靴で密閉状態が長く続く場所は特に高湿潤状態となり、水虫が増殖しやすい環境となります。
趾間型は指の間に限らず、このように高湿潤環境が維持される場所であればどこでも発症します。
【角質増殖型】
かかとの角質が肥厚した場所に白い亀裂が発生。
普段からかかとが肥厚しやすい方でしたが、念のため検査をしたところ白癬菌が確認されました。
このように「よくある足の症状」に見えても、そこに白癬菌が潜んでいる場合があります。
普段から水虫予防を心掛けたケアを行うことが水虫対策においてとても重要です。
ちょっと進行した種類別・見た目の特徴を知ろう
以下は足白癬の3種類の画像です。
自身の足と比べてどうでしょうか?
指の間がふやけています。
この皮部分はカフカフと浮いた状態になり、剥くと中から膿状~水状の液体が出てくることが多いです。
赤みを帯びた水泡が無数にできています。
水虫の小水疱形成の場合、このように多数の水泡が一か所にまとまってできるという特徴があります。
ただし、足の裏・側面にはこれに似たような「汗疱(かんぽう)」という疾患もあります。
これは白癬菌によるものではなく、汗が皮膚内部に溜まったもの。
鑑別には医師の診察、顕微鏡検査が重要です。
【角質増殖型】
かかとの角質が肥厚し、亀裂が入っています。
おもに側面に白癬菌が多く侵入しているようです。
これはヤバイかも・・・と気づく頃の水虫の特徴
多くの方は足がかゆいだけでは受診しないことがほとんど。
しかし、水虫は一度なってしまったら自然治癒はしないものです。
水虫の増殖に適切な環境が与え続けられていることが多く(高温多湿)、水虫はどんどん進行していきます。
重症化した水虫ってどんな感じ?
角質が肥厚するタイプのものは歩行による加重で亀裂が生じやすくなります。
その場合、亀裂は角質層だけに留まらず、毛細血管や神経が通る真皮まで達し、強い痛みを感じたり出血を伴うこともあります。
また、その部分から二次感染を引き起こすリスクもあります。
また爪水虫の場合には爪の変形・肥厚により歩行が困難になる場合も↓
このような場合には、医療機関で爪を削り、薄くしたところでクレナフィンの塗布を続けるのが一般的ですが、クレナフィンを用いても肥厚した爪水虫の場合には改善が思うように進まないという声もあります。
治療開始からどれくらいで完治する?
ある程度進行した水虫であっても、薬さえ合えば完治までは2カ月程度となります。
ただし、問題は水虫の進行とともに足の皮膚だけにとどまらず、爪の中にまで入り込んだ「爪水虫」の場合。
爪は薬が浸透しにくいという特性もあり、治療には足水虫の倍以上の期間が必要になります。
しかし、爪水虫になったとしても、完治は見込めます。
また、以前は爪水虫は飲み薬でしか治らないとされてきました。
しかし、その飲み薬には重篤な肝機能障害を起こす副作用の高く、定期的に血液検査で肝機能を調べたり、他の薬との飲み合わせに制限があったりと取り扱いが難しい側面もありました。
しかし、H27年より爪水虫に塗り薬で効果が出る新薬「クレナフィン」が出てからはこのような心配をせずとも爪水虫の治療ができるようになりました。
しかし薬価が高く、推奨期間である爪の生え変わりまでの48週間使用した場合(両足)は3割負担であっても十万円弱。
完全治癒率は17.8%、真菌学的治癒率なら55.2%。
有効性、安全性の高さから爪水虫の第一選択として選ばれるクレナフィンですが、高額な薬価の改善がこれからの課題になりそうです。
まとめ
たかが水虫、と思う方も少なくありません。
しかし、水虫は進行することで症状が悪化します。
さらに完治までも時間がかかるようになります。
水虫は早期発見、早期治療、再発防止が3原則。
まだいいか・・・
水虫じゃないよね・・・
と見て見ぬふりをせず、あれ?と思ったらまず受診。
水虫は日本の4人に1人が罹患しているほどの頻度で起こる病気です。
まさか自分がと思わず、皮膚の異変があれば疑うようにしましょう。